顔料と染料を徹底比較！

Last Updated on 2日 ago by 管理者

この記事は、顔料と染料の違いや特性、用途について詳しく解説します。

カラーレンズの染色が「顔料」なのか「染料」なのかを考えながら読んでみてくださいね！！

特に、印刷や染色に関心がある方々に向けて、どちらを選ぶべきかの判断材料を提供します。
顔料と染料の基本的な知識から、具体的な使用例まで幅広くカバーしますので、ぜひ参考にしてください。

顔料と染料の基礎知識

顔料と染料とは何か？

顔料と染料は、色を付けるための物質ですが、その性質や用途には大きな違いがあります。

• 顔料・・固体の微細な粒子であり、溶剤に溶けず、主に表面に付着します。
• 染料・・液体に溶ける性質を持ち、繊維や素材の内部に浸透して色を付けます。

顔料と染料の違い

主にその成分と特性において異なります。

• 顔料・・発色はやや鈍い。耐久性が高く、色あせしにくい。
  • 長期間保存する必要がある印刷物やアート作品に適しています。
• 染料・・色素が溶け込むため発色が非常に鮮やか。紫外線や水に弱く、色あせしやすい。
  • 鮮やかな色合いが求められるファッションやインテリアの染色に向いています。

顔料と染料の種類

水性と油性の顔料と染料

顔料と染料には、水性と油性の2つのタイプがあります。

• 水性顔料は水に溶けず、主にアクリル絵具や水彩絵具に使用されます。
• 油性顔料は油に溶け、油絵や印刷に適しています。

染料も同様に、水性染料と油性染料があり、それぞれの特性に応じて使い分けることが重要です。

主な顔料と染料の種類一覧

顔料と染料には多くの種類があります。以下に代表的なものを挙げます。

• 顔料：水や油に溶けず、粉末として表面に付着して発色
  • 二酸化チタン（白）
  • 酸化鉄（赤・黄・黒）
  • ウルトラマリン（青）
  • ラピスラズリ（青、天然鉱物）
  • 孔雀石（緑、マラカイト）
  • カーボンブラック（黒）
  • 銀粉・アルミ粉（金属光沢）
  • 硫化亜鉛（白、蛍光顔料にも利用）
  • 黄鉛（黄）
  • クロムバーミリオン（朱）
• 染料：水などの溶媒に溶け、繊維内部に浸透して発色
  • インディゴ（藍染め、バット染料）
  • コチニール（動物由来、赤）
  • アカネ（植物由来、赤）
  • ベニバナ（植物由来、紅色）
  • ムラサキ（紫根、紫）
  • アイ（植物由来、藍）
  • コンゴーレッド（直接染料）
  • オレンジII（酸性染料）
  • メチルバイオレット（塩基性染料）
  • Disperse Red 1（分散染料）

インクジェット用顔料と染料の選定

インクジェットプリンターでは、顔料インクと染料インクのどちらを選ぶかが重要です。

• 顔料インクは耐水性が高く、長持ちするため、アート作品や写真印刷に適しています。
• 染料インクは発色が良く、特に光沢紙に印刷する際に優れた結果を得られます。

プラスチックの染色

一般的なプラスチック素材の色付けには、内部着色、外部着色、染色があります。

• 内部着色・・成形前の樹脂ペレットに染料や顔料を混ぜ込み、成形時に色を付ける。
• 外部着色・・成形後のプラスチック表面に色を付ける。塗装、印刷、メッキなど。
• 染色・・染料を溶かした液にプラスチックを浸し、加熱して染料を浸透させる。

眼鏡プラスチックレンズの染色

レンズの場合は透明性がとても重要です、、、ということは「染料」を用いるのが主流となります。

一般的なプラスチックレンズの染色は、およそ90℃の染料ポット（染色液）にレンズを数時間浸漬しんしし、任意の色や濃度になるよう色検査と染色と色検査・色修正を繰り返し行います。

さらに洗浄し加熱定着を行い、色検査で違いがあれば再度染色する工程に戻ることを繰り返し行います。そのため時間も手間も掛かります。

色ごとの専用ポットが色の数だけ必要になり、染色液もおよそ２週間で廃棄となるため色の再現性はとても難しく、ペアの色合わせも大変な作業です。そして、プラスチックレンズの素材によってはWET染色ができないものもあります。

「顔料」を用いる気相転写染色では、これらの大変な作業が解決されます。時間短縮、色の再現性も高くデザイン性も豊富、耐光性も良く、染料廃液も無く環境にもやさしい等々。ただ、レンズ表面にドットが少し目立ちます。

今後は、「染料」と「顔料」の組み合わせが主流になっていくのかな！？

使用における具体例

写真印刷、タオル印刷、ノベルティ製品、万年筆用インク、、、。顔料インクと染料インクの選択は、長期使用の耐久性で選ぶか、発色が良い方で選ぶかなどです。ぜひ参考に！

混ぜる際の注意点

顔料と染料を混ぜる際には注意が必要です。

顔料は水に溶けないため、染料と混ぜると色の発色が変わることがあります。また、混ぜる比率によっては、色が濁ることもあるため、少量ずつ試すことが推奨されます。

使用する際には、事前にテストを行うことが重要です。