はやり目は感染します

一般消費者、眼鏡作製技能士を志す方に向けて

Last Updated on 3年 by 管理者

流行性角結膜炎』を俗に『ハヤリメ』といいます。

まぶたの表側ではなく、裏側の結膜疾患です。

ウイルス性であり感染します

結膜疾患

  • 結膜疾患
    • 結膜炎
    • 細菌性結膜炎
    • 新生児眼炎
    • ウイルス性結膜炎
    • トラコーマ
    • アレルギー性結膜炎
    • 翼状片
    • その他の結膜疾患

結膜炎

  • 結膜炎の他覚症状
    • 眼球結膜
      • 充血
      • 結膜下出血・・・外傷、強い咳嗽(がいそう)でも起こる
      • 結膜浮腫・・・麦粒腫、腎炎でも起こる
    • 眼瞼結膜
      • 乳頭増殖・・・赤く混濁
      • 濾胞(ろほう)・・・リンパ球から成る小さな隆起
      • 顆粒・・・濾胞が大きくなったもので瘢痕(はんこん)をつくる
      • 偽膜・・・傪出物で出来た薄い膜
  • 結膜炎の自覚症状
    • 眼脂
    • 流涙
    • 異物感

ウイルス性結膜炎

  • 流行性角結膜炎
    • アデノウイルス8型
    • 結膜が強く充血します
    • 眼瞼が腫脹します
    • 眼瞼結膜に濾胞(ろほう)形成(急性濾胞性結膜炎)
    • 小児では偽膜形成(偽膜性結膜炎
    • 成人では1~2週間後に角膜表層に点状混濁(点状表層結膜炎
    • 混合感染予防の為、抗生物質点眼
    • 点状表層結膜炎には、副腎皮質ステロイド薬を点眼
    • 伝染力が非常に強い為、通常の消毒薬は無効

  • 咽頭結膜炎
    • アデノウイルス3型
    • 結膜炎、咽頭炎、発熱を伴う
    • 流行性角結膜炎と同様の症状だが軽症である
    • 小児に多く、点状表層角膜炎を併発しない

  • 急性出血性結膜炎(別名:アポロ11号結膜炎)
    • エンテロウイルス70型
    • 結膜の充血、特に結膜下出血を伴う
    • 眼瞼の腫脹
    • 角膜表層にびまん性混濁を起こす(点状表層角膜症)
    • 予防や治療は、流行性角結膜炎と同様

細菌性結膜炎

  • 急性カタル性結膜炎
    • ぶどう球菌
    • 連鎖球菌
    • 肺炎双球菌
    • Koch-Weeks菌
    • Morax-Axenfeld菌
  • 淋菌性結膜炎
    • 淋菌

細菌性結膜炎の治療は、抗生物質の点眼です。

新生児眼炎

生後10日までに起こる急性結膜炎の総称です。

  • 淋菌性結膜炎(新生児膿漏眼)
    • 淋菌の産道感染による
    • 生後、1日~2日で発病し、眼脂著明で膿性
    • 放置すると角膜潰瘍を生じ、穿孔(せんこう)して失明
    • 出産直後に(1~2%の硝酸銀水を点眼し予防)、もしくは、抗生物質の点眼で代用
  • 封入体性結膜炎(封入体性膿漏眼)
    • トラコーマクラミジアの産道感染による
    • 生後、約1週間で発病し、角膜混濁を起こす
  • 非淋菌性細菌性結膜炎
    • 化膿菌により生後、約1週間で発病
    • 角膜障害は無し
  • 薬剤による結膜炎
    • 点眼した硝酸銀により、その日に発病
    • 混濁を起こす
    • 副腎皮質ステロイド薬により治療

トラコーマ

抗生物質により、現代では極めて稀なものとなりました。

トラコーマクラミジアが原因であり、結膜に濾胞、顆粒、乳頭増殖、瘢痕、パンヌス(結膜血管が角膜に侵入した状態)を形成するのが特徴です。

治療は、主に抗生物質の点眼です。

アレルギー性結膜炎

  • アレルギー性結膜炎・眼瞼炎
    • 即時型
      • 花粉、塵埃、動物、植物、食べ物など
    • 遅延型
      • 薬品、アトロピン、抗生物質、化粧品など
  • 春季カタル
    • 春~夏にかけて増殖し、冬には軽快する
    • 青少年男子に多い
    • 瘙痒(そうよう)が強い
    • 眼脂に好酸球がみられる
    • 眼瞼型と眼球型がある
    • 原因不明だが、花粉や塵埃によるアレルギーが推定
    • 治療は、副腎皮質ステロイド薬の点眼か全身強壮療法

翼状片

角膜の眼裂に相当する部分に、肥厚、充血した結膜が三角形に侵入してくるものです。

進行し、瞳孔領にかかると視力障害が起こります

その他の結膜疾患

  • フリクテン性角結膜炎
    • 結膜と角膜にできる白色円形の隆起物がある
    • 角膜中央に向かって進行するものを束状角膜炎という
  • 眼球乾燥症
    • 結膜乾燥症・・・結膜の光沢が失われ、眼球運動で皺襞(しゅうへき)がみられる
    • 角膜軟化症・・・角膜の乾燥で混濁し潰瘍を生じる
  • 眼裂斑
    • 瞼裂に相当する部分に、三角形の黄白色の結膜肥大がみられ、放置しても良い
  • 結膜結石
    • 結膜にみられる白色点
    • 結膜杯細胞の分泌物質変性に、石灰沈着を起こしたもの
    • 結膜面上に突出すると、異物感がある

細菌とウイルスの違い(おまけ)

細菌

  • 細胞がある
  • 栄養を摂取しそこからエネルギーを作る
  • 細胞分裂を繰り返し、生存と増殖をする
  • ウイルスより大きい

ウイルス

  • 細胞が無い
  • 栄養の摂取やエネルギーを作らない
  • 自力で動けない
  • 単体では増殖できない
  • 細菌より小さい

コメント メールアドレスが公開されることはありません。*が付いている欄は必須項目です。