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レンズ光学中心の位置
通常、眼鏡作製する際には、レンズ光学中心と、瞳孔中心を合わせて作製します。
正確には、前傾角5°~10°の遠用眼鏡では、第1眼位から2.2mm~4.4mm低い位置にレンズの光学中心がくるように加工作成します。
前傾角10°~15°の近用眼鏡では、第1眼位から4.4mm~6.7mm下方にし、更には輻輳を考慮したPDでの作成となります。
上の数字は、以下の計算から導き出せます。下図参照。
25×tan5°=2.18721658・・・
25×tan10°=4.4081745・・・
25×tan15°=6.6987298・・・
レンズ中心を合わせて作成する為、フレームの枠が大きくなるにつれて厚く仕上がります。
マイナスレンズでは、光学中心から遠く離れた箇所が厚くなりますし、プラスレンズでは、光学中心の部分が厚くなります。
凹レンズと凸レンズの厚み
例えば、−5.00[D]と+5.00[D]のレンズを2枚重ねますと相殺されて度無しとなります。
図にすると以下のようになります。
つまり、−5.00[D]のフチ厚と、+5.00[D]の中心厚は同じとなる筈です。
実際の某レンズメーカーによる厚み表を以下に示します。
①~⑥を比べますと、ほぼ同じ厚みとなっております。
凸レンズの直径による厚み
レンズの直径を60φと同一サイズで比較しましたが、プラス度数やMiX度数の場合には、レンズの直径で厚みが変わります。
例えば、以下の図のようにレンズ拡大径の指定をしますと、中心厚が厚くなります。
逆に、レンズ縮小径の指定では、以下のような不必要なレンズ部分(度無し要素)を薄くスライスできます。
その結果、薄くなります。
プリズムレンズでの厚み
レンズを薄くできる他の例として、凸レンズとプリズムレンズを貼り合わせたものでも考える事ができます。
このような理屈で、例えば1.5ΔBDなどを、遠近両用レンズに入れて薄くする事ができます。
これらは、レンズメーカーにより呼び方が異なります。
HOYAでは『アレジェ』
SEIKOでは『プリズムマティックシニング』
Nikonでは『プリズムシニング』
・・・等と呼ばれます。
レンズ設計による厚み
以下のような、レンズ設計による厚みの変化もあります。
球面設計から非球面設計になりますと、凸レンズでは後面が前方に移動し平らに近づきます。
一方で、凹レンズでは、外面非球面ではレンズ前面が後方に移動し、内面非球面ではレンズ後面が前方へと移動します。
見た目の厚み
レンズメーカーによるフチ厚表では、単純な縁厚のみの記載となりますが、下図のような凸面の高さの記載はありません。
仕上がりの見た目は、『凸面高さ』と『縁厚』を足し合わせた厚みが重要になります。
某レンズメーカーの厚みをまとめたものを以下に示します。
例えば、屈折率が同じ1.60のレンズでも、球面設計よりも非球面設計レンズの方が見た目が薄く綺麗に仕上がります。
特に、凸レンズでは非球面設計の方が薄く仕上がります。
また、例えば、屈折率1.67の非球面設計レンズでは、
−2.00[D]の厚み2.3[mm]
−3.00[D]の厚み3.0[mm]
−4.00[D]の厚み3.6[mm]
−5.00[D]の厚み4.3[mm] ・・・
のように、同レンズ内での厚みは、約0.7[mm]ずつ厚くなり、等差数列のようになっております。
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