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石原色覚検査表とは
石原忍(いしはらしのぶ、1879-1963)さんという方が作成した、検出精度がかなり高い『色覚異常検査表』です。
この業界で、陸軍一等軍医出身である彼の名前を聞いたことが無い人は『もぐり』です。
このブログでも度々、『視力と度数の関係』や『年齢と調節力との関係』などで、石原さんの数字を参考にしています。
- 石原色覚異常検査表(一般医療機器クラスⅠ)
- 1916年、半田屋より初出版
- 16表で構成
- 改版毎にその色彩や色の配置が改良される
- 1936年、第七版
- 32表に改良
- 1951年、38表に改良され
- 2013年に改訂、さらに検出精度が高くなる
- 1916年、半田屋より初出版
- 石原色覚異常検査表の分類
- 1類・・正常色覚者および色覚異常者ともに判読可能
- 2類・・正常色覚者と色覚異常者とで異なった読み方
- 3類・・正常色覚者に読みやすく、色覚異常者には読みにくい
- 4類・・色覚異常者に読みやすく、正常色覚者には読みにくい
- 5類・・第1色覚異常と第2色覚異常とを分類する表
他の色覚検査には、『仮性同色表』『パネルD-15』『アノマロスコープ』『100Hue(色相)テスト』『ランタンテスト』などがあります。
- 色覚に関与する3種類の錐体
- 赤感受性錐体
- 緑感受性錐体
- 青感受性錐体
- 白色を見た時は、全ての錐体が刺激される
- 黒色を見た時は、いずれの錐体も刺激されない
- 第一色覚異常・・赤色の判別が困難
- 第二色覚異常・・緑色の判別が困難
- 第三色覚異常・・青色の判別が困難
- 先天性色覚異常の殆どは第一か第二
錐体の感受性に異常がある場合には、色覚異常が生じます。
錐体の感受性に異常が強いものは色盲(Color blindness)と呼ばれ、弱いものは色弱(Color anomaly)と呼ばれます。
2005年以降に眼科用語の改訂が行われ『色盲』や『色弱』という用語を使用しないようになりました。
- 2005年以降の用語
- 第1色盲・・・1型2色覚
- 第2色盲・・・2型2色覚
- 第3色盲・・・3型2色覚
- 第1色弱・・・1型3色覚
- 第2色弱・・・2型3色覚
- 第3色弱・・・3型3色覚
- 全盲・・・1色覚
色の感じ方は人それぞれ違います。
例えば、リンゴの『赤』も、お互いにこの色を『赤』としましょうとしているだけであり、自分以外の色感覚を知ることは出来ません。
正しい基準がありませんので、補正することは出来ません。
但し、色の識別を『カラービュー』などで補助する事は出来ます。
石原色覚検査表の起源
当時、軍隊では軽度の色覚異常でも問題であるとされておりました。
その時に主に使用されていたのは『スチリング仮性同色表』というものでしたが、軽度の色覚異常などの検出精度が低いものでした。
正常色覚を誤って検出されたりもしました。
大日本帝国の軍医であった石原忍さんは、徴兵検査用に新たな色盲検査表を開発したのが起源となります。
2003年度から、学校保健安全法施行規則一部改正により、小学校での定期健康診断での『色覚検査』は廃止されました。
2014年の文部科学省が各都道府県教育委員会の委員長に宛てた手紙をきっかけに『色覚検査』を実施する小学校も増えております。
先天的な色覚異常の割合は女性(約0.2#)よりも、男性に多く(約4.5%)みられます。
児童生徒が、自身の色覚特性を知らないままに不利益を受ける事がないようにしたいものです。
個性として早くから自覚することが出来れば、対策したりもできるでしょう。
- 正常色覚が条件(必須とは限らない)となる職業の目安
- 鉄道運転士
- 航空機乗務員
- 自衛官
- 消防官
- 小型船舶操縦士・・・等
石原色覚検査表の原理
赤緑の色覚異常には良く見えない『赤』と『緑』の他に、良く見える『青』と『黄』を使用することで、『赤』や『緑』で書かれた文字は読みづらくなります。
逆に、正常色覚では『赤』と『緑』が良く見えるため、正常色覚では読みづらいが、赤緑の色覚異常では読みやすい文字の配列を作ることも出来ます。
- 赤緑の色覚異常・・『青』『黄』>『赤』『緑』
- 正常色覚・・『青』『黄』<『赤』『緑』
では、以下のはどうでしょうか?
『見えない』という返答が多かったので、コントラストを下げて編集してみました。実は、私も色弱ですので分かりませんでした。
少しは、分かりやすくなりました!?
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