ビタミンA過剰と不足:あなたはどちらに注意すべき?

一般消費者、眼鏡作製技能士を志す方に向けて

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ビタミンAは私たちの健康に欠かせない栄養素ですが、過剰摂取や欠乏による影響もあります。

ビタミンAとは何か?

ビタミンAとは、脂溶性ビタミン(油に溶けやすく、体内に蓄積されやすい)の一種で、視覚・皮膚・粘膜・免疫・成長に不可欠な栄養素です。

動物性食品に含まれるレチノールと、植物性食品に含まれるβ-カロテン(体内で必要に応じて変換されるプロビタミンA)があります。

ビタミンAの主な働き

ビタミンAは全体的な健康維持に欠かせない栄養素です。

  • 視覚:網膜のロドプシン合成に必須。暗所視(夜間の視力維持)に関与
  • 皮膚・粘膜:上皮細胞の分化を正常化し、乾燥や感染から守る
  • 免疫:粘膜免疫を強化し、感染症予防に寄与
  • 成長・発育:胎児や乳幼児の正常な成長に不可欠
  • その他:抗酸化作用や発がん物質の効果軽減にも関与

ビタミンAの必要摂取量とは

ビタミンAの必要摂取量は、年齢や性別、妊娠・授乳の有無によって異なります。

一般的には、成人男性で約900μg成人女性で約700μgが推奨されています。上限は約2,700μg程度まで。

  • ビタミンAの目安
    • 卵1個・・約210μg
    • 牛乳200ml・・50~60μg
    • 人参1本(中サイズ)・・600μg

妊娠中や授乳中の女性は、さらに多くのビタミンAが必要(770μg程度)ですが、サプリメントでの過剰摂取を避けるために医師と相談することが必要です。

子供においても、成長に必要な栄養素をバランスよく摂取することが求められます。

不足と過剰の影響

ビタミンAは「不足も過剰も危険」な栄養素です!!

  • 不足:夜盲症、眼球乾燥症、免疫低下、発育障害
  • 過剰:頭痛、吐き気、肝障害、骨粗しょう症、妊娠初期の胎児奇形リスク

食事からのビタミンAの摂取方法

ビタミンAは、動物性食品と植物性食品から摂取できます。

  • 動物性食品・・レバー、卵、乳製品、うなぎ など
    • レチノールとして体内に吸収
  • 植物性食品・・緑黄色野菜、にんじん、ほうれん草、かぼちゃ、トマト など
    • カロテノイドとして存在し、必要に応じてレチノールに変換

ビタミンA欠乏症について

ビタミンA欠乏症は、体内のビタミンAが不足することにより引き起こされます。

  • 初期症状:夜盲症(暗い場所で見えにくい)
  • 進行症状:眼球乾燥症、角膜軟化症、失明
  • その他:皮膚の乾燥・角質化、免疫力低下、感染症リスク増加、発育遅延(乳幼児)

ビタミンA欠乏症の原因

動物性食品をあまり摂取しないベジタリアンや、栄養状態が不良な地域に住む人々に多く見られます。

食事による摂取不足の他にも、慢性下痢や胆管閉塞などの脂肪吸収障害、肝臓疾患による貯蔵障害も欠乏症を引き起こす要因となります。

ビタミンAの過剰摂取について

ビタミンAの過剰摂取は、体内にビタミンAが過剰に蓄積されることにより引き起こされます。

  • 急性中毒(大量摂取直後):頭痛、吐き気、嘔吐、めまい、頭蓋内圧亢進
  • 慢性中毒(長期摂取):皮膚乾燥・落屑、脱毛、骨や関節の痛み、肝障害、骨粗しょう症、食欲不振
  • 妊娠初期:胎児の奇形リスクが増加するため特に注意が必要

脂溶性ビタミンは、水溶性ビタミンとは異なり排泄されにくく肝臓に蓄積されやすくい。

過剰摂取の原因と危険性

主にサプリメントの過剰使用や、特定の動物性食品の過剰摂取により引き起こされます。

レバー、うなぎ、肝油などのビタミンA含有量が豊富な食品を過剰に摂取すると、肝臓に負担をかけ肝障害を引き起こします。

また、妊娠中の過剰摂取は胎児に悪影響を及ぼすことがあるため、特に注意が必要です。

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