『1級眼鏡作製技能士』出題範囲まとめ ①

一般消費者、眼鏡作製技能士を志す方に向けて

Last Updated on 2か月 by 管理者

こちらのサイトは個人によるものであり、公式である「一般社団法人日本メガネ協会」や「公益社団法人日本眼鏡技術者協会」などとは一切関係ありません。

サイト運営をしております管理者が、机上ではなく実店舗(眼鏡販売・接客など)で培った経験や知識をもとに作成されております。もちろん、筆者は現場を離れることなく「現役バリバリ」です。皆さまと共に、成長していければと思います。

当サイトでは、『眼鏡技能検定試験の試験範囲及びその範囲並びにその細目』をもとに、徐々に投稿していきます。

【 当サイトURLのブックマークをお勧めします!!!

はじめに

このサイトを2年ほど前に立ち上げたばかりの頃は、PV数が500/月を超えれけば良い方でした。投稿を重ねるごとに徐々にPV数が増え、多くの方に閲覧してもらえるようになり、2023年にはPV数15万/月ほどになり、このサイトも成長できたと実感しております。PV数が多い方は数十万/日あるらしいので私はまだまだですが(笑)。

プライベートで、いろいろ大変な事もありますが・・これからも投稿続けていきます。

たまたま、当サイトをご覧いただいていた『某有名 眼鏡ブランドのストアマネージャーさん!!』

『これから、コンテンツ販売がメインで、こっちのブログ投稿を辞めるのか・・』と思わせてしまいスミマセンでした。『気まぐれ、コンテンツ販売』は辞めましたので、これからもよろしくお願いします。 ( *´艸`)

2023年1月頃、コロナ発症中に寝ながらずっと考えていた「新しいコンテンツ」↓↓↓

その名も、『1級眼鏡作製技能士』取得サポートプロジェクト

知識や経験の価値提供に見合う対価として「有料」にしようと考えておりましたが、あっさりと辞めました(笑)。それよりも、多くの方に閲覧して欲しいと考えたからです。

取得のためのテキストはいくつかありますが、そもそも1人で学習できたら苦労はいりません。ほんと、その通りです。世の中は欲に溢れています。順序良く、計画的に、途中で挫折せずに、最後までやり遂げられるように会員制にしてプログラムを組みましたが、「完全無料」にし、面倒な会員登録を無くしました。会員登録する時間があれば、少しでも他のことに時間を使って欲しいと考えたからです。

右クリックを出来なくする「プラグイン」もサイトから削除しましたので、閲覧も無料でコピーし放題です(笑)

本来ならば、有料の方が学習意欲がでる(←損をしたくないという心理が働くため)のですが、辞めました。トライ「する」or「しない」はその人の問題であり、その人の選択だからです。

これから、

当サイトURLにて徐々に投稿していきます。
 【 ブックマークをお勧めします!!! 】

その都度、疑問があれば遠慮なく質問してください。気軽にDMくれると嬉しいです。※質問していただけたら順次回答いたします!!

『Instagram』のDMでも何でも構いません。⇦ 最近忙しくて、投稿は追いついてませんけど…… (-_-;) そして、多くの励ましのお言葉やご意見ありがとうございます。

これまでの過去の投稿などをご覧いただければ、私の価値提供とは信用・信頼を築くことであり、その意味もご理解いただけるかと思います。

信用・信頼を築くことができた際には、有料にするかもしれません(笑)

無料で学べる今がチャンスです!!(←損をしたくない方はトライしますよね!!!)

人は、必ずと言って良いほど、『支払った分の対価をなんとかして取り返したい!』、『損をしたくない!』という気持ちが芽生えます。

日常での例えとして、マーケティングや投資の世界では、『得をする』≦『損をしたくない』という『プロスペクト理論』が働くために、『損失が大きくなる』のがわかっていても『損切り』ができなくなります。

現在、当サイトは「完全無料」で運営管理されています。自分への投資をするタイミングは「今」です!!

「有料になるかもしれませんよ」と予告しておいたら、『プロスペクト理論』という深層心理が上手く作用してくれるでしょうか・・・途中で投げ出さず、モチベーションが下がらないことを祈ります。

同様の『e-ラーニング』の質や量、解説付き問題集(上下巻セット:¥30,000)、標準テキスト(1冊:¥4,400)、眼鏡関連教本(1冊:¥4,000~¥10,000位)、通信教育(年間:¥200,000前後)・・・などなどをリサーチすると、当サイトで十分それなりの価値提供は出来ると考えます。

私も相当悩みましたが、良心的に「完全無料」です。

以下のような方を対象としております。

こんな経験はありませんか?

  1. 『試験範囲の標準テキストを読む時間があまり無い』
  2. 『勉強に飽きてしまい、気が付けば放置している』
  3. 『資格を取得したいけど、何から始めたら良いのかわからない』
  4. 『職場に、聞ける人がいない』
  5. 『無駄を省いて、楽して、最短で学習したい』

そのような方に向けて、

『さくっと、眼鏡作製技能士を取得しちゃおう!』をテーマとして、『時間』、『場所』、『人』にとらわれる事なく、『スマホで10分~20分の隙間時間で、さくっと学習する』ことで、『およそ、6ヶ月後には試験範囲の学習が終了』している・・・というプログラムの提供を行っていきます。

安心して取り組んでいただく為、基礎から応用までをわかりやすく、視覚的に図を多用し、必要となる『マインド』設定の提供【⇨セルフイメージを手に入れる】を最初に行います。

資格取得への一歩目を踏み出せないでいる方など、多くの方が『最短で、資格取得できる』ように道筋を立てることが出来ればと思い、このプロジェクトを始動させることにしました。

【学習プロセスの概要】

2022年に国家検定資格『眼鏡作製技能士』が設立されたことで、ダブルライセンスを持つ『視能訓練士』も増えていく事が予想されます。(※ 国家検定資格≠国家資格)

『眼鏡作製技能士』という『国家検定』資格を設けられた理由の1つは、多くの消費者が待ち望んだ結果であり、それだけのニーズがあるからです。

以下のコースを順番に取得していくことで、およそ6ヶ月の短期間で『眼鏡作製技能士』の水準に到達できるプログラムとなります。

箇条書きにし、シンプルで簡単に学べるようにしました。

以下のような『学習プラン』です。⇩⇩⇩

成果を出すためには、独学よりも直接学ぶのが断然近道です!

これから提供するサービスは、目標達成を必ず支援できると断言できます!

では、何故断言できるのか!?・・っていいますと、

  • 『諦めない限り、誰でも取得可能だから』
  • 『途中で挫折する共通の問題点を解決し、支援するためのコーチングを取り入れるから』
  • 『独学とは違い、最小限の時間で学べますので、経済的・精神的・時間的負担が小さいから』

です。もちろん、少しの努力は必要です。

『インターネット』というインフラを活用することで、行う全てのプロセスに大きなレバレッジを効かせることが出来ます。ここで行う価値提供が、以前から『私が本当にやりたかったこと』を実現する為のプラットフォームになると確信しています。

因みにですが、どこのサイトを探しても絶対に越えられない最高の目標達成プログラムになると確信しています!『行動に移すかどうか』だけで、人生は大きく変わります。

この感覚の提供をすることこそが、今の私にできる最大限の価値提供です。本気で、全力で、まじで、取得のサポートをします!!

時間は有限であり、私ひとりで大人数のサポートをすることは難しいと考えます。どの位の反響があるのかは分かりませんが、中途半端になることはどうしても避けたいです。

必ずしておいて欲しい「2つ」のワーク

先ずは、必ずしておいて欲しいワークが「2つ」あります。モチベーションを維持する為にとても重要なことです。

1つ目・・「資格取得による目的や目標」を決めてください。

眼鏡作製技能士の資格取得をしたいというその先には、必ず目的があるはずです。その目的を達成するための、目標もあるはずです。

  • なぜ資格を取得する必要があるのか?
  • 何のために資格を取得したいのか?
  • 資格取得をして、どうなりたいのか?

この「資格取得の目的と目標」の明確化をすることが、ワークの1つ目です。難しく考えずに、直感的に出てきた答えを書き出してみてくださいね。偽善的な回答ではなく、欲望のままに書き出した方が効果的です。

2つ目・・「資格取得による目的や目標」を達成している未来の自分を想像してワクワクしてください♪

資格取得をする為だけに、「やりたくもない学習」に無駄な時間を費やすことは、「私が本当にやりたかったこと」ではありません。

プログラム修了期間(6ヶ月間)の意味

期間の理由は以下の2つです。

  1. 【期限を設けることで活力がうまれる】
  2. 【取得サポートプログラムのコースでは、6ヶ月間で十分な知識が付く】

強い意欲があれば良いのですが、誰しもが完璧なわけではありません。

  • 『今日は仕事で疲れたから、明日やろう』
  • 『来週の休みにまとめてやろう』
  • 『まだ日にちがあるから大丈夫』

などと、何故か『出来ない理由』が見付かってしまいます。それが必ずしも悪い訳ではありませんが、時間は簡単に過ぎ去ってしまいます。

そのため、やるなくてはならない環境に身を置く必要があります。『いつまでにやらないと間に合わない』という期限を設けることは、やる理由のひとつになるのです。『やらない理由』ではなく、『やれない理由』を見付けるようにしましょう。

これから専門的な知識を学習していく皆様に向けてのメッセージです。

変化にはストレスが付きものです。ストレスを感じている時は、変化しようとしている時です。そのことを知っていれば、きっとストレスを喜びに変えられます。その変化を楽しみ、喜びに変えましょう!

そして、今すぐ『思考』から『行動』に移しましょう!

今すぐにですよ!

先ずは、以下のような『眼鏡作製技能士』取得に向けた学習計画を立ててみましょう。

例)眼鏡作製技能士の学習プラン

◆ 最強のセルフイメージを手に入れよう

❖ 最強のセルフイメージ

◇ 日々のモチベーションを維持させるために

ここを訪れているあなたは、『行動することの大切さ』を既に理解されていますよね。

それでも『行動できない』という方がほとんどだと思います。

私も、『眼鏡知識で誰にも負けない位のTOPレベルになってやる!!』

と決めてから、ずっとずっと行動し続けてきました。

もちろん、挫けそうになったこともあります。

そもそも、何故そうなりたいのかということに疑問を感じることもありました。

けれど、モチベーションを維持しながら、確実に目標達成のために行動し続けてこれたのは、

『未来の自分に対しての明確なセルフイメージを常に持ち続けることができたから』

だと断言できます!!

『今の自分がこうなっていることは、1年前の私自身が既に予想していました。』

これから紹介する方法は、

私自身が実際に試してみて、かなりの効果が期待できる方法でしたのでシェアさせていただきます。

特に、今回の『1級眼鏡作製技能士検定試験』の学習以外にも、

途中で挫折せずに、日々のモチベーション維持をするためにも活用されることをお勧めします。

◇ 思考を現実化させる方法の身に着け方

これから、『引き寄せの法則』、『心のブレーキの外し方』という2つを紹介します。

先ずは、『引き寄せの法則』というものを紹介します。

『望めば、その通りの現実になる』という法則です。

現在の自分は、過去の思考の結果から成り立ちます。

故に、

未来を想像したり願い続けることは、無意識に『そうなる自分』、『目標達成する為に必要な行動』を起こすようになります。

セルフイメージを高めることで、思考や行動が変化します。

ネガティブな思考は行動を鈍化させ、ネガティブを引き寄せます。

未来は話した言葉で作られます。

逆にポジティブな思考は行動を起こさせ、ポジティブを引き寄せます。

尊敬は尊敬を集め、好きは好きを集め、豊かさは豊かさを集めます。

快感は快感を集め、行動は行動を、愛、良い思考、長所、笑い、お金など・・

例えば、欲しいモノがある場合には、既に手に入れた自分を具体的にイメージします。

手に入れた自分を確信して行動することで、それが実現します。

具体的であればあるほど、『引き寄せの効果』が上がります。

どのように実現するのかは考えなくとも良いです。

勝手に引き寄せられ、無意識のうちに行動することで実現します。

次に、『心のブレーキの外し方』を紹介します。

何か新しいことに挑戦するときには、ほとんどの場合にストレスが伴います。

折角、前に進もうとしてもブレーキがかかってしまうと停止してしまい、やりたい気持ちがストップしてしまいます。

一歩前進するためにも、『心のブレーキを外す方法』を知らなくてはなりません。

心は目に見えませんので、自分で外すしかありません。

自分の心が無意識にブレーキをかけてしまう、『潜在意識』や『顕在意識』という脳の仕組みを理解することで、新しいことに挑戦し続けることができます。

では、心にブレーキがかかるシチュエーションとはどういう時なのかといいますと、

ネガティブな思考、
過去に失敗した恐怖心や記憶が忘れられない、
他人の評価が気になる、
こういうものだという価値観が固定化されている、
完璧を追及している、
安全を求めている

などです。

継続して何かを達成する工程のなかで、心にブレーキがかかる時が訪れると思います。

その時は、意図的に心のブレーキを外してください。

◇ ビジョンボードの作成

ビジョンボードの作成は、物事に取り組むためのモチベーションを持続させる良い方法だと思います。

何でも良いですが『達成したい目標』がある場合には、作成することを強くお勧めします。

そして、それをスマホのトップ画像など、常に目に見える場所に置いておくことで実現するような行動を無意識にとるようになります。

楽しい作業ですので、ぜひ試してみてください!!

例えば、こんな感じです。

コルクボードなどを、『欲しいモノ』『やりたい事』『名言』などで埋めます。

ビジョンボードの例
【ビジョンボードの作成手順】

1.夢を貼るためのコルクボードとピンを用意します。(夢や目標が大きい場合には大きいものを)

2.手に入れたいもの、行きたい場所、実現したい夢などを欲望のままに書き出します。想像するだけでワクワクすること全てです。

3.書き出したワードをGoogle、Yahoo、Instagram、Pinterestなどで画像検索し、心が揺さぶられるインパクトがある画像を集めます。

4.リアルに想像できるように自由に隙間なくレイアウトします。

5.あとは、ビジョンボードを眺めながら、夢や目標を叶えた自分を限りなくリアルに想像するだけです。毎日欠かさず!

間違いなく、あなたの夢や目標をグッと引き寄せることができます!!

◇ 行動派のあなたも、そうではない方もアンケートに答えてね!

あなたはビジョンボードを作成しましたか?

結果を見る

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アンケートに答えると、回答数がみれるよ!

◇ 数値化できる目標を設定する

『明確な目標を視覚化すること』も効果的です。

自分の行動を日々煽ることで行動力を持続させます。

『ビジョンボード』と一緒に併用してみましょう!

  1.  いつまでに?
  2.  どの位?
  3.  進捗は?
  4.  意気込みを一言

など・・を見える位置に貼ります。

いわゆる、計画表(短期、中期、長期)の作成です。

◆ 視機能系

❖ 屈折状態の種類と特徴

◇ 屈折状態の定義

⦿ 静的屈折・・調節が働いていない無調節の屈折状態

⦿ 動的屈折・・調節が働いている屈折状態

◇ 正視

⦿ 正視・・調節休止状態のとき、無限遠の距離からの平行光線が網膜上に結像する(焦点を結ぶ)屈折状態。

正視の結像

⦿ 正視の遠点・・無限遠

⦿ 正視の近点・・調節による近方の位置

⦿ 共役・・入れ替え可能な2点を共役点といい、2点の結像関係を共役という。

物体Oと像Iは共役

◇ 近視

⦿ 近視・・調節休止状態のとき、無限遠の距離からの平行光線が網膜の前方に結像する屈折状態

近視の結像

⦿ 近視の遠点・・眼前有限の位置。

⦿ 近視の近点・・網膜前方にある遠点から調節による更に手前の位置。

⦿ 単純近視・・眼鏡により正常視力まで補正可能な視機能障害がない良性近視。学校近視など。

⦿ 病的近視・・眼鏡により良好な視力を得られず、視機能障害を伴う。眼軸長26mm以上の悪性近視

⦿ 近視の原因・・遺伝的因子、生活環境、日照時間、遠方視・軸外収差、運動(身体活動)、血清ビタミンD濃度、睡眠の時間・質、食事(栄養)など。

⦿ 夜間近視・・色収差、球面収差、調節などの影響により、暗所での屈折状態が近視寄りになるという現象。

⦿ 偽近視(仮性近視)・・一過性の近視状態。調節緊張により起こるものから、中毒や外傷によるものまでを含む。

⦿ 核近視・・水晶体核部の屈折率が、皮質部よりも高くなり生じる近視。核白内障など。

核白内障での近視化イメージ

⦿ 斜位近視・・調節性輻輳で生じる近視状態。斜位角が大きい外斜位など。

⦿ 器械近視・・筒状のものを覗くときに生じる調節によるもの。レフラクターヘッド、オートレフラクトメータなど。

⦿ 加齢による近視化・・水晶体核の屈折率が高くなくことで生じる核近視化など。

◇ 遠視

⦿ 遠視・・調節休止状態のとき、無限遠の距離からの平行光線が網膜の後方に結像する屈折状態。

遠視の結像

⦿ 遠視の遠点・・眼後有限の位置。

⦿ 潜伏遠視・・通常の屈折測定では検出できない遠視度。調節麻痺剤などにより検出される。

⦿ 顕性遠視・・通常の屈折測定で検出される遠視度。調節関与は避けられない。

⦿ 全遠視・・潜伏遠視と顕性遠視を合わせた遠視度。

⦿ 随意遠視・・調節により良好な視力が得られるもの。

⦿ 絶対遠視・・調節による良好な視力が得られないもの。

⦿ 相対(比較)遠視・・調節により良好な視力が得られるが、調節性輻輳による内斜位や内斜視になるもの。

⦿ 加齢性遠視・・水晶体の全屈折率減少、毛様体筋の生理的緊張現象などによる。水晶体皮質の屈折率が高くなる遠視化や、網膜の前方移動(網膜剥離や腫瘍など)による眼軸長の短縮での遠視化など。

◇ 乱視

⦿ 乱視・・外界の一点から発せられる光線がどこにも結像しない屈折状態。正乱視では、焦点ではなく焦線となる

乱視(近視性複性直乱視)
球面レンズのイメージ(一点に結像)
乱視(倒乱視)レンズのイメージ

⦿ 強主経線・・眼の最も強い屈折度を持つ経線方向

⦿ 弱主経線・・眼の最も弱い屈折度をもつ経線方向

⦿ 前焦線・・強主経線の屈折が線として結像

⦿ 後焦線・・弱主経線の屈折が線として結像

主経線と焦線の位置

⦿ スタームの間隔・・前焦線と後焦線の距離。乱視度数が強いほど距離は長い

⦿ 最小錯乱円・・前焦線と後焦線のほぼ中間に位置し、各経線の集光で作られる最小の円

最小錯乱円の位置は、少し前寄り

⦿ 正乱視・・強主経線と弱主経線が直交する乱視

⦿ 不正乱視・・主に角膜の表面が凹凸不正の乱視。眼鏡補正は難しく、角膜に原因がある場合にはコンタクトレンズが有効

⦿ 不正乱視の要因・・円錐角膜、翼状片、角膜創傷の治療後など

◇ 近視・遠視の種類

⦿ 屈折性近視・・屈折異常の原因が、主に角膜や水晶体の屈折力である近視

⦿ 軸性近視・・屈折異常の原因が、眼軸長である近視。強度近視の多くは軸性近視と考えられている

⦿ 屈折性と軸性の近視・・正視眼での眼軸長測定が24mm~26mm程度である(1mmの違いで約3.00D)為、屈折性か軸性かの判断はできない

眼軸長24mm~26mmの正視眼

◇ 乱視の種類

⦿ 強主経線の方向による分類・・
 ・ 直乱視・・強主経線の方向が縦(60°~120°)
 ・ 倒乱視・・強主経線の方向が横(0°~30°、150°~180°)
 ・ 斜乱視・・強主経線の方向が斜め(30°~60°、120°~150°)

強主経線の方向による分類

⦿ 焦線の位置による分類・・
 ・ 単性乱視・・前焦線と後焦線の一方が網膜上にある乱視
 ・ 複性乱視・・前焦線と後焦線が共に網膜前方、あるいは網膜後方に位置する乱視
 ・ 混合性乱視・・前焦線と後焦線が網膜を挟んで位置する乱視

焦線の位置による分類

◇ 近視・遠視の程度分類

⦿ 屈折度数による程度分類・・
 ・ 弱度・・±3.00D以下
 ・ 中等度・・±3.00D超~±6.00D以下
 ・ 強度・・±6.00D超~±10.00D以下
 ・ 最強度・・±10.00D超~±15.00D以下
 ・ 極度・・±15.00D超

※書籍により遠視度数の程度分類は異なります。
(日本眼鏡学会では、弱度+3.00未満、中等度+5.00未満、強度+10.00未満、最強度+10.00以上)
(日本学術振興会では、弱度+2.00以下、中等度+5.00まで、強度+10.00まで、最強度+10.00以上)

近視度数と視力の目安

❖ 屈折要素

◇ 屈折状態を決定する要因

⦿ 主要因・・角膜屈折(約43D)、水晶体屈折(約19D)、眼軸長(24mm)

角膜、水晶体を大気中に取り出した時の屈折力

Gullstrandの模型眼では、+1.00Dの弱度遠視の眼軸長を24.0mmとしている。1mmの伸長で約3Dの近視化

◇ 屈折異常の経年変化

⦿ 経年変化・・成人の眼軸長は約24mmですが、新生児は約17mmですので軸性の遠視要素がある。また、新生児の屈折系(角膜、水晶体)は成人よりも強いため、軸性遠視と相殺されて軽度の遠視要素が残る。若い年代では、水晶体の屈折率は中心部が周辺部よりも高いため屈折が生じる。

中心部の屈折率が高いために生じる屈折原理

⦿ 小児期・・成長に伴う屈折系と眼軸長の変化は、正視に近づくように変化する(正視化現象)

⦿ 青年期・・正視で安定する場合と、VDT作業などにより近視に移行する場合がある。

⦿ 熟年期・・加齢性遠視の原因は、水晶体の全屈折率の減少、生理的緊張の減少、眼軸長の短縮など。

⦿ 乱視の変化・・幼児期では倒乱視が多く、~20歳位までは直乱視化、~60歳位までは倒乱視化が起こる。左右眼の乱視度数、乱視軸に対称性があることからも、眼瞼圧の変化によるもの(角膜形状の変化)と考えられます。

◇ 眼の構造に関わる知識

⦿ 角膜(cornea)・・
 ・ 無色透明の無血管組織
 ・ コラーゲン繊維
 ・ 三叉神経の第1枝が分布しており知覚が鋭敏
 ・ 房水からの栄養補給
 ・ 5層構造(上皮、Bowman膜、実質、Descemet膜、内皮)
 ・ 直径は、横径 > 縦径(横11~12mm、縦10~11mm、
 ・ 厚みは、中心部 < 周辺部(中心約0.5mm、周辺0.7~0.8mm)
 ・ 曲率半径は約7.8mm

⦿ 水晶体(lens)・・毛様体筋の働きにより調節作用を営む
 ・ 直径9~10mm
 ・ 曲率半径(前面10mm、後面6mm)
 ・ 調節時には、主に前方へ膨らむ(前面の曲率半径が減少)

⦿ 網膜(retina)・・
 ・ 10層構造(内側9層の感覚網膜、最外層の網膜色素上皮)
 ・ 2つの視細胞(錐体:corn、杆体:rod)がある

⦿ 錐体細胞・・色や形を感じる(色光を受け取る)
 ・ 明所視
 ・ 700万個
 ・ 中心窩が最大数で、視角10°より周辺部では密度は変わらない
 ・ L 錐体(長波長、赤色)、M 錐体(中波長、緑色)、S 錐体(短波長、青色)

⦿ 杆体細胞・・明るさを感じる(色光を受け取らない)
 ・ 暗所視
 ・ 1億3,000万個
 ・ 中心窩には存在せず、視角20°~30°が最大数

⦿ 毛様体・・房水を産出、調節の機能を営む
 ・ 近方視で働くMüller筋・・輪状筋、動眼神経(副交感神経)支配
 ・ 遠方視で働くBrücke筋・・縦走筋、交感神経支配

⦿ 内眼筋・・毛様体、虹彩筋

⦿ ぶどう膜・・毛様体、虹彩、脈絡膜

⦿ 硝子体・・無色透明のゲル様組織(ヒアルロン酸)。60歳以降でゲルの収縮により後部硝子体剥離が起こりやすくなる

⦿ 透光体・・角膜、前房、水晶体、硝子体の総称

⦿ 視神経・・網膜の神経節細胞から出た100万~120万本の神経線維、直径3mm、長さ35~50mm、眼窩から蝶形骨小翼の視神経管を通り頭蓋内に入る

◇ 角膜形状に関わる知識

⦿ 全乱視・・角膜乱視+水晶体乱視=残余乱視

⦿ 角膜乱視から全乱視の推定・・Javal’s ruleによる予測

⦿ Javal’s ruleの公式・・『 (全乱視)=1.25×(角膜乱視)+(−0.50D Ax90°) 』

⦿ Javal’s rule:計算例・・角膜乱視が、−1.00D Ax180°の場合
       ⇩
 全乱視=1.25×(−1.00 Ax180)−0.50 Ax90
 =−1.25 Ax180+0.50 Ax180
 =−0.75D Ax180°

◇ 屈折状態が原因による、不満・不調・不具合に関わる知識

⦿ 強度近視補正で、正常視力が得られない理由・・
 ・ 眼軸伸長による眼底黄斑部網脈絡膜の病変
 ・ 網膜像の縮小
 ・ 網膜伸展による視細胞数の密度減少
 ・ 視細胞の配列乱れ・・など

⦿ 度数と輻輳量・・例えば、近見時での調節性輻輳が足りない場合には融像性輻輳に負荷がかかり眼精疲労の原因となる。近視の輻輳不全による外斜視、遠視の開散過剰による調節性内斜視など。

⦿ 輻輳の要素・・
 ・ 融像性輻輳・・調節の変化なしで生じる輻輳
 ・ 調節性輻輳・・調節の変化に伴う輻輳
 ・ 近接性輻輳・・近くに自覚することで誘発される輻輳
 ・ 緊張性輻輳・・解剖学的安静位から生理的安静位(または融像除去眼位)へ視線移動させる輻輳

⦿ 強度近視の眼底変化・・紋理(豹紋状)眼底、コーヌス、後部ぶどう腫、ラッカークラックなど
 ・ 紋理眼底・・脈絡膜の伸展により網膜色素上皮が薄くなるため、脈絡膜が豹紋模様に透けて見える
 ・ 脈絡膜コーヌス・・視神経乳頭部にみられる三日月状または輪状の脈絡萎縮
 ・ 後部ぶどう腫・・眼底後極部が後方に突出した状態
 ・ ラッカークラック・・眼軸伸長によるブルッフ膜の機械的断裂。脈絡膜毛細血管の障害により黄斑部に楕円の出血斑を伴う

後部ぶどう腫

⦿ 視覚障害1級(失明)の原因疾患(厚生労働省、網膜脈絡視神経萎縮症調査研究班報告書)・・・
1位は「緑内障」、2位と3位は「網膜色素変性症」or「糖尿病性網膜症」

2005年(平成17年) ⇩
1位:緑内障(25.5%)、
2位:糖尿病性網膜症(21.0%)
3位:網膜色素変性症(8.8%)、
4位:病的近視(6.5%)

2013年の調査 ⇩
1位:緑内障(21.0%)、
2位:糖尿病性網膜症(15.6%)
3位:網膜色素変性症(12.0%)、

2015年の調査(18才以上) ⇩ ・・50-69歳では1位~3位は横並びで約21%
1位:緑内障(28.6%)、
2位:網膜色素変性症(14.0%)、
3位:糖尿病性網膜症(12.8%)
4位:黄斑変性(8.0%)

⦿ 近視度数が強いほど頻度が増加する眼疾患

 ・ 網膜剥離・網膜裂孔
 ・ 開放隅角緑内障・・隅角は広いが、隅角の機能が悪く房水排出に障害。通常、前房が深い。
 ・ 後極白内障
 ・ 近見時の外斜視・・輻輳不全による

⦿ 遠視性弱視・・不同視弱視(片眼の遠視度が強い)、屈折異常弱視(両眼の遠視度が強い)

⦿ 廃用性弱視・・視力発達する臨界期(8歳~9歳ごろ)に使用されない眼があると生じる。先天眼瞼下垂、先天白内障、眼帯など

⦿ 乱視による眼精疲労・・前焦線と後焦線を同時に明視できないため、調節に負担が掛かる

⦿ 不同視・・屈折性不同視と軸性不同視がある。

⦿ 屈折性不同視の眼鏡補正・・不等像視のみの観点では、通常4~7%の不等像は両眼視の維持が可能。

⦿ Davis(1959)による不等像視の程度・・
 ・ 0~0.75%・・臨床的に顕著な両眼視機能阻害なし
 ・ 1~3%・・融像や立体視が正常範囲内に維持されているが症状が生じる
 ・ 3.25%~5%・・両眼視機能が損じる
 ・ 5%以上・・両眼視機能がかなり損じられるか、または無い

コの字テスト、1本分(約3.5%)

⦿ 症状の頻度(不等像視患者500人の訴え、Bannon&Triller:1944)・・
 ・ 頭痛(67%)、眼精疲労(67%)、
 ・ 羞明(27%)、読みづらい(23%)、
 ・ 吐き気(15%)、複視(11%)、いらいら(11%)、
 ・ めまい(7%)、疲労(7%)、空間の歪み(6%)

⦿ 軸性不同視の眼鏡補正・・Knappの法則により不等像視の発生は少ないとされる

Knapp’s rule

❖ 調節

◇ 調節機構

⦿ 調節・・水晶体の屈折力が増すことで、眼球の全屈折力を増加させる機能をいう。

⦿ 水晶体の屈折力・・無調節時は19.11D(約20D)、最大調節時は33.06D

⦿ 全眼系の屈折力・・無調節時は58.64D(約60D)、最大調節時は70.57D

⦿ 調節のメカニズム・・網膜像のぼけが刺激となり、その反射として調節が行われる。
毛様体筋(Müller筋、Brücke筋、放射状筋)の⇩
Müller筋(輪状筋)が収縮し、毛様体小帯(Zinn小帯)が弛緩し、水晶体被膜の弾性により厚くなる。Brücke筋(縦走筋)が収縮し、毛様体小帯(Zinn小帯)が緊張し、水晶体は薄くなる。

⦿ 調節力・・遠点から近点までの領域(調節域)をレンズの単位[D]で表したもの。
 屈折力[D]=1÷焦点距離[m]

調節力を式で表すと⇩
 調節力[D]=(1÷遠点距離[m] ) − (1÷近点距離[m] )
※但し、眼前をマイナス、眼後をプラスとして計算する(符号規約により)

⦿ 符号規約・・公式での符号を統一するための決まりごと。
 例えば、ベクトルが左方向ではマイナス符号、右方向ではプラス符号とする。
 ・ 『図を描く際、光は原則として左から右方向にする事』
 ・ 『右向きと上向きをプラスの値とする事』
 ・ 『角度は反時計回りをプラスとする事』・・など

⦿ 遠点・・調節を休止したときに明視できる点。網膜中心窩に結像する点

⦿ 近点・・調節を最大に働かせたときに明視できる点。網膜中心窩に結像する点

⦿ 明視域・・調節によりピントを合わせることができる眼前の範囲

⦿ 調節域と明視域の違い・・ざっくりの違いは、「調節域」は眼前〇〇や眼後〇〇で表され、「明視域」は眼後〇〇を無限遠方(+∞)などと表記します。

例)遠点が眼後50cm、近点が眼前25cmの場合・・調節力は? 調節域と明視域は?
       ⇩
先ずは、眼の屈折力を考えてみます。
遠点が眼後50cm→D=1/0.5=+2.00D、つまり+2.00Dで完全補正される遠視眼
近点が眼前25cm→D=1/0.25=+4.00D、つまり+2.00Dの調節をして無限遠を明視し、更に眼前25cmを明視する為に+4.00Dの調節をする
       ⇩
よって、調節力は+2.00Dと+4.00Dを足し合わせた+6.00[D]

以上のように、眼の屈折異常値を先に求めますと、公式で符号を悩む必要はありません。仮に、公式で調節力を求めますと以下の通りです。D=1/(0.50)−1/(−0.25)=2+4=6[D]

調節域は、遠点~近点ですので『眼後50cm~眼前25cm』
明視域は、遠点~近点での明視可能な範囲ですので『無限遠~眼前25cm』

◇ 調節と老視

⦿ 老視・・水晶体の弾力性低下により、近方視に必要な調節ができなくなった状態。老視とは、近方視が困難かどうかではない。例えば、近視眼では老視でも近方視は可能な場合もあり、遠視眼では老視でなくとも必要調節力が足りなければ近方視が困難になります。

⇩ およそ45歳~、近点距離が40cmより離れます。

年代別の調節力

◇ 必要調節量

⦿ 正視眼と眼鏡により完全補正された眼では、同じ視物を明視するのに必要となる調節力は異なります。これを調節効果といいます。眼鏡は装用距離で補正力が変わるからです。

⦿ 近方視に必要な調節力・・ 近視眼 (眼鏡で完全補正) < 正視眼 < 遠視眼 (眼鏡で完全補正)。
       ⇩
例えば、『正視眼』と『−8.00Dで完全補正される近視眼が、−8.00Dの眼鏡を装用距離12mmで掛けた眼』を比べて考えてみます。
       ⇩
正視眼・・眼前40cmを明視するために必要な調節力は『2.50D』(←計算式:1/0.40[m]=2.50[D])

眼鏡補正・・眼前40cm(眼鏡レンズの前方38.8cmの距離(←装用距離12mmを考慮))を明視するための必要調節力は『2.086D』

       ⇩
以下の計算は、SSS級認定眼鏡士の資格取得では必要ですが、1級眼鏡作製技能士では必要ありません。
何となく知っていれば十分と考えます。因みに、公式『DCL=D眼鏡/(1−d×D眼鏡)』ではなく、焦点距離のみで計算してます。(←計算式:−8.00Dが12mmの距離で装用ということは、頂点間距離0mmでの補正力は1/(0.125+0.012)≒−7.30へと減少します)

眼鏡度数−8.00D、装用距離12mmから0への補正度数


       ⇩
(←計算式:必要調節力をAcとして計算しますと、調節した−(7.30+Ac)の度数が12mm離れた補正は1/{0.012−1/(Ac+7.30)}に強くなります)
       ⇩
(←計算式:装用距離12mmの眼鏡度数−8.00と相殺されて残る眼鏡度数1/{0.012−1/(Ac+7.30)}+8.00は、−1/0.388[m]と一致します)
(←計算式:計算しますと、Ac≒2.085977になります)

       ⇩
つまり、眼前40cmを明視するために必要となる調節力は、正視眼では2.50Dですが、
完全補正された−8.00Dの近視眼では2.09Dの少ない調節で明視できます。

       ⇩
同様に、+8.00Dの遠視眼で計算しますと3.05Dとなります。正視眼よりも多い調節力が必要となります。

◇ 明視域

⦿ 実用調節量・・最大調節のおよそ半分ぐらいの調節量。快適に長時間の近業作業をするためには実用調節量を用いるのが望ましい。例えば、調節力が5.00Dある正視眼を考えますと以下の通りです。
 ⇨ 明視域(最大の調節力を使用)・・『無限遠方~眼前20cm』、
 ⇨ 実用明視域(調節力の半分を使用)・・『無限遠方~眼前40cm』

⦿ バイフォーカルレンズの明視域・・加入度数が強い眼鏡は、明視できない範囲が存在する可能性もあります。具体例を挙げますので、以下の4つ(➊➋①②)を比較してみましょう

 ※ 加入度数が1.50Dの例
調節力が2.00D、S−5.00Dで完全補正される近視眼の、
二重焦点レンズ度数S−5.00D Add+1.50の眼鏡装用での明視域を考えてみます。
⇨ ➊ 明視域・・無限遠方~眼前50cm、眼前66.7cm~眼前28.5cm
⇨ ➋ 実用明視域・・無限遠方~眼前100cm、眼前66.7cm~眼前40cm

 ※ 加入度数が2.50Dの例
調節力が2.00D、S−5.00Dで完全補正される近視眼の、
二重焦点レンズ度数S−5.00D Add+2.50の眼鏡装用での明視域を考えてみます。
⇨ ① 明視域・・無限遠方~眼前50cm、眼前40cm~眼前22.2cm
⇨ ② 実用明視域・・無限遠方~眼前100cm、眼前40cm~眼前28.6cm

 ⇧ 明視域➊と実用明視域➋の比較
 ⇧ 明視域①と実用明視域②の比較
 (実用明視域は明視域よりも、どのくらい狭いのかを確認してみましょう)

 ⇧ 加入度数が1.50D➊と2.50D①の比較
 ⇧ 加入度数が1.50D➋と2.50D②の比較
 (明視出来ない範囲が、どのくらい狭いのか広いのかを確認してみましょう)

⦿ 二重焦点レンズ・・加入度数が強い場合、明視域の他にも、プリズム作用における像の跳躍が起こります。

二重焦点レンズ、像の跳躍

❖ 視力

◇ 視力の定義

⦿ 視力とは・・物体の形や存在を認識する眼の能力。
眼の解像度の閾値(境界となる値)で表され、視力では閾値よりも小さいものは見えない

  • 最小分離閾・・2つの点や線を分離して見分けられる最小の間隔
    • ランドルト氏環など
  • 最小可読閾・・文字や図形を読むことができる最小の大きさ
    • ひらがな、カタカナ、数字など
  • 最小視認閾・・1つの点や線を認識できる閾値
  • 副尺視力・・2本の直線や輪郭のずれを認識できる閾値
分離幅は 1/5、(測定距離5m、視力1.0の大きさ)
様々な1分角説による視標(ランドルト環、スネーレン視標など)

⦿ 日本の標準測定距離・・遠見視力・・5m、近見視力・・30cm

⦿ 欧米の標準測定距離・・遠見視力・・20feet(6.096m)、近見視力・・16inch(40.64cm)
※ 1feet=12inch、1inch=0.0254m

⦿ 測定距離と視標の大きさの関係・・小数視力は視角[分]の逆数で表されます。視角が同じであれば、視力も同じ。

測定距離の違いによる視力は同じ(但し、網膜像の大きさを考慮しない)

⦿ 0.1視標(5m用)の測定距離による視力・・0.1視標が測定距離5mで判別できない場合の視力測定
 ・ 測定距離 4mで判別可・・視力 0.08
 ・ 測定距離 3mで判別可・・視力 0.06
 ・ 測定距離 2mで判別可・・視力 0.04
 ・ 測定距離 10で判別可・・視力 0.02

⦿ 0.1視標(5m用)が3m離れた距離で判別可能な場合の視力・・⇩ 計算式(視力をVとする)
 5[m]:0.1=3[m]:V
 V=(0.1×3)/5=0.06
       ⇩
0.1視標(5m用)が3mの距離で判別可能な場合の視力は0.06

⦿ 1.0視標(5m用)が3m離れた距離で判別可能な場合の視力・・⇩ 計算式(視力をVとする)
 5[m]:1.0=3[m]:V
 V=(1.0×3)/5=0.6
       ⇩
1.0視標(5m用)が3mの距離で判別可能な場合の視力は0.6

⦿ ランドルト環の大きさを変え、簡易的な『3m用視力表』の直径・・例えば、測定距離5mで判別可能な視力1.0のランドルト環の直径は7.5mmですが、測定距離3mで視力が1.0となるランドルト環の直径は4.5mmです。⇩ 計算式
 5[m]:7.5[mm]=3[m]:直径[mm]
 直径=3×7.5/5=4.5[mm]
       ⇩
視力1.0は、5mの距離で直径7.5mmに対し3m距離では直径4.5mm

ランドルト環の直径比較(5m用視力表、3m用視力表)

◇ 視力の表示・視力表

⦿ 小数視力・・分[ ’ ]で表した視角の逆数を小数にした視力。例えば、視角1分は視力1.0、視角2分を視力0.5とする。

⦿ LogMAR視力・・視角の対数で表した視力。例えば、視力1.0(視角1’)はLogMAR0、視力0.1(視角10’)はLogMAR1。MAR(Minimum Angle of Resolution)とは、最小可視角のこと。小数視力の逆数。

小数視力とLogMAR視力の0.1刻みでの関係性
対数のグラフ(y=x、x=10y、y=Log10x

⦿ 小数視力表とLogMAR視力表・・小数視力は指数的に変化しますが、対数視力は等間隔で変化します。小数視力0.1と0.2の差は0.1、小数視力0.9と1.0の差は0.1で等しいが、ランドルト氏環の外径の差で比較すると、小数視力0.1と0.2では0.5倍、小数視力0.9と1.0では0.9倍で異なる。一方で、LogMAR視力0.1と0.2の差は0.1、LogMAR視力0.9と1.0の差は0.1で等しく、ランドルト氏環の外径の差で比較すると、LogMAR視力0.1と0.2では0.79倍、LogMAR視力0.9と1.0でも0.79倍で等しい。

ランドルト環の外径と視力
ランドルト氏環の外径での小数視力とLogMAR視力

⦿ 分数視力・・視力を分数で表した視力。分子は『視標が見えた測定距離』、分母は『測定に用いた視標を視力1.0の眼が見分けられる距離(判別可能な最小視標が視角1’をなす距離)』。例えば、小数視力0.5は、20/40(米国)、6/12(英国)。

⦿ 視力表の種類・・JISでは、視力検査の機器を『標準 視力検査装置』、『準標準 視力検査装置』、『特殊 視力検査装置』の3つに区別している。

⦿ 標準 視力検査装置・・正確性に重点をおく装置。8方向のランドルト氏環のみを用いた視標。遠距離視力検査用に作成。

⦿ 準標準 視力検査装置・・実用性に重点をおく装置。ランドルト氏環とそれ以外の一部を用いた視標。遠距離視力検査用に作成。

⦿ 特殊 視力検査装置・・『標準 視力検査装置』と『準標準 視力検査装置』に含まれない装置。
近距離視力検査装置、字ひとつ視力検査装置、スクリーニング用視力検査装置、両眼開放視力検査装置、光学式視力検査装置など。

◇ 視力の種類

⦿ 両眼視力と片眼視力・・両眼開放と片眼遮蔽の違い。両眼視力は片眼視力に比べ若干良い(両眼累加)。著しく両眼視力が片眼視力よりも向上する場合には、潜伏眼振が疑われる。

⦿ 遠見視力と近見視力・・測定距離5mと30cmの違い。遠見・近見の視力が良好かどうかで屈折状態の予想が可能。

⦿ 中心視力と周辺視力・・中心窩でみるか、中心外で見るかの違い。中心視力1.2の場合、視線が2°ずれると視力0.4~0.5、視線5°ずれで0.1~0.3と下がる。中心窩で固視できない弱視では、中心外視力となるために視力は悪い。

⦿ 静止視力と動体視力・・視標を動かさずに測定するか、動かして測定するかの違い。静止視力 > 動体視力

⦿ 深視力・・深径覚の鋭敏さのこと。三桿計や立体視力表で測定する。健常眼での両眼立体視差は約10秒角

精密立体視【+ (4′)、☐ (2′)、▼ (1′)、| (40″) 】
N精密立体視【中央の線 40″】

⦿ 夜間視力・・散瞳すると眼球光学系の収差が増大する。そのため、球面収差が大きな眼では遠見視力が低下する。

⦿ コントラスト視力・・通常用いられる『白地に黒字の視標』は高コントラストだが、日常では低コントラストが多い。眼の状態や眼病などにより、通常の視力測定で良好でも、日常での視力が不良の場合がある。

対比視力表

⦿ 字ひとつ視力(角視力)と字づまり視力(皮質視力)・・『字ひとつ視力』の方が視力が良い。この現象を『読み分け困難(こみあい現象)』という。小児や弱視では字ひとつ視力表が望ましい。

◇ 視力に影響する要因

⦿ 視標の照度・輝度・・JISでは視標の輝度を80cd/m2~320cd/m2と定めている。視力研究所では輝度500±150cd/m2を基準としている。検査室の明るさは50rlx以上が良いが、視標の輝度よりも低くなくてはならない。視標の輝度が低い(0.03rlx)場合には視力の低下があり、1rlx~10,000rlxでは視力の向上がみられ、それ以上になると眩しくなり視力の低下がある。
 ・ ※ ルクス(lux)・・1m2の面が1ルーメン(lm)の光束で照らされるときの明るさ(照度)
 ・ ※ カンデラ(cd)・・1cdは一般的なろうそく1本の明るさとほぼ同じ光の強さ(光度)
 ・ luxとcdの変換には距離が必要

⦿ 視標のコントラスト[%]・・JISでは視標のコントラストを74%以上と規定。
コントラスト[%]=(最高輝度−最低輝度)/(最高輝度+最低輝度)×100

       ⇩ 計算 例①
 ・ 最高輝度(白い部分)が60cd/m2、最低輝度(黒い部分)が40cd/m2の場合
       ⇩
  コントラスト[%]=(60−40)/(60+40)×100=20/100×100=20[%]

       ⇩ 計算 例②
 ・ 最高輝度が190cd/m2、最低輝度が10cd/m2の場合
       ⇩
  コントラスト[%]=(190−10)/(190+10)×100=180/200×100≒90[%]

⦿ 瞳孔の大きさ・・通常は瞳孔径2mm~6mm。
 ・ 新生児・・瞳孔散大筋の未発達により2mm、
 ・ 20歳~25歳・・4mm~6mm、
 ・ 老人・・瞳孔括約筋の硬化により2mm

⦿ 見えている瞳孔径と実際の大きさ・・「見えている瞳孔径」は角膜などで屈折され、虹彩が絞りとなり大きく見えている虚像である。「見えている瞳孔径」>「実際の瞳孔径」

⦿ 瞳孔径の焦点深度・・虹彩は開口絞り(光の量を制限し、像の明るさを決める)。縮瞳するとピンホール効果により焦点深度が深くなり、視力の向上や必要調節量の軽減の効果などがある。

焦点深度の浅いと深い

⦿ ピンホール板・・穴径0.7mm以上を使用し、眼前の穴に垂直に視線が向かうようにしなければならない。穴径0.7より小さい場合には「回折効果」がピンホール効果を上回り不鮮明に見える。ピンホール視力が向上する場合には視力補正の余地がある。

⦿ 年齢・屈折状態・・75歳以上では加速度的に視力低下しますが、80歳でも視力1.0ある割合は10%程度存在する。

⦿ 加齢による視力低下の原因・・
 ・ 光学的要因・・透光体の変化、加齢性の縮瞳
 ・ 神経経路の変化・・視覚情報の伝達経路の変化、視細胞の機能低下、視細胞数の減少
 ・ 屈折状態・・・調節力低下による明視域の縮小

◇ 運転免許に必要な視力値

⦿ 小型特殊原付・・
片眼視力0.5以上である事
片眼が0.5未満は、他眼の視野が左右150°以上で、かつ視力0.5以上である事

⦿ 普通、大型特殊、二輪・・
両眼視力0.7以上、かつ片眼0.3以上である事
片眼視力0.3未満は、他眼の視野が左右150°以上で、かつ視力0.7以上である事

⦿準中型、中型、大型、牽引二種・・
両眼視力0.8以上、かつ片眼0.5以上である事
三桿法の奥行知覚検査器により3回検査で平均誤差が2cm以内である事

❖ 視力の測定

◇ 視力測定の流れ

視機能検査の流れ(例)

⦿ 視力の判定基準・・標準視力表は60%以上の正答率、准標準視力表では80%以上の正答率とします。例えば、ランドルト氏環で6視標の場合、6つ×60%=3.6以上の正答率から、4つ正解でその視力とします。ひらがな視標で5視標の場合、5つ×80%=4.0以上の正答率から、4つ正解でその視力とします。

⦿ 視力の表示・記載方法・・例えば、以下のような順番と記号で記載します。
 ・ Vd=右 裸眼視力(補正視力×S 球面度数 C 円柱度数 Ax 円柱軸)
 ・ Vs=左 裸眼視力(補正視力×S 球面度数 C 円柱度数 Ax 円柱軸)

右眼:裸眼視力0.2、補正視力1.2の眼鏡度数 S−1.00 C−0.25 Ax90°

◇ 視力の測定:機器の取り扱いと確認作業

⦿ レフラクター・・フォロプター、オプテスター、ロダビスタ、ビジョンテスター、ビジテストなどの商品名。

⦿ 電動式レフラクトヘッドの利点・・
 ・ レンズ交換法による度数の切換えが早い
 ・ レンズ交換と共に視標が切り替わる
 ・ クロスシリンダーテストで自動的に等価球面度数調整が行われる
 ・ 乱視軸の測定を1°刻みで行える
 ・ 検者と被検者の距離を一定に保てる・・・などが挙げられます。

⦿ トライアルフレーム・・トライアルレンズホルダーの数(前面3、後面2)、左右別でPD可変式、そり角や前傾角が可変なものなど様々存在。

◇ 予備測定

⦿ 測定前面談(問診)の例・・現用眼鏡の不具合、作製時期、使用状況、使用用途、趣味、免許の有無、近往業距離、仕事、既往歴など

問診例

⦿ 裸眼視力・・屈折状態を予測するため、測定に先立って行うべき

⦿ 現用眼鏡視力・・不具合の度合いがわかる

⦿ 瞳孔間距離・・眼鏡サシやPDメーターで測定

三田式瞳孔計

⦿ 利き目(優位眼)・・測定方法で代表的なのは「ホール・イン・ハンズ(両手で三角形を作り、目標物を見てもらう)」

⦿ 視線の確認(カバーテスト)・・潜伏性斜位の有無などを確認する。偏心固視などの固視異常がある場合には正確性に欠ける。

⦿ カバー・アンカバーテスト・・片眼を遮蔽したときの他眼の動き、遮蔽が外された眼の動きを確認することで斜視(片眼斜視、交代斜視など)の疑いを調べる。

⦿ 交代カバーテスト・・遮蔽を他眼に移した際、遮蔽を外した眼の動き(約2Δ位から観察可能)を確認することで斜位の疑いを調べる。眼位ずれの程度を測定することが目的。

◇ 自覚的補正度数測定

⦿ レンズ交換法・・トライアルフレームでのテストレンズ交換法(調節させないように交換)。凹レンズと凸レンズではレンズ着脱の順番が異なり、常に眼前の度数がプラス寄りになるように交換します。

⦿ 雲霧法・・ピント合わせの機能(調節)が作用しないような測定方法全般を指します。

⦿ 雲霧法による乱視測定・・近視性複性乱視の状態から、乱視視標で薄く見える前焦線の方向とマイナス円柱レンズの軸方向を一致させ乱視度数を付加することで、前焦線が後焦線に近づき乱視補正ができます。 【測定手順は、次のコース【視機能 実技編】にて説明します】

⦿ クロスシリンダー・・反転させても最小錯乱円の位置が変わらない特殊レンズ。

クロスシリンダーレンズの構造

⦿ クロスシリンダーテスト・・クロスシリンダーを用いた乱視測定です。最小錯乱円の位置が常に網膜上にある状態で乱視測定をします。クロスシリンダーレンズを反転させたときの見え方(最小錯乱円の大きさ)を比較して、ぼやけ具合が少ない方へと乱視軸・度数を変えていき乱視補正をしていきます。 【測定手順は、次のコース【視機能 実技編】にて説明します】

⦿ バランステスト・・遠点バランスを確認する目的は、左右眼での調節を均衡にすることです。

⦿ 交互遮蔽法・・左右眼を雲霧し、視標の見え方を比較することで調節のバランスを合わせる方法。

⦿ 偏光レッドグリーン法・・偏光RG視標を用いて、左右それぞれR=Gにして両眼バランスを合わせる方法。

⦿ 偏光文字視標・・偏光文字視標を用いて、左右の見え方を同程度にして両眼バランスを合わせる方法。

⦿ 最良視力の確認・・両眼バランステスト後に行う最良視力の確認手順です。
両眼同時にマイナス球面レンズを徐々に付加していき、最良視力が出る最もプラス寄りの度数を求めます。

◇ 近用度数測定

⦿ 近用加入度・・遠用度数と近用度数の差。

⦿ 加入度数の測定・・近方クロスシリンダーを用いた方法(調節ラグを考慮する)、マイナスレンズを付加していく方法(視標の縮小を考慮する必要あり)、ドンダースのプッシュアップ法(相対距離拡大を考慮する必要あり)など。

⦿ 調節近点・・明視できる最も近い距離のこと。
測定時に被検者に確認してもらうことで、自覚してもらい、潜在的な要望を聞き出せる。

⦿ 近用度数視力・・近方視力表で測定値を記録に残すことは、補正視力低下などの判断に役立つ。

⦿ 拡大鏡の倍率・・例えば、近方補正視力0.2で、0.6相当の文字を読ませたい場合にはおよそ倍率×3が必要。

⦿ 近点バランスの確認・・近点バランスの確認は、遠点バランスの確認にもなります。

◇ 眼鏡度数決定

⦿ 遠用眼鏡度数・・遠方視で調節していない状態が重要

⦿ 近用眼鏡度数・・必要な距離を無理なく見える状態が重要

⦿ 遠近両用眼鏡度数・・二重焦点レンズと累進多焦点レンズでは、明視域の広がりに違いがある。

⦿ 中近・近々両用眼鏡度数・・基本的な用途は近業距離であるため、近用度数を先に決定する。

⦿ 特殊な眼鏡度数・・不同視における眼鏡補正の問題は不等像視、側方視や上下視での不要なプリズムである。

⦿ プリズム処方の眼鏡度数・・非球面レンズでは、偏心によるプリズムは不可。

⦿ プレンティスの公式・・P[Δ]=h[cm]×D[D]、
  P:プリズム値、h:レンズ光学中心からの偏心位置、D:レンズ屈折力、

❖ 視機能 実技編

◇ 瞳孔間距離(PD)測定

⦿ 瞳孔間距離(Pupillary Distance)・・右眼と左眼との瞳孔間の距離です。ヒトの顔は厳密には非対称である為、左右眼で若干異なります。第1眼位において、レンズの光学中心を視線が通過するのが望ましい。そのため、精度良くPDの測定ができなければ、眼の疲れや視空間のずれを引き起こします。

 ・ 第1眼位・・まっすぐ前方を見ているときの眼位
 ・ 第2眼位・・水平および上下の方向を見ているときの眼位
 ・ 第3眼位・・斜め方向を見ているときの眼位

⦿ 心取り点(Centration Point)・・プリズムが無い状態での光学中心、設計基準点、フィティングポイントが置かれる眼鏡平面上での点のことです。

⦿ 心取り点間距離(Centration Distance)・・眼鏡レンズの、右CPと左CP間の距離です。

⦿ PDとCD・・PDは瞳孔間の距離であり、CDは眼鏡のCP間の距離

PD、CD、CPの違い

⦿ 遠方両眼PD測定の一例・・被検者の第1眼位でのPDを測定します。複数回行うことで精度が上がります。被検者から40cm以上離れた正面に位置し、検者自身の左眼の位置に固視点(自分の指など)を置き、被検者に見てもらう。そのときの被検者の右眼瞳孔に定規の目盛り0を合わせる(検者は左眼で観測)。続いて、固視点を検者の右眼に移し、被検者の左眼瞳孔にある定規の目盛りを読み取る(検者は右眼で観測)。

⦿ 近方両眼PD測定の一例・・被検者から40cmほど離れた正面に位置し、検者の左眼の位置に固視点を置く。固視点は動かさず、検者は左眼のみで被検者の右眼と左眼の距離を定規の目盛りで読み取る。

近方PD測定の例(検者は左眼のみ)

⦿ 遠方片眼PD測定の一例・・両眼遠方PD測定と同様に測定します。定規のセンターが動かないようにを被検者の鼻梁に合わせ読み取ります。検者は、被検者の右眼を左眼で、被検者の左眼は右眼で定規の目盛りを読み取ります。

◇ 視線の確認

⦿ 視線確認での前提条件・・固視状態(各眼が固視するのに中心窩を使用すること)が正常である事が前提。被検者の調節が一定に維持されなければならない。必要以上の調節介入を許すと、調節性輻輳により両眼視の把握困難となる。

⦿ 基本原理・・基準が視線の向きであるため、眼の構造、生理的要因、心理的要因などが相互的に働くために正確な測定は不可能。

⦿ 視線の確認・・遠方(1文字視標など)と、近方(指先、ペン先など)をそれぞれ評価する。眼鏡装用者であれば、装用状態で確認する。
       ⇩
 ・ 遠方のみ眼鏡装用であれば、遠方は装用状態、近方は裸眼で確認。
 ・ 近方のみ眼鏡装用であれば、遠方は裸眼、近方は装用状態で確認。

⦿ カバーテスト・・片眼視(オクルーダーレンズなどで遮蔽)させ、融像能力を遮断し眼位を調べる。

オクルーダーレンズ

⦿ カバー・アンカバーテスト・・片眼斜視、交代斜視の疑いを調べることが目的。
       ⇩ 手順
1.視標が1つに見えていることを確認する。
2.左眼をオクルーダーで隠した(カバーした)瞬間の右眼の動きを観察。
  ・ 右眼が動く場合には、右眼が中心窩で見ている
  ・ 右眼が動かない場合、右眼は中心窩で見ている
3.左眼の遮蔽を外した(アンカバーした)瞬間の両眼の動きを観察。
4.右眼も同様に、カバーとアンカバーをする。

⦿ 片眼斜視と交代斜視の違い・・
 ・ 片眼斜視の場合・・アンカバーの瞬間、正常眼にのみ動きが観察される。
 ・ 交代斜視の場合・・カバー・アンカバーで交互に眼の動きが観察される。アンカバーされた眼に動きがない。

⦿ 交代カバーテスト・・斜位または斜視の眼位のずれの程度を数量的に測定することが目的。スクリーニング的な利用であれば、眼の動き(2Δ位までは目視で可能らしい)をある程度予測できれば良い。カバー・アンカバーテストで斜視が認められない場合でも、交互カバーテストで正位か斜位かの判別が可能。
       ⇩
1.左眼をオクルーダーで融像除去し、右眼でしっかり固視させる。
2.瞬時にオクルーダーを右眼に移し、左眼でしっかり固視させる。
  ・ しっかり固視してもらうために、2~3秒は必要
3.アンカバーされた左眼の動きを確認する。
4.瞬時にオクルーダーを左眼に移し、右眼の動きを確認する。
  ・ 外斜位、内斜位、右上斜位(左下斜位)、左上斜位(右下斜位)などを評価
       ⇩
  ・ アンカバーされた眼が再固視するのに十分な時間(2~3秒)が必要です。
  ・ 交互のオクルーダーを他眼に移動させるのは俊敏に何回か繰り返すのが理想。

 ※ プリズムバーがあれば、回旋斜位以外でプリズム中和が可能。

プリズムバー

◇ 試験枠による乱視測定(雲霧法)

⦿ 雲霧法の原理・・雲霧法とは、常に近視状態を保つことにより調節関与を排除した静的屈折測定の方法。乱視測定では、弱度の近視性乱視の方向性を持った見え方を利用している。

⦿ 球面レンズの交換手順・・雲霧法では、調節介入による測定誤差を防がなければならない。テストフレームにて測定を行う際、レンズ交換中に、交換後の屈折測定状態よりもマイナスに偏る状態があってはならない。その為、凸レンズと凹レンズでの交換手順が異なる。

⦿ 凸レンズの交換法・・新しい凸レンズをレンズホルダーに挿入した後に、古い凸レンズを取り去る。もし仮に、新しい凸レンズを挿入しないまま、古い凸レンズを先に取り去ると、その時点で調節が介入してしまう。

⦿ 凹レンズの交換法・・古い凹レンズをレンズホルダーから取り去り、その後で新しい凹レンズを挿入する。もし仮に、新しい凹レンズを追加で挿入すると、その時点で調節の介入が関与してしまう。

 ※ レンズホルダーに挿入せずに、眼前にレンズを保持したままでスムーズに交換する『重ね取り』という手法もある。

⦿ 濃く見える方向の測定・・乱視表(ファンダイヤル)にて、濃く見える方向を測定する場合、
テストフレームの角度目盛りにて読み取ります。一般的には、放射線視標の数字に30を掛けた値を、マイナス乱視軸の方向として測定します。

ファンダイヤル視標

竹串などを使用し、被検者自身で濃く見える方向に合わせてもらうというのも方法の1つです。(マイナス乱視軸方向は、濃く見える方向の±90°方向です。)濃くはっきりと見える方向を被検者に尋ねる場合、詳しく尋ねる必要がある。
       ⇩ 例えば・・
『斜め方向の2時-8時方向が濃いです。』という回答が得られた場合、
『それは、1時寄りだったり、3時寄りだったりしますか?』と尋ねる必要がある。
       ⇩
『少し1時寄りです。』という回答があれば、乱視軸方向は60°ではなく、50°であるかもしれません。

⦿ 一般的な雲霧法の手順・・
1.測定準備
   ・ PDを測定する。
   ・ 裸眼視力、旧眼鏡の装用視力を測定する。
2.調節緩解措置
   ・ 球面度数を調整し、視力0.1の状態にする。
3.乱視測定準備(球面レンズの交換手順を遵守する事)
   ・ S−0.25Dステップで付与していき、徐々に雲霧を解除し視力0.5~0.6の状態にする。
4.乱視測定
   ● 乱視有無の測定
     ・ どの方向も均一な太さに見える場合には『乱視なし』
     ・ 濃くはっきり見える線がある場合には『乱視あり』
   ● 乱視軸の測定
     ・ 濃くはっきり見える方向を、乱視視標の角度目盛りで読み取る。
     ・『乱視軸=(濃く見える方向)±90°』
   ● 乱視度数の測定
     ・ マイナス円柱レンズの軸を、乱視軸に一致させC−0.25Dステップで順次付加していく。
     ・ どの方向も均一に見えるときの度数が、乱視度数です。
    ・ 付加し過ぎると、±90°逆方向に濃い線が表れます。
5.球面度数の測定
   ・ 視力を確認しながら、S−0.25Dステップで付与し、最高視力の最弱度数を測定値とします。

⦿ 不正乱視の測定には不可・・雲霧法は、正乱視の見え方を基にした測定。円柱レンズで、ある程度の補正ができる不正乱視でも、測定が対応できません。

⦿ 度数の強さで測定時間が変わる・・測定時間が一定でないと、測定精度に差が出る。遠視眼や強度近視の場合、視力0.1の近視状態にする為の時間が掛かる。強度乱視の場合、測定時間が長く掛かる。それらは、旧眼鏡や他覚測定値を利用することで解決可能。旧眼鏡度数とその視力から、視力0.1となる球面度数を推測する事ができます。
       ⇩
他覚屈折測定値(オートレフラクトメーター)などの他覚屈折測定値の等価球面度数にS+2.00D~S+2.50Dを付加し、視力0.1を推測する事も可能。

⦿ 乱視軸などの測定誤差が起こりやすい・・被検者の顔が傾いている場合、姿勢の傾き分の乱視軸に測定誤差がでます。竹串などの細い棒を使用し、濃く見える方向を直接テストフレームに当てることで、顔の傾きによる円柱軸の誤差を防ぐことが可能。

⦿ 実用的な雲霧法の手順・・
 1.オートレフラクトメーターの等価球面度数におよそS+2.00D~S+2.50D付加(視力0.1になるよう球面度数の調整が必要)したレンズ度数を仮枠の一番後方に入れます。
       ⇩
 2.レンズ交換手順を遵守し、マイナス球面度数を仮枠の中央に入れて付加していき視力0.5~0.6にします。
       ⇩
 3.放射線視標により乱視軸を合わせて、仮枠の前方のみで円柱レンズを付加していき乱視度数を決定します。
       ⇩
 4.仮枠中央の球面度数をS−0.25Dステップで付加していき最高視力を求めます。
       ⇩
 5.仮枠後方と仮枠中央を足し合わせた球面度数と、仮枠前方に入っている乱視度数が『屈折測定値』となります。

⦿ 雲霧法で、視力0.1の近視状態にする理由とは・・先ずは、調節の機構とは何なのかを考えてみます。例えば遠方視の場合、遠方の『ぼやけ』を知覚すると調節が働きます。
       ⇩
調節をすると、当然ながら『ぼやけ』が増大します。『ぼやけ』の増大に気付き、初めて調節を減少し遠方が鮮明に見る事ができるようになります。
       ⇩
このように、その形状が判断できないほど『ぼやけ』がある場合には調節を解く事ができません。その為、試視力表のサイズが最大である0.1視標を用いて、調節機構が働く一番強い近視状態で調節緩解が可能となります。

⦿ 雲霧法で、視力0.1の近視状態から、視力0.5の近視状態にする理由とは・・視力が高い強度乱視では、後焦線が網膜後方にある『混合性乱視』の状態となる場合も考えられます。その結果、乱視度数の測定ができなくなる可能性があります。
       ⇩
乱視視標は視力0.5があれば測定可能となります。(C−2.00Dの近視性単乱視の斜乱視で、視力0.5に相当します。)C−2.00D超えの乱視測定の場合、太い線を用いたサイズの乱視視標を使用するか、雲霧法ではなく『クロスシリンダー法』を用いる必要があります。また、乱視C−0.25D未満の乱視は、視力0.5~0.6では濃淡のむらとして知覚されずに無視されます。
       ⇩
調節緩解処置から調節を解く場合、視力0.1の近視状態から視力0.5にする過程で『随時、しっかり注視させる事』により、確実に調節を解く事ができます。

⦿ 雲霧法で、近視性複性乱視の状態にする理由とは・・『近視性単乱視』や『混合乱視』の状態では、測定精度が下がります。
       ⇩
近視性単乱視の場合には、乱視度数を付与していく過程で、本来の乱視度数よりも強く付与された場合でも調節により最小錯乱円視されてしまい、『ぼやける方向が無い』となる可能性があります。
       ⇩
混合乱視の場合でも、調節により乱視度数を付与しても常に濃く見える線が無いなど最小錯乱円視されてしまい測定ができなくなります。

⦿ 雲霧法で、乱視補正にプラス円柱レンズを使用しない理由とは・・近視性複性乱視から測定を始め、プラス円柱レンズを使用しますと、測定終了時点で後焦線が前焦線の位置まで移動することになり、乱視視標の判別可能な視力0.5を維持する事ができなくなります。
       ⇩
一方で、マイナス円柱レンズを使用した場合には、前焦線が後焦線の位置まで移動しますので、乱視視標の示す線は後焦線と同様に鮮明に見ることができ判別可能となります。

⦿ 球面度数をS−0.25Dステップで行う理由とは・・『ぼやけ』という網膜像の判断能力には個人差があります。正視眼や弱度の遠視眼では、『ぼやけ』の判断を諦め易い傾向にあります。少しの『ぼやけ』でも、視力が大きく低下する傾向があります。近視などでは『ぼやけ』に慣れている為、少しの『ぼやけ』では視力が低下しづらい傾向があります。
       ⇩
様々な傾向に合わせて同様の精度を得る為には、少しの変化も見逃さないように最小ステップでレンズ交換をする必要があります。

⦿ 測定値の確認方法(球面度数)・・球面度数では、最高視力を得る最弱度数ですので、S+0.25Dを加えると視力は低下する筈です。視力低下が起こらない場合には、測定時に調節が介入していた事となります。一方で、S−0.25Dを加えた際に、視力の向上は認められないが『くっきり見えやすく感じる』という回答が得られる事があります。測定距離が5mである(0.2Dの弱補正)事もありますが、コントラストが上昇するのと同時に、視標のサイズが若干小さく見えている筈。眼に入る光線の量は、小さくなった網膜像の前と後では等しいからです。
       ⇩
よって、調節力がある眼の場合、視力を確認せずにS−0.25Dを付加し見え方を比較させるのは間違いの原因となる。

⦿ 測定値の確認方法(乱視軸)・・『斜行円柱の原理』を利用し確認する事ができます。円柱レンズの軸を意図的にずらす事で『残余乱視』を発生させて確認する事ができます。残余乱視の軸は、『本来の眼の乱視軸』と『ずらした乱視軸』の中間から45°ずれた角度に発生します。
       ⇩
例えば、軸度を±10°ずらして、濃く見える方向が等しくずれるのであれば、補正した乱視軸は正しいといえます。

残余乱視の角度

⦿ 測定値の確認方法(乱視度数)・・乱視が完全に補正された状態である場合には、C−0.25Dが増加されますと、濃く見える方向の線が90°ずれます。(実際には、不正乱視の影響で90°から若干ずれます。)

⦿ 視力と度数の記入例・・Vd、OD、RVは右眼、Vs、OS、LVは左眼の事です。
⇩「右眼、裸眼視力が0.2、S−1.00D C−0.25 Ax90°の補正視力が1.2」の記入例

◇ 斜光円柱の理論

⦿ 斜光円柱の理論・・補正する円柱レンズの軸方向をずらした場合には合成乱視が生じます。
放射線視標の見え方を例に、乱視軸の修正手順を以下に示します。
       ⇩
例えば、『S−0.50 C−1.00 Ax10°』で完全補正される眼について、
先ずは、未補正のままで放射線視標を見た時は以下のように見えます。

(未補正、S−0.50 C−1.00 Ax10°)

 ① 乱視軸の測定に誤りが無い場合・・『C−1.00 Ax10°』を装用させた場合には、濃く見える方向の線は無くなります。

(未補正、S−0.50)

 ② 『C−1.25 Ax10°』を装用させた場合・・濃く見える方向の線は±90°方向逆転します。

(濃く見える線が±90°方向逆転する)

よって補正する乱視軸方向に誤りが無い、もしくは誤差の範囲内といえます。


③ 次に、『C−1.00 Ax10°』の乱視軸方向を、それぞれ『±10°』回転させた場合を考えてみます。
       ⇩
乱視未補正(C−1.00 Ax10°)のままで放射線視標を見た時は、以下のように見えます。

乱視未補正(C−1.00 Ax10°)

       ⇩ ❶ +10°回転
Ax(10°+10°)・・『C−1.00 Ax20°』を装用させますと『C−0.35 Ax150°』の残余乱視が発生します。

『C−0.35 Ax150°』の残余乱視

       ⇩ ❷ −10°回転
Ax(10°−10°)・・『C−1.00 Ax180°』を装用させた場合には『C−0.35 Ax50°』の残余乱視乱が発生します。

『C−0.35 Ax50°』の残余乱視乱

       ⇩ ❶と❷から
±10°方向ずらしても、濃く見える線が等しく 40°方向ずれる。更に、濃さも±10°で違いが無い。よって、乱視軸の測定が上手く出来たといえます。

       
④ では、それぞれ『±30°』回転させた場合ではどうなるのかを考えてみます。
       ⇩ ➌ +30°回転
Ax(10°+30°)・・『C−1.00 Ax40°』を装用させますと『C−1.00 Ax160°』の残余乱視が発生します。

『C−1.00 Ax160°』の残余乱視

       ⇩ ➍ −30°回転
Ax(10°−30°)・・『C−1.00 Ax160°』を装用させた場合には『C−1.00 Ax40°』の残余乱視が発生します。

『C−1.00 Ax40°』の残余乱視

       ⇩ ➌と➍から
±10°方向ずらした場合と同じく、ズレ量と濃さが等しくなります。

⦿ 乱視の測定に『S−0.50 C−1.00 Ax180°』という誤りがある場合の軸修正法・・

先ずは、本来の未補正度数『S−0.50 C−1.00Ax10°』のまま、放射線視標を裸眼で見た時は以下のよう
に見えます。

(未補正、S−0.50 C−1.00 Ax10°)

       ⇩

① 測定誤差により、『C−1.00 Ax180°』を装用させた場合(補正乱視軸−10°ずれ)には、『C−0.35 Ax50°』の残余乱視乱が発生します。

『C−0.35 Ax50°』の残余乱視乱

       ⇩

『C−1.25 Ax180°』を装用させた場合(補正乱視度数−0.25、軸−10°ずれ)には、『C−0.46 Ax66°』の残余乱視が発生します。

『C−0.46 Ax66°』の残余乱視

       ⇩
濃く見える方向が±90°方向逆転せず、別の方向がより濃く見えるという事から、測定に誤りがあると
予想する事ができます。
       ⇩
一旦、『C−1.00 Ax180°』を装用させた状態に戻します。

②  では、具体的に測定された乱視軸の修正をしていきます。一旦、『C−1.00 Ax180°』を装用させた状態に戻しましたので、以下のように見えています。

『C−0.35 Ax50°』の残余乱視乱

       ⇩
180°から、それぞれ『±5°』回転させた見え方を確認します。

       ⇩ ❶ +5°回転
Ax(180°+5°)・・『C−1.00 Ax5°』を装用させますと『C−0.17 Ax53°』の残余乱視が発生します。濃さは弱くなります。

『C−0.17 Ax53°』の残余乱視

       ⇩ ❷ −5°回転
Ax(180°−5°)・・『C−1.00 Ax175°』を装用させますと『C−0.52 Ax48°』の残余乱視が発生します。濃さは強くなります。

『C−0.52 Ax48°』の残余乱視

       ⇩ ❶と❷から

③ +5°回転させた『C−1.00 Ax5°』の方が濃さが均一に近づく為、そちらに軸修正をします。

④ 更に、『±5°』回転させた見え方を確認します。

       ⇩ ➌ +5°回転
Ax(5°+5°)・・『C−1.00 Ax10°』を装用させますと濃く見える線が無くなります。

乱視軸の修正が完了しました。

       ⇩ ➍ −5°回転
Ax(5°−5°)・・『C−1.00 Ax180°』を装用させますと『C−0.35 Ax50°』の残余乱視が発生します。

『C−0.35 Ax50°』の残余乱視

残余乱視が『C−0.17 Ax53°』から『C−0.35Ax50°』になる為、濃さが強くなります。

◇ 試験枠による乱視測定(クロスシリンダー法)

⦿ パスカル (Pascal. J. I)の乱視測定法・・乱視度数を増加することのみを考えた方法。乱視ゼロの状態から測定開始。調節休止状態で最小錯乱円視をさせる。

⦿ コーポランド(Copeland. J. C)の乱視測定法・・ 乱視度数を減少することのみを考えた方法。他覚測定値(又は、眼鏡度数)から測定開始。マイナス乱視度数を減らすことを考慮し、遠視状態にすることで調節させ最小錯乱円視をさせる。調節力が無い人には適用付加

⦿ 手持ちクロスシリンダーとは・・手持ちクロスシリンダー(±0.25D)は以下のようなものです。

手持ちクロスシリンダー(±0.25D)

手持ちクロスシリンダーには、度数(±0.25D や±0.50D、±0.75D、±1.00D)、黒と白の〇、赤と黒の〇や線、手持ち柄の方向に線があるもの、図のように白〇があるものなど様々な種類があります。実際に使用される前には、どこに度数が入っているのかを確認しましょう。

基本的には円柱軸のプラスとマイナスが直交するような構造になっており、手持ちを回転させる事で乱視が 90°反転します。最小錯乱円の位置を変えずに、前焦線と後焦線の位置をそれぞれ近づけたり(最小錯乱円が小さく変化)、遠ざける方向に移動(最小錯乱円が大きく変化)させる事ができます。

コーポランドによる乱視測定の手順・・

⦿ クロスシリンダーテスト法による測定の流れ(※一例です)
 1.問診(測定の方向性を決める)
 2.遠用ハーフ PD を測定します(定規や PD メーターなどで)
 3.裸眼視力、眼鏡装用視力を測定します(視力から完全補正値を予想)
 4.視線の確認
   ● 輻輳近点テスト・・鼻の付け根から 8cm 以内での分離(ぼやけでは無く複視)
   ● カバーテスト・・カバー・アンカバーテスト、交互カバーテスト
   ● 眼球運動テスト・・眼前 30cm で約 30cm の正方形、単眼運動と両眼運動
 5.他覚屈折測定値、もしくは旧眼鏡度数を仮枠にセット、(仮枠の PD を合わせる)
 6.左眼を遮蔽し、右眼の測定する。
 7.RG 視標を呈示し『R=G』になるように球面度数を合わせます(又は、視力表にて『最高視力』が出る最もプラス寄りの度数:M+BVA)
 8.球面度数 S−0.50D を両眼共に加え、R<G 寄りにする(あえて調節させ最小
錯乱円視させる:コーポランド)
 9.クロスシリンダー用視標を呈示する(0.3 のランドルト環で代用しても良い)
 10. 乱視の有無を確認する
   ● 他覚値(又は眼鏡度数)に乱視が無い場合・・※ 乱視の有無を確認する。
   ● 他覚値(又は眼鏡度数)に乱視が有る場合・・ ⇨ そのまま手順 11 へ

※ 乱視の有無を確認 ➊ ⇨ 手持ちクロスシリンダーの柄を 45°(又は 135°)にして反転させた前後で、見え方の差を尋ねる。
   ● 差がある場合には、はっきり見える面の赤印に C−0.25Dが付与されるように C−0.25D  Ax180°(又は Ax90°)のレンズを仮枠に入れ ⇨ 手順 11 の乱視軸測定ヘ
   ● 無い場合には⇨次の手順へ(別の乱視軸方向で確認)

※ 乱視の有無を確認 ➋ ⇨ 手持ちクロスシリンダーの柄を 90°(又は 180°)にして反転させた前後で、見え方の差を尋ねる。
   ● 差がある場合には、はっきり見える面の赤印に C−0.25Dが付与されるように C−0.25D Ax45°(又は Ax135°)のレンズを仮枠に入れ ⇨ 手順 11 の乱視軸測定ヘ
   ● 無い場合には、『乱視無し』と判断 ⇨ 手順 13(調節緩解処置)へ

11. 乱視軸の測定・・手持ちクロスシリンダーの柄方向を、マイナス円柱レンズの軸方向に合わせて反転させた前後で、見え方の差を尋ねる。
       ⇩
はっきり見える面があれば、その時に赤印寄りにある経線方向に仮枠に挿入されている円柱レンズ軸を回転させていき、反転前後で同じ見え方になるまで何回か繰り返す(回す角度は 10°、戻す時は 5°・・など)
12. 乱視度数の測定・・手持ちクロスシリンダーの赤印(又は黒印)を、マイナス円柱レンズの軸方向に合わせて反転させた前後で、見え方の差を尋ねる。
       ⇩
はっきり見える面があれば、その時に赤印がマイナス円柱軸と 90°垂直方向にある場合には C−0.25 を増加させる(円柱軸方向と垂直方向に度数が入る為)、黒印の場合には C−0.25D を減少させる。
   ● 常に最小錯乱円視させる為、等価球面度数が同じになるようにする。
   ● 例)C−0.25 増加⇨C−0.25 増加と S+0.25 増加
   ● 例)C−0.25 減少⇨C−0.25 増加⇨C−0.25 増加⇨C−0.25 増加と S+0.25 増加
13. 調節緩解処置として、枠に挿入されている球面度数に S+1.00D を加えたレンズをセットする。
14. RG 視標を呈示し、S−0.25D ステップで増加し R=G(R<G の 1 つ前の球面度数)にする。
   (もしくは直接、視力表にて M+BVA(最もプラス寄りの最高視力がでる度数)を求める)
15. 補正視力の測定をする。
16. ※反対の左眼も同様に測定し、※両眼視力の測定をする。


⦿ 上記の測定手順 11~12 の具体例・・『S−0.50 C−1.00 Ax30°』で補正される近視眼の場合。
       ⇩
つまり、眼の屈折要素は『S+0.50 C+1.00 Ax30°』です。

(S+0.50 C+1.00 Ax30°)
(S+0.50 C+1.00 Ax30°)

       ⇩
ⅰ.先ずは、乱視軸の測定です。
仮枠には『S−1.00 C−0.75 Ax180°』でセットしているとします。

(S−1.00 + C−0.75 Ax180°)
(S−1.00 C−0.75 Ax180°)

       ⇩
『眼の要素』を『補正レンズ』で補正した状態(2 つを足し合わせた状態)は次のようになります。

(S+0.50 C+1.00 Ax30°と S−1.00 C−0.75 Ax180°の合成レンズ)

被検者は、最小錯乱円視をしようと調節をします。
       ⇩
つまり、M+BVA の状態から余分に加えた『0.50D』と、乱視の未補正度数『今回は 0.125D』を考慮した調節(0.375D)をすることで最小錯乱円視をしている状態となります。

0.37Dの調節により、最小錯乱円視をした未補正度数

       ⇩
それでは、実際にクロスシリンダーを振っていきます。

今の段階では、『S+0.50 C+1.00 Ax30°』という眼の屈折要素に対して、仮枠には2枚のレンズ(『S−1.00』と『C−0.75 Ax30°』)が挿入されている状態です。

(S−1.00 + C−0.75 Ax30°)

       ⇩
以下のように『クロスシリンダーの手持ち柄を円柱レンズの軸である 180°』に合わせ、①番・②番と反転させます。『未補正レンズ度数(残余乱視)』と『クロスシリンダーの①と②』を合成した未補正はそれぞれ以下のようになります。

最小錯乱円視での未補正レンズ度数

クロスシリンダーの手持ち柄を 180°に合わせ、反転させた①番・②番です。

クロスシリンダーの手持ち柄を180°に合わせ、反転させた①番・②番

       ⇩ 「未補正」と「クロスシリンダーの①番と②番」の合成

反転させた①番と②番での、それぞれの未補正度数

       ⇩
上の図から、②番の方が振幅が小さく見えやすい。

仮枠に挿入されている円柱レンズの軸方向を、マイナス円柱軸方向(赤い線の方向)に 10°回転させます。つまり、『S−1.00 C−0.75 Ax180°』から『S−1.00 C−0.75 Ax10°』にします。
       ⇩
未補正レンズ度数も、以下のように「左図→右図」へと少し変化します。

補正レンズの円柱軸を180°から10°に修正、前後の比較

今度は、『クロスシリンダーの手持ち柄を円柱レンズの軸である 10°』に合わせ、①番・②番と反転させます。

クロスシリンダーの手持ち柄を10°に合わせ、反転させた①番・②番

       ⇩ 「未補正」と「クロスシリンダーの①番と②番」の合成

反転させた①番と②番での、それぞれの未補正度数

今度も上の図から、②番の方が振幅が小さく見えやすい。
       ⇩
仮枠に挿入されている円柱レンズの軸方向を、マイナス円柱軸方向(赤い線の方向)に+10°回転させます。つまり、『S−1.00 C−0.75 Ax10°』から『S−1.00 C−0.75 Ax20°』に更に回転させます。
       ⇩
未補正レンズ度数も、以下の「左図→右図」へと少し変化します。

補正レンズの円柱軸を10°から20°に修正、前後の比較

同様に、『クロスシリンダーの手持ち柄を円柱レンズの軸である 20°』に合わせ、①番・②番と反転させます。

クロスシリンダーの手持ち柄を20°に合わせ、反転させた①番・②番

       ⇩ 「未補正」と「クロスシリンダーの①番と②番」の合成

反転させた①番と②番での、それぞれの未補正度数

今度もまた上の図から、②番の方が見えやすい。仮枠に挿入されている円柱レンズの軸方向を、マイナス円柱軸方向(赤い線の方向)に+10°回転させます。つまり、『S−1.00 C−0.75 Ax20°』から『S−1.00 C−0.75 Ax30°』に回転させます。
        ⇩
未補正レンズ度数も、以下のようにまた少し変化します。

Ax20°(左図)からAX30°(右図)へ変えた時の、未補正レンズ度数

同様に、『クロスシリンダーの手持ち柄を円柱レンズの軸である 30°』に合わ
せ、①番・②番と反転させます。

クロスシリンダーの手持ち柄を30°に合わせ、反転させた①番・②番

       ⇩ 「未補正」と「クロスシリンダーの①番と②番」の合成

反転させた①番と②番での、それぞれの未補正度数

       ⇩
今度は、①番と②番のボヤケ具合は同じになりました。
       ⇩
つまり、『マイナス円柱レンズの補正軸は 30°付近である』という事ができます。

補正軸は 30°でほぼ決まりですが、念の為、マイナス円柱軸方向(赤い線の方向)に更に+10°回転させ確認していきます。
       ⇩
『クロスシリンダーの手持ち柄を円柱レンズの軸である 40°』に合わせ、①番・②番と反転させます。①番と②番での未補正度数は以下のようになります。

①番と②番での未補正度数の比較

       ⇩
上の図から、①番が濃くはっきり見えますので、補正軸を 5°戻します。
       ⇩
『クロスシリンダーの手持ち柄を円柱レンズの軸である 35°』に合わせ、①番・②番と反転させます。

①番と②番での未補正度数の比較

       ⇩
①番が濃くはっきり見えるという事で、補正軸を 5°戻します。
       ⇩
先ほど、仮で決定した円柱軸 30°と一致しました。

再び、『クロスシリンダーの手持ち柄を円柱レンズの軸である 30°』に合わせ、①番・②番と反転させますと、ぼやけ具合が同じという事で補正軸 30°に決めます。

       ⇩ 乱視軸が決定しました

この状態での仮枠には『S−1.00 C−0.75 Ax30°』が装用されている状態となります。

ⅱ.続いて、乱視度数の測定です。

『S−0.50 C−1.00 Ax30°』で完全補正される眼に、『S−1.00 C−0.75 Ax30°』が装用され、調節により最小錯乱円視している以下のような状態です。

       ⇩
では、実際に乱視度数を測定していきます。

『クロスシリンダーのマイナス軸を、装用している軸方向の 30°(クロスシリンダーの手持ち柄は75°)』に合わせ、①番・②番と反転させます。

マイナス軸を30°に合わせ、反転させた①番・②番
反転させた①番と②番での、それぞれの未補正度数

       ⇩
上図から、①番の方が濃くはっきりと見えます。

はっきり見える①番は、クロスシリンダーのマイナス軸が 30°と重なる時ですので、『C−0.25 Ax30°』を増やし、『C−1.00 Ax30°』とします。
       ⇩
再度、『クロスシリンダーのマイナス軸を、装用している軸方向の 30°(クロスシリンダーの手持ち柄は 75°)』に合わせ、①番・②番と反転させます。

マイナス軸を30°に合わせ、反転させた①番・②番
反転させた①番と②番での、それぞれの未補正度数

       ⇩
①番も②番も同様の見え方になります。
       ⇩
よって、乱視度数が決まりました。

もし仮に、①番がはっきり見えるという回答があった場合には、C−1.25 Ax30°にしますが、網膜上に最小錯乱円がある状態を維持させる為、S+0.25D を一緒に仮枠に装用させなければなりません。
   ・ C−0.50D を付加する毎に、S+0.25D を付加します。
   ・ C+0.50D を付加する毎に、S−0.25D を付加します。
       ⇩(例)
C−0.75(起点)⇨ C−1.00⇨C−1.25 と S+0.25 ⇨ C−1.50 と S+0.25 ⇨ C−1.75 と S+0.50 ⇨ C−1.50 と S+0.25

◇ 試験枠による左右屈折均衡

バランステスト・・・⇩

⦿ 単眼視でのバランステスト・・種類⇩
  o  交互遮蔽法
  o  プリズム分離法
  o  レッドグリーン視標による方法
  o  クロスシリンダーを用いる方法・・など

⦿ 両眼視によるバランステスト・・種類⇩
  o 偏光レッドグリーンテスト
  o 偏光視標によるバランステスト
  o ターヴィルの方法(約 6cm の遮蔽板を使用する方法)
  o ハンフリスの方法(測定する反対の眼に S+0.75D 付加した両眼開放測定)・・など

⦿ 偏光 RG による両眼バランス・・測定手順⇩
 1.偏光フィルターをセットし、右眼で上の視標が見え、左眼で下の視標が見えているかを尋ねます。
 2.両眼で 4 つの視標がちらつかないかを尋ねます。
 3.上の視標(右眼)の、赤側と緑側の◎か数字を比較してもらい濃く見える方を尋ね、R=G になるように球面度数を変えます。
 4.下の視標(左眼)も同様に行い R=G にします。
 5.偏光フィルターを外し、両眼に S+0.50D 程度雲霧します。
 6.視力表を呈示し、両眼に S−0.25D ステップで付加していき最高視力がでる最もプラス寄りの度数を求めます。

⦿ 交互遮蔽法によるバランステスト・・単眼視でのバランステストです。その為、左右の屈折補正視力が等しい場合にのみ測定が可能。斜位がある場合には、遮蔽する度に視標が上下左右に移動するという訴えが起こる。

⦿ 交互遮蔽法による単眼バランステスト・・測定手順⇩
1.両眼視力が 0.5 が辛うじて見えるように、球面度数 S+1.00D ほど付加する
2.左右眼を交互に遮蔽し、良く見える方の眼があるかを尋ねます。
3.良く見える方があれば、S+0.25D を加えていき左右同程度にします。無ければ、左右それぞれ S+0.25D を付加し、付加しなかった逆の眼が見えやすいかを確認。
4.バランスがとれたら、両眼同時に雲霧を解いていき、M+BVA(最もプラス寄りの最高視力がでる度数)を求めて終了。

◇ 加入度測定

⦿ 近方両眼クロスシリンダー法の手順・・注)完全補正値に両眼 S+2.00Dを付加して行う場合は『調節ラグテスト』で、非老視眼に対して行う調節機能のテスト。

       ⇩
  1.両眼に S±0.50D(またはS±0.25D)のクロスシリンダーをマイナス軸90°でセットする。

近方クロスシリンダー

  2.クロスグリッド視標を両眼で見てもらい、縦線と横線を比較して濃く明瞭に見える方向を尋ねる。
  3.縦線が濃く見える場合には、加入度の必要なしと判断できる。横線が濃く見える場合には、縦線と横線の濃さが等しくなるまで S+0.25Dを両眼に付加していく。
  4.更に、S+0.25Dを両眼に付加していき縦線の方が濃くなる1つ前の度数が、必要な加入度数の目安。

⦿ 調節ラグ・・調節刺激(AS)と調節反応(AR)の差のこと。例えば、眼前40cmにある視物を見るために必要な調節刺激は2.5Dですが、調節反応が2.50Dとは限らない。
   ・ 調節刺激(Stimulus)・・眼前の視物に焦点を合わせるための刺激であり、焦点距離の逆数で求められる。
   ・ 調節反応(Response)・・調節刺激に反応する、実際の調節量。

⦿ 測定した加入度数の確認・・近方クロスシリンダーにて縦線と横線の濃さが同じになった度数を基準として、マイナス度数側へ随時付加してぼやけた度数と、プラス度数側へ随時付加してぼやけた度数の中間が測定した加入度数と等しければ、ほぼ間違い無いと判断できる。

⦿ プラス球面レンズ加入法・・見える程度(頑張って見ようとしているかどうかなど)により、調節刺激に対する調節反応が一定ではない。
       ⇩
1.被検者の作業距離に視標を置き、見たい大きさの文字を見てもらう。
2.プラス度数を両眼に随時付加していく。
3.最初に鮮明に見える度数が最低限必要なおおまかな加入度(精度は低い)。

◆ 光学系

❖ 物理光学・幾何光学

◇ 光の種類

⦿ 電磁波・・波長の違いにより、電波、光、X線、γ線などと呼ばれる。

⦿ 可視光線・・明所視における分光視感効率は360nm~830nm、ピークは555nm。JIS規格では、可視放線の下界はおよそ360nm~400nm、上界はおよそ760nm~830nm。眼光学では、380nm~780nmを境界とする。加齢に伴い短波長側の感度が低下していく。

⦿ プルキンエ現象・・明所と暗所で視感度がずれる現象。暗所視では、分光視感効率が短波長側へシフトする。明所視(錐体細胞)では赤色、暗所視(桿体細胞)では青色の視感度が高い。

⦿ 紫外線・・可視放射よりも短い波長の光放射。物質や生体に損傷を及ぼす。地上に降り注ぐ太陽光に含まれる光エネルギーのうち紫外線は10%以下。可視光線は約40%、近赤外線は約50%を占める。
 ・ UV-A・・315nm~380nm、(紫外線の9割を占める。Sun tan [日焼け] の原因)
 ・ UV-B・・280nm~315nm、(Sun burn [日焼け後の炎症反応] 、San tanの原因)
 ・ UV-C・・100nm~280nm、(オゾン層でほぼ吸収される)

⦿ 赤外線・・可視放射よりも長い波長の光放射。熱的な作用を及ぼす。

⦿ 熱放射・・物質の原子、分子、イオンなどの熱運動の結果生じる放射。高温の物体が発する光。
太陽、鉱物の溶解、白熱灯のフィラメントなど。

⦿ 色温度・・ある光源が発している光の色を定量的に表した尺度のこと。熱放射の色合いは物質で異なる。温度が高いほど青白く見える。単位は熱力学的温度のケルビン[K]。太陽光は5500K、昼白色蛍光灯は5000K、昼光色蛍光灯6500K。

⦿ ルミネセンス・・放射、電気などのエネルギーを吸収し励起(れいき)状態になった物質が、基底状態に戻るときに放射する現象。電気エネルギーを直接的に光へ変換。蛍光と燐光(りん光)がある。炎色反応、グロー放電、蛍光蛋白、発光ダイオードなど。

◇ 光の性質

⦿ 光の二重性・・光(光子)は量子であり、波動性(干渉、回折など)と粒子性(吸収、放出など)がある。

⦿ 光が物質に当たると・・一部が『吸収』され、透明な物質では『屈折』して『透過』、
もしくは物質表面で『反射』や『散乱』が起こります。

吸収、屈折、反射、透過、散乱

⦿  屈折・・光が物質の境界で進行方向を変える現象。

⦿ 屈折率(Refractive index)・・光が媒質へ入射するときの速度は真空中よりも遅くなります。その比率が屈折率です。(屈折率)=(真空中の光速)÷(物質中の光速) で表されます。屈折率の値として、真空中は1.00、大気中は約1.0003、水中は4/3≒1.33、水晶は約1.54、ダイヤモンドは約2.42。

⦿ 屈折率が連続的に変化する媒質の屈折・・光の進行方向も徐々に曲がる。例えば、水晶体、蜃気楼。

連続的に屈折率が変化する媒質での屈折

⦿ 屈折の法則(スネル・デカルトの法則)・・【n1 sinθ1=n2 sinθ2

スネルの法則

⦿ 反射・・入射角(法線と入射光線との角度)と反射角(法線と反射光線との角度)は大きさが等しい。

物体の反射による虚像

⦿ 反射率・・以下の公式で表せます。屈折率が1.50のガラスレンズ表面での反射率は4%です。屈折率1.67では6.3%。屈折率が高いほど反射率が高くなります。

反射率

⦿ 全反射・・屈折率が大きい媒質から小さい媒質へ入射するとき、入射角が臨界角以上では射出せずに反射のみが起こる。

⦿ 臨界角・・全反射が起きる最も小さな入射角。
【 臨界角= arc sin(n2/n1)、[但し n1>n2] 】で求められます。( n1<n2では臨界角なし)

[⇧ スネルの法則から『sinθ1/sinθ2=n2/n1、臨界角はθ2=90°なので、sinθ=1、sinθ1=n2/n1からθ1=sin-1(n2/n1) ]
       ⇩ 計算例
水中から大気中へ入射する時の臨界角は、arc sin(1.00/1.333)≒48.59°
       ⇩ 臨界角
よって、水の臨界角は約48.6°となります。

⦿ 干渉・・複数の波が、強め合ったり弱め合ったりする性質。以下のグラフは、波1(青色)と波2(朱色)が干渉した波(灰色)を表します。位相のずれで、強め合ったり、打ち消し合ったりします。

y1=sinθ と y2=sin(θ+60)

       ⇩
2つの波が干渉され、振幅が大きくなっています。

y1=sinθ と y2=sin(θ+120)

       ⇩
2つの波が干渉されますが、振幅は1のままです。

y1=sinθ と y2=sin(θ+180)

       ⇩
2つの波が干渉され、完全に打ち消し合っています。

⦿ 反射防止コートの原理・・コート厚を波長の4分の1程度にすること(位相条件)、コート材質の屈折率をレンズ材質の屈折率の平方根にすること(振幅条件)、その2つを満たすことで反射が完全に打ち消される。

コート裏面(レンズ表面)とコート表面の反射

       ⇩
半波長分のずれにより、光波が打ち消される。

波が打ち消され、反射が防止される

       ⇩
実際は、理想的な屈折率が存在しないために近い屈折率の素材が使用され、特定の波長にのみ有効であるために多層膜(マルチコート)が施されている。

⦿ 干渉計による形状検査・・光源から出た光を2分割し、ニュートン原器と測定サンプルの反射光から発生する干渉縞を見ることで、測定サンプルの表面形状や透過波面形状の検査が波長程度の精度で行えます。

⦿ 回析(かいせつ)・・波長が大きいほど、障害物の背後に回り込んで伝わる回折が大きくなる。

ホイヘンスの原理

⦿ 回折レンズ(フレネルゾーンプレート)・・スリットの間隔が狭いほど回析が大きくなることを利用し、レンズのような作用をもたせたレンズ(←同心円状に回析格子の間隔を変えて配置)。回折レンズは回折現象を起こす微細加工。

⦿ ブレーズド回析格子・・溝の断面が三角形の鋸歯状で、溝の角度(ブレーズ角)を制御した回折格子。液晶で作られた透過型のブレーズド回折格子を小玉に使用し、二重焦点レンズのように使用できる製品(屈折率を変化させる電子液晶レンズ)がある。

ガラス板の溝、鋸歯状の溝

⦿ 縦波(疎密波)・・振動方向が、波の振動方向と平行。空気の疎密が伝わる音波、地震のP波(Primary wave)など

縦波(バネ)

⦿ 横波・・振動方向が、波の振動方向と垂直。電磁波、地震のS波(Secondary wave)など

横波(バネ)

⦿ 偏光子・・自然光などから直線偏光を作り出すもの。長い鎖状炭化水素分子のプラスチックシートを引き延ばして分子を一方向に配列させ、ヨウ素液に浸しすことでヨウ素の原子が鎖状分子に付着する。光波が透過するとき、配列方向に動く伝導電子は吸収されるため偏光となる。

分子方向(横線)で表した図

透過軸(縦線)で表した図

⦿ 直交ニコル・・2枚の偏光板を直交させると、光波が全方向で吸収され透過しない。

⦿ 平行ニコル・・2枚の偏光板が平行であれば、直線偏光はそのまま透過される。

⦿ ブルースター角(偏光角)・・屈折率の異なる物質の界面において、反射光が完全な偏光(s偏光のみ)となる入射角。
 ・ 屈折の法則・・【 sinθ1 / sinθ2=n2 / n1 】から、
 ・ ブルースター角・・【 θ=tan-1(n2 /n1) 】

 

Brewster角

⦿ p偏光・・Parallele(平行:独語)、光のベクトルが入射面に平行な方向に振動する直線偏光

⦿ s偏光・・Senkrecht(垂直:独語)、光のベクトルが入射面に垂直な方向に振動する直線偏光

p偏光とs偏光
入射面と境界面、p偏光とs偏光

⦿ 水のブルースター角(偏光角)・・θ=Arc tan(1.333/1.000) ≒ 53.130°。「53.13°」で入射した反射光は、分子配列が横方向(透過軸が縦方向)の偏光子で完全に除去できる。一方で、水中から射出するp偏光の光は大気中からの観察が可能。

⦿ ハイディンガーブラシ(Haidinger’s brush)・・内視現象のひとつで、黄斑部の偏光特性により視野の中心部に見える淡い黄色と青色の模様。レイリー散乱を起こしている青空や、液晶モニターの白の領域などで、頭をゆっくり傾けることで知覚することも可能。黄斑部に相当する視野に現れるハイディンガーブラシは、偏心固視の訓練に用いられる。(MITT)

◇ レンズ

⦿ 頂点(vertex)・・光軸と球面との交点をV

⦿ 曲率中心(center of curvature)とその半径(radius)・・球面の中心をC、その半径をr(VからCまでの距離)

頂点V、曲率中心C、曲率半径r

⦿ 曲率半径rでの、主なレンズ形状・・

 ・ r(+) → 『( 』
 ・ r(−) → 『 )』
 ・ r(∞) →『 | 』

 ・ r1(+) と r2(−)・・『( 』と『 )』、両凸レンズ
 ・ r1(+) と r2(∞)・・『( 』と『 | 』、平凸レンズ
 ・ r1(+) と r2(+)、r1<r2・・『( 』と『( 』、凸メニスカスレンズ
 ・ r1(−) と r2(+)・・『 )』と『( 』、両凹レンズ
 ・ r1(∞) と r2(+)・・『 | 』と『( 』、平凹レンズ
 ・ r1(+) と r2(+)、r1>r2・・『( 』と『( 』、凹メニスカスレンズ

⦿ 像焦点F’・・無限遠方からの光線束(平行光線)がレンズに入射し、射出した光線束が集光する点

⦿ 像焦点距離f’・・レンズから射出した像焦点までの距離。単に焦点距離ともいう

⦿ 物体焦点F・・点光源を置いた場所

⦿ 物体焦点距離f・・レンズから物体焦点までの距離

⦿ 物体空間(前側)・・レンズに光線が入射する側

⦿ 像空間(後側)・・光線が射出する側

⦿ 平行光線法による作図(薄レンズ)・・以下の条件で作図します。但し、収差などを無視した近軸光線とします。
  1.光軸に平行な光線は、屈折後に像焦点F’を通る
  2.物体焦点Fを通る光線は、屈折後に光軸と平行になる
  3.レンズの中心を通る光線(主光線)は屈折しない

凸レンズ、凹レンズ(薄レンズ)
凸レンズ、凹レンズ(薄レンズ)

⦿ 厚レンズの作図・・薄レンズの重ね合わせと同様に考えることが可能。

像主点H’、物体主点H・・主面と光軸が直交する点を主点という。
薄レンズとして近似した場合にはH’とHは一致するとみなせる。

凸レンズ(厚レンズ)
薄レンズの重ね合わせと同様

⦿ 符号規約・・同じ曲率でも凸面と凹面では性質が異なる。それらを明確に区別するために符号規約が必要。
  1.光線は左方から屈折面、反射面に入射する
  2.長さの量は、頂点の右や光軸の上にあるときは正、頂点の左や光軸の下を負とする
  3.角度は、光軸から光線へ最小角で回転して一致させるとき、時計回りの方向を正、反時計方向を負とする。(右眼、左眼ともに水平方向に向かって右側を0度、垂直方向を90度、左側を180度とするTABO式では、時計回りを負、反時計回りを正とする)

符号規約、( r>0、s’>0、s>0)

⦿ 焦点距離で表す屈折の式・・【n’/ s’ − n/ s = (n’-n)/ r = -n/ f=n’/ f’
計算するときは、符号規約に則りプラスやマイナスの値を代入する。

⦿ 屈折力の式・・【D=n/f 、D’=n’/f’

⦿ 度数で表したバージェンズ・・物体のバージェンス(U)に度数(D’)が加わると像のバージェンス(V)になる。【U+D’=V

⦿ 横倍率(β:lateral magnification)・・像の大きさ。光線の進行方向に対して直交するので横。
β=y’/y=(s’-r)/(s-r)=ns’/n’s】、(β:横倍率、y:物体の大きさ、y’:像の大きさ)

⦿ 縦倍率(α:longitudinal magnification)・・奥行きの倍率、【α=n’/n×β2

⦿ 角倍率(γ:angular magnification)・・一般的には、物体と像の見込み角の比率。眼鏡倍率やルーペの倍率など。
       ⇩
γ=tan u’/tan u=s/s’=n/n’×1/β

⦿ 開口絞り・・光量を制限する機構。瞳孔など

⦿ 視野絞り・・視野を制限する機構。眼瞼など

開口絞り、視野絞り

⦿ 焦点深度・・レンズからスクリーンまでの距離をずらしてもぼやけ量に気付かない距離。

焦点深度

⦿ 球面鏡・・焦点距離は曲率半径の半分。曲率中心を通る光線は球面に垂直に入射し逆向きに射出する。

凸面鏡
凹面鏡

◇ 収差

⦿ 収差・・光学系によって結像する場合、理想と異なる幾何光学的なずれ

⦿ 収差の種類・・光学系の分散による「色収差」、単色光でも生じる「単色光収差」の2つ

⦿ 単色光収差・・ザイデル(seidel)の5収差(球面収差、コマ収差、非点収差、像面の湾曲収差、ディストーション(歪曲収差))、高次収差

⦿ 色分散・・光学ガラスにおいて波長により屈折率が変化する現象

⦿ 分光・・光を波長ごとに分けること。プリズムでは、波長により屈折率が異なる(短波長の方が屈折率が大きく屈折角が大きい)ために分光されます。

プリズムによる分光

⦿ 色収差・・射出光線束が波長により焦点距離が異なり、その差のこと。
 ・ 縦方向の色収差(軸上の色収差)・・軸上にできる差。進行方向なので『縦』
 ・ 横方向の色収差(倍率の色収差)・・軸に垂直方向にできる差。進行方向と垂直なので『横』

色収差(縦方向と横方向)

⦿ 色消レンズ(achromatic lens:アクロマティックレンズ)・・色収差を除去したレンズ。1枚の単レンズには必ず色収差が存在するので、色消レンズを作るには2枚以上のレンズを組み合わせる必要がある。2枚の薄レンズを密着させる[cemented doublet]方法(アッベ数が異なるレンズを貼り合わせる)、離す[separated doublet]方法(焦点距離の和の半分離す)などがある。

⦿ 分散能・・分散量(δF-δCと平均のフレ角δdの比ωのこと。
       ⇩
  【ω=(δF-δC)/(δd)=(nF−nC)/(nd−1)

C線、F線はスぺクトルのほぼ両端に対応する色(赤と青)であり、d線はスペクトルのほぼ中央に対応する色(黄)の光。

スペクトル線とその波長
フレ角δと頂角α

       ⇩ フレ角δ、頂角α、屈折率n
  【n=(α+δmin)/αδmin=(n-1)

⦿ アッベ数・・分散能ωの逆数。光学レンズの分散能は0.011~0.042の値となり、視標とするには小さすぎるため、アッベ数νdを用いる。1998年に波長基準が、ヘリウムのd線から緑色である水銀のe線(546.07nm)に変更された。カドミウムCdのF’線とC’線を用いて、νd=(nd−1)/(nF−nC) から νe=(ne−1)/(nF’−nC’) へ定義変更。
  ・ 屈折率が小さいガラス(crown glass)・・分散能が小さくアッベ数が大きい
  ・ 屈折率が大きいガラス(flint glass)・・分散能が大きくアッベ数が小さい

⦿ 凸レンズの色消レンズを作る場合の例・・凸に分散の小さいクラウンガラスを用い、凹にフリントガラスを用いる。

色消レンズ(cemented doublet 法)

⦿ Seidel(ザイデル)の5収差・・入射角をθとし、sinθ≒θと近似せず、sinθ=θ−θ3/3!+θ5/5!−θ7/7!+θ9/9!−・・・の第2項までを考慮した収差。ザイデルの5収差はθ3までなので3次収差、θ5以下の収差を総称して高次収差という。

⦿ 眼鏡レンズで問題になる収差・・非点収差、ディストーション(歪曲収差)、色収差

⦿ 眼鏡レンズで問題にならない収差・・球面収差、コマ収差、像面湾曲収差
  ・ 瞳孔径φ3~4mmであるため、球面収差とコマ収差を無視
  ・ 網膜がほぼ球面であるため、像面湾曲収差を無視

⦿ 球面収差・・軸外の光線が必要以上に屈折する収差

凸レンズの球面収差

⦿ コマ収差・・球面収差が除去された状態でも、軸上から離れるとコマ(coma)という彗星(comet)状の収差が発生する。

凸レンズの内向性コマ収差

正のコマ(内向性コマ)

外向性コマと内向性コマ

⦿ 非点収差・・球面収差とコマ収差が除去されても、軸からかなり離れると結像が非点的(astigmatic)となる。球欠的光束と子午的光束は、点ではなく互いに直交する直線となる

凸レンズの非点収差

⦿ 像面湾曲収差・・球面収差やコマ収差、非点収差が完全に除去されても完全な結像とはならず、それぞれの点が曲面上に結像される収差

凸レンズの像面湾曲収差

⦿ ディストーション(歪曲収差)・・横倍率画像の大きさにより異なる収差。球面収差、コマ収差、非点収差、像面湾曲収差の4つの収差が全て除去された場合でも完全な結像とはならず、相似とならない収差

凸レンズの歪曲収差
糸巻型歪曲収差(凸レンズ)、樽型歪曲収差
(凹レンズ)周辺部につれ倍率が大きくなる場合(糸巻型)

❖ 眼光学・生理光学

◇ 眼光学の基礎知識

⦿ 模型眼・・眼の光学的構造を数値化したもの。Helmholtz の模型眼、Gullstrand の模型眼、LeGrand の模型眼など

⦿ 正式眼・・眼球の光学定数(屈折率、曲率半径、位置など)を実測値をもとに定めたもの

⦿ 省略眼・・単純な構造に置き換えて光学定数を定めたもの。Donders の省略眼、Lawrence の省略眼、Listing の省略眼など

⦿ 光軸・・光学系の光源、レンズ、絞りなどの中心を連ねる直線。光学系を構成する屈折曲面、反射曲面などの曲率中心を連ねる直線。

⦿ 共軸系・・光軸が1本のみで構成される光学系

⦿ 注視線・・固視点と回旋点を結ぶ線

⦿ 眼軸(光軸)・・前極と後極を結ぶ線。角膜中心・結点・後焦点を結ぶ線であり、中心窩から5°鼻側

⦿ 視軸(視線)・・固視点、物体側節点、像側節点、中心窩を結ぶ線。節点と中心窩の位置を測定するのは困難ですので、視軸(視線)の測定は困難

⦿ 照準線・・眼の入射瞳中心と固視点を結ぶ線

⦿ 瞳孔中心線・・入射瞳中心を通り、角膜表面に垂直な線。角膜反射像を被検者の瞳孔中心に位置させることで瞳孔中心線の測定は可能

⦿ 主点・・物体と像が共に光軸に垂直・同大・同方向のときの点

⦿ 結点・・光軸上のある点に入射した光線が、屈折後に入射光線の延長になるか、又は平行になる点

⦿ γ角・・光軸と注視線の成す角度。注視線が光軸よりも鼻側にある時は正(+)、耳側の時は負(−)という。γ角の測定は困難であるため、κ角を臨床的なγ角とする。

⦿ α角・・光軸と視軸の成す角度

⦿ κ角・・瞳孔中心線と視軸の成す角度

⦿ λ角・・瞳孔中心線と照準線の成す角度。

⦿ 網膜中心窩との共役点・・調節弛緩時の光学系では遠点が共役点、最大調節時では近点が共役点。正視眼や完全補正された眼球光学系では、調節弛緩時であれば網膜上の中心窩と無限遠方の物点が共役。中心窩が焦点。

物体と像の位置関係は共役

⦿ 焦点の共役点・・平行光線束が入射し射出光線束が集まる点が焦点であるため、無限遠方の物点が焦点の共役点

⦿ Sturm(スツルム)のコノイド・・乱視眼の場合、平行光線束は一点に集光しない。その様子を描いたもの。スタームのコノイド、シュツルムのコノイドともいわれる。

直乱視のコノイドと焦線

⦿ 最小錯乱円・・乱視眼や収差を持つ光学系では集光する光線束が一点に集まらずに乱れる。その乱れが円形に最も小さくなるところ。最小錯乱円の位置は、前焦線と後焦線の中間位置から、やや前焦線寄りに位置する。

⦿ 最小錯乱円視・・球面レンズの補正などで網膜上に最小錯乱円がある状態の見え方。

⦿ 等価球面度数(SE値:spherical equivalent power)・・最小錯乱円の位置が変わらないように、乱視度数の半分を球面度数に換算した度数。例えば、S+0.75 C−1.00の SEはS+0.25D、S−1.00 C−1.00の SEはS−1.50D

⦿ 眼の収差・・① 球面収差・・角膜には球面収差があるが、若年者の水晶体では打ち消すような収差がある場合が多い。瞳孔径により球面収差の影響が少なくなるが、瞳孔中心がずれている場合には球面収差の影響が現れる。② コマ収差・・網膜周辺部では視力が低下しているので気にならない。円錐角膜などでは光軸の傾きによりコマ収差が生じる。③ 非点収差・・眼球光学系において発生する非点収差(astigmatism)は乱視(astigmatism)。レンズに斜め方向から入射すると非点収差が生じ、乱視眼であれば平行光線でも生じる。④ 像面湾曲収差・・網膜そのものが湾曲しているため影響は少なく、網膜周辺部は視力が低下しているので気にならない。➄ ディストーション(歪曲収差)・・網膜像を脳が補正して処理するため、気になるかどうかは慣れ次第。⑥ 色収差・・強度レンズの場合には波長により網膜像の大きさが異なる倍率色収差が発生し、気になることもある。高屈折率のレンズではアッベ数が低い。

⦿ 入射瞳・・光学系の入射側から見た開口の像。

⦿ 開口・・絞りにより制限された光が通過する部分。眼球では、眼前から見た瞳孔の像が入射瞳(3mm)。

⦿ 射出瞳・・光学系の射出側から見た開口の像。

開口絞り(レンズ前方の場合、後方の場合)

⦿ プルキンエ・サンソン像・・角膜前面、角膜後面、水晶体前面、水晶体後面の反射像のこと。
  ・ 第Ⅰ~Ⅲ・・凸面での正立像、第Ⅰプルキンエ像が最も明るい
  ・ 第Ⅳ・・凹面での倒立像、第Ⅳプルキンエ像は最も暗く観察困難

Purkinje Sanson 像(第Ⅰ~Ⅳ)

       ⇩
調節により、第Ⅲが移動する

Purkinje-Sanson像、左から、水晶体後面反射、水晶体前面反射、角膜反射

❖ 眼鏡光学

◇ 補正レンズの原理

⦿ 後面頂点焦点距離・・レンズ後面頂点から像焦点までの距離。本来の焦点距離は像主点から像焦点までの距離。

⦿ 眼鏡レンズの屈折力・・後面頂点焦点距離の逆数。レンズメーターで測定される値は後面頂点屈折力。レンズメーターで表裏を逆にして測定すると極わずかに違いが生じる理由はこのため。

⦿ 頂点間距離の違いによる、補正屈折力の変化・・D=Dv/(1–d×Dv)の公式から、
       ⇩
  装用距離がd1からd2へ変化した場合の補正度数は、D=Dv/(1-(d2−d1)×Dv)となる。

       ⇩ 計算例
  補正レンズ度数が−10.00D、装用距離が頂点間距離12mmから14mmに離れた場合の計算
       ⇩
    D=(−10.00)/(1−(0.014−0.012)(−10.00))≒−9.80[D]
       ⇩ つまり
  −10.00Dの補正から−9.80Dの補正へと変化し、−0.20Dの弱補正になる。

⦿ 頂点間距離の違いによる、必要屈折力の変化・・D=Dv/(1+d×Dv)の公式から、
       ⇩
  装用距離がd1からd2へ変化した場合の必要度数は、D=Dv/(1+(d2−d1)×Dv)となる。

       ⇩ 計算例
  補正レンズ度数が−10.00D、装用距離が頂点間距離が12mmから14mmに離れた場合の計算
       ⇩
    D=(−10.00)/(1+(0.014−0.012)(−10.00))≒−10.20[D]
       ⇩ つまり
  必要度数−10.00Dから必要度数−10.20Dへと変化し、−0.20Dが多く必要になる。

⦿ 正乱視の補正・・前焦線と後焦線をそれぞれ網膜上に一致させれば良い。例えば、『S−0.50 C−1.00 Ax180°』で完全補正される眼の場合、『C−1.50 Ax180°』と『C−0.50 Ax90°』の2枚のレンズで補正できる。乱視成分は、『C−1.00 Ax180°』のレンズで前焦線の位置を後焦線と一致させることができる。球面成分は、『S−0.50』のレンズで前焦線と後焦線を共に網膜方向へ移動ができる。

スコア表示

⦿ 残余乱視・・眼の乱視軸と補正レンズの乱視軸のずれにより発生する乱視。乱視度数はサインカーブを描きます。残余乱視は、眼の乱視と補正する乱視の2つの波を合成することで求めることが可能。

半径1の円は、1回転で2π進む
正弦波(サインカーブ)

◇ 補正レンズ

⦿ ディオプトリ[D]、[dpt]・・像焦点距離[m]の逆数である屈折力、屈折度、屈折度数、度数の単位。JIS規格では、dioptre(英)と記載されている。diopter(米)も慣用的に用いられる。

⦿ トロイダル面・・半径rの円を半径Rで回転させて生じる曲面のこと。toroidal・・「円環面(torus)の形」や「円環面体」の意味。トーリックレンズは、その側面を切った形状で異なる曲率半径(Max『R+r』とMin『r』)をもつ。

縦軸と横軸で異なる曲率半径、『R+r』と『r』

トロイダル面

⦿ SCA表示・・S(球面度数)、C(円柱度数)、A(円柱軸の方向)での表示方法

⦿ SCA表示の統一・・
  1.SとCの符号を揃える・・遠視性乱視の場合には、円柱度数Cをプラスで表示する。
  2.合わない場合には、マイナスC表示・・近視性乱視や混合性乱視の場合には、円柱度数Cをマイナスで表示する。

⦿ 度数転換・・
  1.新たなSは、元のSに元のCを加える。
  2.Cの符号を入れ替える。
  3.Axを90°ずらす。
       ⇩
  例)・・S−1.00 C+1.50 Ax90° → S+0.50 C−1.50 Ax180°

⦿ 中間方向の乱視度数・・『sin2θ』で表せます。
       ⇩ 例えば
  『C−1.00 Ax180°』の30°方向の屈折力・・−1.00×(1/2)2=−0.25 D
  『C−1.00 Ax180°』の45°方向の屈折力・・−1.00×(√2/2)2=−0.50 D
  『C−1.00 Ax180°』の60°方向の屈折力・・−1.00×(√3/2)2=−0.75 D

トーリックレンズの断面度数
C−1.00 Ax180°(中間方向の屈折力『−sin2θ』)

◇ プリズム

⦿ フレ角δ(偏角)・・・光線の進行方向が変わる場合の角度。

フレ角(偏角)

⦿ プリズム作用の大きさ・・通常はフレ角(デルタの小文字:δ)で表さず、プリズムディオプトリ(デルタの大文字:Δ)で表す。1m先の物体が1cmずれて見える時を1Δと記載する。Δを小さく右上に記載することが多いが、JISでは細かく定められてはいない。

⦿ 偏角の求め方・・arctan(P[Δ]/100)で求められる。
       ⇩ 例えば
  1Δの偏角は、arctan0.01≒0.573°
  2Δの偏角は、arctan0.02≒1.146°

  1Δの偏角を求める・・以下の図を考えます。
       ⇩
  ① 直接タンジェントで三角形から求めますと、
    tanδ=1/100=0.01 → δ=arctan0.01=0.57293869768349・・・
  ② 円周200π[cm]と1Δの1[cm]の割合から近似で求めますと、
    δ=360°/200π=0.57295779513082・・・
       ⇩
  ①と②は、ほぼ一致します。

1Δの偏角は0.573°

⦿ プリズム作用の合成と分解・・三角関数の定義を用いて、水平方向と垂直方向を合成、もしくは分解できる。

三角関数

1Δ B30°の、水平方向と垂直方向への分解

⦿ プレンティスの公式・・以下のように求められます。1Δは1m先で1cmずれることを意味し、S+1.00Dの焦点距離は1mです。S+1.00Dのレンズは、偏心量hが1cmでも2cmでも焦点距離は1mです。偏心量1cmでは1Δ、2cmでは2Δとなります。
       ⇩
焦点距離f=1/Dであり、P[Δ]=h[cm] / f[m]となりますので、P[Δ]=h[cm]×D[D]となります。

プレンティスの公式

⦿ 眼球回旋点でのプリズム作用・・眼球回旋点は角膜頂点から後方13mmに設定されます。

正面の遠方視をする際、レンズ光学中心が視軸と一致しない場合にはプリズム作用が発生します。

光学中心が視軸とずれる場合の光線

◆ 商品系

❖ 眼鏡フレーム

◇ 眼鏡フレームの構造

⦿ メタルフレームの各部名称・・

メタルフレームの各部名称

  ● フロント(枠)・・リム、ブリッジ、智、パッドで構成されるフレーム前面部の総称。レンズを眼前の適正な位置に固定する役割。
  ● テンプル(腕、手、つる)・・丁番から耳に掛かる部分。智を介しフロントとつながり耳に固定する。
  ● 合口・・フロントとテンプルの接合部分。
  ● 小口・・テンプルチップのテンプル差込口。

智周辺部の名称

  ● ブリッジ・・左右のリムを繋ぐ支持構造部品。左右レンズのねじれやフロント角が変わらない剛性が必要。
  ● 智(鎧)・・テンプルに繋がるフロント両端部分。通常使用では変形しない剛性が必要でありながらも調整可能な必要がある。
  ● パッド・・眼鏡を支えるための鼻に接する部品。メタルフレームでは交換可能。
  ● パッド足(クリングス)・・リムやブリッジとパッドを繋ぐ支持構造部品。パッドが面で当たるような調整が可能。

パッド部の名称

  ● 丁番・・フロントとテンプルを繋ぐ開閉機能を持つ部分。基本的にはねじで固定されており、簡単に緩まないことが必須。
  ● 玉形・・レンズの外形
  ● テンプルチップ(モダン、先セル)・・メタルフレームの耳に接する部分に取り付けられるプラスチック部品。
  ● テンプルエンド・・テンプルの耳側先端部品。
  ● 芯金・・プラスチックフレームのテンプル部を補強するために入れられている芯となる金属部品。

⦿ クリングスの種類・・調整できる可動域が異なる。他、一体型のマンレイ山など。

主なクリングスの種類

◇ 眼鏡フレームの種類

⦿ プラスチックフレーム・・フロントの主要部分がプラスチック材料で作られた眼鏡フレーム。

⦿ メタルフレーム・・フロントの主要部分が金属で作られた眼鏡フレーム。

⦿ フルリム・・フロント部のリムがレンズの全てを囲っているタイプ。

⦿ 縁なしフレーム(ツーポイント・リムレス)・・全てのリムがレンズを一周していないフレーム。

⦿ 溝堀りフレーム(ハーフリム・ナイロール)・・レンズの周囲に掘られた溝に糸を沿わせて固定するタイプのフレーム。JIS B7280 : 2006(ISO 7998 : 2005)では、縁なしフレームと統一され「リムがレンズを一周していないフレーム」とされている。

⦿ コンビネーションフレーム・・フロントの主要部分のいくつかがプラスチック材料で、他の主要部分が金属で作られているフレーム。サーモント(ブローライン)など。

◇ 眼鏡フレームの寸法(サイズ)測定方法

⦿ ボクシング・システム・・ISO(国際標準化機構)が採用した規格(ISO/FDIS5624)に基づき、日本でも採用された寸法測定法(1990年2月1日 JIS B 7282)。『 (玉形幅) ▢ (レンズ間距離) − (テンプル長さ) 』などと表示されます。玉形幅を、レンズを取り囲む最小ボックスの横幅とします。

ボクシング・システム

テンプル長さ

⦿ データムライン・システム・・ボクシング・システムが導入される以前に採用されていた、眼鏡フレームの寸法測定方式。『〔 (玉形幅) − (レンズ間距離) 〕』、『〔 (玉形幅) | − | (レンズ間距離) 〕』、『〔 (玉形幅) × (レンズ間距離) 〕』などと表示されます。玉形幅を、玉形高さの中間に引かれた水平線(基準線)と玉形との交点間距離とします。

データムライン・システム

◇ 眼鏡フレームの玉形デザイン

⦿ 基本形が三角形・・オート(なす)(ティアドロップ)、ボストン、フォックス(モンロー)など

⦿ 基本形が丸型・・オーバル、ラウンドなど

⦿ 基本形が四角形・・ウェリントン、レキシントン、スクエア、パリ(パリジャン)など

⦿ 基本形が多角形・・オクタゴン(8角形)、ヘキサゴン(6角形)など

◇ 眼鏡フレームの素材

⦿ 基本的必要特性・・耐食性、剛性、機械的特性、加工性(ろう付け・溶接特性)、装飾性、人体・肌・環境性。

  ● 耐食性・・酸やアルカリによる腐食や表面の劣化が起きにくいこと。素材自体の耐食性が優れていなくとも、表面処理により補えるかどうか。

  ● 剛性・・圧縮、ずれ、ねじれなどの外力に対して、変形しにくい性質。経年変化に対しての強度的な安定性やレンズ保持、顔に固定される強度が保たれること。

  ● 機械的特性・・曲げ特性やばね性、耐摩耗特性が良好であること。

  ● 加工性(ろう付け・溶接特性)・・加熱時、ろうとの接着性が良く、接着強度が強いこと。プレス、切削加工性、研磨性が優れていること。

  ● 装飾性・・素材自体の装飾性が優れているか、めっきや多種カラーなどの表面処理性が良いこと。

  ● 人体・肌・環境性・・人体や肌に優しく、アレルギーを起こさないこと。地球環境にやさしい素材であること。

⦿ 金属アレルギー・・汗や体液で金属がイオン化して溶けだし身体に入り込むことでアレルギー反応が起こる。金属が直接的にアレルギー反応を起こすわけではない。

⦿ アレルギー原因物質・・金属(ニッケル、クロム、コバルト、金など)、樹脂(エポキシ樹脂、ロジンなど)、ゴム硬化剤(カルバミックスなど)、ゴム老化防止剤(黒色ゴムミックスなど)、ゴム硬化剤(メルカプトミックスなど)、防腐剤(ホルムアルデヒド、チメロサールなど)

⦿ アセテート(CA)・・比重1.25~1.32(15℃)。難燃性で維持管理がしやすい。紫外線の影響も受けにくい。透明性が高く着色性にも優れている。セルロイドと比べると復元性が小さく衝撃強度がやや劣る。吸水性のため寸法の安定性に多少の不安があり、汗による白濁も起こり得る。

⦿ セルロイド(CN)・・比重1.32~1.35(15℃)。可燃性があり維持管理が難しい(消防法危険物第5類)。着色性に優れ、衝撃性も強い。常温では弾力性は強いが、60℃以上で柔らかくなり次第に弾力性がなくなる。130℃以上で内部気泡が生じ、170℃~190℃で発火する。経年変化に伴い樟脳が昇華し弾性が失われる。紫外線で黄変・ひび割れが生じる。アルコール系の有機溶剤に弱い。

⦿ ポリカーボネート(PC)・・熱可塑性樹脂でエンジニアリングプラスチックの一種。強靭で寸法安定性にも優れ、透明感があり割れにくい。アルコール系の有機溶剤に弱い。

⦿ ポリフェニルサルフォン(PPSU)・・超弾性特性を持ち復元性に優れている。生体適合性も高く耐熱性もある。

⦿ グリアミド(ナイロン系)・・TR90などがある。優れた弾力性があり、軽量な素材。フィッティングにおいて変形させることが難しく微妙な調整に向かないものもある。

⦿ エポキシ樹脂(EP)・・「オプチル」として眼鏡素材に用いられ、アンガー社(オーストリア)の「Optylマーク」がある。。比重1.1~1.2(15℃)。寸法安定性に優れ、復元性も大きい。加熱により伸長性がでて冷えて元の形状に戻るが、急速な冷却は厳禁。

ANGER社のロゴ

⦿ チタン・・比重4.54。優れた強度を持ち金属アレルギーを起こしにくい素材。引っ張り強度や耐食性も高い。高温で酸化されやすい。

⦿ NT合金・・ニッケル53~56%、チタン47~44%のチタン合金。生活温度(0℃~40℃)において「超弾性」と「形状記憶」の特性を発揮し、大きく曲げても元の形に戻る弾性を持つ。冷温化の超弾性が低下した状態での変形でも常温で元の形状に戻る性質がある。(元素比1:1のためNiアレルギーの心配は少ない)

⦿ ゴムメタル・・豊田中央研究所で開発されたチタン合金であり、チタンを主原料に、Nb(ニオブ)、Ta(タンタル)、Zr(ジルコニウム)、Hf(ハフニウム)、V(バナジウム)などとの合金。軽量で超弾性の特徴がある。引っ張り強度・表面硬度は純チタンの約2倍。半永久的な弾性がある。

⦿ βチタン・・アルミニウム4%、パナジウム22%、チタン74%のチタン合金。非常に硬く、弾性もあり、引っ張り強度も強いため、極細でも強い眼鏡フレームを製造することが可能。

⦿ クラッドチタン(Ti-C)・・芯金に純チタンを使い厚さ100~130ミクロンのニッケル合金を取り巻いた素材。ろう付けや表面処理が容易にできることが特徴。

⦿ 金(金合金)・・純金の比重は19.3。展性・延性が高く、耐食性もあり、アレルギーを起こしにくい。純金(K24)のままでは柔らかすぎるため、K18、K14などの合金として使用することが多い。例えば、K18とは18/24が純金であり、6/24は銀、銅、亜鉛、パラジウムなどの他の金属。WG(ホワイトゴールド)と白金(Pt)とは異なる。

⦿ プラチナ(Pt)・・比重21.45。Ptの純度90~95%、残りはイリジウム、銅、パラジウムなど。耐食性に優れる。

⦿ 洋白・・銅64%、ニッケル18%、亜鉛18%の銅合金。比重8.75で銀白色。耐食性、耐熱性、耐酸性、バネ性が良い。丁番やリムロック、ネジなどに使用されている。

⦿ ニッケルクロム合金・・ニッケル85%、クロム13%、他ニッケル合金。

⦿ モネル(Ni-Cu)・・ニッケル67%、銅28%、その他、鉄、マンガンなど。リムやブリッジに使用され、ニッケルの耐食性が更に改善された合金であり、海水、アルカリ溶液、希薄塩酸などにも耐えられる。機械的強度が良好で硬さや引張強度、弾力性もある。

⦿ 天然素材・・べっ甲、水牛の角、木、竹、皮など。左右のテンプル柄を合わせるのが難しい。

⦿ べっ甲・・海亀の一種「タイマイ」の甲羅で、フレーム素材として使用される大きさになる為には生後7~10年ほど掛かる。ワシントン条約によりタイマイの全面輸入禁止されている。艶出し可能、弾力性が少なく折れやすいがニカワ質であるため修理が可能、長期保存では虫喰いに注意が必要。透明感があり黄色いものほど高級となる。

⦿ バイソンホーン・・乱獲により野生種は激減。商業的な取引は禁止されてはいないが保護観察下の状態にある。アメリカバイソンの角は短く、アフリカバイソンやアジアバイソンの角は比較的長い。

⦿ シープホーン・・ヒマラヤに生息する羊の角。櫛、印鑑として使用され透明感のある飴色。

◇ 眼鏡フレームの表面処理

⦿ めっきの必要条件・・耐食性、密着性、耐摩耗性

  ● 耐食性・・汗や汚れに十分耐えられること。

  ● 密着性・・伸び・曲げによる、ひび割れ・はがれが起こらない柔軟性・密着性があること。

  ● 耐摩耗性・・少なくとも2年以上の通常使用に耐える硬度とめっき膜厚があること。

⦿ 鍍金(金属皮膜)の種類・・湿式めっき、イオンプレーティング(乾式めっき)IP、酸化処理被膜(陽極酸化)など。

  ● 湿式めっき・・イオン化した金属が溶けている水溶液に浸漬させてめっきをする方法。電気を流す電解めっきと、化学反応による無電解めっき(置換めっき、還元めっき)がある。カラーの種類が豊富。

  ● イオンプレーティング(乾式めっき)IP・・高真空中で反応性ガスと蒸着させたい金属をイオン化させて高速で衝突させることでめっきする。被膜は高密度で汚れに非常に強い。膜厚は薄く0.1~1.0μm程度でも強度が優れている。廃液が出ないため無公害。カラーの種類が少ない(ゴールド、グレイ、ブラウンなど)。主にチタンフレームに施され「IP」と表示される。

  ● 酸化処理被膜(陽極酸化)・・チタンに無色透明の酸化被膜(TiO2)を形成させることで、光の干渉により発色させることができます。電解水溶液中で行われる電解酸化処理の膜厚調整により虹色状に発色させることも可能です。酸化被膜はIPに近い耐食性と耐摩耗性があります。同様に、アルミニウムやステンレスにて電気処理で酸化被膜をつくる表面処理も可能。

⦿ 塗装(樹脂被膜)の種類・・溶剤吹き付け塗装、静電粉体塗装、電着塗装など。

  ● 溶剤吹き付け塗装・・樹脂をスプレーガンで吹き付けた後に焼き付ける。多品種、小ロット向き。

  ● 静電粉体塗装・・粉末塗料を静電スプレーや流動浸漬により付着させた後に焼き付ける。耐摩耗性がある。

  ● 電着塗装・・塗料タンクに浸し、電気的に被膜化させた後に焼き付ける。被膜が薄いため生産効率が良い。

⦿ 二次表面処理・・七宝(色入れ)、転写、耐薬品コート、ゴムライニング、砂打ち(サンドブラスト、ドライホーニング)、クリアコート加工(ベッコート加工)など。

  ● 七宝(色入れ)・・顔料を配合したエポキシ樹脂を、フロントやテンプルに入れ込む装飾。ガラス工芸の七宝とは別。

  ● 転写・・塗料で印刷した転写紙を張り付け、高熱を加えて転写する。

  ● 耐薬品コート・・ウレタン塗装により、表面の光沢維持と耐薬品性の向上。

  ● ゴムライニング・・リムの溝内にシリコンゴムを塗布してレンズ欠けを防ぎ、安全性や高級感を演出。

  ● 砂打ち(サンドブラスト、ドライホーニング)・・ガラスビーズなどを高速で噴射し細かい傷を付けて艶を消す。

  ● クリアコート加工(ベッコート加工)・・エポキシ樹脂でべっ甲の耐食・防虫効果を高める。

⦿ 金張り・・洋白、モネル、チタンなどを芯金として、丸線(金張り材)で眼鏡フレームを製造します。金めっき(GP)の膜厚が1μm程度に対し、金張りはその10倍以上。

◇ 眼鏡フレームの製造工程

⦿ 眼鏡が出荷されるまで・・200~250ほどの製造工程の前に、「企画・デザイン」や「試作・設計」などもあります。

メタルフレームの製造工程

プラスチックフレームの製造工程

◇ 特殊眼鏡フレーム

⦿ 単式アルバイト枠(跳ね上げ式)・・跳ね上げると裸眼になる構造。

⦿ 複式アルバイト枠(跳ね上げ式)・・跳ね上げても内側レンズで見ることになる構造。

⦿ 折り枠・・携帯用として、コンパクトに折りたためる構造。老眼鏡に多く、四つ折り、六つ折り、スライド方式などがある。

⦿ 内掛け式・・フレーム内側に差し込み固定するタイプ。近用加入度数を入れて使用することが多い。

⦿ 前掛け式・・フレーム外側にクリップなどで挟んで固定するタイプ。跳ね上げ構造の前掛けもある。カラーレンズを入れたり、近用度数を入れたりする。

※ 複式アルバイト・内掛け・前掛け・・近用度数を入れて使用する場合には、度数の異なる2枚のレンズを重ねて使用するため、新たな合成光学中心が形成される。この合成光学中心をCDが一致するようにレイアウトしなければならない(プリズムを打ち消す必要がある)。

プリズムを打ち消すCDのレイアウト(遠用度数S−1.00、近用度数+1.00)

⦿ 防塵用・花粉防止用・・上下左右にガードが付けられ目を保護するもの。

⦿ 保湿用・・ドライアイ症状の緩和が目的であり、カバーにより空気の流れを抑える構造。

⦿ 化粧用・・レンズを回転させ、左右交互に目の周囲の化粧をすることができる。

⦿ スポーツ用・・広い視野が得られるようにレンズ部が広い設計。安全性から耐久性が高いポリカーボネート素材。レンズも同様にポリカーボネートで組み合わせる。鼻パッドが面で広く接する構造。

⦿ カーブ付き・・度数を入れない事を前提としているものが多いが、度数を入れる場合にはハイカーブ専用レンズとの組み合わせが推奨させる。試験枠も専用のハイカーブ用のもので装用テストを行い、プリズムやマーチンの式も考慮する必要がある。

Martinの式

◇ 眼鏡フレームの原産国表示について

⦿ 原産国表示・・製造業者は、眼鏡用レンズ及び眼鏡用フレームの本体等に次に掲げる事項を眼鏡類の表示に関する公正競争規約施行規則で定めるところにより、明瞭に表示しなくてはならない。

原産国を誤認させるおそれのある眼鏡用レンズ及び眼鏡用フレームについては、施行規則で定めるところにより、原産国名を表示するものとする。

原産国名とは、眼鏡類の内容について実質的な変更をもたらす行為が行われた国の名称をいう。

◇ 乳幼児・学童に適したフレームの特徴

⦿ 乳幼児・学童の眼鏡・・視覚の感受性期であるため、正常な視力や両眼視機能などを育むための重要な役割を担う。つまり、斜視や弱視治療においても重要な光学的治療用具である。

⦿ 乳幼児の眼鏡・・玉形幅が35mm前後の小さいフレームが必要。パッドが安定しているプラスチックフレームが多い。堅牢けんろうで横になる姿勢でも玉型中央にアイポイントがくるようなフレームが良い。

⦿ 学童の眼鏡・・視野が広く、安全でフィット感の良さが求められる。本人が気に入り掛けてくれることも大切。

◇ 眼鏡フレームと顔の調和

⦿ 似合う眼鏡の基準・・「似合う」「似合わない」は個人の主観的要素があり、トレンドや生活スタイルや生活環境によっても影響を受け変化する。しかし、美学的観点や造形・色彩学などから「似合う」基準は存在する。「似合う」の提案するためには、心理学、美容学、ファッション学、ブランドなどの知識も必要となる。

⦿ 同系デザイン・・特徴や個性を活かし、顔に溶け込むように馴染み、印象を変えない手法。

例えば、フレームの上下幅を、眉山から顎下の1/3程度にする。横幅は、サイドライン(輪郭を立体的に捉え、正面から見た外顔ではなく、中顔の横幅)に沿わせ、顔幅に変化を与えないことを基本とする。

⦿ 対照デザイン・・気になる(短所と思う)部分をカバーするように顔型、器官の配置に変化を与え「美的標準」に近づける手法。

  ● 丸顔・・アクセントの位置を高くするとスマートに見える。サイドラインは少し内側に置くことで理想の面長顔に見せることができる。

  ● 四角い顔・・上下幅が狭い小さめのソフトなフレーム、サイドラインは少し内側、アクセントは上方に置くことで優しく小顔に見せることができる。

  ● ひし形・・なだらかなウェリントンやオーバル型、サイドにポイントや装飾があるもの、太く濃い色のはっきりしたフレームなどで頬骨からあごのハリを目立たなくすることができる。

  ● 長四角・・太めのカラーメタル、大ぶりではっきりしたプラスチックフレーム、大ぶりのゆるいスクエア、中央から下方へのアクセント、サイドラインは顔幅いっぱいのものなどで大きな顔を目立たなくすることができる。

⦿ 中差デザイン・・個性を活かしつつ、気になる部分を目立たなくしたり、輪郭や目鼻立ちを整える効果を考え、印象を少し変化させる手法。

⦿ 顔に与える印象・・

  ● フレームライン・・直線的でシャープ、曲線的でソフト、太く濃い色でラインがはっきり、細く薄い色で目立たない、各ラインや玉型がサイドに向かい上がり気味、下がり気味、など。

  ● フレームアクセント・・智の位置、ゴージャス、目立ちにくいもの、玉型、など。

  ● ブリッジ幅や形・・ストレート型、アーチ型、太く濃い色、細く薄い色、鼻幅が狭い、広い、など。

❖ 眼鏡レンズ

◇ 眼鏡レンズの特性

⦿ 単焦点レンズ・・レンズ面全域が単一の屈折力を示すレンズ。

  ● 球面レンズ・・前面と後面が共に球面形状。但し、乱視レンズの場合には、一方の面が球面で他方の面がトロイダル面や円柱面であれば球面設計レンズに含まれる。

チェルニングの楕円に基づき深いカーブで設計されていたが、近年は大枠に伴い浅いカーブでレンズ径が大きいレンズの需要が高まり、非点収差とコマ収差のバランスをとった球面設計になっている。

チェルニングの楕円・・レンズの光学中心15°以内の非点収差が零になるという楕円。D1をレンズ前面屈折力とし、DをD1+D2とします。

チェルニングの楕円

  ● 非球面レンズ・・前面または後面の片面が非球面設計のレンズ(AS:Aspheric Lenses)。両面が非球面設計のレンズ(DAS:Double Aspheric Lenses)。球面設計では、設計上の自由度がレンズ素材とレンズカーブの選択のみで収差補正の限界があるのに対し、非球面設計ではより浅いレンズカーブの選択が可能であり、光学的性能の向上と薄く軽いレンズになる。ザイデルの5収差の補正以外に、眼の回旋なども考慮されている。

凸面非球面設計・・浅いカーブを採用し、非点収差やパワーエラーを補正するものが多い。
凹面非球面設計・・乱視屈折力レンズに対しても収差補正が可能。
両面非球面設計・・設計上、最も高度な収差補正が可能。

  ● 乱視レンズ・・一般的に、レンズ後面側にトロイダル面、非トロイダル面をもったレンズ。まれに円柱面も使われる。(レンズ後面側をトーリック面した方が良い理由は、両主経線の倍率差が少なく済むためです。)

⦿ 累進屈折力レンズ・・二重焦点や三重焦点レンズでは視野が広いなどの良い点もあるが、境目の外観が悪印象であるため、境目が目立たない累進屈折力レンズが開発された。

像の跳躍(イメージジャンプ:小玉のPΔBDにより明視できない範囲が存在する)は無いが累進帯側方部に収差を集中させたために目線の使い方などの慣れが必要となる。

  ● 累進帯両側方部の非点収差・・ミンクヴィッツ(Mink)によると、側方部の非点収差は加入度数勾配の2倍になる。『 2×(ΔAdd:加入屈折力の傾斜)/ΔY=(ΔAst:中間累進帯の側方部に発生する非点収差の傾斜)/ΔX 』

ミンクヴィッツの法則

そのため、非点収差を小さくするためには、加入度数勾配を小さく、累進帯長を長く、加入度数を小さく抑えることが必要。視力が確保できる領域は非点収差が0.50D~1.00D以下であり、遠方部よりも近方部の方が許容範囲が大きい。

  ● ハード設計・・遠用部と近用部では明瞭で広い視界が得られるが、中間累進帯側方部でのゆれ・歪みが大きく慣れづらい初期の設計。

  ● ソフト設計・・光学的変調という手法により、側方部の収差を広くレンズ面に振り分けた(収差分布がなだらかな)設計。(非点収差の勾配を小さく、累進帯長を長めに設定した設計)

  ● フリーフォーム加工装置の普及・・内面累進レンズはフリーフォーム加工装置の開発により実現した。セミフィニッシュトレンズを球面レンズで済ませられるようになり大幅に加工時間が短くなり納期が短縮された。従来は、非球面や自由曲面のセミフィニッシュトレンズを予め生産し在庫する手間があった。

  ● 自由曲面の面形状表現・・曲面を張る方法は、以下の2つに大別される。

① 関数(三角関数やその展開式などの周期関数、べき級数、微分方程式や偏微分方程式など)で形成される面を適宜パラメータで調整して曲面を張る方法。

  •  点列で与えた座標を多項式補間(Bスプライン補間、ベジエ補間など)で曲面を張る方法。
ベジエ曲線の例

⦿ ノーマル歪(normal strain)・・正方形を長方形(縦方向や横方向)に歪ませる成分。

⦿ スキュー歪(skew distortion)・・正方形を菱形(斜め方向)に歪ませる成分。『skew:斜め、傾斜、歪んだ』

遠近両用レンズの歪み

⦿ 累進レンズの永久マーク・・フィティングに必要な情報(アライメント基準マーク、加入屈折力値、識別マーク、保証マークなど)の罫書(けがき)。

累進レンズのマーキング

⦿ アライメント基準マーク(再生マーク)・・中央子午線を割り出すためのマークであり、マークの中心間距離は世界的に34mmに統一されている。

⦿ 累進レンズの一時的マーク(ペイントマーク)・・塗料などで描かれ(遠用部測定参照円、近用部測定参照円、遠用フィッティングポイントなど)、用済み後に消去される。

⦿ 二重表記・・光学性能を重視して最適化設計を行う累進レンズの場合、測定基準点とフィッティングポイントが不一致(視線方向と測定方向が不一致)である。その解決策として、処方度数と測定基準点での度数がレンズ袋などに二重表記が採用されている。※フィティングポイントでは安定して度数が測れないため、測定基準点がある。

⦿ 多焦点レンズ・・遠用レンズの一部にプラスの加入屈折力を加えて近用部や中間部の領域を設けたレンズ。加入屈折力を設けるためには、曲率半径を小さくするか屈折率を高くする必要がある。

遠用部(台玉)と近用部(小玉、セグメントsegment)との境界が目立つが、遠近ともに広く鮮明な視界が得られる。

⦿ スラブ・オフ加工・・左右レンズに屈折度数の差がある場合に起こる上下プリズムの差を回避する加工法。ダミーレンズを貼り遠方部を傾けて(PΔBU付与)加工した後にダミーレンズを剥がして近用部に発生する上下プリズムの差を少なくして完成。

◇ 眼鏡レンズの素材

⦿ プラスチックレンズの屈折率・・1970年台のADC樹脂(CR-39:PPG社が開発)の1.55から始まり、1.53~1.56(1988年~1990年)、1.58(1985年)、1.60(1982年)、1.67(1992年)、1.71(1997年)、1.74(2000年)、1.76(2006年)。

⦿ 眼鏡レンズの素材的要素・・光学材料や眼鏡レンズ素材として望まれる特性がある。

  ● 光学材料として・・歪などが無く均質で透明。光学恒数、透過特性および物理的特性に経年変化が無い。加工性が良く、形状変化が無い。

  ● 眼鏡レンズとして・・可視光線を透過し、紫外線や赤外線などの有害光線は透過しない。高屈折率、高アッベ数、低比重。研削・研磨加工や玉摺り加工などの加工性が良好であり割れにくい。物理的特性、化学的特性の性能が高く経年変化が小さく安定している(剛性・機械強度・耐擦傷性・耐水性・耐油性・耐薬品性が高い。熱膨張率が小さい。毒性が無く人体適合性が高く安全。環境を汚さない)。染色の容易さ。汚れが付きにくく拭き取りやすい。取り扱いが容易なこと等々。

◇ 眼鏡レンズの形状

⦿ 眼鏡レンズは製造工程の効率のため、メニスカス(ギリシア語で三日月の意味)形状。

レンズの断面形状による名称

◇ 眼鏡レンズの設計

⦿ 単焦点レンズ(single-vision lens)・・単一の屈折度数をもつように設計されたレンズ。チェルニングの楕円で示される条件のレンズカーブで非点収差が除去できる。

⦿ レンズカーブ・・ホワイトクラウンガラスレンズのヘリウムが出す587.56nm(d線)を基準波長とした、屈折率1.523で計算した面の屈折力。

  ● D’[D]=(n2-n1)/r[m] ・・ n2=1.523(ホワイトクラウンガラスのnd)、n1=1.00(大気中)としたときの面屈折率D’[D]=0.523/r[m]

1カーブ~8カーブの曲率半径[m]

⦿ 非球面レンズ・・チェルニングの楕円からはずれた浅いカーブのレンズでも非点収差の軽減が可能となる。

⦿ 多焦点レンズ(multifocal lens)・・視覚的に分割された2つ以上の異なる屈折力をもつように設計されたレンズ。Benjamin Franklin(ベンジャミン・フランクリン:1706-1790)が使用したフランクリンタイプが二重焦点レンズの始まりとされる。

フランクリンタイプ(JISではEX型多焦点レンズ)

⦿ 累進レンズ(progressive-powerlens、progressive addition lens:PAL)・・レンズの一部又は全体にわたって屈折力が連続的に変化する非回転対称面を持つレンズ。JISでは以前、正式名称を「累進多焦点レンズ」としていたが、累進帯の中間帯には厳密な意味での焦点がないため「累進屈折力レンズ」を正式名称とする。

⦿ 累進レンズの分類・・遠近、中近、近々と分類。ハードタイプ、ソフトタイプと分類。

⦿ 累進レンズの「ゆれ」と「ゆがみ」・・レンズ外面の曲率半径とレンズ屈折力が眼鏡倍率(S.M.)に影響を与える。

眼鏡倍率の公式

⦿ 外面累進・・外面の累進面はレンズ下方にしたがい曲率半径が小さくなり屈折力が大きくなるため、眼鏡倍率が大きくなり「ゆれ」や「ゆがみ」として感じられる。

⦿ 内面累進・両面累進・・外面の屈折力による眼鏡倍率の影響が少なく、「ゆれ」や「ゆがみ」が減じられる。

◇ 眼鏡レンズの要素

⦿ 眼鏡レンズの3大要素・・屈折率、アッベ数、比重。

⦿ 屈折率・・光が物質中を透過する進行速度が真空中と比べて遅くなる割合。屈折率を高くする為の添加物として、チタン化合物やバリウム化合物(以前は酸化鉛)を用いられている。

⦿ アッベ数・・アッベ数が大きいほど色分散は小さい。クラウンガラスでは約60。

⦿ 比重・・水と比較した重さ。計量法では、物質の質量とその物質の101325パスカルの圧力の下において同一の体積を有する水の質量に対する比と定義。

  ● 1気圧=760mmHg=101325Pa

(Hgの密度13.5951g/cm3から、1気圧は13.5951×76=1033.22g/cm2、重力加速度9.8066m/s2から、9.8066[g/cm2]×1033.22[m/s2]=10.1325N)

◇ 眼鏡レンズの表面処理

⦿ レンズ表面処理の3大要素・・反射防止コート、ハードコート、撥水コート。

⦿ 反射防止コート・・屈折率1.50のノンコートレンズにおける表面反射は約4%、レンズ両面で約8%。

反射率

  ● 反射防止コートの原理は「光の干渉」であり、理想は、屈折率n2のレンズ表面にn=√n2の物質をt=λ/4n(λ:波長、t:膜厚)として形成することで山と谷が打ち消し合い反射がなくなる。近年の多層膜コートの視感反射率は1%程度。

反射防止膜の原理

⦿ ハードコート・・プラスチックレンズを傷から保護する硬い被膜。製法の多くは特殊なシリコーン系の液に浸して引き上げた後に加熱硬化させるディッピング(浸漬)法による。液を滴下して高速スピンさせて均一な膜を成形する方法(スピンコート法)などもある。

⦿ 撥水コート(防汚コート)・・水やけを防ぎ、指紋や皮脂を拭き取りやすくする(拭き傷の防止もある)。

⦿ ブルーライトコントロールコート・・380nm~500nmの可視光 短波長光(ブルーライト)の透過を制御するために、原材料に吸収剤を混ぜる方法と、表面処理による方法がある。適度に制御することで暗くなり過ぎずに羞明感(ちらつき)を和らげる。

⦿ ミラーコート・・ファッション性を目的とする。金属と、硬い金属酸化物の多層膜から構成される。

⦿ カラーコート・・ガラスレンズでのコーティングタイプは、金属と金属酸化物を真空蒸着により行う(ブラウンとグレイが主流)。ソリッドタイプでは素材自体に着色している(薄い色が多く、代表色はピンク、ブラウン、ブルー)。プラスチックレンズでは染料を浸透させるWET染色法が主流。

⦿ 視感透過率のカテゴリ・・日本工業規格 JIS では、視感透過率カテゴリが 0~4 に分類され、路上の使用又は運転目的の眼鏡レンズに以下のような要求事項がある。

視感透過率カテゴリ、運転適合・不適合

⦿ 防曇コート・・レンズ最表面の撥水加工の疎水性による細かな水滴が雲りの原因であるが、親水性があるコートや、吸水性と撥水性をもつコートがある。

◇ ガラスレンズについて

⦿ ガラスレンズの特徴・・作りやすい、種類が豊富、光をよく通す。重い。

レンズの製造工程

◇ プラスチックレンズについて

⦿ プラスチックレンズの特徴・・軽い、割れにくい、染色可能。傷つきやすさ。

◇ 眼鏡レンズの収差

⦿ ザイデルの5収差・・球面収差、コマ収差、非点収差、像面湾曲、歪曲収差(ディストーション)。

◇ 眼鏡レンズの特性

⦿ カラーレンズ・・ガラスレンズでは、カラーコート(真空蒸着法)とフィルターカラー(溶解着色法)がある。プラスチックレンズでは、WET染色法と気相転写染色法がある。

⦿ 気相きそう転写染色・・ニデック独自の技術であり、専用インクを転写紙に印刷し加熱することでインクを昇華させて染色し、オーブンで加熱することで染料を定着させる方法。この技術により、レンズ中央部に帯状の染色を施すことが可能となった(商品例 LILY COULURE(リリクルーレ))。

⦿ ガラス調光レンズ・・紫外線がレンズ内のハロゲン化銀に当たることで銀が遊離し互いに結合し着色する。ガラス融解時に塩素、臭素、銀を加えることで塩化銀(AgCl)や臭化銀(AgBr)のハロゲン化銀がレンズ内にできる。

⦿ プラスチック調光レンズ・・従来は有機化合物により発色の早さが異なる(青は早く、黄は遅い)問題があったが、近年は改善されている。主流は、表面吸着タイプ(調光物質をレンズ表面に吸着)と、真空蒸着法で施すタイプ。

⦿ HOYAビジョンケアカンパニー(HOYAの調光レンズ)・・サンテック(濃く変化:Green・Gray・Brown)とサンテック・ミスティ(濃度変化が少ない:Misty Purple・Misty Rosé・Misty Blue・Misty Ash Gray)がある。但し、温度依存性が大きい。

⦿ トランジションズ オプティカル社・・シグネチャー、エクストラアクティブ、アダプティブサンウェアのラインナップ。ニコン・エシロール、セイコーオプティカルプロダクツ、東海光学、HOYA、昭和光学などから発売されている。

⦿ 可視光調光・・トランジションズ オプティカル社の「エクストラアクティブ」は、可視光線にも反応する調光レンズでGrayとBrown。

⦿ 偏光レンズ・・反射光は水平方向の振動成分を多く含む偏光となるため、偏光レンズの透過軸を垂直(吸収軸を水平)にすることで反射光を軽減できるようになる。但し、ビルの窓ガラスなどの垂直面からの光は振動方向が水平面とは異なる。

偏向レンズの入射面(水平、垂直)

⦿ 偏光度・・透過軸を水平にした時の上下方向の光をカットする割合。偏光度が高くなると可視光線透過率は低くなる。

⦿ 偏光度の計算式・・⇩

偏光度の計算式

⦿ 遮光レンズ・・学術的には、グレアの軽減、コントラストの改善、暗順応の補助などを目的として装用する吸収フィルターを用いた眼鏡。厚生労働省からの補装具費支給事務取扱指針では、羞明の軽減を目的として可視光線のうちの一部の透過を抑制するものであり、分光透過率曲線が公表されているもの。

⦿ 羞明、グレア、コントラスト低下の原因・・網膜色素変性症などの遺伝性網膜疾患、白内障のような透光体混濁、糖尿病網膜症などの網脈絡膜疾患や緑内障、ぶどう膜炎などの炎症疾患など。

⦿ 遮光レンズの商品例・・HOYAの「RETINEX(カラー21種)」、東海光学の「CCP400(カラー18種)」など。

⦿ 太陽光に含まれる光エネルギーの比率・・近赤外線50%、可視光線40%、紫外線10%。

⦿ 紫外線(ultra-violet)カットレンズ・・紫外線の分類は、UV-A(380nm~315nm)、UV-B(315nm~280nm)、UV-C(280nm~100nm)。プラスチック樹脂は、紫外線による劣化(クラックや黄変)を防ぐ目的で紫外線吸収剤(355nmまでを吸収)が添加されているが、日本眼鏡業界においては紫外線カットレンズの称号を得るには400nmまでを吸収する処理が必要。

⦿ 赤外線(infra-red)カットレンズ・・赤外線の分類は、IR-A(780nm~1400nm)、IR-B(1400nm~3000nm)、IR-C(3000nm~1mm)。皮膚の真皮の深層部から筋肉まで届き、角膜、虹彩、水晶体、網膜、眼瞼など全てに影響を及ぼします。長時間蓄積されると赤外線白内障(ガラス工白内障)などの原因となります。

赤外線(IR)、紫外線(UV)、A~C分類

⦿ ハイカーブレンズ・・ハイカーブフレームでは、そり角が大きくなると視線とレンズ光軸が斜光するために非点収差やプリズム作用が発生するが、収差や度数変化、視線のずれを補正する設計特性をもたせたハイカーブ専用レンズが主流である。インディビジュアルレンズ同等に、装用状態におけるフレームそり角、レンズカーブ指定、角膜頂点間距離、フレーム前傾角、片眼PDなどの計測データが必要である。

◇ 幼児・学童に適した眼鏡レンズの特徴

⦿ レンズ素材・・安全性と軽さの面からプラスチックレンズが主流だが、凸レンズ中央部の傷を防ぐ目的でガラスレンズを推奨することもある。

⦿ 小児の多焦点レンズ・・AC/A比が高い調節性内斜視、無水晶体眼、眼内レンズ挿入眼、両眼弱視、調節不全、近見内斜位などでは、二重焦点レンズが必要となることがある。EXタイプなどの二重焦点レンズが基本だが、累進帯長が短く近用部が広い累進屈折力レンズにすることもある。近用部が中心となるため、フィッテングポイントを一般的な高さよりも2mm(二重焦点レンズ)、3mm~4mm(累進屈折力レンズ)上方に合わせるようにする。

⦿ 近視進行予防の累進屈折レンズ・・調節ラグによる眼軸長伸展を予防する目的。中心窩だけではなく、周辺部網膜における後方への焦点ずれを考慮した累進屈折力レンズが設計されている(Myovision Lens 、Carl Zeiss Vision)。

⦿ ブルーライトカットレンズ・・日本眼科医会や日本眼科学会などの6つの団体から慎重な対応を求める意見書が2021年4月14日に提示された。「夕方以降にカットすることは一定の効果が見込まれる可能性がある」としているが、小児に推奨する根拠はなく、むしろカットすることは発育に悪影響を与えかねないと謳っている。

◇ インディビジュアルレンズ

⦿ インディビジュアルレンズ・・予め装用状態を想定して設計されたレンズの前提条件(前傾角10°など)が、実際の装用状態と異なる場合には眼に作用する実務度数が変化する。どのような状態でレンズが眼前に保持されるのかを設計に反映させ最適化を図るのがインディビジュアルレンズ。最適なフィッテング状態での「前傾角」、「頂点間距離」、「そり角」を正確に測定し設計に反映させる。

⦿ マーチン(Martin)の式・・

例えば、n=1.60、D=−5.00、θ=10°とした場合には、「Dt=−5.198、Ds=−5.047、乱視成分は Dt−Ds=−0.151
例えば、n=1.60、D=−5.00、θ=15°とした場合には、「Dt=−5.440、Ds=−5.105、乱視成分は Dt−Ds=−0.334

マーチンの式

◇ 特殊眼鏡レンズ

⦿ 強度レンズ・・レンズの頂点間距離やレンズ傾斜角が変わると実効度数が変化し、弱度レンズでは問題にならないこと(レンズ形状、重量、収差、拡大率、視野など)も強度レンズでは顕在化する。

頂点間距離による変化

⦿ プラス強度レンズ・・サイズ指定では、径指定をぎりぎりにするとコート切れ、コバ厚のバリ、ヤゲンカーブ合わせ困難などの問題が起こることがある。薄型加工とは通常、オンライン加工のことであり、特にプラス乱視度数が+1.00D以上で軸が180°方向(±30°)の場合で天地幅が小さいフレームでは必要最小限のレンズ厚で仕上げることが可能(外径指定よりも、さらに薄く軽い仕上がり)となる。

⦿ レンチキュラーレンズ・・外周につばをもたせて有効径を小さくしたレンズを「レンチキュラーレンズ」、つばのないタイプを「フルアパチャーレンズ」という。

⦿ レンチキュラー加工・・外径65φ、有効径は度数に合わせて36φ~47φ。内径の境目をぼやかしたシームレスタイプ、近用小玉を追加した二重焦点タイプがある。

レンチキュラー加工、マタヘイ、マタロウ

⦿ 強度レンズの設計・・プラス強度レンズでは、非点収差を除去できる「チェルニングの楕円」の解がない(非点収差の除去には非球面の採用が必須)。一方で、マイナス強度レンズでは「チェルニングの楕円」の解が存在する。

⦿ 強度レンズの視野・・強度のプラスレンズでは「びっくり箱現象」、強度のマイナスレンズでは「光学的複視」が起こる。

びっくり箱現象(凸レンズ)、光学的複視(凹レンズ)

⦿ 保護眼鏡・・花粉防塵用、防塵用(安全メガネ)、遮光保護、放射線(X線)保護、レーザー用などの保護眼鏡がある。飛散物や有害光線から保護する眼鏡は、目的に合わせてレンズ(超親水性ポリウレタン膜による防曇効果、ポリカーボネイト、超ハードコート、熱や衝撃に強い強化ガラスなど)とフレームが組み合わせられている製品が多い。

⦿ 遮光保護眼鏡・・JIS規格(T8141:2016)では保護具の種類を、遮光めがね(形式:スペクタクル形、フロント形、ゴグル形)と、フィルタプレート(形式:レギュラー形、ラージ形、フリーサイズ)としている。遮光能力値は、遮光度番号(1.2、1.4、1.7、2.0、2.5、3.0~16)で19段階に分類される。

❖ 眼鏡の取り扱い・手入れ その他商品

◇ 眼鏡の取り扱い

⦿ 眼鏡の掛外し・・掛けるときは、両手でテンプルを持って、顔に添わせながら正面からゆっくり掛ける(モダン先で目や顔を突かないように注意)。外すときは、両手でテンプルを持って、顔に添わせながら正面からゆっくり外す。片手で無理に掛け外しを行うと破損や変形、緩みの原因になり、見え方や快適な掛け心地が損なわれる。置く時には、レンズ面を下にするとキズが入る。

⦿ 眼鏡の保管・・室温で保管し、防虫剤や洗剤、化粧品、整髪料、薬品などと一緒にしない。レンズ、フレームの変質や変色、劣化の原因となる。

⦿ 眼鏡の使用環境・・60度以上では、フレーム変形、表面層の剥がれ、ひび割れ、レンズ外れの原因、レンズコートのクラック(コートと基材との膨張率の違いなどが原因)による見え方の違いが起こる。禁忌事項は、熱湯で洗う、ヘアードライヤー、ファンヒーター、高温のアイロン、ストーブ、ホットプレート、バーベキューなどの炭火、火の付いたタバコ、炎天下の砂浜や車中、サウナ、温泉や浴室。

◇ 眼鏡の手入れ

⦿ 眼鏡のクリーニング・・レンズ表面に塵や埃などの異物が付いた状態での乾拭きはキズやコート剥がれの原因となる。水洗いをした後に、ティッシュペーパーで軽く押し拭きで水気を取り、定期的に洗濯してある綺麗な専用メガネクロスで優しく軽く拭く。汚れがひどい場合には、専用クリーナーや薄めた中性洗剤で洗う。アルカリ系(固形石鹸、ハンドソープ、ボディーソープなど)、酸性系(浴室用洗剤、トイレ洗剤など)、シンナーなどの溶剤は使用しないこと。化粧品や油、汗、レモン果汁などが付いた場合には直ちに水洗いすること。専用クリーナーなどの成分でも、表面に残るとレンズ表面の滑り感が低下することもあるので、しっかり丁寧に洗い落とす。超音波洗浄器を使用する場合には1分以内を目安に水中で揺らしながら使用し、鼈甲などの天然素材には使用できなく、宝飾などの装飾が付いているフレームは避ける。

⦿ 眼鏡の拭き方・・拭くレンズの反対側を持って拭かない。汚れをこすり取るように強く拭かない。力を入れすぎない。

⦿ メンテナンス・・購入時の性能を維持するため、年に1度は購入店舗にて点検することが推奨される。毎日、快適に眼鏡使用し、長期使用に耐え得るには日々のメンテナンスが欠かせない。

◇ 眼鏡の使用上の注意

⦿ 保証・・一部のフレームメーカーや特定ブランドフレーム、レンズメーカー以外の大多数では、メーカー側から消費者への直接的な保証が設けられていないのが現状であり、小売店側が消費者の窓口となる。社会通念上良識ある判断が眼鏡小売店側に委ねられ、ケースバイケースで処理されている。眼鏡の価格はフレームやレンズ以外にも、接客、加工、調整、アフターサービスの保証も含めての価格であるため、保証制度や内容も各小売店により異なるものである。

⦿ 使用時のリスク・・強い衝撃による破損。特殊用途などでは専用保護具との併用。ナイロン糸は一年を目安に交換。縁なしフレームのレンズ割れ。アレルギー体質(接触性皮膚炎など)。カラーレンズの濃度(夜間運転時では視感透過率が75%以上、8%以下は歩行時でも使用不可)。偏光レンズでは、ヘルメットシールドやフロントガラスなどでの歪みが見えたり、液晶画面が角度により暗く見えることもある。累進屈折力レンズでは歪みや視線などの慣れが必要。室内用(中近両用)やデスクワーク用(近々両用)を、乗り物の運転や操縦、スポーツなどでは使用しないこと。

⦿ フレームやレンズに影響する要因・・サウナなどの高温な場所での火傷、冬の登山などでの凍傷。超弾性フレームを故意に曲げたりねじるなどの無理な力による破損や変形。高温な場所での長期放置による弾性や再現性の消失。セルロイド素材では170℃以上で発火する。ベンジンやシンナーによる樹脂部分や塗装、めっき部分の劣化や変色、変質。急激な温度差、酸性やアルカリ性洗剤によるコート剥離。レンズ表面の水やけ。撥水コート、タバコの副流煙によるレンズの曇り。紫外線、熱、水分などによる変質。

◇ その他商品

⦿ ルーペの基準倍率・・ルーペ度数[D]を4で割ったもの。レンズの焦点距離に物体が位置するように設計。

ルーペの基準倍率

⦿ ルーペの最高倍率・・基準倍率に1を足したもの。レンズを目に密着させたときの倍率。

ルーペの最高倍率

⦿ 屈折式 望遠鏡・・ガリレオ式、ケプラー式など。下図のタイプは球面収差や色収差がある。

望遠鏡(ガリレオ式、ケプラー式)

⦿ ガリレオ式望遠鏡・・凸レンズと凹レンズ。正立像だが、倍率を上げると極端に視野が狭くなる。地上用に向く。対物レンズと接眼レンズまでの距離を、対物レンズの焦点距離よりも近い位置に接眼レンズを設置しないといけない。

⦿ ケプラー式望遠鏡・・2枚の凸レンズ。倒立像だが、倍率を上げても視野はあまり狭くならない。視野が広く、天体用に向く。対物レンズと『接眼レンズの距離は、それぞれの焦点距離を足した分が必要。

⦿ 反射 望遠鏡・・ニュートン式、グレゴリー式など。下図のタイプはコマ収差がある。

望遠鏡(ニュートン式)

⦿ レチクル・・reticle(ラテン語の「小さい網」に由来)とは、視野の中心を示すために張られる十字や菱形の針金(ワイヤ)のこと。透明なガラス板に目盛(スケール)を刻印することもある。視度調整を正しく行うための視標としの役割もある。

レチクル

◆ 眼鏡販売系

❖ 接客・接遇・マナー

◇ 接客応対

⦿ 初頭効果・・第一印象がその後の評価を大きく左右するという心理効果。最初の印象がマイナスの場合、挽回するのが厳しくなる。

第一印象を良くするための5つのポイントは、「挨拶」、「笑顔」、「態度(姿勢・動作)」「身だしなみ」「言葉遣い」。

⦿ 好意の返報性・・好意を寄せてもらうと、無意識レベルでその人に好意を返さなければいけないと感じてしまう心理。誠心誠意対応すれば、好意を返してもらいスムーズな接客に繋がる。

⦿ verbal(バーバル)コミュニケーション・・会話や文字など、言語的なコミュニケーション。

⦿ ノンバーバル(非言語)コミュニケーション・・表情、ジェスチャーや態度、身だしなみなど、言語以外で行うコミュニケーションのこと。重要性については「メラビアンの法則」が有名。

⦿ メラビアンの法則・・コミュニケーションの3大要素の影響力を「視覚(55%)」、「声、声の調子(38%)」、「言葉(7%)」としている。耳よりも目からの影響が強いとされる。

メラビアンの法則

⦿ お辞儀の角度・・会釈(15度)、敬礼(30度)、最敬礼(45度)。

⦿ 接客用語・・「いらっしゃいませ」、「かしこまりました」、「少々お待ちください」、「お待たせいたしました」、「ありがとうございます」、「申し訳ございません」、「恐れ入ります」など

⦿ マイナス・プラス法・・先にマイナス要素を伝えてからプラス要素を伝えることで、最終的にプラスのイメージを与えられる。

⦿ イエス・バット法・・いきなり否定せずに、肯定で受けた後でこちらの言いたいことを言う方法。

⦿ オープン・クエスチョン・・相手が自由に答えられる質問。「どんな?」や「具体的には?」など。

⦿ クローズド・クエスチョン・・回答が限定される質問。

⦿ 連合の法則(ハロー効果)・・別々のものから受け取る感覚や感情を、無意識のうちに結び付けて見てしまう法則。例えば、「嫌な話題」→「嫌な気持ち」→「嫌な人」。

⦿ 5W2H・・「What、Who、Why、Where、When」、「How、How Much」。

⦿ 障がい者に関するマーク・・

❖ コンサルティング

◇ 質問事項

⦿ 顧客の要望と状況・・主訴や副訴を上手く聞き出すことがポイント。視力に関わる情報(来店日時、眼鏡やコンタクトレンズの使用状況、運転免許証の種類、見えづらい距離や時間帯、ピント合わせにかかる時間、目の疲れ具合など)をお伺いすることが必要であり、その要望に対して不用意に「できません」というのは禁句であり、提案をして選択肢を与えることが重要であり信頼につながる。

⦿ 顧客の潜在的な要望と不具合・・年齢による調節力、明視域などを把握することで、単焦点レンズや累進多焦点レンズ、用途別での使い分けの提案が可能となる。視力測定の距離(3m、5m)と実際の使用環境(10m先の距離など)との違いの比較。フレーム選択では、安全面、印象、個性、高級感、調整時の可動域など。

⦿ 職業例・・乗務員、接客・販売、講師、美容師、調理師、建築、一般事務、パソコン事務、医師、営業・販売、主婦、製造、ネイリストなど。理美容では鏡(1~1.5m×2倍の距離)と髪(約30cm)の2つの距離がメインとなり、場合により二重焦点レンズの検討が必要。

⦿ 趣味例・・ドライブ、釣り、ショッピング、旅行、カラオケ、料理、読書、手芸、映画・TV鑑賞、TV・PCゲーム、PC作業、ピアノ(約45cm)楽器演奏、スマートフォン、大正琴(約70cm)など。スポーツ(野球、ゴルフ、サッカー、テニス、サイクルスポーツ、マリンスポーツ、ボーリング、スキー・スノーボード、卓球、弓道、バレーボール、フィットネス、武道など)。

⦿ 現用眼鏡について・・眼科処方箋で作製された眼鏡かどうかも参考になり、眼科受診が必要と判断される場合には眼科処方箋をお勧めする。使用目的と使用方法が合致しているのかどうか、作製時期、使用期間(度数変化や慣れ具合)、使用状況(頻度、見え具合、使用満足度)、夜間運転の有無、所持本数、レンズの状態(設計、劣化)、新規購入理由、なども参考になる。旧眼鏡と新眼鏡とのフィッティング状態(前傾角、そり角、レンズ面のねじれ、テンプル幅、フロントの高さ位置と水平度合、角膜頂点間距離、耳まわりや鼻パッドの当たり具合など)やレンズ種の違い。

⦿ 屈折状態との関係・・乱視や球面の補正、不同視眼の補正などによる見え方(空間認識への影響)の予想と想像ができるスキルが必要。空間の傾きや遠近感覚などの装用感に影響。

例えば、右眼(C−1.00 Ax90°などで補正)の網膜像は横に収縮され、手前に感じられる。
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