医学系の練習問題、其の弐

眼鏡作製技能士向けの問題

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【問】ぶどう膜に関する記述は?

A 虹彩と毛様体で構成される
B 脈絡膜と網膜で構成される
C 血管とメラニン色素が豊富

【解答】C

【解説】

虹彩毛様体の他に、脈絡膜の3つで構成されます。

ぶどう膜は、眼球各組織への栄養と酸素供給を担う他に、瞳孔以外からの光の侵入を防ぐ役割があります。

【問】Gullstrandの模型眼での成人の正常値(標準値)は?

A 角膜前面曲率半径・・・7.7mm
B 角膜屈折力・・・33.06D
C 全屈折力・・・43.64D

【解答】A

【解説】

角膜後面の曲率半径は6.8mmです。角膜屈折力は43.05Dです。最大調節時の水晶体屈折力は33.06Dです。

【問】加齢による変化で正しいものは?

A 前房の深さが深くなる
B 水晶体の青色光透過率が高くなる
C 硝子体の液化

【解答】C

【解説】

加齢変化では、前房は浅くなります。水晶体は黄変しますので、短波長領域の透過率は低下します。硝子体はコラーゲン繊維が変性する為、保水能力が低下しますので、液化します。

【問】ぶどう膜に分布する毛様動脈の本数で正しいものは?

A 短後毛様動脈・・・約40本
B 長後毛様動脈・・・1本
C 前毛様動脈・・・4本

【解答】C

【解説】

短後毛様動脈は、視神経の周囲で約20本、強膜を直角に貫きます。長後毛様動脈は、視神経の周囲で耳側と鼻側との2本で、斜めに強膜を貫きます。毛様動脈は、直筋の走行に沿う4本で、強膜を直角に貫きます。

【問】ぶどう膜からの血流を受け取る静脈は?

A 網膜中心静脈
B 渦静脈
C 海綿静脈洞

【解答】B

【解説】

網膜中心静脈は、網膜からの血流を受け取ります。視神経乳頭から視神経に入り、上眼静脈を経て、海綿静脈洞に入ります。渦静脈は4本あり、上下の眼静脈を経て海綿静脈洞に入ります。

【問】視細胞の突起と双極細胞とが連絡し、水平細胞が横の連絡をするのは?

A 視細胞層
B 外網状層
C 内顆粒層

【解答】B

【解説】

錐体(cone)と杆体(rod)があるところが視細胞層です。双極細胞は、外網状層内網状層に突起を伸ばしています。内顆粒層には、水平細胞の核と無軸索細胞の核があり、その中間に双極細胞の核があります。

【問】杆体細胞の説明で正しいのは?

A 約1億3000万個
B 明るい所で働き、視力が良く、色光を受け取る
C 眼底の中心部に多くある

【解答】A

【解説】

錐体細胞の数は約700万個となります。選択肢BとCは錐体細胞の説明となります。

桿体細胞は周辺部につれ多くなり、視角20°~30°に相当する部分で最も多くなります。

【問】ロドプシンを外節に含む網膜の神経細胞は?

A 錐体細胞
B 桿体細胞
C 双極細胞

【解答】B

【解説】

ロドプシン(視紅しこう)とは、光受容細胞に存在する色素であり、レチナール(ビタミンA)とオプシンから構成される複合体です。

明順応する際にはロドプシンがレチナールとオプシンの結合状態が保てなくなり分解されます。暗順応ではロドプシンが合成されますが、分解よりも合成の方が時間が掛かります。

【問】網膜で最も厚いのは?

A 黄斑部縁
B 乳頭部
C 中心窩

【解答】A

【解説】

網膜部で厚い順に次の様になります。黄斑部縁、乳頭部、赤道部、鋸状縁(きょじょうえん)、中心窩です。

中心窩が薄いというのは、1つの錐体と1つの双極細胞および1つの神経節細胞と1:1で連絡しているからであり、視力が良い理由はこれです。

【問】視細胞が存在しない網膜部位は?

A 黄斑部中心窩
B 視神経乳頭部
C 赤道部

【解答】B

【解説】

乳頭部は網膜の神経線維が集まる部位となりますので、視細胞は存在せず、視力もありません。自覚しない虚性暗点となります。

【問】 上眼瞼挙筋を支配する脳神経は?

A 第Ⅲ脳神経の動眼神経
B 第Ⅳ脳神経の滑車神経
C 第Ⅴ脳神経の三叉神経

【解答】A

【解説】

脳神経は、脳から出て頭蓋骨の孔を通り全身に分布する末梢神経で12対あります。運動や知覚等の機能に関係する神経です。

第Ⅰから第Ⅻまでの脳神経は、嗅神経、視神経動眼神経滑車神経三叉神経外転神経、顔面神経、内耳神経、舌咽神経、迷走神経、副神経、舌下神経です。

【問】第Ⅳ脳神経の滑車神経支配であるのは?

A 外直筋
B 上斜筋
C 下斜筋

【解答】B

【解説】

上直筋、下直筋、内直筋、下斜筋は動眼神経支配(第Ⅲ脳神経)です。外直筋は外転神経支配(第Ⅵ脳神経)です。

【問】副涙腺はどれ?

A マイボーム腺
B ウォルフリング腺とクラウゼ腺
C モル腺とツァイス腺

【解答】B

【解説】

涙腺からは大量の涙が出ます。眼窩部と眼瞼部にある主涙腺と、Wolfring腺とKrause腺の副涙腺で構成されます。

Meibom腺は角膜表面に油分を出す皮脂腺で、Moll腺は睫毛汗腺Zeis腺は睫毛脂腺です。

【問】涙液膜に、粘性物質であるムチンを分泌するのは?

A 角膜上皮細胞と結膜杯細胞
B マイボーム腺とツァイス腺
C モル腺

【解答】A

【解説】Bは脂腺、Cは汗腺です。涙は3層あり、油層と水層、ムチン層から構成されます。

【問】第一眼位で外転の働きがあるのは?

A 上直筋
B 下直筋
C 上斜筋

【解答】C

【解説】

第一眼位で外転の作用があるのは、外直筋と上斜筋と下斜筋です。

【問】第一眼位で外方回旋の働きがあるのは?

A 上直筋
B 上斜筋
C 下斜筋

【解答】C

【解説】

第一眼位で外方回旋の作用があるのは、下斜筋と下直筋です。

【問】起始点が下眼窩縁の内側であるのは?

A 下直筋
B 上斜筋
C 下斜筋

【解答】C

【解説】

4つの直筋と上斜筋は、視神経管の入り口を取り巻く総腱輪から始まります。下斜筋の起始点は、他の外眼筋と異なります。

【問】右上直筋の共役筋は?

A 左上斜筋
B 左下斜筋
C 左下直筋

【解答】B

【解説】

左上斜筋の共役筋は右下直筋です。左下直筋の共役筋は右上斜筋です。

【問】異名半盲が生じる視覚路の部位は?

A 視神経
B 視交叉
C 視索

【解答】B

【解説】

異名半盲(両眼の耳側半分あるいは鼻側半分の視野欠損)は、視交叉の病変によるものとなります。

同名半盲(両眼の同側半分の視野欠損)では、視索から中枢側の病変によるものとなります。

【問】頭頂連合野の障害で生じるのは?

A 半側視空間失認
B 色覚失認
C 視覚性失認症

【解答】A

【解説】

頭頂連合野の脳損傷は、失行や半側無視などの到達運動、把握運動などがあります。

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