外眼筋(直筋と斜筋)の作用

一般消費者、眼鏡作製技能士を志す方に向けて

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眼球運動と外眼筋

眼球運動は、外眼筋の収縮により回旋点を中心に起こります。

回旋点は架空の点であり、Gullstrand(グルストランド)の模型眼によりますと、角膜後方約13mmとなります。

架空の点というのは、眼球は眼窩に収まってはおりますが、意外にルーズな動きをします。

正確にそこを中心に動いている訳ではありません。

視神経で脳と連絡している『眼球』は、『4つの直筋』と『2つの斜筋』により固定されております。

ここで、外眼筋と神経支配の復習です。

  • 外眼筋の種類と神経支配
    • 外直筋・・外転神経支配(脳神経Ⅵ)
    • 内直筋・・動眼神経支配(脳神経Ⅲ)
    • 上直筋・・動眼神経支配
    • 下直筋・・動眼神経支配
    • 下斜筋・・動眼神経支配
    • 上斜筋・・滑車神経支配(脳神経Ⅳ)

外眼筋の付着部位

直筋の強膜への付着部位は角膜縁から概ね以下のようになります。

内直筋が一番近い位置(約5mm)になります。

直筋の強膜への付着部位

眼球運動をする時には、外眼筋を収縮させる事により起こります。

水平方向への運動である『内転(内ひき)』や『外転(外ひき)』は、『どの外眼筋を収縮させるのか』のイメージは付き易いと思います。

内転は『内直筋』であり、外転は『外直筋』の収縮で起こります。

また、上下方向への運動である『上転(上ひき)』や『下転(下ひき)』もイメージし易いと思います。

ただ、眼球が『内方回旋(内回し)』や『外方回旋(外回し)』は、眼の解剖学的なイメージが無いとイメージが付きづらいと思います。

以下のように、内方回旋は『上斜筋』であり、外方回旋は『下斜筋』の収縮により起こります。

上下斜筋の回旋作用

第一眼位の作用方向

第1眼位(真直ぐ前方を見ている時の眼位)の外眼筋の作用を以下に示します。

第一眼位に於ける各眼筋の作用方向

例えば、ここで問題ですが、第1眼位にて『内転』の働きがある『外眼筋』は何でしょうか。

答えは、『内直筋』と『上直筋』と『下直筋』となります。

次の問題です。第1眼位にて『内方回旋』の働きがある『外眼筋』は何でしょうか。

答えは、『上直筋』と『上斜筋』となります。

向き運動の作用方向

では、次に『眼球の向き運動』についてです。

以下の様な図にすると覚えやすいです。

各眼位に於ける主作動筋

例えば、右上を見る時に働く外眼筋は『右上直筋』と『左下斜筋』となります。

右下を見る時には『右下直筋』と『左上斜筋』となります。

ここで、言葉の復習です。

  • 離反運動とよせ運動
    • 輻輳(内よせ)converegence
    • 開散(外よせ)divergence
  • むき眼位
    • 第1眼位・・頭部垂直、直前方を注視時の眼位
    • 第2眼位・・水平および上下方向へ回転した時の眼位
    • 第3眼位・・斜め方向の運動をした結果の眼位
  • 共同筋と拮抗筋
    • 共同筋(共役筋)・・眼球運動にあたり、一眼または両眼の筋群が共同して働く
      • ともひき筋・・共にひき運動を行う筋群。一眼で二つの筋が同じ方向への運動を行うときです。例として、上転に際して『上直筋』と『下斜筋』
      • ともむき筋・・共にむき運動を行う筋群。両眼で二つの筋が同じ方向に働くときです。例として、右方視に際して『右眼、外直筋』と『左眼、内直筋』
      • ともよせ筋・・共によせ運動を行う筋群。例として、輻輳に際し『両眼、内直筋』
    • 拮抗筋(はりあい筋)・・運動方向と反対方向への運動をする筋群。例として、同じ眼の『内直筋』と『外直筋』

では問題です。

『右上直筋』の共役筋は何でしょうか。

答えは『左下斜筋』です。

『右上直筋』の拮抗筋は何でしょうか。

答えは『右下直筋』となります。

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