レンズの偏心とプリズム量、プレンティスの公式

一般消費者、眼鏡作製技能士を志す方に向けて

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プレンティスの公式

レンズ光学中心からズレた位置では、プリズムが発生します。

そのプリズム量の計算式として、『プレンティスの公式』というのがあります。

プレンティスの公式

例えば、レンズ度数がS+4.00[D]の場合
0.2[cm]ズレた位置でのプリズム量は0.8[Δ]となります。

これがプレンティスの公式となります。

『プレンティスの公式』の理由とイメージ

レンズの収差を考慮せずに、レンズ度数がS+1.00[D]の場合には、以下のようになります。

平行光線は焦点に向かいますよね。

レンズのプリズム作用

光学中心から1cmズレた位置に入射した光線は1m先で1cm曲がりますし、2cmズレた位置での入射光線は2cm曲がります。

P[Δ]=h[cm]×Dとなる理由の何となくのイメージがつかめたでしょうか。

D=1÷焦点距離f[m]です。

例えば、D=+5.00[D]の焦点距離は f=20[cm]となります。

光学中心から1cmの位置に入射した光は、焦点距離20cm進むと1cmズレ、100cm進むと5cmズレます。つまり、1cmの位置でのプリズム量は5Δとなります。

光学中心から2cmの位置に入射した光では、焦点距離20cm進むと2cmズレ、100cm進むと10㎝ズレますので10Δとなります。

光学中心から3cmの位置でのプリズム量は、3[cm]×(100/20)となります。

これは、P[Δ]=3[cm]×(100/20) =(ズレ量h)×(1/f)=h[cm]×Dを意味します。

この1m先のプリズム量P[Δ]は、h[cm]×1/0.2[m]というような作図でもイメージすることができます。

P[Δ]=h[cm]×D

100cm先でのズレ量が P[Δ]=h[cm]×D となる事が作図により確認できます。

レンズの偏心とプリズム

例えば、S+5.00[D]のレンズに5ΔBDのレンズを重ねたとします。図で表しますと、以下のように焦点の位置が1cm下方へズレます。

S+5.00Dに5Δを付加

これは、レンズを1cm偏心させた量と一致します。

レンズを1cm偏心

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