カラーコンタクトレンズについて

一般消費者、眼鏡作製技能士を志す方に向けて

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カラーコンタクトレンズ素材MPCポリマーと解説

素材 『MPC Polymer』とは

MPCとはC11H22NO6P『2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン』の略です。

MPCを用いたソフトコンタクトレンズは、米国食品医薬品局(FDA)により、乾燥による不快感が感じやすい方にも装用が認められてもいます。

MPCは、保湿剤として皮膚に塗布することで透明の水和ゲル膜を形成し、皮膚刺激緩和、水分蒸散抑制およびバリア機能の低下した各層の各層細胞面積増加によるバリア機能改善など、各層に複合的な効果を付与する事が報告されております。

コンタクトレンズの種類には、ハードソフトがあります。

ハードコンタクトレンズの特徴は、角膜よりも小さいサイズであり、ソフトコンタクトレンズに比べるとズレやすく外れやすいですが、眼に異常がある場合にはすぐに違和感が出る為、気付きやすいです。

一方、ソフトコンタクトレンズの特徴は、水分を含み柔らかい為、眼に馴染みやすく装用感が良いです。角膜よりも大きいサイズであり、外れにくいですが、眼のタンパク質などで汚れやすいです。

コンタクトレンズ(CL)の種類

  • ハードコンタクト
    • PMMA(ポリメチルメタクリレート)素材
      • 非酸素透過性ではあるが、涙による酸素供給は勿論可能。
      • 丈夫で長持ち
    • 含シリコンメタクリレート素材(SiMA:シロキサニルメタクリレート)
      • 酸素透過性が非常に高い
      • 疎水性で、強度はあまり高くない
    • 含フッ素メタクリレート素材(FMA:フルオロアルキルメタクリレート)
      • 酸素透過性が高く、汚れにくい
      • 屈折率が低い
  • ソフトコンタクトレンズ
    • ハイドロゲル素材
      • 含水により酸素がレンズを通る
    • シリコーンハイドロゲル素材
      • 水よりも酸素透過性が高い素材
    • MPCポリマー素材
      • 人の細胞膜の構造をモデルとして開発されており、親水性と保水性に優れ、眼のたんぱく質の付着を防ぐ性質

ソフトコンタクトレンズ(SCL)のグループ分類

ソフトコンタクトレンズは、素材の性質により4つのGroupに分類されます。

  • グループⅠ・・・低含水、非イオン性
  • グループⅡ・・・高含水、非イオン性
  • グループⅢ・・・低含水、イオン性
  • グループⅣ・・・高含水、イオン性

コンタクトレンズに含まれる水分量が50%以上は『高含水』であり、柔らかい為、装用感が良いですが、長い装用では乾燥しやすく眼が乾きやすい特徴があります。

また、高含水率は低含水率のものと比べ、角膜への酸素供給量が多いですが、汚れやすく、脆い性質があります。

含水率

含水率とは、規定とする温度の水中で平衡状態に至るまで含水させ、材質が吸収した水分の増加分と、含水時の重量との比率を%で表示したものです。

含水率が高いほどDk値は高くなります。

Dk値

Dk値とは、酸素透過係数のことで、ある素材が酸素(ガス)をどれだけ通しやすいかを示す値です。

酸素が移動しやすいかの拡散係数(D)と、酸素が外から中へ入りやすいさの溶解係数(k)の積で表されます。

Dk値=(cm2/sec)×(mlO2/ml・mmHg)

実際はレンズの厚みにより変わりますので、酸素透過率Dk/L値として記載されております。

非イオン性素材とイオン性素材

非イオン性素材はイオン性素材と比べ、蛋白質などの汚れが付着しにく汚れにくい性質があります。

  • 非イオン性素材とは、
    • MAなどのイオン性モノマーが含まれていない、もしくは1mol%未満である素材
  • イオン性素材とは、
    • MAなどのイオン性モノマーが1mol%以上含まれている素材

この組み合わせによってグループⅠ~Ⅳに分類されますが、レンズ素材や、表面処理、レンズデザインにより当てはまらないものもあります

DIA(ダイアメーター)とは

レンズの直径のことです。カラーコンタクトレンズの場合には大きい方が黒目が大きく見えます。約12.0~14.0mm位で0.05mm 刻みが多いです。

ソフトコンタクトレンズのDIAは大きめで、ハードコンタクトレンズは小さめに作られています。

B.C(ベースカーブ)とは

レンズ後面における局面を指します。中心部の曲率半径(レンズのカーブ)で表示します。

オフサルモメーターやケラトメーターで測定した角膜曲率半径の中間値に+0.05mm~0.10mmしたものを大体は第一選択の目安とします。

ハードコンタクトレンズでは、BCが角膜曲率半径よりも小さい場合には、レンズ周辺部で角膜との接触が強くなりレンズの動きも小さくなります。その結果、涙液交換も少なくなりますし、角膜浮腫などの角膜障害を起こす原因ともなります。

因みに、このきつい状態を『Steep(スティープ)』といい、ちょうどよい状態を『Parallel(パラレル)』、緩いフィッティング状態を『Flat(フラット)』といいます。

数字としては8.5前後が多いですかね。

処方検査機器の例

  • オフサルモメーター(ケラトメーター)
    • 測定原理は、角膜表面に像を投影し、その反射像を利用して角膜曲率半径を求めるもの
  • フォトケラトメーター
    • 角膜中心から周辺までの曲率半径の形状変化を写真にとる装置
  • プラチド角膜計
    • 約20cmの円板に、白黒縞状の同心円が描かれているもので、中心に空いた穴から被検者の角膜を覗く事で、角膜上に反射された同心円の像が規則的か、不規則かを見れます。角膜表面のスクリーニングに利用されます。
  • 細隙灯顕微鏡(スリットランプ)
    • 前眼部における眼疾患の位置や深さなどの状態を精密に検査するためのものです。特殊な器具を利用して眼圧や眼底を確認する事も出来ます。

色の種類

グレー、ブラウン、ヘーゼル、グリーン、ブルー、ピンクなど様々ですが、

色の種類は、虹彩内のメラニン色素量で決まります。

メラニン色素が少ないと、光の波長よりも小さいサイズの粒子による光の散乱(レイリー散乱)で青く見えるという話しを、以前投稿した『瞳の色について』で話しましたね。

左右で違う色は、ヘテロクロミア(虹彩異色症)やバイアイと呼ばれる話しも『瞳の色について』で話しました。

値段

ピンキリですが、1ヶ月3000~4000円前後位ですかね。

最後に

コンタクトレンズの取り扱い方法を間違えますと、角膜内皮細胞が死滅したり、角膜疾患に直結しますので注意が必要となります。

取り扱い説明書はしっかり読み、医師の指示に従いましょう。

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