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とりあえず、何から眼鏡の勉強したら良いのか分からない方へ向けた内容となります。
眼鏡屋さんに務めて1ヶ月経って、もうそろそろ眼鏡の知識付けないとな!って思われている方は是非参考にしてみてください。
眼鏡フレームの種類を知ろう
接客中に、「フレームないやつある?」とか、「跳ね上げのタイプある?」などと聞かれることもあるかと思います。基本的な種類を知っておきましょう。
- プラスチックフレーム
- フロントの主要部分がプラスチック材料で作られた眼鏡フレーム。
- メタルフレーム
- フロントの主要部分が金属で作られた眼鏡フレーム。
- フルリム
- フロント部のリムがレンズの全てを囲っているタイプ。
- 縁なしフレーム(ツーポイント・リムレス)
- 全てのリムがレンズを一周していないフレーム。
- 溝堀りフレーム(ハーフリム・ナイロール)
- レンズの周囲に掘られた溝に糸を沿わせて固定するタイプのフレーム。JIS B7280 : 2006(ISO 7998 : 2005)では、縁なしフレームと統一され「リムがレンズを一周していないフレーム」とされている。
- コンビネーションフレーム
- フロントの主要部分のいくつかがプラスチック材料で、他の主要部分が金属で作られているフレーム。サーモント(ブローライン)など。
眼鏡フレームの玉形デザインを知ろう
基本的な玉形デザインです。
- 基本形が三角形
- オート(なす)(ティアドロップ)、ボストン、フォックス(モンロー)など
- 基本形が丸型
- オーバル、ラウンドなど
- 基本形が四角形
- ウェリントン、レキシントン、スクエア、パリ(パリジャン)など
- 基本形が多角形
- オクタゴン(8角形)、ヘキサゴン(6角形)など
ですが、ウェリントン寄りのスクエア、オーバル寄りのボストンなど、実際には「どっち?」みたいな玉形デザインも多く存在します。
眼鏡の寸法(サイズ)表示を知ろう
接客中に、「小さい枠ある?」とか、「このフレーム、どっち大きい?」などと聞かれることもあるかと思います。サイズの表示と意味を知っておきましょう。
『 57 ▢ 18 − 145 』などとテンプル内側やブリッジ内側に表示されています(ボクシングシステム)。
意味としては、『 (玉形幅) ▢ (レンズ間距離) − (テンプル長さ) 』です。
但し、レンズのサイズは表記されますが、レンズ耳側の端から智(鎧)の耳側の端までの距離の表示はされないという事に注意しましょう。
また、眼鏡の掛かり具合がきつく感じるのか、緩く感じるのか、見た目が気になるのかによって、ご案内は変わります。
眼鏡調整(フィッティング)などで解決するのかどうか、黄金比などの美観的問題は無いか、眼鏡度数によってはお勧めできないこともあります。
また、接客中に「つるが長いの無い?」と聞かれた時に、表示は「丁番ねじ部からテンプルエンドまでの長さ」です。智(鎧)からテンプルエンドまでの長さではありません。
因みに、レンズ(玉形サイズ)が大きい方が良いと思われている方は多いですが、眼が悪い方(度数が強い方)は小さいサイズの方が「レンズが薄く」「軽く」「歪んで見えるのも少なく」なります。
枠が小さい方が、錯視で、眼の大きさの変化も少なく見えます。
枠が視界に入るのが気にならなければ、小さいフレーム枠がおすすめです。
単焦点レンズと累進屈折力レンズでのフレーム選択
単焦点レンズ(遠くだけ見たい、近くだけ見たいという場合)では「枠の大きさで作製できない」ということは偶にあるぐらいです。
ですが、累進屈折力レンズ(遠くも近くも見たい!という場合)では「天地幅が約3cm以上必要」となります。レンズの上で遠くを見て、下の方で近くが見える度数が入ります。
累進屈折力レンズをご希望の方は、上(遠方)と下(近方)の両方がレンズに入らないといけませんので、上下の幅が足りないと見えづらい遠近両用眼鏡になってしまいます。
大まかなレンズ知識を知ろう
個々に合わせた眼鏡レンズを削り、フレームに入れて眼鏡完成となります。
そのレンズ形状は、弱度数では薄く、強度数では厚くなります。
眼鏡レンズはメニスカス(三日月の意味)形状です。
度数が強くなると、凸レンズ(プラスレンズ)では中心部が厚くなり、凹レンズ(マイナスレンズ)では周辺部が厚くなります。
同じ度数でも、屈折率が高いレンズでは薄く仕上がります。
眼鏡レンズでの補正は、コンタクトレンズと違い(眼とレンズの距離が離れているため)強度数になるほど歪んで見えたりもします。
歪みを抑えた設計が非球面設計レンズです。
球面設計➝片面非球面➝両面非球面の順で、レンズが薄く、歪みが少ない見え方になります。
アッベ数、比重、吸水性、耐衝撃、透明性、加工性などもレンズ種によって異なります。
球面レンズと円柱レンズを知ろう
レンズ度数には、球面度数(Sph)、乱視度数(Cyl)があります。
球面レンズの度数は「S−1.00」や「S+1.00」のように表示します。一般的に、0.25ステップで度数を表示します。
円柱レンズの度数は「C−1.00 Ax180°」や「C+1.00 Ax180°」のように、Ax(乱視軸の方向)を一緒に表示します。
球面度数と円柱度数が一緒の場合には「S−1.00 C−1.25 Ax90°」や「S+1.50 C−1.75 Ax180°」のように表示します。
度数と焦点距離を知ろう
度数が強いほど、光線が強く屈折します。
例えば、球面度数は、S+1.00[D]、S+2.00[D]・・・と強くなるほど、焦点が手前に結びます。
度数[D]=1 / 焦点距離[m] という関係性があります。
レンズ袋の表示
実際の眼鏡用レンズ袋には様々な情報が表示されています。
眼鏡公正競争規約による製造業者の必要表示事項:材質、コーティングの種類、頂点屈折力、外径、製造業者などです。
レンズ度数の他にも色々書いてありますので一度じっくり見てみてね。
眼の構造を知ろう
接客中に良いアドバイスができるように眼の構造を知らないといけません。
「どのように眼鏡補正をするのか」「白内障ってなに?」などの豊富な知識が必要です。
「既製品の老眼鏡が欲しいんだけど、どの度数が良いの?」「白内障の手術して眼内レンズ入っているんですよ」などと聞かれることもあると思います。
それってどんな状態なのかを知るためには先ず、眼図を描けるようにしましょう。
少なくとも、「角膜、強膜、虹彩、毛様体、脈絡膜、網膜、水晶体、硝子体、房水」の、場所・機能・役割を知らないといけません。
物を見るためには、角膜や水晶体で屈折された光がスクリーンである網膜に焦点を結ぶ必要があります。
焦点を結ぶ網膜の場所は、視力が良い黄斑部の中心窩である必要がありますので、視線はしっかりと物体に向かわないといけません。
より近くの物を見る時には、水晶体中心が前方寄りに膨らみプラス度数寄りに屈折力が強くなります。
通常、眩しい時には虹彩の筋肉の働きにより瞳孔が小さくなり光量を抑えます。逆に、暗い時には沢山の光が網膜に入るように瞳孔が大きくなります。
瞬きをすれば、涙で角膜全体が潤されないといけません。
これらの機能がしっかりと働かなければ良い視力が得られません。
例えば、白内障などの透光体混濁では網膜に届く光量が少なくなります。加齢による老視では調節機能が低下します。眼位がずれる斜視では黄斑部中心窩で明視できません。
屈折補正を知ろう
近視・遠視って何?
正視、近視、遠視の分類には、次の3つが必要です。
- 無限遠方からの平行光線であること。
- 調節していないこと。
- その焦点を結ぶ位置が網膜のどこなのか?
- 網膜上を「正視」とする
- 網膜前方を「近視」とする
- 網膜後方を「遠視」とする
「無限遠方からの平行光線」の条件がなければ、近視でも遠視でも網膜上に結像します。
老視でも「近視」では近くが見えます。「遠視」でも調節を沢山すれば遠くも近くも見えます。
調節すると、その調節量により焦点の位置が変化します。
加齢により調節力が低下すると、近方が見えづらくなります。
乱視って何?
乱視とは、外界の一点から発せられる光線がどこにも結像しない(焦点ではなく焦線となる)屈折状態のことです。
例えば、乱視がある場合には、一定方向にぼやけて見えます。
屈折測定検査で何をしてるの?
1番良く見えるレンズ度数というのが個々に様々あります。
測定では主に、その完全補正値と最高視力を測定しています。
それを元に装用度数を決めていくのですが、眼疾患が疑われる場合には眼科さんを紹介したりもします。
例えば、近視で遠くが見えるようにする為には「マイナスレンズ」で補正します。遠視では「プラスレンズ」で補正します。乱視があれば「円柱レンズ」で補正します。
視力って何?
視力とは、物体の形や存在を認識する眼の能力です。
「輪の切れ目(ランドルト環)」や「ひらがな」の視力表で測定します。
免許更新用などでは「ランドルト環」を使用し、日常生活を想定した場合では「ひらがな」を用いたりします。
ランドルト環の1.0視力表では、測定距離5mで直径7.5mmの輪の切れ目の幅1.5mmが判別可能かどうかを調べます。別々の方向で5回提示し、3回正解(正答率60%)でその視力とします。
裸眼視力からの度数目安は?
接客中に「視力0.1位なんだけど、どの位の厚みになる?」などと聞かれることがあります。
「それって片眼視力ですか?、両眼視力ですか?、乱視はありますか?」などと聞きたくなりますが、裸眼視力からある程度の近視度数を推測することができます。
例えば、片眼の裸眼視力が0.1の場合にはS−2.50D前後と推測できます。
S±3.00Dまでは弱度の分類となりますので、フレームの大きさや、眼鏡補正の割合によりますが、耳側の一番厚い箇所で約3mm弱となります。
業務内容
主な業務内容としては、接客、受付、測定、加工、調整です。
他にも、フレーム発注、レンズ発注、備品発注、伝票整理、清掃などなど。
接客中に必要となる知識はまだまだ沢山ありますが、本当に簡単にご紹介しました。
もっと知りたい、勉強したいと思ってもらえたら幸いです。
あっ、そうだ!
挨拶って大事ですよね。
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