第46回午前、視能訓練士国家試験の解答と解説

一般消費者、眼鏡作製技能士を志す方に向けて

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測定機器や加工機などの自動化が進む時代背景のなかで、技術力の低下が懸念されます。自動音声での屈折測定機器なんかは論外(今後に期待)。技術力の低下、経験不足に拍車をかけます。

始めは、眼鏡作製技能士として必要な問題のみを抜粋しようかなぁ・・ (例えば、第46回~第50回を厳選して100問位) とも考えましたが、

何か・・全部必要な気がしてきましたので、少しずつ更新していきますね。

1.神経線維が網膜神経節細胞の軸索でないのはどれか。

  1. 視 索
  2. 視交叉
  3. 視放線
  4. 眼内視神経
  5. 眼窩内視神経

正解・・3

神経細胞は形態や性質の違いにより軸索と樹状突起に分類されます。

樹状突起では情報の入力を担います。軸索とは神経細胞から伸びる長い突起であり、電気的信号情報の出力を担います。

神経節細胞の軸索(視神経、視交叉、視索)

2.副腎皮質ステロイドの副作用でないのはどれか。

  1. 白内障
  2. 緑内障
  3. 糖尿病
  4. 角膜潰瘍
  5. 網膜静脈閉塞症

正解・・5

ステロイドの長期使用による副作用には、水晶体嚢の透過亢進による混濁であるステロイド白内障、開放隅角緑内障であるステロイド緑内障、脂肪肝やインスリン抵抗性によるステロイド糖尿病、角膜感染症の誘発(上皮の防御作用低下)による角膜潰瘍、中心性漿液性網膜脈絡膜症などがあります。

網膜静脈閉塞症では、眼内の炎症を抑え黄斑浮腫を治療するためにステロイド局所注射を行うことがあります。

3.脳幹に含まれるのはどれか。2つ選べ。

  1. 頸 髄
  2. 延 髄
  3. 小 脳
  4. 基底核

正解・・1、3

脳幹は中脳、きょう、延髄。

4.病院内の事象について正しいのはどれか。

  1. インシデントは重大事件に発展する危険性をもつ。
  2. アクシデントレポートはヒヤリハット報告書と同義語である。
  3. 病院の廊下で転倒し骨折した場合にはアクシデントにあたらない。
  4. 原疾患の自然経過であっても死亡すれば最重度のアクシデントになる。
  5. 医療行為前に間違いに気付き実害がなければインシデントにあたらない。

正解・・1

インシデントとは、日常の医療現場で「ヒヤリ」、「ハット」とした経験など、結果的にアクシデントやトラブルには至らなかったニアミスなど。

アクシデント(医療事故)とは、過失の有無に関わらず、医療の全過程において発生する人為的事故一切を包括していうものであり、患者のみならず医療従事者が被害者である場合や、医療行為とは直接的な関係がない転倒や転落なども含まれます。

5.自己免疫疾患でないのはどれか。

  1. 視神経脊髄炎
  2. 重症筋無力症
  3. 網膜色素変性
  4. Sjögren 症候群
  5. Vogt-小柳-原田病

正解・・3

自己免疫疾患とは、免疫異常により正常な組織をも攻撃してしまう疾患の総称です。

視神経脊髄炎では電気的情報伝達経路への障害により脱髄部位に関連した神経系の病変が生じます。

重力筋無力症では末梢神経と神経節接合部において筋肉側の受容体が破壊され全身の筋力低下などを起こします。

Sjögrenシェーグレン症候群では全身の外分泌腺が系統的に傷害されます。

Vogtフォークト-小柳-原田病では全身のメラノサイトを標的とした免疫疾患です。

6.アレルギーによる痒みに関係するのはどれか。

  1. アセチルコリン
  2. セロトニン
  3. ドパミン
  4. ノルアドレナリン
  5. ヒスタミン

正解・・5

神経伝達物質とはシナプスで情報伝達を介在する物質で、アセチルコリン(学習、記憶、睡眠など)、セロトニン(情緒、食欲、運動、睡眠など)、ドーパミン(快楽、学習、意欲、集中力など)、ノルアドレナリン(興奮、意欲、不安、集中力など)、ヒスタミン(アレルギー反応や炎症の発現、食中毒、血圧降下、血管拡張など)があります。

7.羞明に対して有効なのはどれか。

  1. 単眼鏡
  2. 縮小レンズ
  3. タイポスコープ
  4. 手持ち式拡大鏡
  5. ハイパワープラスレンズ眼鏡

正解・・3

タイポスコープでは、行の読み間違いを防ぐほか、余白からの反射を軽減できます。

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8.X染色体連鎖性の疾患はどれか。

  1. 小口病
  2. 先天無虹彩
  3. 先天赤緑色覚異常
  4. Leber 遺伝性視神経症
  5. 慢性進行性外眼筋麻痺

正解・・3

遺伝性疾患には、常染色体遺伝(性の影響を受けない)、X染色体遺伝(性の影響を受ける)、ミトコンドリア遺伝(必ず母親を介する)、多因子遺伝、2遺伝子遺伝などがあります。

常染色体優性遺伝を呈するものには、先天白内障、先天無虹彩、角膜ジストロフィなどがあります。常染色体劣性遺伝では、小口病、網膜色素変性、先天緑内障など。ミトコンドリア遺伝では、Leberレーベル遺伝性視神経症、慢性進行性外眼筋麻痺など。多因子遺伝では、屈折異常、斜視など。染色体異常はDown症候群など。体細胞遺伝では、網膜芽細胞腫など。

9.随意筋はどれか。2つ選べ。

  1. 眼輪筋
  2. 瞼板筋
  3. 上眼瞼挙筋
  4. 瞳孔括約筋
  5. 瞳孔散大筋

正解・・1、3

随意筋とは、意識的に動かせる筋肉です。

眼輪筋は眼瞼を閉じる際に働く横紋筋で、顔面神経支配です。上眼瞼挙筋は上瞼を挙上する際に働く横紋筋で、動眼神経支配です。瞼板筋は瞼裂を開大する際に働く平滑筋で、交感神経支配です。

瞳孔を縮小する瞳孔括約筋は動眼神経支配。散大する瞳孔散大筋は交感神経支配。

10.再生しないのはどれか。

  1. 視神経
  2. 動眼神経
  3. 滑車神経
  4. 三叉神経
  5. 外転神経

正解・・1

再生しない中枢神経系(脳、脊髄)と、再生する末梢神経系(脳神経、脊髄神経)があります。嗅神経(Ⅰ)と視神経(Ⅱ)は歴史的には末梢神経に含められますが、厳密には中枢神経の延長です。よって、中枢神経の一部である視神経(Ⅱ)は再生しません。

脳神経(Ⅰ~Ⅻ)

11.光干渉断層計〈OCT〉について正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 遠赤外光を使っている。
  2. 黄斑部以外は測定できない。
  3. 網膜の厚さの測定が可能である。
  4. 正常者の黄斑部は陥凹して見える。
  5. 軽度の白内障で測定は困難になる。

正解・・3、4

光干渉断層計(optical coherence tomography:OCT)では近赤外光を使用します。

波長が長いほど、光の散乱が減弱し深部まで届きやすいが、中間透光体の水に吸収されやすくなり光量が減少してしまいます。可視域では眩しく、光強度の安全基準が厳しくなります。その為、バランスが取れた近赤外領域(840nm、1064nm、1310nm、1550nm、1700nm帯など)を用います。

12.視力0.2のLandolt環の切れ目視角[分]はどれか。

  1. 0.1
  2. 0.5
  3. 1
  4. 5
  5. 10

正解・・4

視力=1/視角[分]としますので、0.2=1/視角から、視角[分]=1/0.2=5[分]

少数視力1.0の視角は1′

13.遠点が2m、近点が50 cmの場合の調節力[D]はどれか。

  1. 0.5
  2. 1.0
  3. 1.5
  4. 2.0
  5. 2.5

正解・・3

D=1/焦点距離[m]から、遠点2mはD=1/2=0.5[D]の近視、近点50cmはD=1/0.5=2[D]。0.5[D]から2[D]に必要となる調節力は、その差であるAc=1.5[D]

14.疾患と視野の組合せで正しいのはどれか。

  1. 緑内障 - 中心暗点
  2. 下垂体腫瘍 - 同名半盲
  3. 網膜色素変性 - 管状視野
  4. 虚血性視神経症 - 水平半盲
  5. 視神経炎 - 求心性視野狭窄

正解・・4

緑内障は、視神経に異常が起こるため盲点が上下に拡大するBjerrumブエルム暗点/Seidelザイデル暗点がみられ、鼻側狭窄、視野全体が狭くなる求心狭窄。

下垂体腫瘍は、視交叉付近に生じるため両耳側半盲。

網膜色素変性は、杆体の変性であるため夜盲であり、輪状暗点、求心狭窄。

虚血性視神経症は、虚血となる部位により視野欠損箇所は異なり、中心暗点や水平半盲(上方/下方の半盲)で非炎症性。

視神経炎は、中心暗点などで炎症性。

15.疾患と検査の組合せで正しいのはどれか。

  1. 白内障 - EMG
  2. 視神経炎 - VEP
  3. 網膜剝離 - ENG
  4. 網膜静脈閉塞症 - EOG
  5. 開放隅角緑内障 - ERG

正解・・2

(5も正解⁉・・正常眼圧緑内障ではphNRの振幅が低下する!? pERGで神経節細胞機能障害の早期発見が可能⁉ phNRでは眼圧低下後の緑内障機能障害の可逆的側面を検出可能!?)

EMG(electromyography)は筋電図。

VEP(visual evoked potential)は視覚誘発電位。視神経炎、多発性硬化症などの視神経の診断。

ENG(electronystagmogram)は電気眼振図。神経眼科領域で用いるEOGと同義語。めまい、平衡障害の診断。

EOG(electrooculogram)は眼球電位図。左右の内眼角と外眼角に電極を装着し、Best病、ぶどう膜炎、網膜色素変性症などの網膜色素上皮(RPE)の診断。

ERG(electroretinogram)は網膜電図。角膜上に電極を設置し、網膜色素変性症などの網膜(視細胞、双極細胞)の診断。ff(全視野刺激:full field)ERGでは錐体と杆体の網膜全体、mf(他局所:multifocal)ERGでは錐体の網膜中心、p(pattern)ERG及びffERG明所視陰性応答(phNR:photopic negative response)では神経節細胞の機能を評価します。

16.外眼筋について正しいのはどれか。

  1. 平滑筋である。
  2. 内直筋は後転しても運動制限は生じない。
  3. 強度近視眼ではプリーの位置異常がみられる。
  4. すべての筋は Zinn 総腱輪を起始部としている。
  5. 強膜への付着部は外直筋が最も角膜輪部に近い。

正解・・3

収縮性蛋白質が束になった筋繊維は横紋筋と平滑筋があり、平滑筋は内臓や血管などに存在する筋肉疲労が少ない不随意筋。外眼筋は随意的に素早く動かせる横紋筋。

横紋筋の弛緩と収縮(ミオシンがアクチンに入り込む)

内直筋が後転しますと、内転作用が弱化し眼球運動に制限が出ることもあります。

Pulleyプーリー の直訳は滑車を意味し、眼窩pulleyとは眼球赤道部を囲む内外上下の直筋を結ぶ眼窩結合組織であり、コラーゲン、エラスチン、平滑筋から構成されます。

外眼筋の起始点は、上斜筋と内外上下直筋は総腱輪、下斜筋は下眼窩縁の内側です。

外眼筋の起始点(総腱輪、下斜筋のみが眼瞼縁内側)

直筋の強膜への付着部位は角膜縁から内直筋5mm、下直筋6mm、外直筋7mm、上直筋8mmですので、最も角膜輪部に近いのは内直筋です。

外眼筋の位置、外眼筋の強膜への付着部位

17.輻湊けいれんについて正しいのはどれか。

  1. 散瞳する。
  2. 外斜視となる。
  3. 眼瞼下垂を合併する。
  4. 調節けいれんを合併する。
  5. Parinaud 症候群で生じる。

正解・・4

輻輳痙攣とは、輻輳が異常に過剰になった状態です。縮瞳し、内斜視となり、調節痙攣を伴います。

眼瞼痙攣では、ヒステリー性眼瞼下垂を伴います。

Parinaudパリノー 症候群とは脳幹性の垂直注視麻痺(上下注視麻痺)であり、輻輳異常と瞳孔異常を伴いやすい。視蓋前域の病変によるものと考えられ、眼瞼を閉じると眼球が上転する Bell現象は(+) となる。中枢性(核上性)麻痺ではBell現象は存在するが、末梢性(核、核下性)麻痺では消失する。

18.麻痺性斜視で第1偏位が第2偏位より小さいことを示す法則はどれか。

  1. Knapp の法則
  2. Hering の法則
  3. Listing の法則
  4. Donders の法則
  5. Sherrington の法則

正解・・2

麻痺性斜視とは、注視方向により偏位差があるもので、偏位差がないものは共同性斜視といいます。通常、生じたばかりでは第1偏位(健眼で固視した時の麻痺眼の偏位)< 第2偏位(麻痺眼で固視した時の健眼の偏位)となり、へリングの法則によるものです。

Heringへリング の法則とは、両眼神経支配の原理で、同一の神経支配である両眼は片眼のみを自在に動かせないという法則です。例として、左方視では左眼外方に右眼内方に動きます。調節では両眼共に働きます。他に、片側眼瞼下垂で右側眼瞼下垂の治療をした場合には正常な左側の眼瞼が下がってしまいます。

片眼 眼瞼下垂での、へリングの法則

Knappナップ の法則とは、矯正レンズを後頂点位置と眼の第一焦点が一致するように装用させればShape factor(レンズ形状による要因)を無視すれば軸性屈折異常に対して常に網膜像の大きさは同じとなる法則。例えば、軸性不同視に対しての眼鏡矯正では不等像視による影響は少ないとされる(実際の眼鏡矯正には適用できないとする報告もある)。

ナップの法則

Listingリスティング の法則とは、視線移動は第1眼位の方向に直交するListingの平面内にある軸を中心に1回転で全ての眼位に到達できるとする法則。例えば、Helmholtzの座標系(水平軸を中心に回転した後に垂直軸で回転する)と、Fickの座標系(垂直軸で回転した後に水平軸で回転する)では視線方向が同じでも回旋眼位が異なりますが、Listingの平面では回転軸のずれによる偽回旋が生じない。

左下向きの眼球回旋(ヘルムホルツの座標系、フィックの座標系、リスティングの平面)

Dondersドンデルス の法則とは、頭部が直立し固定された状態で遠方視をしている回旋眼位は、そこに至る眼球運動の経路とは関係なく一定であり、水平眼位と垂直眼位により決まるという法則。

Sherringtonシェリントン の法則とは、運動ニューロンの活性化により筋緊張が調節され、中枢神経からの指令により筋肉が収縮され、一方で拮抗筋が弛緩される(相互神経支配の原理)という法則。例えば、外転する場合には外直筋の神経活動は増加し、内直筋は弛緩します。

19.標準的な正視眼が1D近視化した場合の眼軸長の変化[mm]はどれか。

  1. 0.1
  2. 0.3
  3. 0.5
  4. 0.8
  5. 1.0

正解・・2

眼軸の1mm伸長が約3.00Dの近視化ですので、1Dでは約0.33mmです。

20.2mの距離で基底方向に像が5cmずれる場合のプリズム度数[Δ]はどれか。

  1. 1.0
  2. 2.5
  3. 5.0
  4. 7.5
  5. 10.0

正解・・2

1Δで1m先の像が1cmのずれます。2m先で5cmずれる場合と等しいのは、1m先で2.5cmずれる場合ですのでプリズム度数は2.5[Δ]。

21.点眼麻酔を必要とする涙液検査はどれか。

  1. 綿糸法
  2. Schirmer 試験Ⅰ法
  3. Schirmer 試験Ⅰ変法
  4. Schirmer 試験Ⅱ法
  5. 涙液層破壊時間〈BUT〉

正解・・3

綿糸法とは、下眼瞼の外側1/3の部分に挟み込まれた綿糸(pH指示薬:フェノールレッドで染色)が15秒で濡れる長さ(結膜嚢内の涙液貯留量)を測る方法。正常値は10~20mm以上。

フェノールレッド用カラーチャート

Schirmer試験Ⅰ法は、下眼瞼の外側1/3の部分に挟まれたSchirmer試験紙(5×35mm)が5分で濡れる長さを測る方法(涙の全分泌量:涙液貯留量、試験紙による結膜表面刺激の反射性涙液分泌量)です。正常値は10mm以上、5mm以下が異常値。

Schirmer試験Ⅰ変法は、点眼麻痺薬(ベノキシール)にて反射性涙液の分泌を抑え、それ以外の涙液量を測定する方法。

Schirmer試験Ⅱ法は、鼻腔粘膜を綿棒で刺激して分泌される涙の量を測定する方法。

涙液層破壊時間〈tear film break up time:BUT〉は、開瞼後から液膜が破れdark spotが現れるまでの時間。フルオレセイン蛍光色素を点眼した涙を細隙灯顕微鏡で観察し、通常は3回測定した平均値で涙の質を評価します。正常値は10秒以上、5秒以下が異常値。

22.レンズの度を示す。これに相当するレンズの組合せはどれか。

  1. -1.50 D cyl +3.50 D 135°
  2. +2.00 D cyl -3.50 D 45°
  3. +2.00 D cyl -0.50 D 135°
  4. cyl+2.00 D 45°cyl-1.50 D 135°
  5. cyl+2.00 D 135°cyl-1.50 D 45°

正解・・4

レンズの度を示した図は、①~③の何れかになります。

① Cプラス表示: S−1.50 C+3.50 Ax45°
② Cマイナス表示: S+2.00 C−3.50 Ax135°
③ CC表示: C+2.00 Ax45°C−1.50 Ax135°

23.点眼薬に含まれる防腐剤の副作用はどれか。2つ選べ。

  1. 眼瞼炎
  2. 眼圧上昇
  3. 水晶体混濁
  4. 角膜上皮障害
  5. 網膜色素沈着

正解・・1、4

点眼薬の防腐剤による副作用では、過敏症による眼瞼炎、塩化ベンザルコニウムによる蛋白質の変性で角膜炎が起こることなどがあります。

炎症を抑えるステロイド点眼薬の副作用では、血管収縮作用による眼圧上昇(ステロイド緑内障)、水晶体混濁(ステロイド白内障)などがあります。

眼圧を下げるトラボプロストなどのプロスタグランジン系の点眼薬では、虹彩や眼瞼への色素沈着があります。

24.固定式眼底カメラについて誤っているのはどれか。

  1. 直像である。
  2. リング照明である。
  3. 対物レンズの汚れは黒く写る。
  4. 散瞳型眼底カメラでは5〜6mm の瞳孔径が必要である。
  5. 視度調節はフォーカシングスクリーン上にピントが合うように調節する。

正解・・3

リング照明や非球面対物レンズを用いることで、角膜や対物レンズからの表面反射によるフレアやゴースト対策をしています。

リング状の照明光束を用いて、少ない眼底反射を捉えやすくする工夫

無散瞳型眼底カメラの所要最小瞳孔径は約φ2~3mmまでであり検査機器により様々です。散瞳型眼底カメラでは瞳孔径が大きい方が黄斑部から周辺部までの広い範囲の観察が可能となります。

25.Goldmann視野計で動的量的視野測定を行った結果.別冊No. 10を別に示す。Aの暗点を測定した視標はどれか。

  1. Ⅴ/4
  2. Ⅱ/4
  3. Ⅰ/4
  4. Ⅰ/3
  5. Ⅰ/2

正解・・1

光源はⅤ~Ⅰと小さくなり、4~1(5dBずつ)、e~a(1dBずつ)と暗くなります。

イソプター(等感度線)はそれぞれの視標の感度限界を示し、光源が小さく弱いほどイソプターも小さくなります。

Aの暗点はⅠ/4いちのよん のイソプターよりも内側にあり、光源が大きく明るいⅤ/4 ごのよんの視標でも見えない中心暗点となります。

26.限界フリッカ〈中心フリッカ〉検査の結果に影響しないのはどれか。

  1. 年 齢
  2. 瞳孔径
  3. 屈折矯正
  4. 検査距離
  5. 背景輝度

正解・・3

中心フリッカー検査(CFF)とは、一定の速度で点滅する光のちらつきを感じなくなる周波数を調べる検査です。正常値は50Hz~35Hzで、25Hz以下では視神経の異常が疑われます。屈折異常や、軽度の中間透光体混濁は結果に影響されにくく、臨床的には上昇法と下降法から総合的にフリッカー値を求めます。

27.超音波Aモードで測定しないのはどれか。

  1. 角膜厚
  2. 眼軸長
  3. 網膜厚
  4. 水晶体厚
  5. 前房深度

正解・・3

超音波Aモードでは光軸上の角膜表面から内境界膜までのエコーの差を測定します。

光学式では視軸上の涙液表面から網膜色素上皮層までを光干渉法で再現性高く捉えることができます。

28.点眼薬はどれか。2つ選べ。

  1. インドシアニングリーン
  2. エドロホニウム塩化物
  3. チモロールマレイン酸塩
  4. フェニレフリン塩酸塩
  5. フルオレセインナトリウム

正解・・3、4

インドシアニングリーンとフルオレセインナトリウムは、静脈内に投与されることで蛍光眼底造影検査などに用いられます。インドシニアグリーン蛍光眼底造影(IA)は網膜下の脈絡膜血管、フルオレセイン蛍光眼底造影(FA)は網膜の毛細血管の評価に適しています。

エドロホニウム塩化物は、静脈内に投与することで重症筋無力症の診断などに使用されます。

チモロールマレイン酸塩は、チモロール点眼液として緑内障や高眼圧症の治療に用いられます。

フェニレフリン塩酸塩は、フェニレフリン点眼薬として開放隅角緑内障での散瞳薬などに使用されます。

29.検査と正常範囲内の値との組合せで正しいのはどれか。

  1. 回旋偏位の感覚融像域 - 3°
  2. 眼 圧 - 5 mmHg
  3. 眼瞼挙筋機能 - 7 mm
  4. 上下偏位の感覚融像域 - 11°
  5. 輻湊近点 - 19 cm

正解・・1

感覚融像域の正常範囲は、回旋では6~10°、上下では1~2°と5°、水平では−4°~+20°。

正常眼圧は10~21mmHg。

眼瞼挙筋機能は10~15mm以上。

輻輳近点の正常値は眼前約8cm。

30.眼科検査器具(別冊No. 20)を別に示す。この器具で定量できるのはどれか。2つ選べ。

  1. 黄斑偏位
  2. 回旋偏位
  3. 上下偏位
  4. 水平偏位
  5. γ 角

正解・・3、4

単独プリズムが左下から、1,2,4,6,8,10,12,14,16,18,20,25,30,35,40,45,50Δの順で並んでいます。水平又は垂直の斜視測定で使用されます。

31.倒像鏡検査で正しいのはどれか。

  1. 集光レンズを用いる。
  2. 直像鏡より視野が狭い。
  3. 直像鏡より倍率が高い。
  4. 上下は逆転するが左右は逆転しない。
  5. レンズ板を回してピントを合わせる。

正解・・1

倒像鏡では集光レンズ(+14D、+18D、+20D、+23D、+28D)を用います。視野が広く眼底周辺部までの観察が可能ですが、低倍率で上下左右反転します。

直像鏡は凸レンズ不要で、視野は狭いですが高倍率です。ピント合わせでは、のぞき窓から遠方が鮮明に見えるようにレンズ回転盤を回して視度調整します。

32.4プリズム基底外方試験に関係しないのはどれか。

  1. 複 視
  2. 抑 制
  3. 融 像
  4. 調節力
  5. Hering の法則

正解・・4

4プリズム基底外方試験とは、4ΔBOに装用させることで日常両眼視の有無や中心窩抑制暗点(中心窩融像)の有無を検出するための検査です。自覚的な複視の有無、他眼の動きの有無などで中心窩抑制暗点、中心窩融像などをみます。

右眼に4ΔBO装用させた時の、左眼の動き

Helingへリングの法則とは、対となる筋肉群が互いに運動生理学的に関連し合うという法則です。両眼筋は同じ神経分岐の支配を受けているため、一眼だけ他眼と無関係に動かすことはできません。例えば、非対称輻輳時にへリングの法則に従う眼球運動がみられます。

33.Hess赤緑試験が測定できないのはどれか。

  1. 斜 位
  2. 斜 視
  3. 交代性上斜位
  4. 網膜対応欠如
  5. double elevator palsy

正解・・4

Hessヘス赤緑試験では、赤緑レンズを用いて9方向の眼位を下図のように記録し、麻痺筋を特定します。視標を左右で完全に分離するため運動性融像の介入がなく検査できます。麻痺筋や眼位ずれが無ければ、背景の格子に沿ってずれが無くプロットされます。

Hess赤緑試験(例:左眼の上斜筋(滑車神経)麻痺)

double elevator palsy(DEP)とは、単眼性上転障害により下斜視となる状態のことで、多くは眼瞼下垂を伴います。

34.両眼注視野検査で測定できるのはどれか。

  1. 複像間距離
  2. 周辺視野の広さ
  3. ひき運動の範囲
  4. 運動性融像の限界
  5. 眼筋の最大可動域

正解・・4

単眼注視野は単眼でのひき運動の可動範囲、両眼注視野は両眼でのむき運動で単一視できる範囲をいいます。

運動性融像とは、網膜非対応の左右眼像(複視の状態)により働き、自覚的な感覚性融像を可能にさせるために生じる融像です。

35.患者とのコミュニケーションで適切なのはどれか。2つ選べ。

  1. 患者が発した言葉を遮る。
  2. 語尾まで明瞭に発音する。
  3. 聞き取りにくい声の大きさで話す。
  4. 専門用語を用いて検査の説明をする。
  5. 患者の訴えに応じてうなずきながら聞く。

正解・・2、5

36.角膜トポグラフィについて誤っているのはどれか。

  1. 正乱視の評価ができる。
  2. 不正乱視の評価ができる。
  3. 角膜の屈折力を測定している。
  4. 測定にマイヤー像(環)を利用している。
  5. 青色は角膜の屈折力が強いことを示している。

正解・・5

角膜形状解析ができる角膜トポグラフィには、角膜周辺部までの屈折力測定が可能なプラチドリング方式、角膜後面までスキャン可能なスリットスキャン方式、青色LEDによるスリット光を回転させ斜めから撮影するシャインプルーク方式、近赤外線による光干渉を用いる前眼部OCTなどがあります。

角膜形状解析の画像例

37.Adie症候群について正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 縮瞳を伴う。
  2. 眼瞼下垂を伴う。
  3. 近見反応は保たれる。
  4. 膝蓋腱反射が減弱する。
  5. 直接対光反射が正常である。

正解・・3、4

Adieアディー症候群は瞳孔緊張症ともいい、対光反応微弱、近見反応(+)、片眼性で散瞳を伴います。腱反射が消失しており、脊髄癆に類似します。塩化メタコリンに著明に反応し縮瞳します。

38.正常眼圧緑内障で正しいのはどれか。

  1. 閉塞隅角である。
  2. 角膜径が拡大する。
  3. 悪心と嘔吐とを伴う。
  4. 日本人に少ない病型である。
  5. 視神経乳頭陥凹の拡大を伴う。

正解・・5

正常眼圧緑内障は、健常眼圧を超える開放隅角の緑内障です。日本人に多く、視神経萎縮、鼻側狭窄、乳頭陥凹の拡大を伴います。

閉塞隅角緑内障では、急激な視力低下、眼痛があります。頭痛、悪心、嘔吐がしばしば合併し、角膜浮腫による混濁、瞳孔の散大、前房が浅く、結膜充血が強くみられます。

39.緑内障の視野障害で誤っているのはどれか。

  1. 鼻側階段を生じる。
  2. 弓状暗点を生じる。
  3. 早期は自覚に乏しい。
  4. 眼底所見と対応する。
  5. 固視点は障害されやすい。

正解・・5

開放隅角緑内障では、初期は自覚がなく、弓状暗点を生じ、進行すると輪状暗点になり、鼻側水平線上で上下に食い違うと鼻側階段になります。鼻側階段は、上下の神経線維の侵され方の差異によるものです。

40.網膜色素変性で正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 輪状暗点を生じる。
  2. 停止性夜盲である。
  3. ERG は正常である。
  4. 網膜血管の拡張を認める。
  5. 骨小体様色素沈着を認める。

正解・・1、5

網膜色素変性は、遺伝形式として常染色体劣性遺伝が多く、変性は杆体と網膜色素上皮から始まり、錐体と脈絡膜へと及びます。そのため輪状暗点から内外へと進行し求心狭窄となります。眼底には骨小体様色素沈着を特徴とします。ERGは早期から減弱ないし消失します。網膜血管は狭細化、進行すると視神経萎縮になります。

小口病(Oguchi’s disease)は、暗順応が非常に遅く、夜盲はあるが停止性。明順応、視力、視野、色覚は異常なし。

41.我が国の社会的失明の原因で1位と2位の疾患はどれか。2つ選べ。

  1. 緑内障
  2. 白内障
  3. 加齢黄斑変性
  4. 網膜色素変性
  5. 糖尿病網膜症

正解・・1、5

過去の視覚障害者手帳交付の原因疾患は1位:緑内障、2位:糖尿病網膜症、3位:網膜色素変性症、4位:黄斑変性症、5位:脈絡網膜萎縮でした。

2024年では順位が異なります。

2019年:社会的失明の原因疾患(視覚障害者手帳の新規取得者)

42.感染性角膜炎について正しいのはどれか。

  1. 結膜囊常在菌は起炎菌にならない。
  2. 両眼に生じると角膜ジストロフィと呼ぶ。
  3. 緑膿菌による角膜炎は急速に進行しやすい。
  4. アカントアメーバ角膜炎は抗菌薬が著効する。
  5. 発症の誘因として副腎皮質ステロイド薬点眼が最も多い。

正解・・3

角膜ジストロフィとは、原発性、遺伝性の角膜混濁です。小児期から青年期に発病し、徐々に進行します。炎症症状はないが進行すると視力障害があります。

アカントアメーバ角膜炎に特異的に効果のある薬剤は現時点では無く、角膜病巣部の搔爬そうはでアカントアメーバを除去することが最も効果的な治療法です。

本邦における発症誘因はCL装用によるものが最多を占め、原因微生物では細菌(ブドウ球菌、肺炎球菌、緑膿菌、モラクセラ桿菌など)が最も多く、ウイルス(単純ヘルペスウイルス:HSV、水痘帯状疱疹ウイルス:VZV、サイトメガロウイルス:CMVなど)、真菌(酵母様真菌、糸状菌)、アカントアメーバと次ぐ。

43.先天無虹彩に合併しないのはどれか。

  1. 眼 振
  2. 緑内障
  3. 水晶体偏位
  4. 黄斑低形成
  5. ぶどう膜炎

正解・・5

無虹彩症では、視力障害、羞明、眼振などがあり、角膜症、白内障、緑内障、黄斑低形成などを合併しやすい。

44.有機リン中毒でみられるのはどれか。

  1. 縮 瞳
  2. 網膜出血
  3. 調節麻痺
  4. 水平半盲
  5. 角膜の色素沈着

正解・・1

有機リン系殺虫剤での中毒症状は、頭痛、嘔気・嘔吐、めまい、縮瞳、歩行困難、言語障害、視力減衰、意識混濁、血圧上昇などです。

有機リン中毒は、アセチルコリンを分解する酵素(コリンエステラーゼ)の働きが阻害されることにより、神経終末にアセチルコリンが蓄積され神経障害が起こります。

45.身体表現性障害〈心因性視能障害〉について誤っているのはどれか。

  1. 女性に多い。
  2. 片眼性である。
  3. 学童期に好発する。
  4. 水玉状視野を呈する。
  5. 光干渉断層計〈OCT〉所見は正常である。

正解・・2

心因性視能障害における視野は、求心性視野狭窄、らせん状視野(徐々に視野が縮んでいき螺旋状になる)、管状視野(検査距離が伸びても視野の拡大がみられない)、花環状視野(視野境界部がランダムな凹凸状)、水玉状視野(視野全域にわたり暗点の散在)などですが、眼球には器質的疾患は認められない。

46.Sturge-Weber症候群でみられる所見はどれか。

  1. 内斜視
  2. 小眼球
  3. 緑内障
  4. 虹彩結節
  5. 円錐角膜

正解・・3

Sturge-Weberスタージ・ウェバー症候群では、緑内障、同側母斑を伴い、顔面血管腫と同側で虹彩異色。脈絡膜血管腫、脈絡膜が暗く見え、脳内病変による眼症状があります。

47.上直筋麻痺と上斜筋麻痺に共通する眼球偏位はどれか。

  1. 外 斜
  2. 上 斜
  3. 内 斜
  4. 外方回旋
  5. 内方回旋

正解・・4

外眼筋は下図のように付着するため、外転時には外直筋、上直筋、下直筋が作用し、内転時には内直筋、上斜筋、下斜筋が作用します。内方回旋では上直筋と上斜筋、外方回旋では下直筋と下斜筋が作用します。

右眼:外眼筋の付着

外転時では上直筋は上転作用、下直筋は下転作用。内転時では上直筋は内方回旋作用、下直筋は外方回旋作用。内転した位置では上直筋は外方回旋作用、下直筋は内方回旋作用へと変わります。

外眼筋の働き(第一眼位)

48.頭位異常をきたさないのはどれか。

  1. 眼瞼下垂
  2. 潜伏眼振
  3. 眼位性眼振
  4. 外転神経麻痺
  5. 滑車神経麻痺

正解・・2

動眼神経麻痺による眼瞼下垂などでは頭位異常をきたします。

潜伏眼振は、片眼を遮蔽すると発現するか増強する眼振ですので、平常は頭位異常をきたしません。

眼位性眼振は、眼の位置により眼振の程度に差がみられるもので、眼振が軽快または消失する視方向(静止位)があります。

外転神経麻痺では、外直筋が麻痺し、眼位は内斜視になることが多い。

滑車神経麻痺では、上斜筋が麻痺し、眼位は上斜視、外方回旋と軽度の内斜視となり、眼球運動としては内下転の障害がみられます。複視を避けるために頭位異常を示す事が多い。

49.静止位がなく振幅の大きい眼振に対する手術はどれか。

  1. 後藤法
  2. 水平4直筋大量後転
  3. Anderson 法
  4. Kestenbaum 法
  5. Hummelsheim 法

正解・・2

後藤法やAnderson法、Kestenbaum法(後藤法+Anderson法)は静止位を正面に移動させる方法です。

水平4直筋大量後転や水平4直筋切腱再縫着術では眼振の減弱が期待できます。

Hummelsheim法は、麻痺性内斜視の筋移動術法です。

50.内直筋と外直筋とを上直筋付着部へ移動するのはどれか。

  1. 甲状腺眼症
  2. 固定内斜視
  3. Brown 症候群
  4. Duane 症候群
  5. double elevator palsy

正解・・5

単眼性上転障害により下斜視となるdouble elevator palsy(DEP)では、内直筋と外直筋を上直筋付着部に移動するKnapp法が選択されます。

51.ロービジョンケアを行う際に適切でないのはどれか。

  1. 共感的な態度で接する。
  2. 患者の訴えを傾聴する。
  3. 指示的な態度で接する。
  4. 受容的な態度で接する。
  5. 個々に合わせたニーズに対応する。

正解・・3

52.弱視訓練の効果判定で誤っているのはどれか。

  1. 眼 位
  2. 視 力
  3. 立体視
  4. 固視状態
  5. 読み分け困難

正解・・1

器質弱視は、視力低下の原因により栄養性弱視、中毒性弱視、先天性弱視などと呼ばれ、眼構造的に正常な視路の機能が損なわれた為に生じる弱視です。弱視訓練での効果は困難です。

機能弱視は、ヒステリー弱視、屈折弱視(同等視弱視、不同視弱視など)、斜視弱視などがあります。構造的(網膜受容野、視路)欠陥や疾患的な問題もないのに視機能に不調を帰す弱視です。弱視訓練で効果が得られます。

53.内斜視の矯正効果がある眼鏡レンズはどれか。2つ選べ。

  1. 二重焦点レンズ
  2. 近視過矯正レンズ
  3. 遠視低矯正レンズ
  4. 乱視完全矯正レンズ
  5. 基底外方プリズムレンズ

正解・・1、5

調節性輻輳を抑える二重焦点レンズ。視線を外方へ補正する基底外方プリズムレンズ。

54.疾患と診断のための検査との組合せで誤っているのはどれか。

  1. 視神経炎 - 動的視野検査
  2. 外眼筋炎 - 大型弱視鏡検査
  3. 甲状腺眼症 - 眼窩 MRI
  4. 重症筋無力症 - 抗アセチルコリン受容体抗体価
  5. 眼窩吹き抜け骨折 - 眼窩 CT

正解・・2

視神経炎の診断では、視力検査、ゴールドマンの動的視野検査やハンフリーの静的視野検査、眼底検査などを行います。

大型弱視鏡ではシノプト9方向眼位の偏位を定量検査できますが、外眼筋炎の診断には眼窩CTや眼窩MRIによる画像診断などを行います。

甲状腺眼症の診断では、眼窩MRIなどの画像診断にて眼球突出、外眼筋の腫大などを検査します。

重症筋無力症の診断では、抗AChR抗体測定、易疲労症と筋力低下の日内変動などを検査します。

55.手術適応とならないのはどれか。

  1. 乳児内斜視
  2. 間欠性外斜視
  3. 調節性内斜視
  4. 恒常性外斜視
  5. 部分調節性内斜視

正解・・3

完全調節性内斜視の治療は手術ではなく、遠視の完全矯正です。調節性内斜視と非調節性の内斜視が合併している部分調節性内斜視では手術適応になります。

56.斜視手術と副作用の組合せで誤っているのはどれか。

  1. 外直筋後転 - 外転制限
  2. 内直筋短縮 - 同側複視
  3. 下直筋後転 - 下眼瞼後退
  4. 上直筋短縮 - 内方回旋複視
  5. 下斜筋前方移動 - 上転制限

正解・・4

上直筋は上転、内転、内方回旋の作用があります。上直筋短縮の副作用は外方回旋複視です。

57.near penalization法を10 Dの調節力がある弱視に行った場合、健眼の明視距離で正しいのはどれか。

  1. 眼前 100 cm から眼前 33 cm
  2. 眼前 80 cm から眼前 10 cm
  3. 無限遠から眼前 33 cm
  4. 眼前 33 cm のみ
  5. 無限遠のみ

正解・・5

ペナリゼーション法とは、健眼に不完全遮蔽のペナルティーを与えて弱視眼の視力増強をさせる方法です。

near penalization法では、健眼に調節麻痺剤と完全矯正眼鏡の装用、弱視眼に完全矯正度数にS+3.00Dを付加した眼鏡装用。10 Dの調節力がある弱視に行った場合の明視距離は、健眼では無限遠のみ、弱視眼では眼前1/3[m]~1/(3+10)[m](眼前33cm~7.7cm)。

far panalization法では、健眼に調節麻痺剤と完全矯正度数にS+3.00Dを付加した眼鏡装用、弱視眼に完全矯正眼鏡の装用。10 Dの調節力がある弱視に行った場合の明視距離は、健眼では眼前33cmのみ、弱視眼では無限遠方~7.7cm。

58.大型弱視鏡による融像訓練で抑制が起こりやすいスライドはどれか。2つ選べ。

  1. 図形が複雑である。
  2. 融像部分が大きい。
  3. 融像部分の色が濃い。
  4. チェックマークが融像部分の内側にある。
  5. チェックマークが融像部分から離れている。

正解・・1、4

チェックマークの例

抑制が起こりやすいのは、形が複雑、融像部分が小さい、色が不鮮明、チェックマークが接していたり内部にあるもの。

59.学校における座席配置を図に示す。病態とその患者に用意する座席の組合せで適切でないのはどれか。

  1. 左 Duane 症候群Ⅰ型 - ①
  2. 左方向に静止位のある眼振 - ②
  3. 右外転神経麻痺 - ③
  4. 右下斜筋過動 - ④
  5. 左 Brown 症候群 - ⑤

正解・・3

Duaneデュアン症候群Ⅰ型では外転障害と内転時の眼球後退、Ⅱ型は内転障害、Ⅲ型は外転と内転の障害。 外転神経麻痺では、内斜視を生じ、同側性の複視を自覚し外転で憎悪します。

60.問題指向型診療記録で誤っているのはどれか。

  1. 主訴は患者の言葉を記載する。
  2. 患者の社会的状況の記録を含む。
  3. 視能訓練士の主観的記録を作成する。
  4. 問題点の共有は多職種連携につながる。
  5. 視能評価に対応して視能矯正を計画立案する。

正解・・3

問題指向型診療記録(problem oriented medical record:POMR)の作成では、基礎データ、問題リスト、初期計画、経過記録があります。

経過記録(subjective、objective、assessment、plan:SOAP)では、患者の主観的情報をそのまま、検査結果や評価などの客観的情報、経過の総括的評価、問題解決についての計画を記載します。

61.斜位近視で正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 縮 瞳
  2. 眼精疲労
  3. 近見障害
  4. 輻湊けいれん
  5. 恒常性外斜視

正解・・1、2

斜位近視とは、外斜視を調節性輻輳により左右の眼位の向きを合わせること起こる近視です。そのため、近見反応による縮瞳、調節での眼精疲労が起こります。

輻輳けいれんでは両眼が内転し続け、縮瞳や近視化が起こります。主な原因は心因性とされます。

恒常性外斜視では、常に外斜視になっていますので、調節性輻輳により眼位の向きを合わせることができません。

62.麻痺性斜視の融像訓練で正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 調節力を増強させる。
  2. 抑制野を拡大させる。
  3. 運動性融像の強化を行う。
  4. 複視のあるむき眼位で行う。
  5. 感覚性融像を安定化させる。

正解・・3、5

麻痺性斜視の融像訓練では、プリズム療法、衝動性眼球運動(saccade)訓練、輻輳訓練、fusion lock training(融像固定訓練)などがあります。

63.斜視弱視を生じないのはどれか。

  1. 顕性斜視
  2. 恒常斜視
  3. 先天斜視
  4. 潜伏斜視
  5. 片眼斜視

正解・・4

斜視弱視とは、使用されない斜視眼の視力が発達せずに弱視となるものです。通常は先天性な内斜視で起こり、偏心固視により視力は不良である。

潜伏斜視は、融像が不可能な状態で左右の注視点からずれる眼位(斜位)のことです。物体に視線を一致させることで融像可能であれば斜視弱視を生じません。

64.右への顔の回転で症状が軽快するのはどれか。

  1. 左上斜筋麻痺
  2. 右 MLF 症候群
  3. 左外転神経麻痺
  4. 右 Duane 症候群Ⅱ型
  5. 右側方に静止位のある先天眼振

正解・・1

左上斜筋麻痺では、左眼の内方回旋と内転時の下転が麻痺します。

左上斜筋麻痺:症状軽快する頭位

左眼が内方回旋しないように頭部は右へ傾斜し、左眼が内転しないように右への顔回し、左眼が下転しないように顎引きをすることで症状が軽快します。

左上斜筋麻痺:9方向むき眼位

Duane症候群Ⅱ型は内転制限です。右眼がデュアン症候群Ⅱ型では左への顔回転で症状の軽快。

65.斜視特殊型で正しいのはどれか。

  1. 甲状腺眼症では眼瞼下垂がみられる。
  2. 外眼筋ミオパチーでは Graefe 徴候がみられる。
  3. Brown 症候群では内上転障害がみられる。
  4. Duane 症候群では外転時 upshoot がみられる。
  5. general fibrosis syndrome では Bell 現象がみられる。

正解・・3

Brown症候群では上斜筋の伸展障害(上斜筋腱が短いなど)により、内転位での上転が障害されます。顔回しや顎あげにより症状の軽快。

斜視特殊型で眼瞼下垂がみられるのは重症筋無力症。甲状腺眼症ではGraefeグレーフェ徴候(眼瞼遅滞)、Dalrympleダルリンプル徴候(上眼瞼後退)、Möbiusメビウス徴候(輻湊不全)、Giffordギフォード徴候(上眼瞼の翻転困難)、Stellwagステルワーグ徴候(瞬目減少)などがみられます。

general fibrosis syndromeとは外眼筋線維症のことで、眼瞼下垂を伴う場合の手術ではBell現象(閉瞼時の眼球上転)を考慮し矯正手術をしなければ兎眼などにより角膜症を引き起こします。

66.9歳の男児。右眼にボールがあたり、その後から物が2つに見えると訴えて来院した。上方視、正面視および下方視の写真(別冊No. 3)を別に示す。障害されているのはどれか。

  1. 内直筋
  2. 下直筋
  3. 外直筋
  4. 上直筋
  5. 上斜筋

正解・・2

右眼の眼窩吹き抜け骨折により、下直筋の嵌頓かんとんで上転障害が起きています。

67.19歳の男性。疲労時に視線が合わなくなると訴えて来院した。正面眼位および各眼遮閉時の写真(別冊No. 4)を別に示す。この疾患について誤っているのはどれか。

  1. 遮閉眼は内方回旋を伴う。
  2. 頭位異常をきたすことが多い。
  3. 1歳6か月〜3歳で顕性化する。
  4. 先天眼振に合併することが多い。
  5. 上直筋のファーデン手術が適応となる。

正解・・1

交代性上斜位です。疲労時などには非固視眼が上転し外方回旋を伴います。

上直筋を人工的に麻痺させる(後方固定縫合)Fadenファーデン手術が適応となります。

68.24歳の男性。屈折矯正手術を受けてから眼が疲れやすくなったため来院した。視力は 右0.5(1.2×-0.50D cyl-0.50D40°)、左0.1(1.2×-3.50D cyl-0.75D40°)、眼軸長は右 28.4 mm、左 28.6 mm であった。行うべき検査はどれか。

  1. ERG
  2. VEP
  3. 調節力検査
  4. Titmus stereo test
  5. ニューアニセイコニアテスト

正解・・5

左眼の裸眼視力が0.1と完全矯正度数の割に高いですが矯正視力1.2で、左右の眼軸長がほぼ等しいことから、屈折性不同視と推測されます。不等像視の検査はニューアニセイコニアテスト。

69.77歳の男性。視力は右0.4(1.0×-1.25 D cyl-0.75 D 90°)、左0.3 (1.0×-1.75 D)、緑内障で定期的に視野検査をしていたが、今回、右眼の検査の途中で「検査を続けられない」と顎台から顔を離してしまった。検者の対応で誤っているのはどれか。

  1. 休憩を促す。
  2. そのまま検査を続行する。
  3. 検査の目的を再度説明する。
  4. 「検査を続けられますか」と言葉を返す。
  5. 検査中の姿勢が苦しくなかったかどうか尋ねる。

正解・・2

医療行為や治験などにおいて、インフォームド・コンセント(informed:知らせる、consent:同意する)という概念があります。患者は十分理解した上で自由意志に基づいて合意または拒否する権利があります。

医療法1条の4に「医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の医療の担い手は、医療を提供するに当たり、適切な説明を行い、医療を受ける者の理解を得るよう努めなければならない。」とある。

70.68歳の男性。数年前からの上下の複視を主訴に来院した。視力は右0.4(0.9×+1.25 D)、左0.6(0.8×+0.75 D)で、やや顎上げの頭位異常がある。大型弱視鏡検査の結果(別冊No. 5)を別に示す。この患者の診断はどれか。

  1. 左下直筋麻痺
  2. 左上斜筋過動
  3. 右下斜筋過動
  4. 右上斜筋麻痺
  5. 右上直筋麻痺

正解・・5

例えば、中央マス「+2 L/R 6 Ex 8」は水平方向に2°内方偏位、LがRに比べて6°上方偏位、8°の外方回旋偏位を意味します。

右上直筋麻痺:9方向むき眼位

右上方視で「L/R10」と最大となることから、右眼上直筋麻痺となります。

71.65歳の男性。最近、急に右眼が見えにくくなったため紹介されて来院した。視力は右 0.3(矯正不能)、左1.0(矯正不能)。自宅近くの眼科を受診したところ右眼の眼底出血を指摘された。この患者の右眼眼底写真(別冊No. 6)を別に示す。鑑別診断に有用な検査はどれか。2つ選べ。

  1. ERG
  2. 視野検査
  3. 超音波 B モード
  4. 蛍光眼底造影検査
  5. 光干渉断層計@OCTD

正解・・4、5

網膜静脈分枝閉塞症では、蛍光眼底造影検査で血管閉塞の程度、光干渉断層計で浮腫などを評価します。画像下部に扇状の虚血領域がみられ、出血が黄斑にまで及ぶために急な視力低下が起こったものと推測。

72.65歳の女性。ヘアスプレーの飛沫が右眼に入り異物感を自覚して来院した。生体染色を施した前眼部写真(別冊No. 7)を別に示す。診断はどれか。

  1. 角膜潰瘍
  2. 樹枝状角膜炎
  3. 点状表層角膜症
  4. 角膜上皮びらん
  5. 角膜ジストロフィ

正解・・3

角膜上皮が浅く脱落した点状表層角膜症。角膜上皮の基底膜まで達するものを角膜びらん。角膜実質まで及ぶ組織欠損は角膜潰瘍。

73.9歳の女児。他院で間欠性外斜視と診断され、手術目的で来院した。視力は右1.2(矯正不能)、左1.2(矯正不能)である。右眼固視による9方向眼位写真(別冊No. 8)を別に示す。この患児に選択すべき術式はどれか。

  1. 両眼外直筋後転
  2. 両眼外直筋後転下方移動
  3. 両眼内直筋短縮上方移動
  4. 右眼外直筋後転と右眼内直筋短縮
  5. 両眼外直筋後転と両眼下斜筋後転

正解・・5

間歇性外斜視では両眼外直筋後転術を選択しますが、両眼に下斜筋過動(右方視で左眼が内上転、左方視で右眼が内上転)もみられますので両眼下斜筋後転術も選択します。

74.12歳の女児。眼位異常を訴えて来院した。視力は右0.8(1.2×+3.00 D)、左0.8(1.2×+3.00D)である。屈折矯正下で遮閉試験を行ったところ、遠見4Δ内斜位、近見18Δ内斜視である。裸眼では、遠見25Δ内斜視、近見35Δ内斜視である。この患児の AC/A比[Δ/D]はどれか。

  1. 3
  2. 5
  3. 7
  4. 10
  5. 13

正解・・3

遠見から計算すると:Gradient AC/A比=(25Δ−4Δ)/(+3.00D)=7[Δ/D]。
近見からの計算では:Gradient AC/A比=(35Δ−18Δ)/(+3.00D)=5.67[Δ/D]。

75.47歳の男性。1年前の交通外傷の後から複視を自覚するようになったため来院した。大型弱視鏡検査での方向むき眼位(別冊No. 9)を別に示す。この患者に対する術式で正しいのはどれか。

  1. Jensen 法
  2. 原田-伊藤法
  3. 上斜筋移動術
  4. 下直筋耳側移動術
  5. 水平筋上下移動術〈トリック手術〉

正解・・2

原田-伊藤法は上斜筋前部前転術であり、上斜筋麻痺による外方回旋斜視などに選択されていた。手技が比較的容易で手術時間も短縮できる下直筋の鼻側への水平移動術が選択されることが増えている。

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