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『麦粒腫』とは俗に『モノモライ』といいます。
結膜疾患というよりも、眼瞼疾患となります。
まぶたの表側です。
まぶたの裏側(結膜)の疾患は、流行性結膜炎(俗にハヤリメ)などがありますよね。
眼瞼疾患
- 眼瞼疾患
- 眼瞼内反(内反症)
- 眼瞼外反(外反症)
- 兎眼
- 麦粒腫
- 霰粒腫
- 眼瞼炎
- 眼部帯状疱疹
- 眼瞼痙攣
- その他、疾患
麦粒腫(ばくりゅうしゅ)
- 麦粒腫
- 外麦粒腫・・・睫毛腺(Zeis腺、Moll腺)の急性化膿性炎症です。
- 内麦粒腫・・・瞼板腺(Meibom腺)の急性化膿性炎症です。
- 症状
- 眼瞼の一部が発赤、腫脹、疼痛、(角膜浮腫)
- 治療
- 抗生物質の眼軟膏、内服、(切開排膿)
霰粒腫(さんりゅうしゅ)
- 霰粒腫・・・瞼板腺栓塞をもとに起こる、瞼板腺(Meibom腺)の慢性肉芽性炎症
- 症状
- 球状硬結
- 疼痛は無し
- 痛みや発赤がある急性霰粒腫もある
- 治療
- 切開搔爬(そうは)
眼瞼内反(内反症)
逆さまつ毛の原因となるものです。
眼瞼縁が内方に湾曲し、睫毛が眼球に接します。
角膜と結膜が刺激されますので、角膜びらんや結膜炎を起こしやすくなります。
流涙や羞明(しゅうめい)があります。
- 眼瞼内反
- 睫毛内反
- 小児で下眼瞼皮膚の過剰によるもの
- 鼻側が多い
- 老人性内反(加齢性内反)
- 眼輪筋の緊張低下による
- 眼瞼皮膚の弛緩による
- 瘢痕(はんこん)性内反
- 結膜・瞼板の瘢痕収縮による
- 熱傷、腐触、トラコーマなど
- 痙攣性内反
- 眼輪筋の収縮による
- 睫毛内反
- 手術法
- Hoz法・・・眼瞼皮膚を切開し、瞼板の一部を切除し、癒着させ、瞼縁の向きを変える方法
- 河本法・・・瞼縁に近い皮膚と瞼板上部の縫合のみ
眼瞼外反(外反症)
瞼縁が外方へ湾曲し、眼瞼結膜が外へ露出します。
結膜の充血や肥厚を起こします。
重症になると、兎眼となります。
- 眼瞼外反
- 瘢痕性外反
- 熱傷や腐触による、眼瞼皮膚の瘢痕収縮
- 老人性外反(加齢外反)
- 眼輪筋の緊張低下による
- 眼瞼皮膚の弛緩による
- 下眼瞼が下垂して起こる
- 麻痺性外反
- 眼輪筋麻痺(顔面神経麻痺)による
- 痙攣性外反
- 結膜が腫脹し、眼輪筋が収縮して起こる
- 瘢痕性外反
兎眼(とがん)
瞼裂の閉鎖不全により起こります。
ひどい場合には角膜が露出し、角膜乾燥や角膜潰瘍が起こります。
これを、兎眼性角膜炎といいます。
眼輪筋麻痺(顔面神経麻痺)、眼瞼欠損、眼瞼瘢痕、眼球突出などが原因となります。
- 治療
- 眼軟膏点眼、眼帯による角膜保護
- 上下の眼瞼を一時的に縫合する眼瞼板縫合術
- 皮膚移植や筋移植による形成手術
眼瞼炎
- 眼瞼炎
- 眼瞼皮膚炎・・・皮膚の炎症
- 細菌やウイルス感染
- 化粧品や薬品によるアレルギー
- 湿疹などにより起こる
- 眼瞼縁炎・・・眼瞼縁の炎症、発赤、瘙痒(そうよう)がある
- 睫毛根部のブドウ球菌感染や体質で起こる
- 慢性の場合には後遺症
- 眼角眼瞼炎・・・眼角皮膚の炎症
- Morax-Axenfeid双杆菌による
- 眼瞼皮膚炎・・・皮膚の炎症
- 治療
- 抗生物質
- 副腎皮質ステロイド薬眼軟膏
眼部帯状疱疹
帯状ヘルペスウイルスの感染によります。
三叉神経第1枝(眼神経)または、第2枝(上顎神経)領域に発生したものです。
特徴としては、皮膚発疹や水疱が生じます。
眼では、上皮性角膜炎に続き点状の上皮下混濁が起こります。
重症になると、びまん性角膜炎や虹彩毛様体炎、続発緑内障、視神経炎、眼筋麻痺を起こします。
- 治療
- 抗生物質
- 副腎皮質ステロイド薬の局所および全身投与
眼瞼痙攣
眼輪筋の痙攣で、三叉神経刺激症状(結膜炎、角膜炎、異物など)、ヒステリー、チック(tick)などで起こります。
治療は、原因療法やボツリヌス毒素の眼輪筋注射などです。
その他の眼瞼疾患
- その他の眼瞼疾患
- 睫毛乱生・・・まつ毛の生え方が乱れている
- 眼瞼皮膚弛緩・・・皮膚が薄く、伸展性がある
- 潜伏眼球、無眼瞼・・・眼瞼下に形成不全の眼球が潜伏
- 眼瞼欠損・・・通常、三角形の欠損
- 内眼角贅皮(ぜいひ)・・・内眼角の皮膚が余分で、上眼瞼が内眼角を覆うもの。Down症候群にみられる
- 眼縁癒着・・・上下の瞼縁が分離せず癒着している
- 睫毛重生・・・まつ毛が二列に生えている
- 眼瞼ミオキミア・・・瞼縁に近い部分が細かく振戦する。疲労やヒステリーなどで起こる
- 眼瞼良性腫瘍
- 皮様嚢腫
- 黄色腫
- 血管腫
- 単純血管腫
- 海綿状血管腫
- 神経線維腫
- 眼瞼悪性腫瘍・・・初期には霰粒腫との鑑別が必要
- 基底細胞癌
- 扁平上皮癌
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