目の健康を守る!6月10日は「こどもの目の日」

一般消費者、眼鏡作製技能士を志す方に向けて

Last Updated on 7日 by 管理者

こどもの目の日の由来と目的

臨界期は生後6才くらい

臨界期(Critical or Sensitive period)とは、生後の初期に適切な視覚刺激を受けなければ正常な機能が発達しないある一定の期間をいい、視覚伝導路に関与する細胞のシナプス結合が最も変化しやすい時期を指します。

ヒトの臨界期は、生後6ヶ月~9歳位(ピークは2歳~4歳)といわれています。

つまり、両眼視を可能とする様々な機能は生後ある一定の期間を得て完成されますので、両眼視機能の発達を阻害する因子がある場合には、早期発見と早期治療が大切です。

両眼視機能の発達を阻害する要因

角膜混濁、先天性白内障、斜視など、、

新生児や乳児の視力

およそ2歳頃には視力1.0に達します。

新生児と乳児の視力

新生児の視力測定は大変そうですね。

  • VEP(視覚誘発電位)・・光刺激により起こされた網膜の興奮が視路を通り大脳後頭葉視角領に達した電位の変化をみる検査です。
  • PL法・・丸スペースに縦縞の視標を提出し、正解した縞の幅を視角に換算して視力を求める方法です。

6月10日の「こどもの目の日」記念日には、6歳で視力1.0という願いが込められています。

おまけ

6歳くらいで視力1.0が必要なのは臨界期と重なるからです。両眼視機能の発達に必要です。

小学校高学年以降は成長とともに近視へと変化していくものですが(小学校~中学校で裸眼視力1.0未満の割合が増えている:下のグラフ参照)、視力1.0が必要となる理由は異なります。

授業で黒板の文字を見るために必要な視力は、後ろの席では視力1.0、真ん中では視力0.7、前の席では0.3が必要です。学年が上がるにつれて、漢字や数字、文字も小さくなります。

6歳までは両眼視機能の発達のため、それ以降は授業中の板書が出来るようにするためと主要な目的が異なります。

装用感を無視して何でもかんでも見えれば良いというものでもありませんが、それでも、やはり視力1.0は必要なものと考えます。

文部科学省によると、裸眼視力1.0未満の割合は年々増しています。小学生の2.6人に1人(37.9%)は眼鏡が必要です。中学生では1.6人に1人(61.2%)は必要です。

裸眼視力1.0未満の割合(文部科学省)

眼鏡補正視力1.0未満のデータではありませんが、眼鏡が必要な方は増えているようです。

VDT作業が増えるなど、時代の変化に合わせて適応しているということなのでしょう。良くも悪くも。

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