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不正乱視を眼鏡で補正することは出来ません。
ハードコンタクトレンズなどを装用する事で補正するのが基本となります。
コンタクトレンズと角膜の間に涙が溜まり、それが『涙液レンズ』となり、角膜の凹凸が補正されるイメージです。
では、全く眼鏡で視力を出せないのかといいますと否です。
何故ならば、『不正乱視』の成分自体は補正できませんが、実際の『不正乱視』は、『正乱視』と『不正乱視』の成分で組み合わされているからです。
『正乱視』の成分を補正する事で、場合により視力を出す事は可能となります。
例えば、以下のような『不正乱視』があったとします。
縦軸が度数になります。つまり、『3.75D強の不正乱視』があります。
では、眼鏡レンズで補正できる『正乱視』と、補正できない『不正乱視』に分解します。
『1.00Dの正乱視』で補正した場合は以下のようになります。
『不正乱視』が弱くなりました。
『1.25Dの正乱視』で補正した場合は以下のようになります。
『不正乱視のみの成分』が更に弱くなりました。
続いて、『1.50Dの正乱視』で補正しますと、以下のように『不正乱視のみの成分』が少し強くなってしまいました。
以下の図のように、『2.00Dの正乱視』で補正しますと、『不正乱視のみの成分』が更に強くなってしまいました。
以上から、『1.25Dの正乱視』で補正するのが良いというのがわかりました。
『1.25Dの正乱視(灰色のカーブ)』を補正した図が以下のようになります。
つまり、『1.25Dの正乱視』を補正します。
残った乱視が『不正乱視のみの成分(緑色のカーブ)』となります。
初めの『3.75D強の不正乱視(青色のカーブ)』が『1.25Dの正乱視』と『2.50D強の不正乱視(緑色のカーブ)』に分解できました。
『1.25Dの正乱視』は眼鏡で補正できました。
以上の事からわかる事は・・・
円錐角膜や角膜移植による『不正乱視』は、多少であれば乱視補正も可能である事です。
ただし、基本的にはコンタクトレンズでの補正の方が良いのは間違いないですし、眼鏡で乱視補正した場合には『残余乱視』は避けられないものとなります。
測定時には、オートレフラクトメーターによる他覚測定値次第では、本来の乱視度数よりも強い測定値が出やすい為に注意が必要となります。
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