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『コンタクトレンズと同度数で作成』が意味する事は
それは、コンタクトレンズよりも少し遠くが見えづらい眼鏡を作成する事。
を意味します。そうしたい場合には良いでしょう。
『コンタクトレンズより強く(視力)したい』が意味する事は
コンタクトレンズより遠くは見えやすいが、足元がコンタクトレンズよりも歪んだりしますので、距離感などの慣れが必要になる眼鏡を作成する事。場合によっては掛けられない眼鏡。
を意味します。
コンタクトレンズと眼鏡の違いを知ろう!
例えば、眼鏡をコンタクトレンズと同じ度数で作成しても、同じ見え方にはなりません。
えっ!同じ見え方にならないの?
って思ったあなたは素直な人です。でもよくよく考えると、同じになる訳ありませんよね!?
眼とレンズの距離も違えば、コンタクトレンズは角膜に接触している為、角膜形状も変わったりしますよね。
- 眼鏡作製に必要になるのは主に以下の2つ
- PD(瞳孔間距離)
- 度数(Sph/Cyl/Ax)
- あとは、作成後にフィッテングで以下のように合わせます
- VD(角膜頂点間距離)12mm
- Tilting(前傾角)10°・・・など
- コンタクトレンズだと
- ベースカーブ(BC)
- 度数(POWER/PWR/P/D/SPH)
- 直径(DIA)
- 使用期限(EXP)
と、何だか必要になる数字が違いますね。
- 眼鏡作製で、よくある勘違い
- コンタクトと同じ度数で作れば、同じ視力になる。
- コンタクトと同じ視力なら、見え方も同じになる。
その結果、あとで、『眼鏡度数が強く感じる』とか『見え方が合わない』などと後悔している方が意外と多くいます。
見え方で失敗しない為に、後悔しないように、今から解説していきますね。
度数が同じでも、視力が違う
これは、眼とレンズの距離による違いです。
眼とレンズの距離が離れれば離れるほど、レンズの補正力が弱くなります。つまり、プラス寄りになっていきます。
その結果、同じ度数でも遠くが見えづらくなり、視力も下がります。
例えば電車の中の光景で、ご年配の方が鼻眼鏡にしてスマホとか見てたりしてませんか?
あれは、掛かりが緩くてズレ落ちている訳ではなくて(おそらく・・・)眼とレンズの距離を離した方が見えやすいからなんですよね。
実際に、どの程度の変化なのかといいますと、以下の計算式になります。
- D眼鏡=Dコンタクト÷(1+d×Dコンタクト)
- D眼鏡:眼鏡の度数
- Dコンタクト:コンタクトレンズの度数
- d:眼とレンズまでの距離
- 計算例としては、
- コンタクトレンズ度数を−8.00[D]、
- コンタクトレンズ装用距離0.000m、
- 眼鏡装用距離0.012mとした時の
- 眼鏡度数を求めてみますと、
- −8.00÷(1+0.012×(−8.00))=−8.00÷0.904=−8.849557・・・
- つまり、12mm離れた眼鏡での補正には、約−8.85の強さが必要になるという事です。
- よって、−8.00の度数が12mm離れると、0.85[D]分の弱補正になる事を示します。
度数が強い程、距離での度数変化が強くなります。0.85D(既製品の+1.00より弱い位)の影響がでます。
装用距離による度数は、以下の換算表を参考にしてみて下さい。
実際のコンタクトレンズ装用での視力は、コンタクトレンズ度数だけではなく、ベースカーブなどでも異なりますので、上記の換算表は視力の換算ではないので注意です。
コンタクトレンズはハードかソフトかでも異なり、角膜乱視や水晶体乱視、涙液レンズなどの影響も受けます。
視力が同じでも、見え方が違う
眼鏡視力とコンタクトレンズ視力が同じでも、歪みなどが変わります。
眼鏡は、レンズの収差による歪みを感じたり、プリズムによる床が浮いて見えたり、物が小さく見えたり、見え方は異なります。
歪みやプリズムの影響を少なくする為に、小さい枠の眼鏡を選ぶと良いです。特に最近、流行りの天地幅がある大枠は避けた方がよいですよ。
レンズを非球面設計(主に非点収差を抑えたレンズ)の薄いレンズにして、鼻元(クリングス)の調整で目とレンズの距離(角膜頂点間距離)を近づけられるフレームを選ぶと良いですね。
『眼鏡とCL』の『メリットとデメリット』(おまけ)
- 眼鏡のメリットは、
- 角膜に触れないので感染症などのリスクが少なく安全で、付け外しとメンテナンスが楽です。
- 有害な紫外線(カラーレンズなどによる特定光のカット)や埃・⾬・⾵などから眼を守れます。
- TPO に応じて掛けかえができるので、ファッションアイテムとしての利用が可能。
- コンタクトレンズでは出来ないプリズムによる斜位や斜視の矯正が可能。・・・など
- 眼鏡のデメリットは、
- レンズの端で⾒ると歪んで⾒えたり、眼の大きさや見え方が変わるなどの光学的な問題(レンズ収差、像倍率、周辺部のプリズムなど)が起こります。これらは、装⽤距離を短くし、⼩さい玉形サイズを選ぶことで改善されます。
- 汗をかくとズレ落ちたり、運動時に外れて破損する可能性があります。しっかりフィッテングしましょう。
- 近方視のプリズム効果(輻輳や開散に影響する)がある。これば、良くも悪くも働きます。
- 大枠であったり、度数が強いと重くなります。特に、上下プリズムの場合には天地幅が狭いフレームを選びましょう。・・・など
- コンタクトレンズのメリットは、
- 主に光学的に優れている事です。レンズが眼球と共に動く為、歪みが少なく視野が広いです。特に軸性不同視よりも屈折性不同視には、違和感が少なく左右同じ視力を得やすいです。
- 顔の印象を変えず素顔の魅⼒が出せたり、湯気などで曇る事も少ないです。とはいえ、寝る前や⾓膜障害が起きた場合にはコンタクトを外さなければなりませんので眼鏡は必要不可欠となります。
- コンタクトレンズのデメリットは、
- 角膜に触れる為、感染症のリスクがある
- 付け外しが手間で、保管などが大変。清潔が必須
- 定期健診が必要
- プリズム処方が出来ない・・・など
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