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基礎的な内容ですので、覚えているところは読み飛ばして構いません。
気になる所だけでも構いませんので、是非参考にしてみて下さいね。
放射線(乱視測定)
- 指標が判別できる視力0.5位の近視性乱視にし、網膜に近い後焦線が濃く見える現象を利用し、乱視の軸度と度数の測定ができます。
測定手順
- 球面度数のみで視力0.1程度まで雲霧(等価球面度数でS+2.00D程度)を掛けます。
- そこからS−0.25Dを徐々に付加していき、視力0.5程度まで雲霧を解除していきます。
- 放射線視標を呈示し、濃く鮮明に見える線の方向を尋ねます。
- 時計になぞらえた数字に30°を掛けた値がマイナス乱視軸方向になります。
- その軸度にマイナス乱視度数を徐々に付加していくと、全方位の線の濃さが均一になっていき、さらに付加すると濃い線が反転し垂直方向の線が濃く見えます。その1つ前の度数が乱視度数となります。
⦿補足
乱視度数が強い場合には時間が掛かります。
乱視軸を合わせられる角度としては、濃い2本の線を比べて頂いた際によりどちらがより濃いのかを尋ねる事で、5°単位、更には2.5°単位で合わせる事が出来ます。
もし、オートレフラクトメーターの精度が高く、ほぼ乱視が合っている場合には、オートレフの値からそのまま乱視を抜いた球面度数というのは単性乱視の状態になっております。
点群(乱視測定)
- 最小錯乱円が網膜上にある状態で、クロスシリンダーレンズを反転させる事で乱視の軸度と度数の測定ができます。
- (補足:クロスシリンダーは最小錯乱円の位置は変わらないレンズ)
◎測定手順
- R=G、もしくは最高視力の状態にします。
- または、調節力がある年代の方であれば、その状態からS−0.50Dを付加した状態(あえて調節させる事により正確に最小錯乱円視をさせるため)にします。
- 点群視標を呈示し、クロスシリンダーレンズ(±0.25)を振ります。
- この時に、入力している乱視度数が無い場合にはマイナス乱視度数を付加し、180°、45°、90°、135°でそれぞれ試し、本当に乱視が無いのかを確認します。
- はっきり見える方向があれば、その方向に乱視のレンズを付加したまま次の工程に移ります。
- 先ずは乱視の軸度を決めます。
- クロスシリンダーレンズを振って、はっきり鮮明に見えるマイナス軸度方向に動かして変えていきます。何回か繰り返し、クロスシリンダーレンズを振っても変わらない軸度がその乱視軸度になります。行ったり来たりする場合は、180°もしくは90°に近い方向で決めます。
- 次に乱視の度数を決めます。
- クロスシリンダーレンズを振って、はっきり鮮明に見える方に乱視度数を変えていきます。
- この際に、最小錯乱円の位置が変わらないように、例えばマイナス乱視度数を2つ(C−0.50D)付加したら球面度数(S+0.25D)を加えます。
- 何回か繰り返し、クロスシリンダーレンズを振っても変わらない度数がその乱視度数になります。
- 行ったり来たりする場合は、弱い度数で決めます。
- 調節力がある年代で、初めにS−0.50Dを付加している場合には、その分戻して調節緩解(S+0.50D付加)をします。
⦿補足
乱視度数が弱い場合の測定の際に、乱視の軸度が大きくズレる場合がありますが、その場合にはオートレフの値を信頼しても良いと思いますし、一旦乱視度数の手順に進み乱視度数を決めてから、再度乱視の軸度の測定に進んでも良いです。
レッド・グリーン(レッド・グリーン測定)
- 色収差を利用したテストで網膜前方側にG、後方側にRが焦点を結びます。
- 網膜に近い方の色が濃く見えます。プラスレンズを付加すると前方に、マイナスレンズでは後方に焦点が移動します。
測定手順
- R・G視標を呈示し、◎か数字を比べてどちらか濃く鮮明に見える方を尋ねます。
- R<Gの状態は遠視状態
- R=Gの状態は正視状態
- R>Gの状態は近視状態となります。
- マイナスレンズを付加するとGが濃くなっていき、プラスレンズを付加するとRが濃くなっていきます。
- R=Gの状態が1番良く見える状態となります。
⦿補足
被検者が、レンズの中心部分でしっかり覗けているかの確認や、レンズからお顔が離れていないかの確認をしましょう。
RG視標を見てもらう時には、赤と緑の境目を見てもらうようにしてもらうと良いです。
両眼バランス(両眼バランス測定)
- 両眼バランス(調節のバランス)を合わせるテストです。
測定手順の一例
- 両眼に偏光フィルター(もしくは上下プリズム)をセットし呈示します。
- 左眼を遮蔽した時に上の視標が、右眼を遮蔽した時に下の視標がそれぞれ見える事を確認します。
- 上の視標(右眼)が左から順にどこまで読めるかを尋ねます。
- 一番右まで読めていたら、プラス方向にレンズを加えていき、読めなくなるまで続け1枚戻します。
- 一番右まで読めていない場合のは、マイナス方向にレンズを入れていき、より右側にある視標が読めるようになるかを調べます。
- 読めるようになる場合はこれ以上視力が上がらなくなるまで続けます。
- 読めるようにならない場合には、もともと見えていた視標が読めなくなるまでプラス方向にレンズを加えて1枚戻します。
- 続いて、下の視標(左眼)が順にどこまで読めるかを尋ねます。
- 右眼と同様に行います。
- 最後に、偏光フィルター(もしくは上下プリズム)を外し、両眼共にS+0.50D程度雲霧します。
- 視標は通常の文字またはランドルト環を見せます。
- 雲霧を0.25Dずつ解除していき、両眼での最高視力が出る最もプラス寄りの度数を求めます。
測定手順②(別の方法、簡略)
- 両眼同時にS+0.25Dを付加していき0.5視標がかろうじて見える程度まで雲霧させます。
- 良く見える眼の方にプラスレンズを付加し、左右同じ見え方にします。
- 左右が初めから同じ見え方の場合には、右眼と左眼をそれぞれS+0.25D付加し見えづらくなるかを確認します。
- 上と下の見え方が同じになるような両眼バランステストで使う場合には、左右での最高視力が同じになる場合以外では使えません。
- 左右の見え方を同じにしたのでは、結局視力のでない方の眼の見え方に合わせることになってしまいます。
⦿補足
斜位があると、指標が動揺すると訴える場合があります。
両眼レッド・グリーン(両眼バランス測定)
- 両眼バランス(調節のバランス)を合わせるテストです。
◎測定手順
- 両眼に約6△程度の上下プリズム(もしくは偏光フィルター)をセットし呈示します。
- 左眼を遮蔽した時に上の視標が、右眼を遮蔽した時に下の視標がそれぞれ見える事を確認します。
- 上の視標(右眼)で、RとGの◎か数字を比べてどちらか濃く鮮明に見える方があるかを尋ねます。
- R側の◎がより鮮明に見えた場合
- 右眼にマイナス方向に球面レンズを入れて、左右(赤緑)が同等になるようにします。
- 同等にならない場合には、G側から1つ前のR側が濃い状態にします。
- G側の◎がより鮮明に見えた場合
- 右眼にプラス方向に球面レンズを入れて、左右が同等になるようにします。
- R側の◎がより鮮明に見えた場合
- 同様に、下(左眼)の視標で、左右どちらか濃く鮮明に見える方があるか尋ね、必要に応じて左眼のレンズを変えR=Gの状態にします。
- 最後に、上下プリズム(もしくは偏光フィルター)を外し、両眼共にS+0.50D程度雲霧します。
- 視標は文字またはランドルト環を見せる。
- 雲霧を解除し(0.25Dずつ)、両眼での最高視力の出る、最もプラスよりの球面値を求めます。
- この時、屈折測定で求めた乱視度数はそのまま入っている状態です。
補足
雲霧を掛けずに両眼バランステストを行えますが、初めに両眼共にプラスよりに球面レンズを付加し、視力0.5まで雲霧をしてから左右均等にしても良いです。
RGテストでマイナスレンズを付加した際にRRR…と繰り返すような、RGテスト自体が苦手な人にはあまり向いていません。
十字斜位(水平斜位・上下斜位測定)
- 偏光(右眼に135°、左眼に45°)フィルターにより、右眼に縦線¦、左眼に横線- – が見えている状態となります。
- 斜位が無い場合には中心で重なり十字に見えます。横線と縦線の中心がずれている場合は以下のようにプリズムを加え、十字のずれをなくします。中心窩融像刺激が無く、周辺融像刺激のみを与えた状態での斜位量の測定となります。抑制の有無も確認できます。
測定手順
- 縦線が中心より左側にある場合
- 外斜位
- 縦線が横線の中心にくるまで、BIプリズムを加えます。
- 縦線が中心より右側にある場合
- 内斜位
- 縦線が横線の中心にくるまで、BOプリズムを加えます。
- 縦線が中心より上にある場合
- 左眼上斜位
- 横線が縦線の中心にくるまで、右眼にBUプリズム、左眼にBDプリズムを加えます。
- 縦線が中心より下にある場合
- 右眼上斜位
- 横線が縦線の中心にくるまで、右眼にBDプリズム、左眼にBUプリズムを加えます。
- 口調例
- 縦棒と横棒の中心は重なっていますか?
- 縦棒は右と左どちらかに寄ってますか?
- 横棒は上と下どちらか寄ってますか?
固視点付き十字斜位(融像刺激を与えた状態での斜位測定)
- 偏光フィルターにより、右眼に∟、左眼に¬が見えている状態となります。
- 斜位が無い場合には中心で重なり十字に見えます。横線と縦線の中心がずれている場合は以下のようにプリズムを加え、十字のずれをなくします。中心窩融像刺激がある一部融像除去状態です。固視点付き十字視標と比べて視線がずれにくくなります。
測定手順
- ∟が左側にある場合
- 外斜位
- 縦線が一列に並ぶまで、BIプリズムを加えます。
- ∟が右側にある場合
- 内斜位
- 縦線が一列に並ぶまで、BOプリズムを加えます。
- ∟が上にある場合
- 左眼上斜位
- 横線が一列に並ぶまで、右眼にBUプリズム、左眼にBDプリズムを加えます。
- ∟が下にある場合
- 右眼上斜位
- 横線が一列に並ぶまで、右眼にBDプリズム、左眼にBUプリズムを加えます。
- 口調例
- 四本の棒は十字に並んでますか?
- 縦棒は一列に並んでますか?
- 横棒は一列に並んでますか?
縦一列(水平斜位・輻輳力/開散力・調節力測定)
- 水平斜位測定・輻輳力/開散力・調節力測定などで使用します。
【水平斜位測定 von Graefe法】
(バランステスト後の値で測定します。)
- 左眼にBUプリズムを徐々に不加し、指標が上下に分離するところを求めます。(目安は6△BU程度)
- 右眼を遮蔽し、下段(=左眼)をしっかり見ているように指示します。
- 遮蔽を外した時に、上段の視標(=右眼)が下段の視標(=左眼)に対して、右にあるか左にあるか、あるいは真上かを答えてもらいます。
- もし、2つに見えない時には抑制が掛かっていますので、この方法での測定は出来ません。
- 視標が最初から真上にある場合には、3△程度BI側(開散させる方向)にプリズムを加え、上の視標を一度ずらしてから以下の手順に従います。
- 示された方向に従い右眼の矯正プリズムを調整します。
- 上段が下段に対して、
- 右側にある場合
- 同側性の内斜位
- BOプリズム加入します
- 左側にある場合
- 交叉性の外斜位
- BIプリズム加入します
- その際に、上下の視標が下段の視標の真上にきたら合図をしてもらいます。
- 右側にある場合
- 上段が下段に対して、
- 真上に来たという合図があったら、右眼を2~3秒遮蔽し、遮蔽を外した瞬間に真上にあるかどうかを尋ねます(フラッシングテクニック)
- 真上にない場合にはプリズムを再調整します。
- 最終的に遮蔽を外した直後に、真上に来ている状態のプリズム量と基底方向を求めます。
【開散力(虚性相対輻輳力NRC)・輻輳力(実性相対輻輳力PRC)測定】
(バランステスト後の値で測定します。)
- 視標が鮮明に1つに見えている事を確認し、測定中しっかりと見ているように指示します。更に、プリズムレンズを入れていく間に、指標がぼやけたり、2つに分離して見えたら合図するよう指示します。
- 両眼同時にゆっくりプリズムを付加していきます。(毎秒2△程度の早さ)
- BIプリズム付加の測定は、開散力テストとなります。
- BIプリズムを付加していくこの測定では、原則としてぼやけは測定されませんが、バランス測定後の値がマイナス過矯正または遠視の低補正の場合には、ぼやけが生じる可能性があるため、その確認のために『ぼやけ』も指示します。
- BOプリズム付加の測定は、輻輳力テストとなります。
- BIプリズム付加の測定は、開散力テストとなります。
- 分離の合図があったら、その時の左右のプリズムの合計値を覚えておき、更に3△程度のプリズムを余分に付加します。
- 視標が再び1つになったら合図をするように指示し、今度は逆に指標が1つになるまで付加したプリズムを減らしていきます。
- 1つになったという合図があったら、その時の左右のプリズムの合計値を覚え、プリズムを零に戻します。
【虚性相対調節力・実性相対調節力測定】
(バランステスト後の値、40cmの距離で測定します。)
- 視標が鮮明にそして1つに見えている事を確認し、測定中はしっかりと見てもらいます。更に、レンズを入れていく間に、指標がぼやけたら合図するよう指示します。
- 両眼同時にゆっくりと球面レンズ(プラスまたはマイナス)を0.25Dステップで付加していきます。
- プラスレンズ付加の測定は、虚性相対調節力テストとなります。
- マイナスレンズ付加の測定は、実性相対調節力テストとなります。
- ぼやけの合図があったら、その時の右眼のフォロプターの度数を覚え、測定開始時の度数に戻します。
補足
融像の条件は、左右眼の像が融像圏内にある事ですが、融像の遮断方法としてプリズムを用いて、左右眼の像を融像圏外に移動させます。
横一列(上下斜位・上下方向開散力測定)
- 上下斜位・上下方向開散力測定などで使用します。
【上下斜位測定von Graefe法】
(バランステスト後の値で測定します。)
- 右眼にBIプリズムを徐々に不加し、指標が左右に分離するところを求めます。
- 目安は12△BI程度
- 左眼を遮蔽し、右側(=右眼)をしっかり見てもらいます。
- 遮蔽を外した時に、左側の視標(=左眼)が右側の視標(=右眼)に対して、上にあるか下にあるか、あるいは真横かを答えてもらいます。
- 示された方向に従い左眼の矯正プリズムを調整します。
- 左側が右側に対して、
- 上にある場合
- 左眼下斜位(右眼上斜位)
- BUプリズム加入します
- 下にある場合
- 左眼上斜位
- BDプリズム加入します
- その際に、左側の視標が右側の視標の真横にきたら合図をしてもらいます。
- 上にある場合
- 左側が右側に対して、
- 真横に来たという合図があったら、左眼を2~3秒遮蔽し、遮蔽を外した瞬間に真横にあるかどうかを尋ねます。
- 真横にない場合は上記の判定に従ってプリズムを再調整します。
- 最終的に遮蔽を外した直後に、真横に来ている状態のプリズム量と基底方向を求めます。
- 視標が最初から真横にある場合は、3△程度BU側またはBD側にプリズムを加入し、左の視標を一度ずらしてから、再度真横になった時に合図をしてもらいます。
【上下方向開散力測定(右眼上方開散力・左眼上方開散力)】
- 視標が鮮明に1つに見えている事を確認し、測定中しっかりと見ているように指示します。更に、プリズムレンズを入れていく間に、2つに分離して見えたら合図してもらいます。
- 徐々にBU側にプリズムを付加していきます。
- 毎秒1△程度の早さ
- 分離の合図があったら、その時の値を覚えておき、更にBU側に3△程度プリズムを付加します。
- 視標が再び1つになったら合図をしてもらいます。今度が逆に指標が1つになるまでBUプリズムを減らしていきます。
- 1つという合図があったら、その時のプリズム値を覚え、プリズムを零に戻します。
固視点(斜位測定Maddox Rod法)
- 半暗室または暗室での測定となります。
- マドックスレンズを入れると、その垂直方向に固視点が伸びて見えます。
- マドックス・ロッドは直径1~2mm程度の円筒状の棒を5~6本束ねた構造であり、1本が数百ディオプターのシリンダーレンズとなっています。
- 融像の条件は、左右眼の像が同質である事ですが、融像遮断方法としては、片眼像を歪め、他眼と異質の像にします。
測定手順
(半暗室で、補助レンズとして赤マドックスを使用します)
- 右眼に赤マドックスを水平(または垂直)にセットします。
- 左眼は開放状態。
- マドックスを入れていない方の眼をカバーし、赤い縦線(または横線)が見えていることを確認し、次にマドックス装用眼をカバーし固視灯を検査中しっかり見てもらいます。
- 固視灯に対して、赤い縦線(または横線)が左右(または上下)どちらにあるか尋ねます。
- 右側にある場合
- 同側性の内斜位
- BOプリズム加入します
- 左側にある場合
- 交叉性の外斜位
- BIプリズム加入します
- 上側にある場合
- 右眼下斜位(左眼上斜位)
- BUプリズム加入します
- 下側にある場合
- 右眼上斜位
- BDプリズム加入します
- 右側にある場合
- 固視灯と縦線(または横線)が一致したら合図するよう指示し、上記の判定に従いプリズムを加入します。
- 一致の合図があったら、マドックス装用眼を2~3秒遮蔽し、遮蔽を外した瞬間に一致しているかどうかを尋ねます。
- 一致していないようであれば、再度プリズムを調整し、遮蔽を外した時に一致している状態にします。
- 最終的に遮蔽を外した直後に、一致している状態のプリズム量を求めます。
クロスリング(ショーバーテスト)、(水平および上下斜位測定)
- 右眼は赤色フィルターにより+のみが見え、左眼は緑色フィルターにより◎のみが見えている状態となります。
測定手順
- 十字と円の中心がずれている場合は以下のようにプリズムを加え、十字が◎の中心にくるようにします。
- 十字が円の中心より左側にある場合
- 外斜位
- BIプリズムを加えます。
- 十字が円の中心より右側にある場合
- 内斜位
- BOプリズムを加えます。
- 十字が円の中心より上にある場合
- 左眼上斜位
- 右眼にBUプリズム、左眼にBDプリズムを加えます。
- 十字が円の中心より下にある場合
- 右眼上斜位
- 十字が中心にくるまで、右眼にBDプリズム、左眼にBUプリズムを加えます。
- 十字が円の中心より左側にある場合
コの字(不等像視測定)
- 偏光フィルター(もしくはRGフィルター)により、右眼に・]、左眼に[・が見えている状態となり、中心の丸は両眼共通に見えています。
- 左右の枠の大きさの違いが上下合わせて約線1本分(3.5%の不等像視)となります。
- 左右の網膜像のサイズ差が5%以内であれば両眼視可能といわれておりますが、通常3.5%以内に不等像を抑えて眼鏡作製します。
測定手順
- 右側と左側の枠が同じ大きさに見えるかを確認します。
- 3.5%以上の場合
- 強度数の方を低補正していきます。
- コの字の高さが左右で違う場合
- 上下プリズムを加え補正します
- コの字が水平方向で重なる場合
- BIプリズムを加え補正します
- 3.5%以上の場合
立体視(立体視測定)
- 偏光フィルター(もしくはRGフィルター)により左右眼でずれた▼と▲がそれぞれ見えている状態となります。両眼で見た時に、上の▼と下の▲が中央●に対して浮き上がって見えていれば立体視ができているといえます。
- 前後の立体視を切り替えた時の、浮き沈みの早さの傾向
- 浮き上がりが遅い場合
- 外斜位傾向
- 沈み込みが遅い場合
- 内斜位傾向
- どちらも遅い場合
- 上下斜位傾向
- 浮き上がりが遅い場合
N立体視(立体視測定)
- 偏光フィルター(もしくはRGフィルター)により左右眼でずれた4つの縦棒が見えている状態となります。
- 両眼で見た時の、縦棒が浮き上がって見える順番は、▲側の縦棒が一番浮き上がって見え、■★●側の順に遠ざかって見えます。
- ▲側の縦棒と■側の縦棒の立体視差・・4′(分)
- ■側の縦棒と★側の縦棒の立体視差・・2′
- ★側の縦棒と●側の縦棒の立体視差・・1′
- ●側の縦棒と+側の縦棒の立体視差・・10′
精密立体視(立体視測定)
- 偏光フィルター(もしくはRGフィルター)により左右眼でずれた+、□、▼、縦棒が見えています。
- 両眼で見た時に、左から2つめの+(4′)、4つめの□(2′)、3つめの▼(1′)、4つめの縦棒(40″)が浮き上がって見えます。
- 40″(秒)は大型・二種運転免許の三杆計テストに相当します。
N精密立体視(立体視測定)
- 偏光フィルター(もしくはRGフィルター)により左右眼でずれた6つの縦棒が見えている状態となります。
- 6つの縦棒が◆、●に対して浮き上がって見えます。更に、6本の縦棒のうち、上段中央の縦棒は浮き上がって見え、下段中央の縦棒は沈み込んで見えます。
- より正確に測定するために横マスクをかけて上段のみ、または下段のみを提示します。
- 両側の線に対する中央の線の立体視差は40″(秒)であり、大型・二種運転免許の三杆計テストに相当します。
ウァース4点(融像・抑制測定)Worth’s four-dot test
- 両眼視機能を検査するもので、半暗室または暗室で、可能な限り日常に近い状態で検査することが望ましいです。
- 赤と緑は互いに補色関係にありますので、赤レンズを通して緑光源は見えず、逆に緑レンズを通して赤光源は見えません。
- 右眼は赤色フィルターにより🔸と○、左眼は緑色フィルターにより2つの+と1つの○が見えている状態となります。
- 両眼で融像ができている場合には光源が4つ見えます。
判定
- 『赤の🔸』1つ、『緑の+』2つ、『○が赤と緑で交互に』1つ
- ⇨ 正常融像(あるいは調和性対応異常)
- 『緑の+』2つ、『緑の○』1つ
- ⇨ 右眼抑制
- 『赤の🔸』1つ、『赤の○』1つ
- ⇨ 左眼抑制
- 『赤の🔸』1つと『赤の○』1つが全体的に左側に見え、『緑の+』2つと『緑の○』1つが全体的に右側に見えている
- ⇨ 交叉性の複視(外斜位、外斜視)
- 『赤の🔸』1つと『赤の○』1つが全体的に右側に見え、『緑の+』2つと『緑の○』1つが全体的に左側に見えている
- ⇨ 同側性の複視(内斜位、内斜視)
アムスラーチャート
- 検査表−1は、標準検査表(黒地に白線)
- 検査表−2は、中心が見えない方用
- 検査表−3は、標準検査表(黒地に赤線)、色暗点を検出
- 検査表−4は、暗点検出用
- 検査表−5は、変視症検出用
- 検査表−6は、変視症検出用
- 検査表−7は、傍中心部精密検出用、未矯正眼の網膜上の点を精密に検査
散瞳や点眼前に行い、被検者は片目で必要に応じて眼鏡を使用します。
照明は600ルクス程度。汚れ、変色、色むらがある場合には使用不可。
検査距離は約30cmに保つ。
使用方法
➊ 標準検査表の中心にある固視点を見ます。見えない場合には、固視の助けとなる対角線がある「検査表−2」を用います。
➋ 一番外側の四角が4つ全部見えるかを確認します。
➌ 網目の全部が完全に見えるかを確認します。網目に穴や斑点のような切れ目がある場合には「検査表−4」を用いて確認します。
➍ 線は直線で平行かどうか(歪みがないか)、網目(小さい全ての四角)の大きさが均一かを確認します。暗点がない変視症の場合、「検査表−5」又は「検査表−6」を用いて、横・縦・斜めにして確認します。
➎ 振動や揺れ、輝き、色や薄い色づきが無いかを確認します。(初期の黄斑症における暗点)
➏ 異常部位がある場合には、中心位置からの距離を記録します。眼を中心の固視点から動かさないで正常な四角がいくつ見えるかを「記録紙」上に記録します。
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