夜空の星は中心で見ない方が良い!?

一般消費者、眼鏡作製技能士を志す方に向けて

Last Updated on 3年 by 管理者

暗い所で星を見る時には、視線の中心部で見ない方が見えやすいです。

特に、6等星などの暗い星を見つける際は、あえて視線を少しずらした周辺部で見た方が見つけやすくなります。

では、何故でしょうか?

錐体と桿体

  • 網膜は、脈絡膜側から硝子体側に数えて10層から成ります。
    1. 網膜色素上皮
    2. 視細胞層・・・錐体(cone)桿体(rod)がある
    3. 外境界膜
    4. 外顆粒層
    5. 外網状層
    6. 内顆粒層
    7. 内網状層
    8. 神経節細胞層
    9. 神経線維層
    10. 内境界膜

  • 錐体の特徴
    • 明るい所で働く
    • 視力が良い
    • 色光を受け取る
    • 錐体が働いている状態を明所視という
    • 眼底の中心部に多い
    • 黄斑部中心窩にはおよそ700万個の錐体がある
    • 中心窩は錐体のみから成り、これより周辺に向かって急激に減少し、視角10°に相当する部分から周辺での密度は変わらない
  • 桿体の特徴
    • 暗い所で働く
    • 視力が悪い
    • 色光を受け取らない
    • 桿体が働いている状態を暗順応という
    • 眼底の周辺部に多い
    • 眼底の周辺部におよそ13000万個の桿体がある
    • 中心窩には存在せず、周辺部に向かって増加し、視覚20°~30°に相当する部分で最も多くなり、周辺部では次第に減少

つまり、桿体は暗い所で働き、視野の周辺部では比較的よく見え、色も感じず、はっきりは見えませんが、明るいか暗いかは分かりやすいです。

一方で、錐体は明るい所で働き、視野の中心部がはっきり見え、色も分かります。

中心窩の視力が良い理由

黄斑部では脳層が薄くなり、中心窩は錐体からのみから成ります。

中心窩の1つの錐体は1つの双極細胞および1つの神経節細胞と1:1で連絡するのが、

周辺部では1つの双極細胞に多数の錐体あるいは桿体が連絡し、さらにこの双極細胞のいくつかが1つの神経節細胞と連絡します。

その為、中心窩の視力は良好で、そこからずれると視力は急激に下がります

明順応と暗順応

明順応の時間は約1分で、暗順応の時間は約30分かかります。

明所視では、桿体のロドプシンという物質が分解される時間が約1分で短く、暗所視ではこのロドプシンの産生に時間が掛かる為に約30分と長く掛かります。

因みに、錐体は赤色に良く反応し、桿体は青色に良く反応します。これをプルキニエ現象といいます。

夜に青色LEDのイルミネーションが綺麗なのはその為でしょうか。

夜盲と昼盲

暗順応の障害を夜盲といいます。つまり、桿体の機能異常です。

  • 夜盲の原因疾患
    • 網膜色素変性
    • 小口病
    • ビタミンA欠乏症
  • 昼盲の原因疾患
    • 錐体の機能障害
      • 全色盲、網膜黄斑変性
    • 角膜・水晶体の瞳孔領にいおける混濁
      • 明るい所では縮瞳の為、良く見えない

基本の星座(おまけ)

春・・・北斗七星

夏・・・さそり座、夏の三角形

秋・・・秋の四辺形、カシオペア座

冬・・・オリオン座

コメント

タイトルとURLをコピーしました