万国式近点検査表

一般消費者、眼鏡作製技能士を志す方に向けて

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『近見視力』を測る際には、以下のような検査表を使用します。

測定距離は30cmです。

万国式近点検査表(石原 忍)

近見視力は、遠見視力と同じく、『視角』の逆数により作成されております。

つまり、近見視力0.1の『ランドルト環』の大きさは、

『遠見5mでは直径75mm』ですが、『近見30cmでは直径4.5mm』となります。

ひらがな万国式近点検査表

近い距離で、見え方の確認をする際にも使用される『近点検査表』には、どんなことが書いているのでしょうか。

ひらがな万国式近点検査表(中村 康)

V=0.1 まえかみも またわかくさの にほひかな

前髪も まだ若草の 匂いであろうか

V=0.2 きみかよの しるしとそみる すみよしの まつふくかぜも のとけかりけり

君たちの時代の あかしといえる 住吉の 松に吹く音も のどかだったなぁ

V=0.3 よわからば よわきがままに かみにゆけ みちになくこを だれかへりみむ

弱ければ 弱いがままに 上に行け 道中にて泣く子を 誰か振り返ってみるだろう

V=0.4 こまとめて そでうちはらふ かけもなし さの のわたりの ゆきのゆふくれ

馬をとめて 袖(の雪)を打ち払う 物陰すらない 佐野の渡し場の 雪の夕暮れ

V=0.5 やまさとは かすみわたれる けしきにて そらにやはるの たつをしるらむ

山里は 霞がかかる 景色によって 空には春が やってくるのを知るだろう

V=0.6 つのくにの なにはのはるは ゆめなれや あしのかれはに かぜわたるなり

津の国の 難波の春は 夢であったのか 葦の枯葉に 風が渡るばかりだ

V=0.7 こひしねと するわさならし むばたまの よるはすがらに ゆめにみえつつ

恋焦がれて死ねと いうことであるらしい ぬばたまのように黒い 夜の間中ずっと 何度も夢に出てくる

射干玉(ぬばたま)、檜扇(ひおうぎ)

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