カラーレンズの推奨、色と濃度

一般消費者、眼鏡作製技能士を志す方に向けて

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注意点として、夜間運転に不可な視感透過率(VLT)は75%未満です。

夜間運転には、VLT(Visible Light Transmittance)が75%以上必要となります。

自分が持っているサングラスのVLTがわからない時は、テンプル等に細かく書いている数字を探してみましょう。

消費者庁が定める『家庭用品品質表示法』により、表示する義務があります。

家庭用品品質表示法による表示義務

  1. 品名(サングラス、偏光サングラス、ファッション用グラス)
  2. レンズの材質(アルファベットは不可)
  3. 枠の材質
  4. 可視光線透過率(グラデーションはレンズ中心箇所、調光レンズは最大の濃さ)
  5. 紫外線透過率(波長313nm及び365nmにおける透過率)
  6. 使用上の注意
  7. 表示者名等の付記
  8. 表示方法等(見やすい箇所に分かりやすく記載)

カラーレンズの効果とその特徴

カラーレンズの色を決める方法は、大きく分けて2つあります。色の特性が持つ機能面で選ぶか、美観的な見た目の印象で選ぶかです。その他には、体調や体幹が良くなる色というのもあります。

スポーツ観戦や趣味、娯楽などの用途別でサングラスの色を選んでみたり、見た目の印象などを参考に選んでみてはいかがでしょうか。

アンバー系:ゴルフなど

sRGB Red : 170 Green : 122 Blue : 64
  • ヘイズカット効果により遠景がくっきり見える。
  • 自然でバランスの良い吸収特性のため、目が疲れない。
  • ゴルフ
  • 見られる時の効果
    • シックで落ち着いた雰囲気を感じさせる。

バイオレット系:ドライブ、サイクリングなど

sRGB Red : 113 Green : 76 Blue : 153
  • 緑系から黄、オレンジ系の色まで、広範囲にカットする。
  • 対向車のヘッドライトの眩しさを軽減する。
  • ドライブ
  • サイクリング
  • 見られる時の効果
    • 肌をイキイキと健康的に見せる。
    • 女性のやさしさと上品さを感じさせる。

ブルー系:ドライブ、サイクリングなど

sRGB Red : 0 Green : 106 Blue : 182
  • 550nm付近の眩しい黄色光をカットするので、目が疲れない。
  • 対向車のヘッドライトの眩しさを軽減する。
  • ドライブ
  • サイクリング
  • 見られる時の効果
    • 目を美しく見せる。
    • 知的でさわやかな印象を与える。

グレー系:ドライブ、ランニング、フィッシングなど

sRGB Red : 118 Green : 118 Blue : 118
  • どの色にもほぼ均一の吸収特性をもっているので自然な色調に見える。
  • ドライブ
  • ランニング
  • フィッシング
  • 見られる時の効果
    • シックで知的なイメージを感じさせる。
    • 顔の彫りを深く見せるシャドー効果がある。

ピンク系:健康的でチャーミングな印象

sRGB Red : 255 Green : 192 Blue : 203
  • 520nm付近の緑色系をカットする。
  • 見られる時の効果
    • 健康的でイキイキした美しい肌に見せる。
    • チャーミングな女性らしい印象を与える。

グリーン系:アウトドアー、パソコン、ジョギングなど

sRGB Red : 0 Green : 154 Blue : 87
  • 青色系、赤色系の色を特に吸収するため、眼が疲れない。
  • アウトドアー
  • パソコン
  • ジョギング
  • 見られる時の効果
    • 知的でさわやかなイメージを感じさせる。
    • 目を美しく見せる。

イエロー系:スキーなど

sRGB Red : 244 Green : 213 Blue : 0
  • ヘイズカット効果により遠景がくっきり見える。
  • スキー
  • 見られる時の効果
    • 若々しい印象を与える。

遮光レンズ:眩しさ軽減に効果大

眩しさの原因となる500nm以下の波長の光を効果的にカットし、それ以外は出来るだけ多く透過するように設計されたレンズです。

『遮光レンズ』は元々、網膜色素変性症の眩しさを軽減する目的で開発されました。

『網膜色素変性症』や『糖尿病性網膜症』、『白内障』、『白内障手術後』、『緑内障』などの場合には、国からの補助を受けられる場合もあります。

『遮光レンズ』で有名なのは、東海光学さんの『CCP400』です。

眩しさによる白い靄を取り除き、コントラストを強調させます。

眩しく感じる波長の光というのは、人それぞれ異なります。

安く済ませたい場合などには、『遮光レンズ』でなくとも、眼に当てて眩しさが軽減できる色で代用しても良いのではないでしょうか。

調光レンズ:室内と屋外とで色が変わる

紫外線により、着色と褪色を繰り返すレンズです。紫外線以外の可視光線に反応する調光剤を使用している可視光線調光レンズというものもあります。

光に反応するフォトクロミックの原理は、写真フィルムが光に反応するのと同じです。

レンズ1c㎡に含まれる約5000兆個の感光性ハロゲン化銀の微晶が紫外線にさらされると銀コノイドを作り暗くなります(ダークニング)

フォトクロミックレンズの場合には、光の影響を取り除くと微晶に復元し、元のクリアに戻ります(フェーディング)

ガラスレンズには、ハロゲン化銀系の無機物質が使用されています。高温処理をする為、プラスチック素材には使えません

プラスチックレンズには、スピロオキサジン系、クロメン系、フルギド系などの有機フォトクロミック物質が使用されております。

着色と褪色

一般的に、紫外線が強く低温度の方が高濃度に着色します。ですので、夏場は薄く冬場は濃くなります。

それと、可視光調光レンズは可視光線でも色は変わりますが、従来の調光レンズは可視光線では色が変わりません。紫外線のみで色が変わるため、『電車の中』や『車の中』などの、紫外線がカットされている場所では基本的に着色しません。

偏光レンズ:反射を抑える

偏光フィルターにより、水面などの反射光をカットできるレンズです。釣りドライビングに向いています。

『偏光レンズ』は特定方向の光を通さない性質があります。

そして、反射光のほとんどが、横方向の偏光となる現象を利用しています。

『色が変更するレンズ』ではありません。

色があるヨード系から偏光フィルムが構成されています。その為、無色透明な『偏光レンズ』は現存しません

  • 色が薄い偏光レンズの例
    • ITOレンズ、「Pale25」
      • 濃度約23%、偏光度約38%)
    • Kodak、「Pola Max」
      • 濃度約19%、偏光度約38%)・・・等

基本的に、『偏光レンズ』は、『ナイロールトフレーム』や『ツーポイントフレーム』では作成できません。

『剥離』や『水』に弱いからです。

  • 偏光フィルムとレンズとの接着を強めて、剥離と水に強くした
    • YOUNGER OPTICS、「NUPOLARニューポラー」
  • 偏光膜を挟まない表面コーティングである為、『ナイロール』や『ツーポイント』も加工可能な
    • HOYAの「ポラテック」

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