防曇レンズの注意点

一般消費者、眼鏡作製技能士を志す方に向けて

Last Updated on 4年 by 管理者

レンズの防曇方法

曇り止めスプレーやムース、ジェルやクロスのタイプなどがありますが、

レンズ自体を防曇レンズにする方法もあります。

防曇レンズには、『メンテナンス』『メンテナンスフリー』の2種類があります。

それぞれメリットとデメリットがありますので、自分のライフスタイルや好みなどに合わせて選んでみてはいかがでしょうか?

曇る理由とは

レンズ表面に結露が起こる事が原因です。

結露とは、空気中の水蒸気が凝結して水滴になる現象のことです。

大気中に含まれる水の量(飽和水蒸気量)は温度により一定となっています。この限度を超え、湿度が100%になると結露します。

湿度が高いと結露しやすく、また、気温が低いと飽和水蒸気量の限界値も低くなるため曇りやすくなります

日常例として、電車は乗客が多い程、湿度が高く、そして温かい為、冷たいレンズは湿度と温度差で曇りやすくなってしまいます。

曇りやすさは、温度差だけではなく、湿度にも影響を受けます。

また、レンズ表面に排気ガスなどの汚れなどが付着していると結露しやすくなりますので、清潔な状態を保つと多少は曇りづらくなります。ただ、レンズが曇っているからといって、レンズが必ず汚れているというわけではないですよ。

そのように結露して出来た細かな水滴は、光を乱反射し、透明性を失わせます

防曇レンズ

メンテナンスが必要なものと、ほぼいらないメンテナンスフリーのタイプがあります。メンテナンスフリーとはいえ、ある程度のメンテナンスは必要です。

メンテナンスのタイプ

従来のハードコート反射防止コートの上に、極めて親水性の高い特殊コーティングを施しています。

従来の水や油をはじく撥水コートとは真逆の性質で、レンズ表面に付着した水分を膜状化し馴染ませる(水滴が広がる)効果があり、曇りを防ぎます。

曇りを抑える成分である界面活性剤やアルコールが染み込ませてある、付属の専用眼鏡拭きで拭くことで、親水性を高めたコーティングに界面活性剤が付着し曇りにくくする効果が生まれます。

なので、汚れてきても洗濯や水洗いをするとクロスの効果がなくなります。クロスは数ヶ月で新しく交換し、メンテナンスしながら使用していかなければなりません。

防曇効果が戻らない時や、ひどい汚れの場合は水洗いして、水分を拭き取ってから専用眼鏡拭きで拭くと良いです。

レンズ面に汚れなどがある場合や極端な温度や湿度変化、多湿での長時間使用の場合には曇ります。

曇りにくいだけであって、曇らないわけではありません

メンテナンスフリーのタイプ

新吸水性樹脂層により、水分を吸収させることで水分の結露を防ぎます。表面に撥水コートがあるため多少は汚れが付きにくくなっております。

ただし、メンテナンスタイプとは違い、ハードコートや反射防止コートが施されておりません。

拭くときには、レンズに傷を付けないように拭かなければいけないです。反射も多少強いですね。

通常レンズよりも汚れが残りやすいので、汚れは水洗いして良いです。その後は必ず水分が残らないようにしましょう。水やけを起こしてしまいます。

吸水しますので、綺麗な水を使いましょう。逆にいえば、色が付いた汚れは取れなくなる可能性があります。

特に、水分が付着した直後は滑りにくく拭きづらいので、水分を取り除き乾いた後に軽く拭きあげると良いです。ハードコートがありませんので、優しく拭くことが大事です。

黄変化は少し早く、防曇効果は1~2年位です。

防曇レンズまとめ

  • メンテナンスタイプ
    • ハードコート
    • マルチコート(反射防止)
    • 専用眼鏡拭きが必要・・・買い替える必要がある

メンテナンスが必要というよりも、メンテナンスが楽な方の防曇レンズ(笑)

  • メンテナンスフリー
    • ハードコートなし・・・拭く時に注意
    • マルチコートなし・・・レンズの反射がある
    • 専用眼鏡拭きなどの付属品なし

メンテナンスがフリー(Free)なので、メンテナンス不要というよりも、じつは「解放」とか「束縛されない」フリーではなく、メンテナンスが振りとして必要(笑)

曇り止めスプレーは、どちらのタイプにも不可です。

コメント メールアドレスが公開されることはありません。*が付いている欄は必須項目です。