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⦿ 店頭展示されている多くの眼鏡は、基本的には『未完成品』です。
⦿ 個々の見え方に合わせた『レンズ』を枠入れして、ようやく『半分完成』です。
⦿ 更に、個々のお顔の特徴に合わせて『フィッティング』をして、やっと『完成』といえます。
眼鏡は、パーソナルな商品です。
極稀に、ご購入されたご自分の眼鏡形状を『一寸の誤差も無く、左右対称にして欲しい』という几帳面な方がおられます。
2~3年に1回ぐらいの頻度で出会います。
そういう方に限って、『お顔が左右対称ではない』のですが、そんな事を口に出してしまいますと『大変な事になってしまいます』ので、言いません。
自分に当たってしまった場合には、何も言わずに眼鏡の歪みを無くすのですが、掛けた状態は歪んでます。
『眼鏡の歪みは無いのに、何故でしょう・・』
精神疾患という可能性も、冗談抜きに実際ありそうです。
どちらにせよ、『調整知識』や『調整技術』は必要ですので、いざという時に困らないように復習してみましょう。
フィッティングの分類
フィッティングには、『基本調整』⇨『仮調整』⇨『最終調整』⇨『再調整』があります。
フィッティングの条件
調整でのポイントは、『光学的』、『力学的』、『解剖学的』、『美観的』の4つです。
つまり、
『見え方』、『ズレ落ちない』、『痛くない』、『見た目』の要素を全て満たす眼鏡調整が良いと考えます。
光学的フィッティング
調整による『見え方』の違いが出ます。
『どのように変化』し、『どのような違い』がでるのかを十分理解しておきましょう。
- 角膜頂点間距離(vertex distance:VD)
- 便宜上12mm
- 屈折補正効果の変化
- 網膜像の変化(眼鏡倍率)
- 網膜像の歪み(歪曲収差)
- 注視野の変化
- 近見時の必要調節量変化
- 重心の位置による重量変化
- 装用時前傾角
- 遠用は5°~10°、近用は10°~15°(20°)
- レンズ光軸と視軸の不一致による非点収差の発生(マーチンの式により求められる)、軸方向は180°
- ビジュアルポイントの位置(レンズ光学中心からの高さ)
- そり角
- 遠用は180°、(近用は理論上170°)
- レンズ光軸と視軸の不一致による非点収差の発生(マーチンの式により求められる)、軸方向は90°
力学的フィッティング
調整による『ズレ落ち』や『痛さ』についてです。
私には、調整時の作用・反作用の『ベクトル』が見えます。
- パッド調整
- ビッセルスの公式(鼻の傾斜角度と力の関係)
- 面積と圧力、摩擦と圧力
- パッドの位置、幅、角度
- テンプル(腕、手、つる)調整
- 顔幅と開き幅(作用と反作用)
- テンプルの長さ、素材、デザイン
- テンプルチップ(モダン、先セル)調整
- 耳の付け根と、曲げ位置の関係
- 耳介後の側頭骨に適度な力で沿わせる
- 耳介頂点やや後方の最適な位置で曲げる(40°~50°の角度)
解剖学的フィッティング
これも、調整による『ズレ』や『痛さ』における知識となります。
解剖学的な、筋肉や血管の位置、骨格を知る必要があります。
骨の上に、脂肪や筋肉、血管が流れ、皮膚があり、普段目にしている顔となります。
『人間、皮を剥いだら皆同じ』とは誰の言葉かは忘れましたが、そういう事です。
- 顔型・頭部の解剖
- 骨格形状(鼻骨、軟骨、鼻翼、側頭骨、乳様突起)
- 幼児・学童の特徴(顔の横比が広い、皮脂膜の保護が少ない、デリケート、鼻は低く扁平)
美観的フィッティング
眼鏡調整では、『ズレ落ちなく』、『痛くなく』とも、『美観』が損なわれては台無しです。
眼鏡は、お顔の真ん中に位置します。意図しない印象を与えないように注意しなければなりません。
マスクでお顔が隠れ、補正効果があるとしても、素敵なお顔をより良く見せてしまいましょう。
ただ、最も重要なのはその人本来の内面です。
性格は間違いなく『顔』に表れます。
接客経験の中で得たものです。
- 比率、枠の大きさなど
- 黄金比(1:1.618)、白銀比(1:1.414)
- 上下幅、横幅
- 装用位置・高さ
- 瞳孔中心(玉形高さの3/5)
- パッド箱(瞳孔中心から10mm下方)
- 左右パッド幅(12mm~18mm)
- フロントの水平
- 左右の瞳孔中心と平行
(色付きなどでは、左右の眉毛と合わせる)
- 左右の瞳孔中心と平行
- 角膜頂点間距離や前傾角による印象
- 頂点間距離による鼻の高さ
(平坦な顔、彫の深さ) - 前傾角によるシャープさ
(怖い、柔らかい)
- 頂点間距離による鼻の高さ
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