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『流行性角結膜炎』を俗に『ハヤリメ』といいます。
まぶたの表側ではなく、裏側の結膜疾患です。
ウイルス性であり感染します。
結膜疾患
- 結膜疾患
- 結膜炎
- 細菌性結膜炎
- 新生児眼炎
- ウイルス性結膜炎
- トラコーマ
- アレルギー性結膜炎
- 翼状片
- その他の結膜疾患
結膜炎
- 結膜炎の他覚症状
- 眼球結膜
- 充血
- 結膜下出血・・・外傷、強い咳嗽(がいそう)でも起こる
- 結膜浮腫・・・麦粒腫、腎炎でも起こる
- 眼瞼結膜
- 乳頭増殖・・・赤く混濁
- 濾胞(ろほう)・・・リンパ球から成る小さな隆起
- 顆粒・・・濾胞が大きくなったもので瘢痕(はんこん)をつくる
- 偽膜・・・傪出物で出来た薄い膜
- 眼球結膜
- 結膜炎の自覚症状
- 眼脂
- 流涙
- 異物感
ウイルス性結膜炎
- 流行性角結膜炎
- アデノウイルス8型
- 結膜が強く充血します
- 眼瞼が腫脹します
- 眼瞼結膜に濾胞(ろほう)形成(急性濾胞性結膜炎)
- 小児では偽膜形成(偽膜性結膜炎)
- 成人では1~2週間後に角膜表層に点状混濁(点状表層結膜炎)
- 混合感染予防の為、抗生物質点眼
- 点状表層結膜炎には、副腎皮質ステロイド薬を点眼
- 伝染力が非常に強い為、通常の消毒薬は無効
- 咽頭結膜炎
- アデノウイルス3型
- 結膜炎、咽頭炎、発熱を伴う
- 流行性角結膜炎と同様の症状だが軽症である
- 小児に多く、点状表層角膜炎を併発しない
- 急性出血性結膜炎(別名:アポロ11号結膜炎)
- エンテロウイルス70型
- 結膜の充血、特に結膜下出血を伴う
- 眼瞼の腫脹
- 角膜表層にびまん性混濁を起こす(点状表層角膜症)
- 予防や治療は、流行性角結膜炎と同様
細菌性結膜炎
- 急性カタル性結膜炎
- ぶどう球菌
- 連鎖球菌
- 肺炎双球菌
- Koch-Weeks菌
- Morax-Axenfeld菌
- 淋菌性結膜炎
- 淋菌
細菌性結膜炎の治療は、抗生物質の点眼です。
新生児眼炎
生後10日までに起こる急性結膜炎の総称です。
- 淋菌性結膜炎(新生児膿漏眼)
- 淋菌の産道感染による
- 生後、1日~2日で発病し、眼脂著明で膿性
- 放置すると角膜潰瘍を生じ、穿孔(せんこう)して失明
- 出産直後に(1~2%の硝酸銀水を点眼し予防)、もしくは、抗生物質の点眼で代用
- 封入体性結膜炎(封入体性膿漏眼)
- トラコーマクラミジアの産道感染による
- 生後、約1週間で発病し、角膜混濁を起こす
- 非淋菌性細菌性結膜炎
- 化膿菌により生後、約1週間で発病
- 角膜障害は無し
- 薬剤による結膜炎
- 点眼した硝酸銀により、その日に発病
- 混濁を起こす
- 副腎皮質ステロイド薬により治療
トラコーマ
抗生物質により、現代では極めて稀なものとなりました。
トラコーマクラミジアが原因であり、結膜に濾胞、顆粒、乳頭増殖、瘢痕、パンヌス(結膜血管が角膜に侵入した状態)を形成するのが特徴です。
治療は、主に抗生物質の点眼です。
アレルギー性結膜炎
- アレルギー性結膜炎・眼瞼炎
- 即時型
- 花粉、塵埃、動物、植物、食べ物など
- 遅延型
- 薬品、アトロピン、抗生物質、化粧品など
- 即時型
- 春季カタル
- 春~夏にかけて増殖し、冬には軽快する
- 青少年男子に多い
- 瘙痒(そうよう)が強い
- 眼脂に好酸球がみられる
- 眼瞼型と眼球型がある
- 原因不明だが、花粉や塵埃によるアレルギーが推定
- 治療は、副腎皮質ステロイド薬の点眼か全身強壮療法
翼状片
角膜の眼裂に相当する部分に、肥厚、充血した結膜が三角形に侵入してくるものです。
進行し、瞳孔領にかかると視力障害が起こります
その他の結膜疾患
- フリクテン性角結膜炎
- 結膜と角膜にできる白色円形の隆起物がある
- 角膜中央に向かって進行するものを束状角膜炎という
- 眼球乾燥症
- 結膜乾燥症・・・結膜の光沢が失われ、眼球運動で皺襞(しゅうへき)がみられる
- 角膜軟化症・・・角膜の乾燥で混濁し潰瘍を生じる
- 眼裂斑
- 瞼裂に相当する部分に、三角形の黄白色の結膜肥大がみられ、放置しても良い
- 結膜結石
- 結膜にみられる白色点
- 結膜杯細胞の分泌物質変性に、石灰沈着を起こしたもの
- 結膜面上に突出すると、異物感がある
細菌とウイルスの違い(おまけ)
細菌
- 細胞がある
- 栄養を摂取しそこからエネルギーを作る
- 細胞分裂を繰り返し、生存と増殖をする
- ウイルスより大きい
ウイルス
- 細胞が無い
- 栄養の摂取やエネルギーを作らない
- 自力で動けない
- 単体では増殖できない
- 細菌より小さい
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