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眼鏡フレームを選ぶ時、迷ったり、困ったり、何が良いのか、本当にそれで良いのか、不安や心配になったりする事ないですか?
フレーム選びのポイントはいくつか存在しますが、お顔に「似合う」とか「似合わない」というのは主観的要素が関わってきます。
とはいえ、美学的観点、造形・色彩学などから基準となる考え方は存在します。
主に、美観的に選ぶか、機能的に選ぶかの二択です。
- 美観的には
- 瞳孔の位置を黄金比などの比率に当てはめる
- 度数による仕上がりの違いを想像する
- 眼の大きさの変化を考える
- 枠の大きさが与える印象を知る
- 色や形状、材質による印象
- サイズ感。・・・などです。
- 機能的には
- 重さ
- 視野
- 歪み
- 材質
- 調整のし易さ・・・などです。
美観的
瞳孔の位置を黄金比などの比率に当てはめる
フレーム枠の、下からおよそ3分の2の位置に黒目がくるようにします。これはお店の人に調整してもらいましょう。但し、眼の高さを調整できないフレームもありますので、後悔する前に先に店員さんに聞いておきましょう。
黄金比とはデザインを美しくする比率であり、1:1.618で表されます。約5:8です。
例えば、『ミロのビーナス』、『モナリザ』、『凱旋門』、『サグラダ・ファミリア』、『クレジットカード』、『タバコの箱』などがあります。
白銀比というものもあり、1:1.414で表されます。約5:7です。こちらの方が、日本人には馴染みがあると思います。
例えば、『法隆寺』、『五重塔』、『東京スカイツリー』、『コピー用紙』などがあります。
度数による仕上がりの違いを想像する
店頭に置いてある未完成の状態と、レンズが実際に入り完成した状態とでは度数が強いと大きく変わります。その場合には、特にレンズ玉形サイズが小さいフレームを選びましょう。
裸眼視力が0.1位もあれば、そこまで厚いレンズにはなりませんが、あまりにも度数が強いと厚いレンズが入ります。
そうなると、レンズがフレームからはみ出てしまいます。数ミリなら気にならないかもしれませんが、
高い値段を出して薄型レンズにするよりも、玉型サイズが狭いものにした方が、安いレンズでも薄く仕上がる場合が多いです。
度数が強い場合には、瞳の大きさも小さく(遠視の場合には大きく)なってしまいます。
サイズはテンプル(フレームの横)に記載されておりますので参考にすると良いですよ。
見方として、例)日本のようにボクシングシステムを採用している国では、『 52▢18_140 』のように記載されております。玉形幅の2倍とブリッジ幅を足した値が小さいフレームを選ぶとレンズは薄く仕上がります。
では、何故、小さい枠が薄く仕上がるのかといいますと、
レンズには光学中心というものがあり、その中心と瞳孔を合わせて眼鏡を作成しているからです。
凹レンズでは、光学中心が一番薄い場所であり、周辺部に行くに従い厚くなります。
逆に、既製品の老眼鏡のような凸レンズでは、中心部が一番厚くなります。凸レンズでも、小さい枠であればレンズメーカーさんに特注品として薄くなるように指定をかけられますので、凹レンズでも凸レンズでも薄く仕上がります。
枠の大きさが与える印象を知る
枠が大きいと小顔効果がありますが、眼は小さくみえます。一方で、枠が小さいと小顔効果は無いですが、眼は大きく見えます。これは、錯視が関係しています。例えば、エンビングハウス効果です。
色や形状、材質による印象
フレームの色でも変わります。膨張色(進出色)や収縮色(後退色)です。
例えば、膨張色は白や赤、黄、橙など暖色系で明度が高い色です。収縮色は黒や青、紫などの寒色系で明度が低い色です。黒のストッキングは足が細く見えますし、黄色い傘は大きく見えますね。
色の知覚は網膜にある視細胞(赤錐体、緑錐体、青錐体)に影響されます。フレームを大きく見せたければ膨張色、小さく見せたければ収縮色を選ぶと良いですよ。
但し、肌の色によっては、血色が良く見える色が個々で違います。瞳の色や、髪色でも似合う色は変わります。
ブルーアンダートーンかイエローアンダートーンか、その中でもハード系とソフト系があります。色で選ぶ場合は、例えば、同じ黄色でもバナナイエローとレモンイエローとでは違います。実際に掛けて試してみましょう。
何色が良いのかわからない人は、参考として腕時計やアクセサリーの色と合わせると良いです。他には、顔が濃い人は原色系にし、薄い顔の人はソフト系が良いです。洋服に合わせやすい色で選ぶと良いですね。
色で印象を演出するのも楽しいですね。ポップ、キュート、プリティ、フレッシュなどの春らしい色、エレガント、フェミニン、ソフト、清楚などの夏らしい色、ゴージャス、華やか、ウォーム、エキゾチックなどの秋らしい色、スタイリッシュ、クール、シャープ、都会的などの冬らしい色・・・など、試してみてはどうでしょうか。
形状による印象の違いは、丸型(ラウンド、オーバル、ボストンなど)は柔らかく優しい印象、四角型(スクエア、ウェリントン、バレルなど)はスマートでシャープ、落ち着いた印象になります。リムが吊り上がる型(フォックスなど)はエレガントでセクシー、少しきつい印象。リムが吊り下がる型の丸などは優しい印象になります。大枠はナードな印象。流行りの型は・・・などです。
枠上部を眉毛と平行に合わせたり、頬骨の形状を見て、丸顔には四角い枠、四角い顔には丸い枠などにするのも良いですね。
材質でも印象は変わります。ビジネスシーンで使いやすいメタル素材、カジュアルなプラスチック素材。TPOでも変わりますね。ナイロールなどの細身は顔の印象が変わりづらいですので、あまり目立たせたくない方はそういうのも良いですね。但し、上半分などのナイロールフレームは凸レンズなどで、度数によってはレンズが欠けやすくなります。
サイズ感
サイズの目安としては、フレームの横幅を頬骨に合わせると良いです。その際に、黒目の位置が玉形より少し内側にくるのが美観的に良いです。
機能的
重さ
重さはもちろん軽い方が良いですが、強度数ではレンズが重くなりますので注意が必要です。レンズが重くなる程、フレームが軽くなる程、眼鏡全体での重心は前寄りになります。
重心が前になる程、鼻へ掛かる負担が大きくなり、痛くなり易かったり、前に眼鏡がズレ落ちやすくなります。
但し、眼鏡全体が軽くなればなる程、鼻や耳に掛かる重さは軽減する為、痛くなりづらくなります。
因みに、レンズは屈折率が高いレンズになると薄くなりますが、その代わり比重が高くなります。結果、屈折率が高いレンズにしても極端に軽くなる事はありません。強度近視(−6.00Dを超え−10.00D以下)でおよそ1g軽くなります。
視野
大枠の方が視野が広くなります。遠近両用や、近く用、パソコン用などは天地幅がある方が良いです。調整により、眼とレンズの距離を近づけられるフレームの方が視野を広くできます。
色視野はおよそ、白色で上方60°、内方60、下方70°、外方100°位であり、白から、青、赤・黄、緑の順に10°位ずつ狭くなっていきます。
元々の視野が決まっている以上、必要以上に大枠にする必要はありませんが、枠が視界に入るなどで、気になるようなら少し大きめにすると良いでしょう。
遠近両用レンズのように、上下で度数が変わる為に天地幅が約3cm必要となる累進多焦点レンズもあります。近く用やパソコン用などの度数が変化しない単焦点レンズでも天地幅がある大枠の方が、上下で顔を動かさないでも見れるので使い易いと思います。但し、天地幅があるフレームはプリズムの影響により、立ったりした際に地面が浮く具合が強く出ます。立つ場面が少ない場合では、大きい枠の方が良いでしょう。
歪み
大枠になるほどに収差の影響により、周辺部の歪みが強くなります。歪みを抑えたければ、レンズを非球面設計というレンズにすることで収差を少なくできます。眼とレンズの距離は近い方が、感じる収差を少なくできます。
収差とは光学系における理想的な結像とのズレをいいます。実際のレンズには収差が発生する為、光線が一点に集まらず、像がぼやけたり歪んだりします。収差の種類にはいくつかあり、例えば、ザイデルが分類した5収差(球面収差、コマ収差、非点収差、像面収差、歪曲収差)と呼ばれるものと、色収差(軸上色収差、倍率色収差)があります。
この中で、眼鏡レンズで問題になる収差は非点収差と歪曲収差、色収差です。瞳孔径が3~4mmとすると、球面収差やコマ収差はほとんど無視できます。像面収差も、網膜がほぼ球面である為無視できます。
非球面設計のレンズは、非点収差や歪曲収差を補正するだけではなく、眼球の回旋を考慮した設計にもなっています。但し、高屈折率の素材ほどアッベ数(色分散の逆数)が小さく、色収差が多い傾向にあります。
色収差が出やすいのは、光を収束させる凸レンズです。光を拡散させる凹レンズでは、周辺部のプリズム作用の大きな所を通る光が眼に入る事が少ないので影響はあまりありません。
材質
フレームの材質は主に3つです。プラスチック素材(セルロイド、アセテート、オプチル、エンジニアプラスチックなど)、メタル素材(金、プラチナ、チタン、ニッケル合金、ステンレスなど)、天然素材(鼈甲、水牛の角、竹、ウッドなど)
素材による違いは、重さ、弾力性、丈夫さ、腐食性、金属アレルギー、質感、などです。材質やデザインなどによっても値段が変わってきます。もし、新しい眼鏡を探す場合には、何を重視するのかをしっかり決め優先順位をつけると良いでしょう。
眼鏡の材質は、テンプル内側などに品質表示されておりますので、ご自身でも見ればわかります。お店でじっとテンプル部を見ていると店員さんから声をかけられますので、その時にでも聞いてみた方が良いですね。
テンプル内側を見ているのは、「サイズ」か「品番」を見ているのがほとんどです。「材質」を見ている方は少ないですね。
店員さんに聞く時には、材質で聞くよりも、「軽いのはどれですか?」とか、「丈夫なのどれですか?」と聞く方がスマートですね。例えば、材質が軽くても、大枠で度数が強く重くなる事もあります。軽い材質ではなくても、小さい枠の方が良い場合もあります。
何を重視するのかを伝えると店員さんもご案内がしやすいので良いでしょう。
調整のし易さ
店頭に置いてある状態のフレームは調整されておりません。お顔の大きさや形に合わせて、調整して初めて完成品といえます。フレームにレンズを入れただけでは、本当の意味で眼鏡が完成したとはいえません。フレームの材質やデザインによって、調整が出来ないものがあります。調整によって、見え方や装用感が変わりますので注意が必要です。
一般的には、調整によって水平具合や高さ、眼とレンズの距離(角膜頂点間距離)、傾斜角、そり角、横幅、耳元の掛かり具合などを変える事が出来ます。
調整がしづらい材質は、形状記憶素材や天然素材、温めても軟化しない素材などが挙げられます。
デザイン的には、プラスチック素材などによくある、鼻元が固定式で一体型のタイプは鼻幅や高さ、角膜頂点間距離などの調整ができません。智の部分に厚みがあり、ガッチリしているタイプは横幅の調整が難しいです。装飾品が付いているタイプはその付近の調整がほとんど出来ません。
調整できなくても特に問題ない場合も多くありますので、店員さんに聞いてみましょう。
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