同じ度数でも全然違う!老眼鏡と拡大鏡の真実とは

一般消費者、眼鏡作製技能士を志す方に向けて

Last Updated on 3日 by 管理者

例えば、+3.00Dの老眼鏡と、+3.00Dの眼鏡型ルーぺ(拡大鏡)では見える大きさに違いがあります。

えっ!ほんと?、、、と思われる方も多くいらっしゃいますので以下にまとめておきます。ご参考にしていただければ幸いです。

老眼鏡と拡大鏡の基本を知ろう

老眼鏡とは?役割と特徴

老眼鏡は、加齢によって近くのものが見えづらくなる老視を補助するための眼鏡です。

老眼鏡は近くのものにピントを合わせやすくします。

+1.00Dや+1.50Dなどの度数で表示されます。

拡大鏡とは?使い方と効果

拡大鏡は、小さな文字や細かい作業を見やすくするための道具です。

拡大鏡は老眼鏡とは異なり、視力補正ではなく単純に対象物を拡大するためのものです。

×1.6倍や×2倍などの倍率で表示されます。

老眼鏡と拡大鏡の違いとは

老眼鏡

  • 役割: 加齢によるピント調節機能の低下を補い、近くのものをはっきり見えるようにする。
  • 特徴: レンズの度数を調整し、視力補正を行う。
  • 使用場面: 読書、スマートフォン操作、パソコン作業など。

拡大鏡

  • 役割: 文字や物体を拡大し、細かい作業をしやすくする。
  • 特徴: ピント調節機能はなく、単純に対象物を大きく見せる。
  • 使用場面: 手芸、精密作業、模型作りなど。

ここまでは、一般的なよくある話です。では、本題に入ります!!!

眼鏡型ルーペの2つの秘密

  1. 角膜頂点間距離(VD)を離して使用する
    • 像は拡大されます
  2. 眼鏡型ルーペの心取り点間距離(CD)は通常より短く(48mmなど)設計されています。
    • 基底方向が内方のプリズム作用により拡大されます

角膜頂点間距離(VD)が離れると像は拡大される

拡大されて見える原理は、下図のように物体による虚像が大きく見えるからです。物体とレンズを位置を固定して、レンズ度数が強くなりますと焦点距離が短くなり虚像が大きくなります。

度数が強く(焦点距離が短く)なる、または頂点間距離が離れるほど像は拡大される

● 眼鏡倍率は、二つの要因(レンズの度数と形状)により決まります。

頂点間距離が離れ、屈折力Dが大きく、レンズは厚く、屈折率が低いほど倍率は大きくなります。

眼鏡倍率(像倍率 SM)

計算例】

レンズ後面がトーリック面のレンズ「C+2.00 Ax180°」(装用距離12mmは lv=15mm、中心厚 t=5mm、屈折率 n=1.5、前面屈折力 D1’+5.00)で倍率を計算してみます。

180°方向は屈折力DV’=±0.00 から、Mp×MS=1×1/(1−(0.005/1.5)×5)≒1.017
90°方向は屈折力DV’=+2.00 から、Mp×MS=1/(1−(0.015)×2)×(1.017)≒1.048

倍率差 0.031から、縦長(90°方向)に3.1%の拡大。

、、、というように計算します。

心取り点間距離(CD)が近いとプリズムBIの作用により拡大される

プリズムレンズは、薄い(稜)方向に物体が移動して見えます。つまり、左眼は左方向に、右眼は右方向に物体が動いて見えます。その結果、奥に遠ざかり拡大されて見えます。

プリズムBIにより増加された開散要求に対する現象です。

PΔBIにより、拡大され遠ざかって視覚される

サイロー現象(SILO)

Small In Large Out とは、増加した輻輳要求に対して融像が維持された時、視標が小さく、近づいたように視覚される(Small & In)現象。逆に、増加した開散要求に対する融像維持では視標が大きく、遠のいて視覚される(Large & Out)現象。

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