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1 白血球でないのはどれか。
1.単 球
2.血小板
3.好中球
4.好塩基球
5.リンパ球
正解・・2
血液成分の1%を占める白血球は、顆粒球(好中球、好酸球、好塩基球)と無顆粒球(単球とリンパ球)で構成されます。
2 神経堤に由来する組織はどれか。
1.視神経
2.水晶体
3.脈絡膜
4.神経網膜
5.網膜色素上皮
正解・・3
視覚系の組織は、神経外胚葉、表皮外胚葉、中胚葉、神経堤に由来します。
視神経や網膜は神経外胚葉に由来します。水晶体は表皮外胚葉に由来します。脈絡膜や強膜や毛様体筋は神経堤に由来します。
3 視神経管を通るのはどれか。 2 つ選べ。
1.眼神経
2.眼動脈
3.視神経
4.滑車神経
5.上眼静脈
正解・・2、3
眼窩から頭蓋内を通る穴は、視神経管、上眼窩裂、下眼窩裂の3つです。

視神経管を通るのは、視神経、眼動脈、交感神経です。
上眼窩裂を通るのは、動眼神経、滑車神経、三叉神経第1枝、外転神経、上眼静脈。
下眼窩裂を通るのは、三叉神経第2枝。
4 トルコ鞍腫瘍でみられないのはどれか。
1.視神経萎縮
2.接合部暗点
3.内分泌異常
4.両耳側半盲
5.顔面神経麻痺
正解・・5
トルコ鞍は頭蓋骨の中心にある下垂体が収まるくぼみです。
下垂体の直上には視交叉が存在するため、腫瘍により圧迫されると両耳側半盲になります。また、下垂体はホルモン分泌に関わるため、下垂体腫瘍による内分泌異常がみられます。
5 曝露と眼障害の
組合せで正しいのはどれか。 2 つ選べ。
1.日 光 ー 網膜症
2.落 雷 ー 緑内障
3.赤外線 ー 電気性眼炎
4.超音波 ー 斜 視
5.放射線 ー 白内障
正解・・1、5
日食を肉眼で直視することで、黄斑部に火傷が生じる日光網膜症などがあります。雷撃傷では白内障など。電気性眼炎は紫外線によるもの。加齢性白内障では皮質から濁るものが多く、放射線白内障では後嚢下からが多くみられます。
6 MRI で禁忌となるのはどれか。
1.義 眼
2.眼内レンズ
3.セラミック歯
4.心臓ペースメーカー
5.ハードコンタクトレンズ
正解・・4
MRIにて禁忌とされるものは、金属や発熱素材。義眼でも磁石が含まれるものはNG。セラミック歯は金属製ではないのでOK。カラーコンタクトレンズは角膜熱傷の報告もありNG。
7 一次救命処置はどれか。 2 つ選べ。
1.人工呼吸
2.気管内挿管
3.アトロピン硫酸塩点眼
4.パルスオキシメータ装着
5.自動体外式除細動器〈AED〉による除細動
正解・・1、5
一次救命処置(Basic Life Support:BLS)とは、救急隊や医師に引き継ぐまので間に行われる救命処置で、急な呼吸停止や心停止に対して行います。主に、胸骨圧迫と人工呼吸による心肺蘇生法(CPR)、自動体外式除細動器(AED)を用いた除細動です。
AEDは心静止(心臓の電気的活動が完全に停止した状態)ではなく、心停止で行われます。
8 臓器の移植に関する法律の適応でないのはどれか。
1.角 膜
2.肝 臓
3.心 臓
4.腎 臓
5.大 脳
正解・・5
臓器は、内臓(心臓、肺、肝臓、腎臓、膵臓・小腸)と眼球です。
9 平滑筋はどれか。 2 つ選べ。
1.心 筋
2.Müller 筋
3.胸鎖乳突筋
4.大腿四頭筋
5.瞳孔散大筋
正解・・2、5
心筋には横紋もあるが不随意筋。
胸鎖乳突筋は、胸骨と鎖骨から乳様突起に向かう首横の筋肉で、随意的な横紋筋。
大腿四頭筋は、太もも前側にある4つの筋肉の総称で、随意的な横紋筋。
10 交感神経の興奮により起こる反応はどれか。
1.散 瞳
2.瞬 目
3.調 節
4.対光反射
5.涙液分泌
正解・・1
調節や対光反射では縮瞳が起こり、副交感神経。流涙は交感神経緊張状態から副交感神経の興奮状態へのスイッチによるもの。
11 正弦波(別冊No. 1)を別に示す。この波の周波数[Hz]はどれか。

1. 5
2.10
3.20
4.40
5.50
正解・・3
100msec=0.1秒 です。
別冊No1.の図から、2回/100msec=20回/1秒=20[Hz]
12 コンタクトレンズの Dk 値が示すものはどれか。
1.含水率
2.酸素透過係数
3.紫外線〈UV〉カット率
4.表面張力
5.水濡れ性
正解・・2
D[cm2/sec]は拡散率で、酸素が素材中を通過する速さを表します。k[ml O2/ml of material× mmHg]は溶解度で、素材に含まれる酸素の量を示します。
Dk値は素材により決まりますが、Dk/t値はコンタクトレンズ中心厚で割るため遠視度数などの場合には低くなり角膜への酸素が少なくなります。
13 瞳孔間距離 60 mm、完全屈折矯正後に交代プリズム遮閉試験で測定した遠見眼位( 5 m)は 3 Δの外斜視、近見眼位(33 cm)は 6 Δの外斜視であった。AC/A 比[Δ/D]はどれか。
1. 3
2. 4
3. 5
4. 6
5. 7
正解・・3
Heterophoria AC/A比
=PD [cm]+{(近方斜位)-(遠方斜位)}/(調節刺激変化量) から
6.0+ {(-6) -(‐3)}/ (1/0.33) ≒6.0+(-3)/3=5[Δ/D]
14 光軸に垂直な平面上の格子パターン(中央)と、この格子パターンをレンズ A とB を通して映った像 A 及び像 B(別冊No. 2)を別に示す。A 及び B の収差はどれか。

1.球面収差
2.コマ収差
3.像面湾曲
4.非点収差
5.歪曲収差
正解・・5
歪曲収差(ディストーション)による像Aは凹レンズによる樽型、像Bは凸レンズによる糸巻き型。

15 眼球光学系において、角膜前面から節点までの距離[mm]はどれか。
1.1.5
2.3.0
3.5.0
4.7.0
5.9.0
正解・・4
模型眼の値から約7mm。
16 脳幹網様体に存在するニューロン群が関与するのはどれか。
1.滑動性追従運動
2.眼振の緩徐相
3.固 視
4.衝動性眼球運動
5.輻 湊
正解・・4
バーストニューロンが関与するのは衝動性眼球運動(サッケード)で、滑動性追従運動や固視、輻輳には関与しません。
一方で、オムニポーズニューロン(OPN)は持続的に発火することでバーストニューロンを抑制し眼球を停止させる固視に関与します。
17 +3.00 D の遠視で +2.00 D のコンタクトレンズを装用したとき、近点は眼前40 cm であった。調節力[D]はどれか。
1.2.5
2.3.0
3.3.5
4.4.0
5.4.5
正解・・3
コンタクトレンズ装用状態での未補正度数は+1.00D。眼前40cmの調節刺激はD=1/0.40=2.50[D]ですので、調節力は2.50+1.00=3.50[D]
18 正常両眼視の健常人が視標 T を固視しているときのホロプタと Panum の融像感覚圏(別冊No. 3)を別に示す。交差性複視の複像間距離が最も離れている視標はどれか。

1.①
2.②
3.③
4.④
5.⑤
正解・・5
固視点Tより奥にあるパーヌムエリア外の①と②は同側性複視、手前にある④と⑤は交差性複視。
19 視能訓練士が行えないのはどれか。
1.色覚検査
2.角膜知覚検査
3.眼球突出度検査
4.涙道通水通色素検査
5.コンタクトレンズの装脱指導
正解・・4
人体に影響を及ぼす程度が高い検査として、涙道通水通色素検査は行うことができません。ただし、フルオレセイン点眼などの色素を点眼するだけの検査は医師の指示のもとで行うことができます。涙道に器具を挿入して通水する操作は不可です。
20 QOV はどれか。
1.視覚の質
2.人生の質
3.睡眠の質
4.生活の質
5.生命の質
正解・・1
QOVとはQuality of Vision(視覚の質)の略です。視力以外にもコントラスト感度や色の見え方、暗所での視認性、眩しさの軽減など総合的な見え方の快適さを目指す概念です。
Lifeは「生命、生活、人生」などの意味があり、Lifeの質はQuality of Life (QOL)といいます。
21 オートレフケラトメータで測定できないのはどれか。
1.乱視軸
2.円柱度数
3.球面度数
4.角膜屈折力
5.角膜後面曲率半径
正解・・5
測定できるのは、角膜後面ではなく前面の曲率半径(R1弱主経線、R2強主経線、AVE平均)。
22 右眼の屈折度が -1.00 D、40 歳で眼内レンズ挿入眼の患者に Humphrey 視野計検査を行う。補正レンズ度数[D]はどれか。
1.+0.25
2.+1.25
3.+2.25
4.+3.25
5.+4.25
正解・・3
眼内レンズ挿入眼は+3.25Dを補正レンズ度数としますが、屈折度-1.00Dを考慮して+2.25D。
23 検査と両眼分離方法の組合せで正しいのはどれか。
1.Stereo fly test ー 円柱回折格子
2.Worth 4 灯試験 ー 赤青眼鏡
3.大型弱視鏡検査 ー 鏡 筒
4.Lang stereo test ー 偏光フィルタ
5.JACO stereo test ー 赤緑眼鏡
正解・・3
ステレオフライテストは、偏光フィルタ。
Worth 4 灯試験は、赤緑眼鏡。
Lang stereo testは、円柱回折格子。
JACO stereo testは、赤青眼鏡。
24 牽引試験が陽性となるのはどれか。
1.甲状腺眼症
2.MLF 症候群
3.外転神経麻痺
4.間欠性外斜視
5.交代性上斜位
正解・・1
甲状腺眼症では、眼窩組織の自己免疫性炎症による上転障害(麻痺性下斜視)、外転障害(麻痺性内斜視)、下転障害(麻痺性上斜視)などが起こります。眼球突出や外眼筋の腫大により眼球牽引試験では陽性となります。
25 眼球突出度の測定に用いるのはどれか。 2 つ選べ。
1.大型弱視鏡
2.前眼部 OCT
3.Hess 赤緑試験
4.Hertel 眼球突出計
5.ディスタントメータ
正解・・4、5

26 国家資格で視能検査や視能訓練を行う医療専門職の英語の略称はどれか。
1.CO
2.OT
3.MT
4.ORT
5.OMA
正解・・1
ORT(Orthoptist)は海外では通用しないため、CO(Certified Orthoptist)を視能訓練士の正式な略称として用います。OMA(ophthalmic medical assistant)は廃止された眼科検査員の略称。
OTは作業療法士(Occupational Therapist)、MTは臨床検査技師(Medical Technologist)の略称。
27 過熟白内障術前検査の順番で最後に行うのはどれか。なお検査は全て同日中に行うものとする。
1.視力検査
2.超音波 A モード
3.角膜トポグラフィ
4.オートケラトメータ
5.オートレフラクトメータ
正解・・2
28 患者の医療上の問題を全人的に捉え、その問題解決を論理的に進めるための考え方や一連の作業システムはどれか。
1.DOS
2.EBM
3.IC
4.POS
5.QOL
正解・・4
DOS(Disease/Doctor Oriented System)とは、疾患/医師中心の医療システムのことです。一方で、POS(Problem/Patient/Person Oriented System)とは、患者が抱える問題中心の医療システムのことです。近年では、DOSからPOSへの移行が進んでいます。
EBM(Evidence-Based Medicine)は、根拠に基づく医療のことです。最良の根拠を用いて患者のケアに関する意思決定(臨床医の経験や患者の価値観、最良の科学的情報を統合して)を行う医療のアプローチです。
IC(Informed Consent)とは、説明と同意。QOL(Quality of Life)とは、生命/生活/人生などの質。ICの結果、QOLを重視した選択をするなど。QOLの対比として、その後にあるQOD(Quality of Death)という意識も高まりつつあります。
29 視角 5 分の切れ目をもつ Landolt 環の切れ目の方向がかろうじて判別できた。視力はどれか。
1.0.02
2.0.05
3.0.2
4.0.5
5.2.0
正解・・3
少数視力=1/視角[分]=1/5=0.2

30 屈折検査で雲霧に用いるのはどれか。
1.円柱レンズ
2.遮光レンズ
3.偏光レンズ
4.球面凹レンズ
5.球面凸レンズ
正解・・5
調節緩解のために用いるレンズは球面凸レンズ。
31 処方された累進屈折力眼鏡の遠用部の度数をレンズメータで測定した結果(別冊No. 4A)と加入度を示す隠しマーク(別冊No. 4B)とを別に示す。 処方された近用部の度数はどれか。

1.+2.25 D
2.+2.25 D cyl-1.25 D 90°
3.+0.75 D cyl+2.25 D 90°
4.+3.00 D cyl+1.00 D 90°
5.+3.00 D cyl-2.00 D 90°
正解・・5
スコア表示された結果Aから、S+0.75 C-2.00 Ax90°(S-1.25 C+2.00 Ax180°)。
結果Bの22は加入度数2.25を指します。
よって、近用度数は S+3.00 C-2.00 Ax90°(S+1.00 C+2.00 Ax180°)
32 Humphrey 視野計の 3 dB に相当する視標輝度[asb]はどれか。
1. 3
2. 333
3. 500
4.3,333
5.5,000
正解・・5
ハンフリー視野計の最大指標輝度は10,000asbに設定されており、0dBに相当します。
指標輝度[asb]=10000×10(−3db/10) ≒10000 ×0.5012=5012[asb]

33 患者に視標を固視させて測定するのはどれか。 2 つ選べ。
1.両眼視眼位
2.生理的安静位
3.絶対的安静位
4.融像除去眼位
5.解剖学的安静位
正解・・1
固視により融像性輻輳が作用します。調節が必要であれば調節性輻輳、近見であれば近接性輻輳が生じます。また、緊張性輻輳は、解剖学的安静位から生理的安静位または融像除去眼位までの輻輳です。
解剖学的安静位は死後などにみられる眼位(神経系統による眼筋への支配がない状態)、生理的安静位(最低限の神経性緊張での眼位)は深い睡眠中や麻酔中などにみられる眼位ですので、固視させて測定することはできません。
34 Bagolini 線条レンズを装用して患者が融像できた範囲(別冊No. 5)を別に示す。 考えられるのはどれか。

1.左滑車神経麻痺
2.左動眼神経麻痺
3.右外転神経麻痺
4.左眼窩吹き抜け骨折
5.右 double elevator palsy
正解・・1
右下方視が融像できていません。左滑車神経麻痺によるもので、滑車神経(Ⅳ)は上斜筋を支配する脳神経の一つです。


35 限界フリッカ値が低下しないのはどれか。
1.視神経炎
2.うっ血乳頭
3.外傷性視神経症
4.虚血性視神経症
5.Leber 遺伝性視神経症
正解・・2
限界フリッカ値が低下する主な原因は、視神経炎や視神経症、錐体細胞の障害、白内障などの中間透光体混濁などです。CFFの正常値は35Hz以上、25Hz以下は異常とされます・
うっ血乳頭は頭蓋内圧の上昇により視神経乳頭が腫れ、むくみや充血が起こる状態です。脳の異常を示す症候です。
36 以下に緑内障の定義を示す。(A)に当てはまる語句はどれか。「緑内障は、視神経と視野に特徴的な変化を有し、通常、(A)を十分に下降させることにより視神経障害を改善もしくは抑制しうる眼の機能的構造的異常を特徴とする疾患である」
1.拡張期血圧
2.眼 圧
3.眼瞼圧
4.収縮期血圧
5.脳 圧
正解・・2
緑内障の特徴は視神経乳頭の陥凹や視野欠損です。眼圧を下げることで進行を抑えられる可能性がありますが、眼圧が正常でも発症する正常眼圧緑内障もあります。
37 房水が主に流出する古典的流出路〈主経路〉に含まれないのはどれか。
1.Schlemm 管
2.集合管
3.上強膜静脈
4.線維柱帯
5.ぶどう膜
正解・・5
古典的流出路(繊維柱帯経路)は、繊維柱帯からシュレム管(Schlemm’s Canal)、集合管を経て上強膜静脈へ流れ込みます。
非古典的流出路(ぶどう膜強膜流出路)は毛様体から強膜へ拡散する経路です。房水の10~20%はこの経路を通ります。
38 Schirmer 試験紙の挿入部で正しいのはどれか。
1.下眼瞼耳側
2.下眼瞼中央
3.下眼瞼鼻側
4.上眼瞼耳側
5.上眼瞼鼻側
正解・・1
シルマー試験紙を挟む場所は、下眼瞼耳側の1/3。5分放置して後に湿る試験紙の長さから涙の分泌量を測定します。自然分泌、刺激の有無などで測定する方法によりⅠやⅡ法があります。
39 うっ血乳頭にみられる視野異常はどれか。
1.弓状暗点
2.中心暗点
3.鼻側階段
4.盲中心暗点
5.Mariotte 盲点拡大
正解・・5
初期段階では、Mariotte盲点拡大、一過性黒内障(Amaurosis fugax) 。進行すると、求心性視野狭窄、周辺視野障害などがみられます。
40 先天上斜筋麻痺で正しいのはどれか。
1.回旋複視を自覚する。
2.顎上げの頭位異常がみられる。
3.広い垂直方向の融像域をもつ。
4.両眼性は大角度の内方回旋偏位を伴う。
5.片眼性の水平偏位は A 型斜視の形になる。
正解・・3
頭位異常では、健側への頭部傾斜、顔回し、顎引きがみられます。
41 先天色覚
異常の原因で正しいのはどれか。 2 つ選べ。
1.杆体 1 色覚は錐体のみが機能している。
2.錐体 1 色覚は杆体のみが機能している。
3. 1 型 2 色覚は長波長感受性錐体〈L 錐体〉が欠損している。
4. 2 型 2 色覚は中波長感受性錐体〈M 錐体〉が欠損している。
5. 3 型 3 色覚は短波長感受性錐体〈S 錐体〉が欠損している。
正解・・3、4
1型色覚はL錐体(赤)異常、2型色覚はM錐体(緑)異常、3型色覚はS錐体(青)異常です。
- 杆体1色覚・・杆体のみが機能
- 錐体1色覚・・錐体のみが機能
42 身体表現性障害〈心因性視能障害〉と弱視との鑑別に有用でないのはどれか。
1.性 差
2.静的視野
3.動的視野
4.発症年齢
5.裸眼視力
正解・・5
心因性視能障害の発症年齢は7~12歳、特に女児に多くみられます。管状視野やらせん状視野などの非生理的パターン、トリック法で矯正視力の改善がみられることもあります。
43 就学時の健康診断の実施を規定しているのはどれか。
1.学校教育法
2.児童福祉法
3.成育基本法
4.母子保健法
5.学校保健安全法
正解・・5
学校保健安全法 第11条(就学時の健康診断)「市町村の教育委員会は、児童が小学校に就学する前に、その健康診断を行わなければならない。」というように義務付けられています。
44 内麦粒腫で化膿性炎症を生じる部位はどれか。
1.Zeis 腺
2.Moll 腺
3.Krause 腺
4.Meibom 腺
5.Wolfring 腺
正解・・4
内麦粒腫は眼瞼内側(瞼板)にあるMeibom腺の炎症。外麦粒腫は眼瞼外側(睫毛)にあるZeis腺・Moll腺の炎症。

45 交感性眼炎を起こす可能性があるのはどれか。
1.化学熱傷
2.眼瞼裂傷
3.電気性眼炎
4.穿孔性眼外傷
5.眼窩吹き抜け骨折
正解・・4
交感性眼炎(sympathetic ophthalmia)とは、穿孔性眼外傷(貫通傷)や眼内手術後などにより自己抗原が免疫系にさらされ、もう片方の眼にも炎症が波及するという非常に稀で重篤な両眼性ぶどう膜炎です。
46 「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」の 5 類感染症に該当し、「学校保健安全法施行規則」で出席停止期間が規定されている疾患はどれか。
1.春季カタル
2.乾性角結膜炎
3.真菌性眼内炎
4.急性出血性結膜炎
5.アカントアメーバ角膜炎
正解・・4
47 遠視化するのはどれか。
1.円錐角膜
2.核白内障
3.眼軸長の伸長
4.有機リン中毒
5.中心性漿液性脈絡網膜症
正解・・5
遠視化するのは皮質白内障で、核白内障は近視化します。
中心性漿液性脈絡網膜症は、網膜下に漿液が漏出し黄斑部が浮き上がることで網膜の位置が眼球の前方に移動するため遠視化。
48 網膜中心動脈閉塞で正しいのはどれか。
1.ERG は消失型である。
2.視力障害は緩徐に進行する。
3.全身疾患とは無関係である。
4.中心窩の色調は正常である。
5.OCT で網膜外層の異常を示す。
正解・・4
網膜中心動脈閉塞(CRAO)は、a波は保たれ、b波が消失または著減する陰性ERGです。消失型ERGは、a波・b波ともに消失するパターンです。
突発発症する急性疾患です。高血圧、糖尿病、動脈硬化、心疾患などの全身疾患と深く関連します。
網膜全体が虚血により白濁しますが、中心窩は脈絡膜から血流を受けるため虚血にはなりません。中心窩の色調は正常だが、周囲とのコントラストの違いにより赤く目立つチェリーレッドスポットが出現します。
OCTでの網膜内層に高反射や浮腫がみられます。
49 V 型斜視の原因はどれか。 2 つ選べ。
1.外直筋不全
2.下直筋不全
3.上斜筋不全
4.上直筋過動
5.内直筋過動
正解・・3、5
A型斜視・・上直筋/上斜筋の過動、内直筋/外直筋/下直筋/下斜筋の不全
V型斜視・・上直筋/上斜筋の不全、内直筋/外直筋/下直筋/下斜筋の過動
50 プリズム眼鏡の適応となるのはどれか。
1.偽内斜視
2.感覚性内斜視
3.後天固定内斜視
4.部分調節性内斜視
5.屈折性調節性内斜視
正解・・4
屈折性調節性内斜視では遠視矯正眼鏡により内斜視はなくなりますが、部分調節性内斜視では遠視矯正眼鏡での内斜視が残りますのでプリズム入り眼鏡が適用となります。
51 不同視弱視で誤っているのはどれか。
1.早期発見・治療が重要である。
2.遠視性不同視は弱視の原因となる。
3.10 歳以上でも未治療であれば弱視訓練を行う。
4.器質疾患があっても感受性期間は弱視訓練を行う。
5.調節麻痺薬点眼下の屈折検査は初診時にのみ行う。
正解・・5
調節麻痺薬点眼下の屈折検査は初診時以外にも、眼鏡処方や治療経過中で行われます。
52 重症筋無力症の治療薬はどれか。 2 つ選べ。
1.トロピカミド
2.フェニレフリン塩酸塩
3.副腎皮質ステロイド薬
4.抗コリンエステラーゼ薬
5.シクロペントラート塩酸塩
正解・・3、4
症状緩和を目的とする抗コリンエステラーゼ薬、免疫異常に介入する副腎皮質ステロイド薬などが使用されます。
53 Brown 症候群にみられないのはどれか。
1.顎上げ
2.顔回し
3.V 型斜視
4.上下斜視
5.下斜筋過動
正解・・5
Brown症候群では内転位での上転障害がみられます。上斜筋腱の滑車部での障害により上転へ制限がある状態です。
54 内斜視で近見斜視角が遠見よりも大きいときに考えられるのはどれか。 2 つ選べ。
1.強度近視がある。
2.AC/A 比が高い。
3.開散が不全である。
4.異常神経支配がある。
5.近接性輻湊が過剰である。
正解・・2、5
55 交代性上斜位で正しいのはどれか。
1.下転障害を伴う。
2.素早い固視交代がみられる。
3.頭位異常で両眼単一視を得る。
4.下方視で上下偏位がみられない。
5.視覚入力の左右差で誘発される。
正解・・5
視覚入力の左右差や片眼遮蔽などで誘発されます。
56 中心抑制暗点を伴うのはどれか。
1.微小斜視
2.乳児内斜視
3.滑車神経麻痺
4.感覚性外斜視
5.交代性上斜位
正解・・1
微小弱視は、斜視角が非常に小さく外見上は正常に見える弱視です。
中心窩に抑制暗点が形成されることが多く、Worth 4 Dot Tset(W4D)や偏光4ドットテスト(P4DOT)などで抑制暗点の有無や定量を評価できます。
57 間欠性外斜視に対する flashing method で誤っているのはどれか。
1.抑制除去訓練である。
2.交差性複視を自覚させる。
3.固視眼に赤フィルタを装用する。
4.遮閉の頻度を徐々に少なくする。
5.部屋の明るさは抑制の深さによらず一定とする。
正解・・5
抑制の深さ(浅い・中程度・深い)により、部屋の明るさ(弱照明・暗室・中照明)を調整します。
58 屈折異常弱視で考えられる右眼と左眼の屈折度[D]の組合せで正しいのはどれか。
右眼 左眼
1.+8.00 +9.00
2.+7.50 +2.00
3.+1.50 +2.50
4.-1.00 -3.00
5.-5.00 -5.00
正解・・1
R+8.00 L+9.00 両眼とも強度遠視により視覚刺激が不十分
R+7.50 L+2.00 不同視弱視
59 視能矯正のインフォームドコンセントで誤っているのはどれか。
1.自発的な同意を得る。
2.同意後に撤回できる。
3.アドヒアランスを高める。
4.患者に不利益な情報も説明する。
5.視能訓練士が治療法を選択する。
正解・・5
インフォームドコンセントとは、説明、同意、理解。
コンプライアンスとは、医師の指示に従う受動的な姿勢。
アドヒアランスとは、患者が治療方針に納得して能動的に参加する姿勢。
コンコーダンスとは、医療者と患者が対等な立場で治療方針を協働決定する考え方。
60 片眼弱視に対する視能矯正で正しいのはどれか。
1.遮閉時間は弱視の程度によらない。
2.視力の改善後は遮閉時間を漸減する。
3.遮閉膜は形態覚遮断弱視に有効である。
4.両眼開放下の弱視眼の視力は片眼遮閉下より良い。
5.アトロピン硫酸塩点眼では遠見でのペナリゼーションの効果がある。
正解・・2
形態覚遮断弱視は、先天性白内障や重度眼瞼下垂などにより視覚刺激が長期間にわたり網膜に届かないことで視力発達が阻害される弱視ですので、原因除去が優先されますので遮蔽膜は無効。
penalisationとは健眼にペナルティを与える(調節麻痺剤、強い凸レンズなど)方法で、アトロピン硫酸塩点眼によるものは近見での効果が高い。
61 間欠性外斜視に対する斜視視能訓練の適応で正しいのはどれか。
1. 3 歳までである。
2.弱視を伴っている。
3.開散側の融像幅が狭い。
4.輻湊近点が 20 cm である。
5.外斜視時に不調和性複視がある。
正解・・4
輻輳近点(NPC: Near Point of Convergence)の正常値は、通常2〜8cm程度です。斜視角が大きすぎる場合(およそ15Δより大)は適応とはなりません。
62 プリズム療法の目的で誤っているのはどれか。
1.輻湊の誘発
2.残存視野の活用
3.両眼視機能の獲得
4.眼球運動速度の改善
5.両眼単一視野の拡大
正解・・4
63 5 Δ外斜視と 5 Δ右上斜視を中和するプリズムの基底方向で正しいのはどれか。 2 つ選べ。
1.右 45°
2.左 135°
3.右 315°
4.左 225°
5.右 0°、左 270°
正解・・2、3
中和するプリズムは5ΔBIと右5ΔBD、もしくは5ΔBIと左5ΔUです。ベクトルを合成して右315°、もしくは左135°、スカラーは5√2Δ。
64 甲状腺眼症で誤っているのはどれか。
1.上転障害が多い。
2.眼球突出がみられる。
3.Graefe 徴候がみられる。
4.眼圧がむき眼位で変化する。
5.朝より夕方で症状が悪化する。
正解・・5
Graefe徴候とは、眼球を下方へ動かした際に、上眼瞼の下降が遅れて強膜が露出する現象(lid lag、上眼瞼遅延)です。
65 片眼性の弱視治療で正しいのはどれか。
1.眼鏡装用は不要である。
2.健眼終日遮閉から開始する。
3.健眼が弱視化するリスクはない。
4.患児が嫌がれば健眼遮閉は行わない。
5.視力改善後も弱視の再発に注意する。
正解・・5
66 68 歳の男性。数日前からの複視と左眼の眼瞼下垂を主訴に来院した。 9 方向むき眼位写真と Hess 赤緑試験の結果①~⑤(別冊No. 6)を別に示す。 この患者の Hess 赤緑試験の結果はどれか。


1.①
2.②
3.③
4.④
5.⑤
正解・・2
67 80 歳の女性。白内障で矯正視力が 0.4〈小数視力〉であった。白内障手術によって矯正視力は logMAR で 4 段階上昇した。 術後矯正視力〈小数視力〉はどれか。
1.0.1
2.0.4
3.0.8
4.1.0
5.1.5
正解・・4
少数視力0.4(logMAR0.4)から、logMARで4段階上昇(logMAR0.4→0.3→0.2→0.1→0.0)して、logMAR0(少数視力1.0)へなったということ。

68 2 歳の男児。未熟児網膜症の経過観察中である。縞視標を用いて視力検査を行ったところ、視角 100 分の縞視標が判別できた。 0.5 m における縞視標の縞幅[mm]はどれか。
1. 1
2. 1.5
3. 5
4.15
5.50
正解・・4
視角100分から視力は1/100=0.01。
視力0.01が0.5m距離で判別できる縞幅は、1/0.01×0.5/5[m]×1.5[mm]=15[mm]
69 48 歳の男性。 1 週間前に突然複視を自覚し、外転神経麻痺と診断された。 複視の種類で誤っているのはどれか。
1.病的複視
2.同側性複視
3.両眼性複視
4.非共同性複視
5.不調和性複視
正解・・5
70 9 歳の男児。学校の健康診断で両眼の視力低下を指摘され来院した。視力は右(0.6×+0.50 D)、左(0.5×+0.25 D)であった。ERG 検査では最大応答および杆体応答はやや減弱、錐体応答とフリッカ応答は著明に低下していた。眼底写真、フルオレセイン蛍光眼底造影検査および OCT 検査の所見(別冊No. 7)を別に示す。 考えられるのはどれか。

1.黄斑低形成
2.Stargardt 病
3.網膜色素変性
4.錐体ジストロフィ
5.Leber 遺伝性視神経症
正解・・2
Stargardt病は、若年発症型の遺伝性黄斑ジストロフィーで、中心視力の進行性低下を引き起こす網膜疾患です。
眼底検査では、黄斑萎縮、flecks(黄色斑)、RPE萎縮が見られます。若年者では黄色斑が目立たないこともある。
フルオレセイン蛍光眼底造影検査ではリポフスチンの沈着によるdark choroid(背景低蛍光)、OCT検査では黄斑部の菲薄化や視細胞層の消失がみられます。
71 47 歳の男性。職場の健康診断で眼底異常を指摘され来院した。視力は右(1.2×+2.00 D cyl-0.50 D 105°)、左(1.0×+2.00 D cyl-0.50 D 90°)、眼圧は右眼10 mmHg、左眼 13 mmHg であった。右眼の眼底写真および動的視野検査の結果(別冊No. 8)を別に示す。なお、半暗室の検査室への入室をためらう様子がみられたため、検査機器まで歩行を介助した。 今後予想される視野変化はどれか。

1.下方欠損
2.楔状欠損
3.鼻側階段
4.鼻側半盲
5.輪状暗点
正解・・5
網膜色素変性症は進行すると、輪状暗点が出現します。眼底は黄斑部は比較的保たれますが、網膜全体に細かい白色点状病変がみられます。
72 8 歳の男児。自閉症スペクトラム障害で偏食があり、白米、食パン及び白身魚しか食べようとしない。最近夜暗いところを手探りで行動し、目をよくこするため来院した。フルオレセイン染色後の左眼前眼部写真(別冊No. 9)を別に示す。右眼も同様の所見であった。 足りないと考えられる栄養素はどれか。

1.ビタミン A
2.ビタミン B
3.ビタミン C
4.ビタミン D
5.ビタミン E
正解・・1
白米、食パン、白身魚に含まれるビタミンはBやD。ビタミンAはレバー、ニンジン、海藻などに多く含まれます。
ビタミンAは、ロドプシン(杆体細胞に存在する光受容体タンパク質)の合成に必要な栄養素です。ビタミンA欠乏により、乾性角結膜炎がおこります。
73 39 歳の男性。眼位異常を主訴として来院した。小学生のころから顔の傾きを指摘されることがあった。20 歳ころから左眼の外上転が気になるようになり、30 歳こ ろ か ら 目 立 つ よ う に な っ て い た。視 力 は 右 0.6(1.2×-1.00 D)、左 0.9(1.0×-0.50 D)で、右への頭部傾斜と顔面非対称がみられた。 9 方向むき眼位写真(別冊No. 10A)と頭部傾斜による眼位写真(別冊No. 10B)とを別に示す。 この患者に対する術式で適切でないのはどれか。

1.右眼下斜筋切除
2.右眼下直筋後転
3.右眼下直筋鼻側移動
4.左眼上直筋後転
5.左眼上直筋耳側移動
正解・・1
左上斜筋麻痺です。
74 5 歳 4 か月の男児。生後早期からの眼振と視力不良を主訴に来院した。遠見での視力は右 0.4(矯正不能)、左 0.5(矯正不能)および両眼視力 0.5(矯正不能)で、近見での両眼視力は 1.0(矯正不能)である。前眼部、中間透光体および眼底に異常はなく、眼振の状態は片眼ずつの遮閉で変化はみられない。正面視、右方視および左方視の電気眼振図〈ENG〉(別冊No. 11)を別に示す。 この患児で正しいのはどれか。

1.潜伏眼振がみられる。
2.左への顔回しがみられる。
3.正面視で眼振はみられない。
4.輻湊により眼振が減弱する。
5.左方視での両眼視力は 1.0 である。
正解・・4
先天眼振は注視で眼振が増強し、輻輳や閉眼で眼振が抑制されます。
75 18 歳の男子。昨日、ボールが左眼に当たり視力低下と複視を訴え来院した。視力は右(1.0×-0.50 D)、左(0.7×-0.75 D)であった。 検査で必要ないのはどれか。
1.眼底検査
2.牽引試験
3.眼球運動検査
4.両眼単一視野検査
5.調節麻痺薬を用いた屈折検査
正解・・5
眼窩底骨折、外傷性白内障、網膜振盪/裂孔/剥離、外傷性視神経障害などの鑑別が必要。







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