2023年度、2級眼鏡作製技能検定【学科試験の問題と解説】

眼鏡作製技能士向けの問題

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2級の学科試験問題、解答と解説

2023年度眼鏡作製技能検定、2級合格者「学科試験(6月15日発表)」は966名でした。

合格率は966/1671≒57.8%
前年とほぼ変わらず。

受験者数は前年比138%。
受験者数が多くなって良かったです。

眼鏡業界が盛り上がって欲しいです。

一方で、眼鏡をファッションとしての一部分としか捉えていない眼鏡企業は衰退していくことでしょう。特にセット販売している眼鏡店では、自社の遠近屈折力レンズのメーカーを知っていても、数ある多くの設計レンズの「何という名前のレンズ」を自社が取り扱っているのかを販売スタッフは知りません。気付きもしませんし、知ろうともしません。

セット販売店の店頭スタッフが悪いわけではありませんが、内面累進、外面累進、両面複合累進の中でも更にいくつか種類があります。その違いを教育する経営者やその立場の人間が、セット販売店との差別化のヒントになるものと思います。

2022年では、2級合格者「学科試験」は721名(合格率59.1%)、「実技試験」は355名(合格率49.3%)でした。合格率は、29.1%

試験時間 90 分
問題数 50 題(A 群 25 題、B 群 25 題)
合格判定基準 70%以上

【A 群(多肢択一法)】

1.補正度数が S-2.50D であった。近視の程度分類ではどれに属するか。

A.弱度
B.中等度
C.強度
D.最強度

解答・・A

【解説】

一瞬「あれっ!?」と思うのは、私だけでしょうか⁉

眼鏡の試験問題で「補正度数」と聞かれれば、現役の眼鏡屋さんだと「眼鏡補正度数」と「完全補正度数」の2つが思い浮かぶと思います。問題文中に他の情報がありませんので、素直に出題者の意図を組むと正解は『A』。

S−2.50Dで完全補正される眼の場合では以下に示すように「弱度の近視」ですが、例えば、完全補正値がS−3.25Dで、眼鏡の補正度数がS−2.50Dの場合には「中等度の近視」となります。

2.房水を産生するのはどこか。

A.水晶体
B.虹彩
C.毛様体
D.硝子体

解答・・C

【解説】

毛様体は、房水の産出と調節の機能を営みます。

毛様体関連では、内眼筋(毛様体、虹彩筋)、ぶどう膜(毛様体、虹彩、脈絡膜)、毛様体筋(輪状筋のMüller筋、縦走筋のBrücke筋、放射状筋)なども出題されるかもしれません。

3.S+2.00D の眼鏡で正視状態になる眼の裸眼での近点が眼前 67cm であった。この場合のピント合わせ力(調節力)について、正しいのはどれか。

A.2.00D
B.2.50D
C.3.00D
D.3.50D

解答・・D

【解説】

弱度数で、この問題は簡単でつまらないです。

● 先ずは素直に解きますと、眼前67cmからD=1/f=1/0.67≒1.49[D] ですので、S+2.00Dの遠視度数と足して約3.49Dになりますので正解は『D』。

● 次に、問題文中には無いですが、装用距離が12mmだった場合の計算をしてみます。
遠視眼では、正視眼に比べてより多くの調節力が必要になる筈です。

先ずは、S+2.00Dで完全補正される眼の屈折異常値は、
頂点間距離12mmを考慮して計算しますと、2.00/(1-0.012×2.00)≒2.05[D]

よって、近点が眼前0.67[m]での必要調節力は、1.49254+2.04918=3.54172≒3.54[D]

4.距離 1.5m でようやく 5m 用 0.1 のランドルト環の切れ目の方向が正しく判断できた。この場合の視力値について、正しいのはどれか。

A.0.01
B.0.03
C.0.05
D.0.07

解答・・B

【解説】

5[m]:0.1=1.5[m]:V(視力) で計算しますと、V=0.1×1.5/5=0.03 です。

⦿ 例えば、「0.1視標」が「測定距離5m」で判別できない場合の視力値を覚えておくと良いでしょう。

 •  測定距離 4mで判別可・・視力 0.08
 •  測定距離 3mで判別可・・視力 0.06
 •  測定距離 2mで判別可・・視力 0.04
 •  測定距離 1mで判別可・・視力 0.02

5.正しく雲霧された状態で乱視表を見せたところ、12 時ー6 時から 1 時ー7 時までのラインが濃く見えると返答があった。マイナス円柱レンズ軸を何度に合わせたらよいか。

A.15°
B.75°
C.105°
D.165°

解答・・A

【解説】

問題文から、

「正しく雲霧された状態」とは「視力0.1から徐々に調節緩解がなされ、視力0.5~0.6の状態」であることを意味します。

「12時−6時方向が濃い」とは「マイナス円柱軸180°(濃い方向×30°→180°)」、「1時−7時方向が濃い」とは「マイナス円柱軸30°」ですので、180°と30°の中間で正解は「A」の15°です。

● 実際には、「12時寄りですか?」、「1時寄りですか?」などと被検者に尋ねる必要があります。「Ax 10°」だったり、「AX 20°」かもしれません。

6.非点収差の説明で正しいのはどれか。

A.焦線が形成される。
B.たる型と糸巻き型がある。
C.ほうき星のようなぼけ方になる。
D.眼球網膜の形状は非点収差に対応している。

解答・・A

【解説】

● 選択肢A・・焦線となるのは乱視(astigmatism)であり、非点収差(astigmatism)です。

● 選択肢B・・樽型(凸レンズ)と糸巻型(凹レンズ)は、ディストーション(歪曲収差)です。

ディストーション
周辺部につれ倍率が大きくなる糸巻型のディストーション

● 選択肢C・・ほうき星とは、コメット(comet)状のコマ収差です。

コマ収差

● 選択肢D・・眼球網膜の形状から眼鏡レンズで無視できるのは、像面湾曲収差です。

例えば、「瞳孔径(φ3~4mm)の大きさから無視できる収差は?」という問であれば、球面収差とコマ収差となります。

ザイデルの5収差

7.グルストランドの模型眼において弛緩時の精密模型眼の全眼系の屈折力はどれか。

A.24D
B.59D
C.65D
D.70D

解答・・B

【解説】

眼球光学系全体の屈折力(弛緩時)は、Gullustrandの模型眼で「約58.64D」、最大調節時では「約70.57D」としています。Listing の模型眼(弛緩時)では「約60D」としています。

模型眼には、「Helmholtz の模型眼」、「Gullstrand の模型眼」、「LeGrand の模型眼」などがあります。

単純構造に置き換えた省略眼では、「Donders の省略眼」、「Lawrence の省略眼」、「Listing の省略眼」などがあります。

8.両眼ともマイナス球面レンズの眼鏡の光学中心間距離が瞳孔間距離よりも広くなっているときのプリズム作用はどれか。

A. Base In
B. Base Out
C. Base Up
D. Base Down

解答・・A

【解説】

9.次の文章で説明する眼鏡フレームの部位の名称で正しいものはどれか。「テンプルにつながるフロント両端部分。ヨロイとも呼ばれる。」

A.パッド
B.小口
C.合口
D.智

解答・・D

【解説】

智周辺部の名称

10.以下に示すプラスチックの中で最も可燃性の高い素材はどれか。

A.アセテート
B.セルロイド
C.ポリカーボネート
D.グリアミド

解答・・B

【解説】

● アセテート(CA)は難燃性です。

● セルロイド(CN)は可燃性があり、130℃以上で内部気泡が生じ、170℃~190℃で発火するため維持管理が難しい(消防法危険物第5類)素材です。

● ポリカーボネート(PC)は熱可塑性樹脂でエンジニアリングプラスチックの一種です。

● グリアミド(ナイロン系)にはTR90などがあり変形が難しく繊細な調整が難しい素材です。

11.遠近累進屈折力レンズの性能特性について、誤っているのはどれか。

A.像のゆれはレンズを装用して、視線や頭を左右に動かすことで生じる。
B.装用時に発生するゆれ・ゆがみの成分にはノーマル歪とスキュー歪がある。
C.遠見部であれば側方視時も収差はないのではハッキリ見ることが出来る。
D.不同視補正において使用する場合は近用部での上下プリズムに左右差が生じる。

解答・・C

【解説】

遠近累進屈折力レンズには「ノーマル歪」と「スキュー歪」があり、遠見部にも側方視時には歪曲収差(ディストーション)や非点収差などが生じます。

● ノーマル歪(normal strain)・・正方形を長方形(縦方向や横方向)に歪ませる成分。

● スキュー歪(skew distortion)・・正方形を菱形(斜め方向)に歪ませる成分。『skew:斜め、傾斜、歪んだ』

遠近累進屈折力レンズのゆれ・ゆがみ

12.単焦点眼鏡レンズの収差について、像のぼやけに関係しないのはどれか。

A.コマ収差
B.歪曲収差
C.非点収差
D.球面収差

解答・・B

【解説】

像のぼやけに関係しない収差は「歪曲収差」ですが、実際の眼鏡レンズでは問題になる収差の1つです。

歪曲収差は、「ぼやけ」というよりも、レンズ周辺部での倍率変化による「変形」の方がニュアンスが近いかもしれません。

公式での正解は「B」との事ですが、わかりづらく良くない問題と考えます。変形の歪みを「はっきり見えない」「霞む」「ぼやける」などと表現する方もいらっしゃると考えます。

凸レンズのディストーション

● 眼鏡レンズで問題になる収差・・非点収差、ディストーション(歪曲収差)、色収差
● 眼鏡レンズで問題にならない収差・・球面収差、コマ収差、像面湾曲収差

13.聴覚障がいであることを理由に免許に条件を付されている方が運転する車に表示しているマークに描かれているものはどれか。

解答・・C

【解説】

クルマに関係する障がい者マークは、選択肢「A:障害者のための国際シンボルマーク」、「B:身体障害者マーク」、「C:聴覚障害者マーク」です。道路交通法規制があるのは「B」と「C」です。

選択肢「D:耳マーク」は、聞こえが不自由なことを表すと同時に、聞こえない人・聞こえにくい人への配慮を表します。

14.累進屈折力レンズで、手元のものにピントが合わないと言われた場合の対応で誤っているのはどれか。

A.加入度を強くする。
B.累進帯の短いレンズにする。
C.角膜頂点間距離を短めにする。
D.遠用度数をプラス側に調整する。

解答・・C

【解説】

角膜頂点間距離を短くしますと、視野は若干広がりますが、近用部に視線を合わせるための「下方回旋の量」がより多く必要となります。

15.S+2.00D C-2.00D Ax180°を度数転換した場合、正しいのはどれか。

A.S-4.00D C+2.00D Ax90°
B.S±0.00D C-2.00D Ax90°
C.S+1.00D C-1.00D Ax180°
D.S±0.00D C+2.00D Ax90°

解答・・D

【解説】

S+2.00D C-2.00D Ax180° を度数転換する手順は、
ⅰ) S → 元の、SとCを足す
ⅱ) C → 元の、符号を逆にする
ⅲ) Ax → 元から、90°回転させる

スコア表記して考えますと、以下のように分解できます。

16.右レンズで 3ΔBI 1ΔBD を作り出した場合、レンズメータの視野内に映るコロナの位置で正しいのはどれか。

A.18°方向
B.162°方向
C.198°方向
D.342°方向

解答・・D

【解説】

以下の図:緑色三角形から、角度を時計回りにθとして計算します。

tanθ=1/3 から、θ=tan−1(1/3)=18.4349…

360°から、約18.435を引き算しますと、341.565°方向になります。


レンズメータの基底方向

17.次に掲げる特殊加工について誤っているのはどれか。

A.プラスレンズで厚さの軽減を行う方法は外径指定のみである。
B.PD 合わせにレンズ外径が足りない場合には偏心加工を行う。
C.縁なしや溝掘り加工でレンズの厚さが薄すぎる時は肉厚指定を行う。
D.球面レンズのプリズム加工と計算して偏心加工を行うことは光学的には同じ結果になる。

解答・・A

【解説】

選択肢「A」では、外径を小さく指定する方法以外に、「薄型加工」というオンライン加工があります。

● 薄型加工・・プラス乱視度数が+1.00D以上、軸が180°方向(±30°)の場合で天地幅が小さいフレームでは必要最小限のレンズ厚で仕上げることが可能(外径指定よりも、さらに薄く軽い仕上がり)となります。

薄型加工 (オンライン加工)

18.次の特殊加工について誤っているのはどれか。

A.左右のコバ厚を揃えたいときは肉厚指定を行う。
B.マイナスレンズで肉厚指定をすると中心厚が変わる。
C.プラスレンズで外径指定する目的はコバ厚を軽減するためである。
D.プラスレンズでは外径指定より中心厚を薄くできる注文方法がある。

解答・・C

【解説】

プラスレンズで縮小径指定により、コバ厚というよりも中心厚が薄くなります。拡大径指定では必要レンズ径が足りない場合などに用います。

19.タップに印字してある数値、記号から読み取れないのはどれか。

A.ねじの長さ
B.ねじの外径
C.ねじの規格
D.ピッチ

解答・・A

【解説】

例)タップ表示「M1.7×0.35」の場合には、

Mは「メートルねじ(規格)」、
1.7は「ネジの外径(最大径)」、
0.35は「ネジのピッチ(ネジ山同士の間隔)」

を意味します。

● メートルねじはISO規格です。ねじ軸部に切られた「山の角度は60°」です。

● 「外径」と「ピッチ」はJISにより以下のように規定されております。

外径とピッチの規定

20.解剖学的要素に配慮した、フィッティングについて、正しいのはどれか。

A.パッドは 2 枚の軟骨で支えるように調整する。
B.外耳孔の後方下部には、茎状突起が突起している。
C.耳介部の付け根へはテンプルチップを圧迫し、くい込むように調整する。
D.小児は、鼻根部が低く扁平で顔幅が広く、皮脂の分泌量が少なく、慎重にフィッティングする必要がある。

解答・・D

【解説】

選択肢「A」:パッドは、鼻上半分にある、2枚の支柱(鼻骨)で支えます。下半分の大部分は軟骨であり、圧迫すると、呼吸の妨げや声質の変化、軟骨の変形につながります。

鼻部と耳部の軟骨

選択肢「B」:外耳孔の後方下部にある突起は「乳様突起」。

選択肢「C」:耳介部付け根にテンプルチップを沿わせるように曲げますが、圧迫してくい込む調整は痛みを伴いますので正しくありません。

21.フィッティングの実務について、誤っているのはどれか。

A.テンプル傾斜角の調整は基本的に智で行う。
B.左右のパッド幅を広くするとフロント部は上がり、狭くすると下がる。
C.フィッティングの手順は、全体から細部へ、すなわち前から後ろへ調整する。
D.プラスチックフレームは、丁番の埋め込みが緩んでしまうなど、過熱する場所や時間には注意が必要である。

解答・・B

【解説】

選択肢「B」:パッド幅が広いと下がるか、頂点間距離が近づきます。

22.ビジュアルポイントの確認について、誤っているのはどれか。

A.ビジュアルポイントは、第一眼位の瞳孔中心を基準に測定する。
B.累進屈折力眼鏡では、二重焦点レンズよりも大きい下方回旋量が必要となる傾向がある。
C.遠用単焦点眼鏡のフィッティングポイントは、装用時前傾角に合わせて遠用ビジュアルポイントより下方に設定する。
D.遠用ビジュアルポイントの測定では測定距離は 40 ㎝よりも近くで正対して座り、装用者の眼の高さに合わせて測定する方法で行えば測定誤差が小さくなる。

解答・・D

【解説】

選択肢「D」:遠用ビジュアルポイントの測定は、測定距離が遠いほど誤差が少なくなります。近用ビジュアルポイントの測定では作業距離に合わせて正対し、眼の高さに合わせて測定します。


23.フィッティング全般について、正しいのはどれか。

A.眼鏡幅の安定固定を得るためには、多様な顧客要望は考慮する必要はない。
B.累進屈折力レンズの装用時前傾角によって、近用部の注視野は影響を受ける。
C.二重焦点眼鏡では角膜頂点間距離の変化における小玉の視野に影響はでない。
D.フィッティングの総合確認は、「持ち上げる」、「引いてみる」の 2 項目で十分である。

解答・・B

【解説】

装用時の前傾角により近方部との距離が変わります。眼に近いほど近方視野は広くなります。

24.眼鏡関連法規について、誤っているのはどれか。

A.薬機法では、眼鏡の販売業は届出も許可も必要ない。
B.消費者契約法では、消費者が、事業者の不当な勧誘によって契約してしまったときは、その契約を取り消しに出来る。
C.特例商取引法では、クーリング・オフなどを認め、事業者による法外な損害賠償請求を制限する等が定められている。
D.廃棄物処理法では、眼鏡レンズ加工でのレンズ切削屑は対象となるが、レンズ切削廃水は「廃棄物」に該当しないので対象とはならない。

解答・・D

【解説】

● 薬機法では「眼鏡レンズ」は一般医療機器であり、届出・許可は不要です。

● 消費者契約法において、以下のようなものは「不当な契約条項」となり契約書では無効になります。

「事業者の損害賠償責任を免除する条項」、
「消費者の解除権を放棄させる条項」、
「消費者が支払う損害賠償の額を予定する条項」、
「消費者の利益を一方的に害する条項」、
「消費者の成年後見等を理由とする解除条項」、
「事業者が自ら責任を認めた場合のみ責任を負うという条項」

● 特例商取引法では、以下の7つを対象とします。

「訪問販売」
「通信販売」
「電話勧誘販売」
「連鎖販売取引」
「特定継続的役務提供」
「業務提供誘引販売取引」
「訪問購入」

ただし、消費者による契約の解除(クーリング・オフ)は、返品特約を定めた「通信販売」には適用されません。返品特約とは、当事者間に於いて、返品の可否や条件、送料負担に関する合意のことです。

● 廃棄物処理法では、眼鏡店で出される、廃棄フレーム、廃棄レンズ、レンズ加工時の廃水は「産業廃棄物」に分類されます。

処理責任は、処理事業者だけではなく排出事業者にも処理責任があります。「事業系一般廃棄物」の処理は排出事業者の責任において廃棄物処理施設に直接搬入するか、許可を受けている一般廃棄者処理業者に収集委託をする必要があります。

25.初めて眼鏡を作製するお客様への対応として、誤っているのはどれか。

A.就学時健診で視力低下を指摘された 6 歳児であったため、まずは眼科受診を勧めた。
B.50 歳の方が、急に見にくくなったと来店されたため、まずは眼科受診を勧めた。
C.最高視力が 1.0 以上あれば、眼科受診を勧める必要はない。
D.内科や眼科に通院中でないか確認した。

解答・・C

【解説】

最高視力が1.0以上の場合でも、眼疾患が無いとはいえません。例えば、周辺視野の欠損では視力1.0がでるかもしれません。場合によってはお勧めする必要もあります。

【B 群(真偽法)】

26.遠視眼の遠点は無限遠方である。

解答・・✕

【解説】

例えば、明視域と調節域は異なります。

● 明視域は、遠点~近点での「明視可能な範囲」。例えば、無限遠方~眼前〇cm。

● 調節域は、遠点~近点。例えば、眼後〇cm~眼前〇cmです。

27.Gullstrand の模型眼では眼軸長を 24.0mmとしている。

解答・・○

【解説】

Gullstrandの模型眼では、+1.00Dの弱度遠視の眼軸長を24.0mmとしています。

28.S-4.00D で補正した眼鏡と CL では、眼前 40 ㎝を明視するためのピント合わせ量(調節量)は眼鏡の方がより少なくなる。

解答・・○

【解説】

例えば、S−4.00Dの眼鏡レンズの装用距離が離れる程に弱補正となります。逆に距離が近いほど度数が強くなります。

つまり、コンタクトレンズの装用距離を0mmとして考えた場合(角膜形状の変化や網膜像の変化など諸条件を色々無視して)、凹レンズでは装用距離が近いコンタクトレンズの方が必要となる調節力が多くなります。

従って、凹レンズでは眼鏡の方が(装用距離が離れている方が)必要調節力が少なく済みます。逆に凸レンズでは調節力が多く必要となります。これを「調節効果」といいます。

29.視力表の輝度は 80~320cd/m2 の範囲と定められている。

解答・・○

【解説】

JIS規格では視力表の輝度を80~320cd/m2と定めています。

● 輝度(cd/m2)・・広がりを持つ面光源の明るさ。点光源では用いません。カンデラ(cd)とは、1cdは一般的なろうそく1本の明るさとほぼ同じ光の強さ(光度)です。

輝度関連として、視標コントラストの計算式をご参考に↓

視標のコントラスト[%]=(最高輝度−最低輝度)/(最高輝度+最低輝度)×100

● 照度(lx)・・照射面の明るさ。ルクス(lux)とは、1m2の面が1ルーメン(lm)の光束で照らされるときの明るさ(照度)です。

● luxとcdの変換には距離が必要です。

問題例)点光源(光度100cd)に照らされた点Pの水平受照面上が、2m先(入射角0°)である場合の照度は? ⇨ 100/(22)=25[lx]

30.±0.50D のクロスシリンダーを赤印(マイナス軸)が真上になるようにセットした。この場合の SC 式は S+0.50D C-1.00D Ax180°である。

解答・・✕

【解説】

クロスシリンダーのマイナス軸が90°であるということから、

「CC表示:C−0.50 Ax90° C+0.50 Ax180°」であり、
「Cマイナス表示:S+0.50 C−1.00 Ax90°」となります。

±0.25Dのクロスシリンダー

31.反射防止コートは光の干渉を利用している。

解答・・○

【解説】

反射防止膜コートは、「位相条件」と「振幅条件」を満たすことで打ち消されます。

● 位相条件・・コート厚を波長の1/4程度にする。
● 振幅条件・・コート材質の屈折率を、レンズ材質の屈折率の平方根にする。

反射防止コート

32.球面収差が眼で生じると乱視となる。

解答・・✕

【解説】

乱視(astigmatism)となる収差は、「非点収差(astigmatism)」

非点収差・・レンズに斜め方向から入射すると結像が非点的となります。乱視眼であれば平行光線でも生じます。

凸レンズの非点収差

33.3Δのプリズムレンズを装用すると 5m 先の物体は 15cm 移動して見える。

解答・・○

【解説】

1m先の物体が1cmずれるプリズム量を1Δとします。

3Δのプリズムレンズ装用で1m先では3cm移動して見え、2m先では6cm、5m先では15cmずれて見えます。 ※ [m]と[cm]の単位が異なる点に注意!

34.眼鏡フレームのサイズ表示で、ボクシングシステムは、玉形高さの中間に引いた線を基準線として、その基準線上にある玉形との交点を求め、その 2 点間距離を「玉形幅」とし、左右それぞれの玉形間距離を「レンズ間距離」としている。

解答・・✕

【解説】

ボクシング・システムとは、ISO(国際標準化機構)が採用した規格(ISO/FDIS5624)に基づき、日本でも採用された寸法測定法(1990年2月1日 JIS B 7282)です。

『 (玉形幅) ▢ (レンズ間距離) − (テンプル長さ) 』などと表示されます。玉形幅を、レンズを取り囲む最小ボックスの横幅とします。

ボクシング・システム

35.眼鏡フレームに使われる金属素材であるチタンは、銅に比べて、錆に強いが比重は大きい。

解答・・✕

【解説】

チタン(比重4.54)は、銅(比重8.9)よりも軽い素材です。

チタンは、優れた強度を持ち金属アレルギーを起こしにくい素材。引っ張り強度や耐食性も高い。高温で酸化されやすく「チタンブルー」と呼ばれる酸化被膜を形成します。

36.装用時屈折力とは装用時に得られる屈折力のことを言い、枠入れ後に測定した後面頂点屈折力と同じになる。

解答・・✕

【解説】

頂点間距離により後面頂点屈折力と装用時屈折力は変化します。

37.累進レンズのプリズムシニングは、BUプリズム効果によってレンズ形状を薄くする。

解答・・ ✕

【解説】

「プリズムシニング加工」とは、主にプラス度数の遠近両用レンズで標準的に行われる加工です。BDのプリズムを組み込むことで薄く仕上がります。

プリズムシニング

プリズムシニングにより、装用時に足元が浮いて見えたり、視力が若干低下するなどの短所が生じることもあります。

また、

Nikonでは「プリズムシニング」と呼ばれますが、
HOYAでは「アレジェ」、SEIKOでは「プリズムマティックシニング」 ・・などとも呼ばれます。

38.レンズの汚れがひどい時は、中性または酸性洗剤を薄めた液で洗ってからすすぐことを推奨する。

解答・・✕

【解説】

酸性洗剤はNGです。汚れがひどい場合には、専用クリーナーや薄めた中性洗剤で洗いましょう。

専用クリーナーなどの成分でも、表面に残るとレンズ表面の滑り感が低下することもありますので、しっかり丁寧に洗い落としましょう。

アルカリ系(固形石鹸、ハンドソープ、ボディーソープなど)、酸性系(浴室用洗剤、トイレ洗剤など)、シンナーなどの溶剤は使用してはいけません。

39.Albert Mehrabian のコミュニケーション三大要素の中で、影響力が最も大きいのは視覚である。

解答・・○

【解説】

ノンバーバル(非言語)コミュニケーションとは、表情、ジェスチャーや態度、身だしなみなど、言語以外で行うコミュニケーションのことですが、その重要性については「メラビアンの法則」が有名です。

● メラビアンの法則では、コミュニケーションの3大要素の影響力を、
「視覚(55%)」、「声、声の調子(38%)」、「言葉(7%)」としています。

メラビアンの法則

40.聞き取りで、趣味を尋ねる主目的は、その後の測定をスムーズに進めるためである。

解答・・✕

【解説】 個人的には「△」です。

趣味を尋ねる目的は、使用環境や作業距離などを把握し、それら全体を踏まえた上で、プロ目線で度数以外にもフレームやレンズなどの商品に関しても「提案」などをするためと考えます。クレームなども含め、スムーズに進めることができると考えます。

問題文の「測定をスムーズに進めるため」のみである・・というのであれば「✕」ですが、限定されないのであれば「△」と考えます。

問題文の作成者が「✕」と考えますが、皆さんはどう感じるでしょうか。

41.レンズカーブは一般的に屈折率が 1.60 素材のもので計算される。

解答・・✕

【解説】

レンズカーブの面屈折力は「 D=(n−1)/ r」 で求められます。
(D:カーブ、n:屈折率、r:曲率半径[m])

● Dカーブは 「n=1.523」 として表されます。

例えば、5Dカーブの曲率半径は r=0.523/5 ≒ 0.1046[m] で求められます。

カーブ(面屈折力)と曲率半径[m]の関係

42.近方視の際に遠用レンズをはね上げて作製する複式アルバイトフレームでは、重なる前後 2枚のレンズの光学中心距離は一致する。

解答・・✕

【解説】

近用度数を入れる場合には、遠用CD(心取り点間距離:centration distance)と近用CDが異なるため、重なる前後2枚のレンズも一致しません。

複式アルバイト枠に近用度数を入れない(度無しレンズを枠入れ)場合でも、度無しレンズには光学中心が存在しませんので一致するかどうか以前の問題となります。

● 複式アルバイト枠・内掛け・前掛けでは、度数の異なる2枚のレンズを重ねるために新たな合成光学中心が形成されます。この合成光学中心をCDが一致するようにレイアウトしなければなりません(プリズムを打ち消す必要がある)。

複式アルバイト枠では近用CDを基準にし、前掛け・内掛けでは遠用CDを基準にします。

複式アルバイト枠・内掛け式のレイアウト

43.メガネットプロを使用する場合、2022 年時点において、インターネットブラウザを Microsoft Edge 以外で設定すると、作動テストがされておらず何らかの不都合が生じる可能性がある。

解答・・○

【解説】

「IE9以上、Edge以外の、Chrome、Firefox等のブラウザはサポートしておりません。」・・とのことです。

44.手摺り加工でレンズサイズを小さくするためにレンズ外周を削る場合は、外周すべて同じ程度の力の入れ具合で行う。

解答・・✕

【解説】

外周すべてを削る(鼻側を削る)とPDが狭くなってしまいますので「✕」。レンズを押し当てる「力の入れ具合」と「時間」は人それぞれでOKです。

レンズの角は削れ易いので、力を緩めるか、素早く回転させると良いです。

45.溝掘りや縁なしフレームをパターン加工機で加工する場合に適切な偏心型板を作製すれば、軸出し(ブロッキング)時にレンズの偏心は必要無い。

解答・・○

【解説】

眼鏡設計に応じてレイアウトを決めることを「軸出し」といいます。

玉摺り加工機にレンズをセットするためのサクションカップをレンズに吸着させることを「ブロッキング」といいます。

偏心型板ではCP(心取り点:centration point)とOC(光学中心:optical center)が一致しますので、レンズを偏心せずに、OCを軸出し機中心にセットしてブロッキングしてOKです。

46.眼鏡を眼前に光学的、解剖学的、美観的に安定固定することが、フィッティングの目的である。

解答・・○

【解説】

フィッティングの主な要素は、「光学的」「力学的」「解剖学的」「美観的」の4つです。

47.視線とレンズ光軸が一致せず傾きが大きくなるとコマ収差が発生する。

解答・・✕

【解説】

傾きで発生する収差は「非点収差」です。

収差とは、光学系によって結像する場合の理想と異なる幾何光学的なずれのことです。光学系の分散による「色収差」と、単色光でも生じる「単色光収差」の2つがあります。

● 色収差・・射出光線束が波長により焦点距離が異なり、その差のこと。

縦方向の色収差(軸上の色収差)、横方向の色収差(倍率の色収差)

● 単色光収差・・ザイデル(seidel)の5収差(球面収差、コマ収差、非点収差、像面の湾曲収差、ディストーション(歪曲収差))、高次収差。

● 球面収差・・軸外の光線が必要以上に屈折する収差です。

● コマ収差・・球面収差が除去された状態でも、軸上から離れるとコマ(coma)という彗星(comet)状の収差が発生します。

● 非点収差・・球面収差とコマ収差が除去されても、軸からかなり離れると結像が非点的(astigmatic)となります。

● 像面湾曲収差・・球面収差やコマ収差、非点収差が完全に除去されても完全な結像とはならず、それぞれの点が曲面上に結像される収差です。

● ディストーション(歪曲収差)・・横倍率画像の大きさにより異なる収差です。

48.テンプルチップの下曲げは大きな丸みを持たせず、角を付けて位置は明確になるように曲げ下ろす。

解答・・○

【解説】

大きな丸みは持たせませんが、角を付けるにしても90°近く(ほぼ垂直ぐらい)曲げ下ろしたりもしません。

49.眼鏡の装用位置は、玉形高さの底辺から 5 分の 4 の位置に瞳孔中心がくるように調整するとバランスが良い。

解答・・✕

【解説】

黄金比は1:1.618(約5:8)、白銀比は1:1.414(約5:7)です。

中間をとると「約1:1.5」ですので、底辺から3/5が モア ベター。

黄金比と白銀比

50.眼鏡作製技能士の資格を有していれば、眼科医療機関で眼鏡処方業務に携わることができる

解答・・✕

【解説】

眼鏡作製技能士は国家資格とはいえ、非常に残念ですが「名称独占」であり「業務独占」ではありません。

医行為とされることは医師法で禁止されております。よって、屈折測定や視力測定の結果から、「近視」「遠視」「乱視」「調節障害」などと診断することは「医行為」であるという認識がなされております。

視能訓練士であれば、眼科医療機関で眼鏡処方業務に携わることができます。

従って、眼鏡作製技能士、視能訓練士、眼科医との連携が非常に重要です。

● 視能訓練士(Certified Orthoptist:略称CO、一般的にはORT)・・視能訓練士法という法律に基づく国家資格を持つ専門職であり、医師の指示の下に両眼視機能に障害のある者の対して両眼視機能の回復のための矯正訓練及びこれに必要な検査を行うことを業とする者と定義(第二条)。業務内容としては、眼科に係る検査(人体に影響を及ぼす程度が高い検査として厚生労働省令で定めるものを除く)を行うこと(第十七条一項)。保健師助産師看護師法の規定にかかわらず、眼科領域で「診療の補助」として両眼視機能の回復のための矯正訓練やこれに必要な検査、ならびに眼科検査を行うことができる(第十七条二項)。

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