第51回午後、視能訓練士国家試験の解答と解説➎

眼鏡作製技能士向けの問題

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⇩【問45~問54まで(10問)の解答と解説です。】⇩

問45.眼瞼下垂をきたすのはどれか。

  1.  外転神経麻痺
  2.  三叉神経麻痺
  3.  滑車神経麻痺
  4.  顔面神経麻痺
  5.  頚部交感神経麻痺

正解・・5

⦿ 頚部交感神経麻痺は、Horner 症候群(縮瞳、眼瞼狭小、眼球陥凹)を引き起こします。

  • 眼瞼下垂の主な原因
    • 先天眼瞼下垂・・上眼瞼挙筋の発育障害による
    • Marcus Gunn 現象・・顎の運動に伴い上眼瞼が挙上する現象
    • 眼瞼裂縮小・・眼瞼の長さが小さい状態
    • 動眼神経麻痺・・眼球運動の内転、上転、下転障害。眼瞼下垂、散瞳、調節麻痺
    • 重症筋無力症・・神経支配とは無関係な眼瞼下垂、眼球運動障害が不規則にくる。夕方に憎悪する疲労現象
    • 外眼筋ミオパチー・・外眼筋の変性、甲状腺機能異常などと関係
    • Horner 症候群・・縮瞳、眼瞼狭小、眼球陥凹の三主徴
    • 老人性(加齢)眼瞼下垂・・上眼瞼挙筋と瞼板の接着障害
    • 外傷性眼瞼下垂

問46.急性緑内障発作でみられないのはどれか。

  1.  眼 痛
  2.  充 血
  3.  縮 瞳
  4.  頭 痛
  5.  前房内細胞

正解・・3

救急処置の例として縮瞳薬点眼をします。縮瞳により隅角部を広げ、房水の流出を促進します。

  • 急性緑内障発作でみられるもの
    • 視力の急激な低下、眼痛、中等度では虹視症
    • 頭痛、悪心、嘔吐の合併
    • 角膜浮腫による混濁、瞳孔の散大、前房が浅い、結膜の充血

問47.角膜障害をきたすのはどれか。2つ選べ。

  1.  外転神経麻痺
  2.  顔面神経麻痺
  3.  滑車神経麻痺
  4.  動眼神経麻痺
  5.  三叉神経麻痺

正解・・2、5

⦿ 顔面神経麻痺では、眼裂の閉鎖不全による兎眼性角膜炎になります。

⦿ 三叉神経麻痺では、角膜の栄養障害による神経麻痺性角膜炎になります。

問48.細菌性の結膜炎はどれか。

  1.  咽頭結膜熱
  2.  新生児膿漏眼
  3.  巨大乳頭結膜炎
  4.  流行性角結膜炎
  5.  急性出血性結膜炎

正解・・2

  • ウイルス性結膜炎
    • 流行性角結膜炎・・アデノウイルス8型
    • 咽頭結膜熱・・アデノウイルス3型
    • 急性出血性結膜炎・・エンテロウイルス70型
  • 細菌性結膜炎
    • 急性カタル性結膜炎・・ぶどう球菌、連鎖球菌、肺炎双球菌、Koch Weeks菌、Morax Axenfeld菌など
    • 淋菌性結膜炎(新生児膿漏眼)・・淋菌
  • アレルギー性結膜炎
    • アトピー、薬品、春季カタル、フリクテンなど
    • 巨大乳頭結膜炎・・コンタクトレンズなどの異物

問49.視神経管骨折でみられるのはどれか。

  1.  鼻出血
  2.  下転障害
  3.  眼球陥凹
  4.  内眼角部裂傷
  5.  相対的瞳孔求心路障害

正解・・5

⦿ 視神経管骨折・・視神経の圧迫により、急激な高度の視力障害、瞳孔対光反応消失(相対的瞳孔求心路障害:RAPD)などがみられます。

問50.外傷による両眼性滑車神経麻痺でみられる所見はどれか。2つ選べ。

  1.  内斜視
  2.  A 型斜視
  3.  両眼の内上転障害
  4.  正面視で上下偏位なし
  5.  上方視で最大角度の外方回旋偏位

正解・・1、4

⦿ 滑車神経麻痺・・上斜筋が麻痺し、内転と下転のむき運動が障害されます。

滑車神経麻痺の眼位・・上斜視、外方回旋、軽度の内斜視となります。

⦿ 両眼性滑車神経麻痺・・頭部打撲などで中脳の後部に衝撃が加わることで引き起こされます。

両眼外方回旋しているため、A型斜視下方視で最大角度の外方回旋偏位となります。

⦿ A型斜視・・上方視、下方視で眼位が『ハの字』になる斜視
⦿ V型斜視・・上方視、下方視で眼位が『Vの字』になる斜視

A型斜視のイメージ
V型斜視のイメージ

問51.牽引試験で抵抗がみられないのはどれか。

  1.  眼窩底骨折
  2.  甲状腺眼症
  3.  Brown 症候群
  4.  Duane 症候群
  5.  外転神経麻痺

正解・・5

⦿ 眼球牽引試験・・眼球運動に障害がある場合、眼筋麻痺の鑑別で行います。眼球を麻酔させた後にピンセットで牽引し、その抵抗の強さで鑑別します。

牽引試験で抵抗がみられるのは、筋肉に異常があるものです。神経麻痺では抵抗がみられません。

⦿ 眼窩底骨折・・陥凹した眼窩底に下直筋および下斜筋やそれらの周囲組織が嵌頓(かんとん)し、上転障害および下転障害を起こします。

⦿ 甲状腺眼症・・甲状腺機能異常により起こる眼症状。Basedow 病は甲状腺機能亢進症です。

⦿ Brown(ブラウン)症候群・・上斜筋の一部が伸びにくくなる状態です。

⦿ Duane(デュアン)症候群・・三主徴は、外転障害、内転時の眼球後退、内転時の眼裂狭小です。

外転神経が、外転時と内転時にも働く異常神経支配あるいは背理性神経支配があり、それに外直筋および内直筋の組織的変化が加わったものです。

外転神経麻痺との鑑別が必要です。

問52.健常児において滑動性追従運動の非対称性が消失するのはいつか。

  1.  生後1か月
  2.  生後5か月
  3.  生後 18 か月
  4.  生後 24 か月
  5.  生後 36 か月

正解・・2

眼球運動には、左右対称性に動く共同性眼球運動非対称性眼球運動があります。

  • 共同性眼球運動
    • 滑動性眼球運動
      • 前庭性眼球運動(VOR)
      • 視運動性眼球運動(OKN)
      • 追従性眼球運動
    • 衝動性眼球運動(saccade)
      • 眼振急速相
      • 位置プログラム衝動性眼球運動
  • 非対称性眼球運動
    • 輻輳
    • 開散

⦿ 滑動性追従運動・・約100°/sec 以下の速度で滑らかに動く眼球運動です。

⦿ 衝動性眼球運動・・約100°/sec~約700°/sec で素速く動く眼球運動

問53.斜位近視について正しいのはどれか。2つ選べ。

  1.  青年期に多い。
  2.  眼精疲労はない。
  3.  散瞳がみられる。
  4.  輻湊性調節が原因である。
  5.  屈折性調節性内斜視にみられる。

正解・・1、4

輻輳に伴う調節が原因ですので、眼精疲労があり、調節性の縮瞳がみられます。

調節、輻輳、縮瞳の3つは近見反応であり、基本的には同時に起こります。

問54.fusion lock training について誤っているのはどれか。

  1.  麻痺性斜視に行う。
  2.  7歳以上で可能である。
  3.  大型弱視鏡を用いて行う。
  4.  目的は融像野の拡大である。
  5.  網膜対応異常を正常化させる。

正解・・5

⦿ fusion lock training・・両眼を融像機能で固定し、滑動性追従運動を反復して行わせるトレーニングです。

視覚性と筋性の眼球位置覚を一致させる訓練により、融像幅の増強が目的です。

問55~問75は、後半に続く

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