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プリズムを簡単に説明します。
視力補正するときには、レンズ度数にて補正すれば視力を向上させる事はできます。
ですので、プリズムを知らなくても視力補正は可能です。
ですが、眼鏡使用については、視力補正のみが出来れば良いという簡単な話でもありません。
『プリズム』は、主に眼鏡の装用感(場合により視力)に関わります。
眼鏡作製に必要な数字としては、『PD(RPD、LPD)』と『度数(球面度数、乱視度数と乱視軸方向)』、場合によっては『プリズム(プリズム度数と基底方向)』というデータが必要です。
プリズムとは何なのかを簡単にまとめてみましたので、ご参考にしてみてください。
プリズムの構造
プリズム(prism)とは、透明体でできた三角柱のことです。
プリズムの厚い方を『基底(base)』といいます。
プリズムは光線の拡がりを変えずに、基底方向へ進路のみを変えます。
プリズムを通して下図の物体Aを見ますと、AがBにあるように見えます。
AとBが成す角を『プリズム偏角』といいます。
プリズムの単位
プリズム偏角の単位として『プリズムディオプターprism diopter(⊿)』が用いられます。
1m離れた物体の像が1cm偏位するとき、1プリズムディオプターとします。
例えば、1m先で2cm偏位するときには2⊿とします。
プリズムの表記
プリズムディオプターと基底の方向で表します。
基底の方向は、内方in、外方out、上方up、下方downとなります。
記載例
R S±0.00 3ΔBI
L S±0.00 3ΔBI
または、角度0°~360°となります。
記載例
R S±0.00 3Δ 0°
L S±0.00 3Δ180°
プリズムによる検査
眼位の検査に用います。
『斜位量』、『輻輳力』、『開散力』の測定で使用します。
プリズムによる治療
眼位異常の治療に用います。
例えば、外斜位の場合は、プリズムを基底内方にして補正します。
また、視野欠損をプリズムにて補うこともあります。
通常、眼鏡レンズでは5Δ位までですが、
『フレネル膜プリズム(1Δ、2、3、4、5、6、7、8、10、12、15、20、25、30、40Δ)』というもので40Δ位まで補正する事も出来ます。
フレネル膜の厚みは0.65mm~0.75mm位であり、材質はポリ塩化ビニルです。
眼鏡レンズでのプリズム作成では、プリズムが強い程、基底方向が厚くなり重くもなります。
一方で、フレネル膜プリズムでは、厚くはなりませんが見た目に筋が入ります。
眼鏡レンズに色を入れると少し目立ちにくくなります。
また、比較的短期間で黄色く変色いたします。
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