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【問】ドライアイの症状を引き起こすものは?
A シェーグレン症候群
B ビタミンA過剰症
C 涙嚢炎
【解答】A
【解説】
シェーグレン症候群の症状は、ドライアイやドライマウス、鼻の乾燥、耳下腺の腫れなどがあります。乾燥症状以外にも、全身症状や臓器障害、他疾患の合併、検査値の異常などもあります。
ビタミンA過剰症は、悪心、嘔吐、めまい、頭蓋内圧亢進、複視、うっ血乳頭、脳神経麻痺などがあります。
ビタミンA欠乏症は、視覚や色覚に作用する物質の欠乏につながります。夜盲症や羞明、眼球乾燥症、角膜軟化症などがあります。
涙嚢炎は、涙嚢とその周辺組織が、涙嚢粘膜から分泌される粘液と膿により炎症を起こします。
【問】霰粒腫の症状は?
A 眼瞼の腫れや異物感があり、典型例として痛みや赤みは無く、眼瞼に腫瘤がある。
B 眼瞼縁近くの皮膚に、発赤や腫脹、疼痛がある。
C 結膜杯細胞の分泌物変性に石灰沈着を起こした白色点が、結膜に見られる。
【解答】A
【解説】
選択肢Bは、麦粒腫の症状となります。選択肢Cは、結膜結石の説明となります。
【問】春季カタルにみられるものは?
A 女子に多い
B 血清IgE値が高い
C 伝染力が非常に強い
【解答】B
【解説】
春季カタルとは、主に春から秋にみられる若年者のアレルギー性結膜炎です。
血清IgE値とは、免疫グロブリンE(Immunoglobulin E)のことで、この値が高いというのは、アレルギー反応を引き起こす抗体が多いということです。
【問】単純ヘルペス角膜炎について正しいのは?
A 水痘帯状ヘルペスの感染症
B 再発は稀である
C 微細樹枝状変化
【解答】C
【解説】
単純ヘルペスウイルスによる角膜感染症で、しばしば再発します。
表層型では、角膜表層に樹枝状に枝分かれした浸潤をつくるのが特徴となります。進行しますと、拡大して『地図状潰瘍』となります。
深層型では、角膜実質に円板状の混濁が生じます。これを、『円盤状角膜炎』といいます。
【問】感染しない結膜炎は?
A 出血性結膜炎
B フリクテン結膜炎
C クラミジア結膜炎
【解答】B
【解説】
出血性結膜炎とは、エンテロウイルスにより引き起こされ感染します。
フリクテンとは水疱のことで、アレルギーで起こりますので感染しません。
クラミジア結膜炎は、クラミジアに感染することで発症します。トラコーマともいいます。
【問】虹彩毛様体炎にみられる症状は?
A 角膜後面沈着物
B 角膜混濁
C 散大
【解答】A
【解説】
角膜後面沈着物 keratic precipitates(KP) は、前房内傪出細胞の角膜後面沈着物であり、しばしば角膜中心を頂点とした三角形となります(Ehrlich(エールリヒ)三角)
瞳孔は縮小し、対光反応が鈍麻(どんま)します。
他に、虹彩は充血、腫脹、変色、混濁(紋理不明瞭)、瞳孔縁の結節(Koeppe結節 Koppe’s nodule)となります。硝子体は混濁(viereous opacity)します。
【問】円錐角膜については?
A Kayser-Fleischer’s ringが特徴
B 三叉神経麻痺を伴う
C 重傷になれば角膜移植が適用される
【解答】C
【解説】
Kayser-Fleischer’s ring (カイザー・フラッシャー輪)は、Wilson病の特徴のひとつとなる角膜周辺黄色色素沈着です。銅沈着、肝硬変、脳変性がWilson病の特徴となります。
【問】30~50歳代の男性に多くみられ、通常片眼に起こる疾患は?
A 中心性漿液性網脈絡膜症
B 網膜芽細胞腫
C 糖尿病網膜症
【解答】A
【解説】
中心性漿液性網脈絡膜症とは、黄斑に網膜剥離が発生する病気です。片眼に発症する事は多いですが、両眼に発症する事もあります。殆どは、良好な経過をたどり自然治癒する事が多いです。
網膜芽細胞腫は、小児期に発症する事が多い悪性腫瘍です。
【問】正常人の色視野で最も広いのは?
A 白
B 青
C 赤
【解答】A
【解説】
色視野は、可視光線の白>青>赤>黄>緑となります。
【問】網膜電図(ERG)が診断に有用なのは?
A 網膜色素変性症
B 緑内障
C ぶどう膜炎
【解答】A
【解説】
網膜電図検査は、点眼により瞳孔を散大させ、網膜に強い光を当て、その電気的活動を計測する検査です。ですので、視細胞の異常である網膜色素変性症などの評価に有用となります。
ぶどう膜炎の特徴的病変は、角膜後面沈着物(ケラティック プレシピテート:KP)、房水混濁、毛様充血などがあります。
【問】強度近視に伴う眼底変化では、『豹紋状』や、乳頭変化である『コーヌス』、その他は?
A 桜実紅班(おうじつこうはん、cherry red spot)
B 乳頭陥凹
C 後部ぶどう腫
【解答】C
【解説】
豹紋状眼底では、網膜色素上皮の萎縮により、脈絡膜血管等が透視できます。
コーヌス(crescent)とは、眼球後部強膜の伸展により、乳頭に接する網膜色素上皮および脈絡膜が萎縮や断裂するもので、白い強膜が直接透視できます。
後部ぶどう腫では、後極部の強膜が後方へ膨隆します。
【問】緑内障の診断で重要でない検査は?
A 視野
B 網膜電図
C 隅角
【解答】B
【解説】
網膜電図(ERG)は、網膜色素変性症などでは有用となります。
隅角では、隅角の機能が悪く房水排出の障害による『開放隅角緑内障』や、隅角が狭いという構造上の異常による『閉塞隅角緑内障』があります。
【問】日本で最も多い緑内障は?
A 原発閉塞隅角緑内障
B 正常眼圧緑内障
C 続発緑内障
【解答】B
【解説】
健常眼圧とは、その眼の機能障害を起こさない眼圧であり、正常眼圧(10~21mmHg)とは、多数の建常眼から統計的に得た眼圧となります。
正常眼圧でも健常眼圧を超えるものを『正常眼圧緑内障』といいます。
一方で、正常眼圧を超えていても視機能を起こさない状態は『高眼圧症』といいます。
【問】甲状腺中毒性の眼球突出となるバセドー病の症状は?
A 瞬目過多
B 眼裂縮小
C 心悸亢進
【解答】C
【解説】
心悸(しんき)とは、動悸のことです。
バセドー(Basedow)病の三主徴は、甲状腺肥大、眼球突出、心悸亢進であり、古くから眼症状を起こす事が知られております。
症状としては、瞬目の減少(Steiiwag症状、ステルバーグ)や、上眼瞼の後退による眼裂開大(Dalrymple症状、ダンリンプル)、前頭筋の収縮不全による輻輳不全(Moebius症状、メービウス)などをみます。
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