第56回午前、視能訓練士国家試験の解答と解説

一般消費者、眼鏡作製技能士を志す方に向けて

Last Updated on 2日 ago by 管理者

1 先天赤緑色覚異常の男性の家族のうち、同様の異常を示すのはどれか。

1.父
2.母
3.妹
4.父方の祖父
5.母方の祖父

正解・・(5)

先天赤緑色覚異常は、X染色体劣勢遺伝により生じます。男性(XY)は異常染色体を1本持つだけで発症し、女性(XX)は2本持たないと発症しません。発症者男性の母は保因者となりますので、祖父もまた発症者となります。

先天赤緑色覚異常は、X染色体劣勢遺伝

2  疾病の要因として、内因的要因はどれか。

1.外 傷
2.過 食
3.加 齢
4.過 労
5.感 染

正解・・3

内因的要因(個人の身体そのものに由来する要因)とは、加齢や遺伝、体質、性別などです。外傷、過食、感染などは外因的要因(外から加わる要因)。過労やストレスなどは社会的要因(生活や社会環境)です。

3 眼底検査が診断に有用でないのはどれか。

1.高血圧
2.糖尿病
3.緑内障
4.回旋斜視
5.先天色覚異常

正解・・5

先天色覚異常は錐体視細胞の光感受性の遺伝的変化により起こる機能異常であるため眼底検査は有用ではありません。しかし、視神経疾患や網膜疾患などによる後天色覚異常は眼底に異常がでるため有用となります。

  • 眼底にみられる異常
    • 高血圧・・細動脈狭窄、口径不整、交叉現象、眼底出血など
    • 糖尿病・・毛細血管瘤、眼底出血、硝子体出血など
    • 緑内障・・網膜神経線維層欠損、乳頭出血、乳頭陥凹の拡大など
    • 回旋斜位・・乳頭と黄斑を結ぶ線から回旋角度を測定

4 右視索の障害で起こるのはどれか。

1.右眼全盲
2.左同名半盲
3.右上1/4同名半盲
4.右眼水平半盲
5.両耳側半盲

正解・・2

右視索の障害では、両眼とも同じ左側の視野が欠けます。

視路と半盲

5 網膜の構造に関して、脈絡膜側から硝子体側への順序で正しいのはどれか。

1.外顆粒層→外網状層→視細胞層
2.外境界膜→神経線維層→視細胞層
3.色素上皮層→視細胞層→外境界膜
4.色素上皮層→内顆粒層→外網状層
5.神経線維層→色素上皮層→外顆粒層

正解・・3

脈絡膜側から、色素上皮層→視細胞層→外境界膜→外顆粒層と外網状層→内顆粒層と内網状層→神経節細胞層→神経線維層→内境界膜の10層です。

網膜色素上皮や視細胞は脈絡側神経節細胞や神経線維は硝子体側にあります。

網膜10層

脈絡膜と網膜色素上皮の間には Bruch’s ブルッフ膜があり、網膜への栄養供給や老廃物の排出を助ける働きがあります。

光信号は網膜側にある視細胞で受容すると、電気信号として硝子体側にある神経節細胞へと送られ、視神経を経て脳中枢へ送られます。

6 物体失認に該当する症状で正しいのはどれか。

1.眼球運動障害を認める。
2.有名人の顔が分からない。
3.出された食事が何か分からない。
4.物体の位置関係が理解できない。
5.文字や数字のみが認識できない。

正解・・3

物体失認(視覚性物体失認)は、見えている物体が何か分からない障害です。

  • 「有名人の顔が分からない」・・相貌失認そうぼうしつにんです。
  • 「物体の位置関係が理解できない」・・空間失認。
  • 「文字や数字のみが認識できない」・・純粋失読。
  • 「風景や場所の認識ができない」・・地誌的失認。
  • 「触っている物体が分からない」・・触覚性失認。

7 副作用として白内障を引き起こす薬剤はどれか。

1.抗菌薬
2.抗不安薬
3.ビタミンC
4.抗ヒスタミン薬
5.副腎皮質ステロイド薬

正解・・5

副腎皮質ステロイド薬は、投与経路に関わらず長期使用により後嚢下白内障を起こします。後嚢下は代謝が低く老廃物がたまりやすく異常増殖した細胞や不溶性タンパク質が集積しやすい場所です。

8 涙液層の安定性を評価する検査で正しいのはどれか。

1.綿糸法
2.Schirmer試験Ⅰ法
3.Schirmer試験Ⅱ法
4.涙液メニスカス測定
5.涙液層破壊時間〈BUT〉

正解・・5

綿糸法やシルマー試験、涙液メニスカス測定では涙の量、BUTでは涙の質を測ります。

涙液メニスカスは下眼瞼縁に形成される涙の細い帯状の溜まりのことで、高さTMHと容積TMVが涙液量の指標となります。

涙液層破壊時間(Tear Break-Up Time:BUT)は、10秒以上を正常、5秒以下で異常とし、フルオレセイン染色やローズベンガル染色にて瞬目後から涙液層が破壊するまでの時間を計測します。

9 健康寿命と平均寿命との関係で誤っているのはどれか。

1.我が国の健康寿命は、平均寿命と等しい。
2.健康寿命の算出には、日常生活動作が関与する。
3.健康寿命の延伸は、医療費抑制の観点で重要である。
4.健康寿命は、日常生活に制限のない期間の平均年数である。
5.平均寿命と健康寿命との差は、介護・医療が必要な年数の目安となる。

正解・・1

我が国の健康寿命は平均寿命よりも約10年ほど短く(厚生労働省2022年発表)、この差が不健康(要介護・要医療)な期間とされます。

  • 健康寿命・・男性 72.68歳/女性 75.38歳
  • 平均寿命・・男性 81.05歳/女性 87.09歳

10 アイフレイルに関与する疾患はどれか。2つ選べ。

1.白内障
2.緑内障
3.角膜潰瘍
4.重症筋無力症
5.網膜色素変性

正解・・1、2

早期発見・早期治療により進行を抑えられるアイフレイルの代表例は、緑内障、白内障です。どちらも加齢により発症しやすく、自覚しにくい初期症状があります。放置すると視力障害につながります。

11 Sagging eye syndromeで正しいのはどれか。

1.外斜視を呈する。
2.急性発症である。
3.若年者に発症する。
4.外方回旋斜視を呈する。
5.遠見より近見で複視が増強する。

正解・・4

加齢により外直筋プーリーが支持組織(LR-SRバンド)ごと下垂します。外転に制限がかかり、下転と外方回旋を生じます。遠見内斜視、外方回旋斜視、微小上下斜視などを呈します。

12 AC/A比の単位はどれか。

1.Δ/D
2.cd/m2
3.mmHg
4.cycles/degree
5.degree/second

正解・・1

ACは調節性輻輳[Δ](Accommodative Convergence)、Aは調節量[D](Accommodation)ですので、AC/Aの単位は[Δ/D]。

13 眼鏡レンズの特性に関して誤っているのはどれか。

1.Abbe数が大きいほど色収差は大きくなる。
2.屈折率が高いほどレンズの厚みを薄くできる。
3.屈折率が高いほどレンズの比重は増加する。
4.視感透過率が75%以上のレンズは夜間運転に適する。
5.累進屈折力レンズの周辺部では非点収差が発生する。

正解・・1

アッベ数が大きいほど色収差は小さくなります。

14 1.50Dの乱視を完全矯正する円柱レンズの軸を30°傾けたとき、残余乱視の度数[D]はどれか。

1.0.50
2.0.75
3.1.00
4.1.25
5.1.50

正解・・5

残余乱視は、Cres=2C|sinθ|C_{res}=2C|sinθ| となります。

θ=30°θ=30° の場合には、θ=30°=12θ=30°=\cfrac{1}{2} から、Cres=CC_{res}=C となり、残余乱視の円柱度数は元の乱視度数
Cと等しくなります。

例えば、C+1.50 Ax180°で完全矯正される遠視眼にC+1.50 Ax30°のレンズを眼前に挿入した場合の未補正度数はS−0.75 C+1.50 Ax150°となります。

15 -6.00Dのコンタクトレンズで完全矯正されているとき、眼鏡での完全矯正に変更する場合の球面度数[D]はどれか。ただし、頂点間距離は12mmとする。

1.-5.50
2.-6.00
3.-6.50
4.-7.00
5.-7.50

正解・・3

DDCL1+d×DCLD_{眼鏡}=\dfrac{D_{CL}}{1+d×D_{CL}} で求められます。

D=6.001+0.012×(6.00)6.466D_{眼鏡}=\dfrac{-6.00}{1+0.012×(-6.00)}≈-6.466

16 低照度下で増大するのはどれか。2つ選べ。

1.限界フリッカ値
2.光覚感度
3.コントラスト感度
4.赤色の視感効率
5.瞳孔径

正解・・2、5

低照度では、杆体細胞の働きにより光感覚度は増大します。また、交感神経優位となり散瞳します。

暗所視では、限界フリッカ値、コントラスト感度は低下します。また、赤色の視感効率は低下し、青緑の視感効率が増大します。

17 単眼鏡の構造(別冊No. 1)を別に示す。対物レンズの焦点距離は15cm、接眼レンズの焦点距離は5cmであった。この単眼鏡の倍率で正しいのはどれか。

1.2.0
2.2.5
3.3.0
4.3.5
5.4.0

正解・・3

上図は、凸レンズと凹レンズを使用するガリレオ式です。

対物レンズの焦点距離 ÷ 接眼レンズの焦点距離で求められる倍率は15/5=3.0倍。
作図しますと以下のようになります。

凸レンズと凹レンズの組み合わせによる倍率

18 薄暮時の交差点の写真(別冊No. 2)を別に示す。止まれの標識は暗く見え、一方、横断歩道の標識は明るく見えた。 この現象に関係するのはどれか。

1.Purkinje移動
2.Riddoch現象
3.Stiles-Crawford効果
4.色収差
5.色順応

正解・・1

  • Purkinje移動・・明所(錐体)と暗所(杆体)では感度ピークが異なる現象
  • Riddochリドック現象・・盲目で静止物は見えなくても動く物だけは意識的に見える現象
  • Stiles-Crawfordスタイルズ-クロフォード効果・・瞳孔の中心から入る光の方が明るく見える現象

19 近見反応に関係する用語の組合せで誤っているのはどれか。

1.固視ずれ ー Panumの融像感覚圏
2.調節安静位 ー empty field
3.調節ラグ ー 焦点深度
4.輻湊けいれん ー 遠視化
5.輻湊不全 ー 輻湊近点の延長

正解・・4

  • 固視ずれ・・両眼像がわずかにズレていても単一視できる状態で、Panumの融像感覚圏の範囲内で起こる
  • 調節安静位・・視標のない暗所や empty field で測定される
  • 調節ラグ・・必要な調節刺激に対してより少ない調節反応で近方視するために焦点が網膜後方にずれる現象で、焦点深度が大きいほどラグや許容されやすい
  • 輻輳けいれん・・過剰輻輳で過剰調節による近視化
  • 輻輳不全・・輻輳近点(NPC)が遠くなる

20 下斜筋の上転作用が最大となる水平の眼位はどれか。

1.39°外転位
2.23°外転位
3.23°内転位
4.51°内転位
5.67°内転位

正解・・4

外眼筋の付着位置からベクトルで考えます。

外眼筋の走行と作用方向
  • 51°内転位・・上転が下斜筋最大、下転が上斜筋最大
  • 23°外転位・・上転が上直筋最大、下転が下直筋最大

21 我が国の視能訓練士で正しいのはどれか。2つ選べ。

1.業務独占である。
2.免許は更新制である。
3.リハビリテーション従事者である。
4.外国での免許取得者は国家試験が免除される。
5.保健師助産師看護師法にかかわらず、診療の補助行為ができる。

正解・・3、5

名称独占、終身免許、視機能の回復訓練(弱視訓練・斜視訓練・ロービジョン訓練)を行うためのリハビリテーション専門職に視能訓練士法にて分類、外国免許保持者の免除制度なし、医師の指示のもとで診療の補助行為が可能(看護師法の制限を受けない)。

22 ETDRSチャートで測定しているのはどれか。

1.副尺視力
2.最小可読閾
3.最小視認閾
4.明度識別閾
5.コントラスト閾値

正解・・2

単一の文字や記号でも可読であれば、視認閾ではなく可読閾。

23 検影法で眼底からの反帰光が暗いときに考えられるのはどれか。

1.正 視
2.偽近視
3.斜乱視
4.強度遠視
5.網膜芽細胞腫

正解・・4

反射光が収束した位置が一番明るく見えます。

検影法の反帰光の明るさ
検影法の反帰光:遠視眼と近視眼

24 Humphrey視野計検査で正しいのはどれか。

1.閾値が低いほど感度が低い。
2.dBが大きいほど輝度が高い。
3.対座法と測定原理が同じである。
4.標準視標の面積は4mm2である。
5.10-2プログラムの測定範囲は中心から半径5°以内である。

正解・・4

閾値(見えるために必要な光の強さ)が低く、bBが大きい(輝度が低い)ほど感度は高い。対座法は動的で、ハンフリーは静的で測定原理は異なる。10-2は半径 10°以内を2°間隔で測定します。

25 先天色覚異常の確定診断に用いるのはどれか。

1.パネルD-15
2.石原色覚検査表
3.ランタンテスト
4.アノマロスコープ
5.SPP-2〈標準色覚検査表第2部〉

正解・・4

アノマロスコープでは、の判定基準は「混色域(MR:Matching Range)」と「輝度調整域(BR:Brightness Range)」の2つの幅を測定し、それがどの領域に入るかで色覚タイプを分類するものです。

アノマロスコープの判定基準(Rayleighレイリー混色)

26 右眼に緑色レンズを装用し、内斜視患者にWorth4灯試験を行った結果(別冊No. 3)を別に示す。 考えられるのはどれか。

1.正常対応
2.対応欠如
3.二重対応
4.一眼の抑制
5.調和性異常対応

正解・・1

左眼に赤色レンズ、右眼に緑色レンズを装用した場合、左眼は2つの、右眼は3つのが見えます。内斜視では赤●は左側、緑●は右側にずれて見えます。

Worth4灯

27 瞼裂幅に異常がみられるのはどれか。

1.Adie症候群
2.Horner症候群
3.Marfan症候群
4.Sjögren症候群
5.Usher症候群

正解・・2

瞼裂幅に異常がみられるのはどれか。

  • Adieアディ症候群・・瞳孔異常(散瞳、対光反射低下)
  • Hornerホルネル症候群・・瞼裂幅異常(下眼瞼挙上により瞼裂狭小)、眼瞼下垂、縮瞳
  • Marfanマルファン症候群・・眼球の構造異常(水晶体亜脱臼)
  • Sjögrenシェーグレン症候群・・涙液異常(涙液減少)
  • Usherアッシャー症候群・・網膜異常(網膜色素変性)、聴覚異常(感音性難聴)

28 身体表現性障害〈心因性視能障害〉の患者に対して、シクロペントラート塩酸塩を点眼する前に実施すべき検査はどれか。2つ選べ。

1.調節検査
2.瞳孔検査
3.ERG検査
4.OCT検査
5.倒像鏡検査

正解・・1、2

シクロペントラート塩酸塩は、散瞳や調節麻痺の作用があります。

29 POMRの1文字目のPが意味するのはどれか。

1.Plan
2.Patient
3.Problem
4.Prognosis
5.Past history

正解・・3

POMR = Problem Oriented Medical Record(問題志向型診療録)

PORMは、Problem(問題)を中心に構造化し、SOAP(Subjective主観的 / Objective客観的 / Assessment 評価・診断/ Plan計画)方式で経過記録をします。

30 検査機器(別冊No. 4)を別に示す。検者の視度調節が必要でないのはどれか。

1.A
2.B
3.C
4.D
5.E

正解・・4

視度調節が必要ないのは、Dの大型弱視鏡(シノプトフォア)です。

A・・スリットランプ(細隙灯顕微鏡)
B・・無散瞳型デジタル眼底カメラ
C・・レンズメーター
E・・ゴールドマン視野計

31 ±1.00Dのクロスシリンダを測定眼に装用した状態(別冊No. 5)を別に示す。 矯正効果として正しいのはどれか。

1.cyl+1.00D90°()cyl-1.00D180°
2.cyl+1.00D180°()cyl-1.00D90°
3.cyl+1.00D90°()cyl-2.00D180°
4.cyl+1.00D180°()cyl-2.00D90°
5.cyl+2.00D90°()cyl-1.00D180°

正解・・1

C−1.00 Ax180°と C+1.00 Ax90° の円柱レンズを重ね合わせた構造をしています。

クロスシリンダーの度数

32 オキシブプロカイン塩酸塩の作用はどれか。

1.散瞳する。
2.眼圧が下がる。
3.抗炎症作用がある。
4.角膜知覚が低下する。
5.涙液分泌が増加する。

正解・・4

オキシブプロカイン塩酸塩は眼科用表面麻酔剤であり、効能・効果は眼科領域における表面麻酔。表面麻酔作用により角膜知覚を低下させます。

33 大型弱視鏡で一眼を遮閉した状態で検査するのはどれか。

1.κ 角
2.立体視
3.網膜対応
4.運動性融像
5.感覚性融像

正解・・1

κ 角は角膜反射と視軸のずれを片眼で測定でき両眼視不要。融像(両眼の像を1つにまとめる)、立体視(両眼視差から奥行きを知覚する)、網膜対応(両眼の中心窩が対応)は片眼遮蔽では成立しません。

34 左への頭部傾斜によって起こる生理的な眼球の回旋運動はどれか。

1.両眼の外方回旋
2.両眼の内方回旋
3.右眼外方回旋、左眼内方回旋
4.右眼内方回旋、左眼外方回旋
5.右眼変化なし、左眼内方回旋

正解・・3

頭部を左へ傾けると、視野の水平性を保つために眼球を逆方向へ回旋させます(代償性回旋)。

35 動脈瘤による動眼神経麻痺を示唆する所見はどれか。

1.aphakia
2.ametropia
3.anisocoria
4.aniseikonia
5.anisometropia

正解・・3

動脈瘤による動眼神経麻痺を最も強く示唆する臨床所見は瞳孔不同です。動脈瘤により動眼神経が外側から圧迫され、副交感線維が障害されて瞳孔が散大します。

aphakiaアフェイキア(無水晶体)・・a(ない)+phakia(水晶体)
ametropiaアメトロピア(屈折異常)・・a(正常でない)+metropia(屈折)
anisocoriaアニソコリア(瞳孔不同)・・aniso(不均等)+coria(瞳孔)
aniseikoniaアニセイコニア(不同視)・・aniso(不均等)+eikonia(像)
anisometropiaアニソメトロピア(不同屈折)・・aniso(不均等)+metropia(屈折)

36 機能弱視の評価に用いるのはどれか。

1.深視力
2.矯正視力
3.実用視力
4.動体視力
5.裸眼視力

正解・・2

機能弱視は、適切な屈折矯正をしても視力が出ない状態ですので、評価は矯正視力で行います。

37 杖を使用している左片麻痺のある患者が眼科検査室へ向かう際に、誘導で適切なのはどれか。

1.後方から声をかけて誘導する。
2.杖は危険なので入口で預かる。
3.右側に立ち、体を支えながら誘導する。
4.安全のため、ストレッチャーを使用する。
5.誘導者のペースに合わせた歩行速度にする。

正解・・(3)

後方は死角で危険で転倒時に支えられません。杖は歩行補助具で取り上げると転倒リスクが急増します。麻痺側の補助として杖は左、健眼である右側に誘導者が立つのが原則。歩行可能な患者にストレッチャーは必要以上な介助になり不適切。誘導者ではなく患者のペースに合わせて歩行する。

38 1m離れたところで光が1cmずれたときの角度[Δ]はどれか。

1.1
2.2
3.3
4.4
5.5

正解・・1

プリズム度[Δ]は、Δ=1cm/1m1Δ=1cm/1m
因みに、角度[°]は、θ=tan1(Δ100)θ=tan^{-1}\left(\dfrac{Δ}{100}\right)θ0.5729°×Δθ≈0.5729°×Δ

39 ERGの結果(別冊No. 6)を別に示す。 正しいのはどれか。2つ選べ。

1.杆体応答の消失
2.錐体応答のa波の消失
3.フリッカ応答の振幅の消失
4.最大応答の律動様小波の減弱
5.最大応答のb波の振幅の増加

正解・・1、4

杆体応答ではa波とb波ともに平坦で消失。最大応答ではOP波の減弱、陰性型でa波>b波。錐体応答ではa波は低下していますが消失ではなく、フリッカ応答も消失していません。

40 2.00Dの近視で、裸眼での近点が眼前50cmであるときの調節力[D]はどれか。

1.0
2.1
3.2
4.3
5.4

正解・・1

2.00Dの近視の近点は1/2.00=0.5[m]=50[cm]、調節0で近点が眼前50cm。

41 限界フリッカ値に影響しないのはどれか。

1.加 齢
2.縮 瞳
3.疲 労
4.軽度近視
5.過熟白内障

正解・・4

軽度近視はCFFに影響しません。

加齢により錐体の時間応答が遅くなりCFF低下。縮瞳で網膜照度が低下するためCFF低下。疲労で中枢の処理速度が低下するためCFF低下。過熟白内障では網膜照度が著しく低下するためCFFも大きく低下。

42 偽斜視の原因はどれか。2つ選べ。

1.眼瞼下垂
2.眼瞼けいれん
3.眼瞼内反
4.牽引乳頭
5.睫毛乱生

正解・・1、4

眼瞼下垂は黒目の位置が上方、または内側や外側に寄って見え、眼位がずれているような目の錯覚がおこります。牽引乳頭は視軸と見かけの視線がずれるγ\gamma 角異常で偽斜視の原因となります。

43 斜視弱視で正しいのはどれか。2つ選べ。

1.固視異常がある。
2.両眼性弱視である。
3.屈折異常が原因で発症する。
4.弱視眼に読み分け困難がある。
5.調節に伴い時々内斜視になる。

正解・・1、4

斜視弱視は片眼弱視が基本で、両眼性弱視は形態覚遮断弱視や強度屈折異常弱視など。屈折異常が原因となるのは屈折異常弱視(不同視弱視)であり、斜視による抑制や両眼視破綻が原因となる斜視弱視とは別。

44 羞明を伴うのはどれか。

1.L錐体1色覚
2.M錐体1色覚
3.1型2色覚
4.2型3色覚
5.杆体1色覚

正解・・5

杆体1色覚(全色盲)の特徴は、錐体が機能しないため明所視ができなく、明所では杆体が飽和し強い羞明を訴え、低視力、眼振、強い眩しさの回避行動が典型的です。

L錐体1色覚やM錐体1色覚は錐体の一部は機能しているため羞明は軽度~中程度で必発ではなく、杆体単色覚ほど強い羞明は起こりません。

45 視野の暗点が虚性なのはどれか。

1.緑内障
2.網膜剝離
3.加齢黄斑変性
4.網膜色素変性
5.網膜静脈分枝閉塞

正解・・1

初期緑内障は、視野の暗点が虚性(患者が自覚しないが視野検査により見出される視野欠損)です。周辺視野の欠損は両眼で補完されるため自覚しにくく、再現性が低く、非典型・不一致。

他の選択肢は暗点が実性であり、患者自身が「見えない」「欠ける」「歪む」などを自覚します。中心暗点や求心性視野狭窄などは自覚しやすく、再現性が高く、解剖学的に説明可能。

46 外分泌腺が関連するのはどれか。

1.霰粒腫
2.甲状腺眼症
3.両耳側半盲
4.糖尿病網膜症
5.ステロイド緑内障

正解・・1

霰粒腫はマイボーム腺(眼瞼の外分泌線)の慢性肉芽腫性炎症です。マイボーム腺は脂質を導管を通じて眼表面へ分泌する外分泌線であり、霰粒腫はその閉塞が原因です。

47 甲状腺眼症で障害されやすいのはどれか。

1.外直筋
2.下直筋
3.上斜筋
4.上直筋
5.内直筋

正解・・2

甲状腺眼症(TED)は、眼窩内の外眼筋に自己免疫性の炎症、浮腫、線維化が起こる疾患です。眼窩底に広く接している下直筋が炎症性浮腫の影響を最も受けやすく、頻度順に下直筋、内直筋、上直筋、外直筋。

48 兎眼の原因はどれか。2つ選べ。

1.睫毛内反
2.甲状腺眼症
3.顔面神経麻痺
4.Sjögren症候群
5.サルコイドーシス

正解・・2、3

兎眼とがんとは眼裂の閉鎖不全で、高度の場合には角膜が露出し障害されます。原因は、眼輪筋麻痺(顔面神経麻痺)や眼瞼欠損、眼球突出など。

睫毛内反は角膜刺激は起こしますが、閉瞼は可能。Sjögren症候群は涙液減少により乾燥性角膜炎が起こりますが、閉瞼は可能。サイコイドーシスはぶどう膜炎・涙腺腫大など。

49 麦粒腫で正しいのはどれか。

1.伝染する。
2.慢性肉芽性炎症である。
3.無痛性の硬結を生じる。
4.涙管ブジーが有効である。
5.黄色ブドウ球菌が原因となる。

正解・・5

麦粒腫は、Zeis腺・Moll腺・マイボーム腺の急性化膿性炎症であり、黄色ブドウ球菌が典型的原因菌。

慢性肉芽性炎症、無痛性の硬結を生じるのは霰粒腫。

50 強度近視の合併症はどれか。

1.虹彩炎
2.上斜視
3.翼状片
4.黄斑変性
5.蚕食性角膜潰瘍

正解・・4

強度近視(軸長延長)は後極部の組織伸展、脈絡膜・網膜の菲薄化を引き起こします。黄斑部の変性が強度近視の代表的合併症。

51 治療に抗VEGF薬を使用するのはどれか。2つ選べ。

1.黄斑円孔
2.加齢黄斑変性
3.網膜色素変性
4.糖尿病黄斑浮腫
5.網膜中心動脈閉塞

正解・・2、4

抗VEGF薬とは、VEGF(血管内皮増殖因子)を抑制し、異常血管・血管透過性亢進を抑える薬です。

加齢黄斑変性(AMD)では、網膜色素上皮(RPE)・ブルッフ膜の障害により、低酸素となりVEGFが上昇し脈絡膜新生血管(CNV)が形成されるという因果ループが病態の中心。

糖尿病黄斑浮腫では、高血糖により網膜血管が障害され、低酸素となりVEGFが上昇し血管透過性亢進 し漏出、黄斑浮腫という因果ループが病態の中心。

52 原発閉塞隅角緑内障で正しいのはどれか。

1.男性に多い。
2.若年者に多い。
3.トロピカミド点眼は眼圧上昇の契機となる。
4.我が国の緑内障で最も頻度が高い病型である。
5.プロスタグランジン関連薬の点眼治療が第1選択である。

正解・・3

トロピカミド点眼は散瞳による隅角閉塞が急性発作の誘因となります。

原発閉塞隅角緑内障(PACG)は、女性と高齢者に多くみられます。日本で最も頻度が高い緑内障は、正常眼圧緑内障(NTG)です。急性発作の第1選択はレーザー虹彩切開でPG関連薬の点眼は補助治療。

53 硝子体出血をきたすのはどれか。

1.黄斑円孔
2.黄斑上膜
3.糖尿病網膜症
4.網膜色素変性
5.中心性漿液性脈絡網膜症

正解・・3

硝子体出血は、網膜表面に形成される新生血管(脆弱な増殖血管)の破綻により起こります。

糖尿病網膜症は、網膜虚血によりVEGFが上昇し脆弱で破れやすい増殖血管が形成されます。

54 交差固視を示すのはどれか。2つ選べ。

1.乳児内斜視
2.間欠性外斜視
3.交代性上斜位
4.眼振阻止症候群
5.先天上斜筋麻痺

正解・・1、4

交差固視は、左右の視線入れ替え現象です。原因は、内斜視と外転制限です。

乳児内斜視では、左方を見るときは右眼で固視、右方では左眼で固視するという典型的な交差固視を示します。眼振阻止症候群では、眼振を止めるために内転側で固視します。

55 潜伏眼振で誤っているのはどれか。

1.交代性上斜位を伴う。
2.緩徐相は速度増加型である。
3.振幅は外転時に大きくなる。
4.眼振は両眼開放下で消失する。
5.眼振の方向は開放眼向きである。

正解・・2

潜伏眼振の緩徐かんじょ相は「速度減衰型」が典型です。

潜伏眼振の発生機序の因果モデルとしては、先天性の眼振抑制機構(融像依存)を持つため両眼開放では融像が成立し眼振が抑制されます(潜伏する)。片眼遮蔽では融像が破綻し開放眼向きの衝動性眼振が出現します。緩徐相は神経積分器の不完全性により速度減衰型となります。外転眼で振幅増大(Alexander様)し、融像障害の背景からDVD(交代性上斜位)を合併しやすい。

56 麻痺性斜視に対する衝動性眼球運動訓練で正しいのはどれか。2つ選べ。

1.閉瞼下で行う。
2.遅筋線維に作用する。
3.麻痺筋の筋力回復を促す。
4.長時間の実施で効果が高い。
5.麻痺筋の拮抗筋の拘縮を予防する。

正解・・3、5

麻痺性斜視では麻痺筋が弱く、拮抗筋が過収縮しやすい(二次拘縮)という問題があります。衝動性眼球運動は速筋線維主体の運動です。遅筋線維は滑動性眼球運動(パシュート)や固視保持などで使います。

57 不同視弱視に対する視能訓練で正しいのはどれか。

1.遮閉訓練は裸眼で行う。
2.完全屈折矯正ののち健眼遮閉を行う。
3.遮閉時間が長いほど訓練効果が高い。
4.アドヒアランスが低いほうが訓練効果は高い。
5.健眼遮閉は絆創膏型遮閉具よりアトロピン硫酸塩点眼の方が高い効果をもつ。

正解・・2

不同視弱視の訓練は、完全屈折矯正し健眼を遮蔽して行います。

アドヒアランス(adherence)とは、「患者が治療方針をどれだけ守って継続できているか」を示す概念。

58 徐々に発症した幼児期の内斜視で遠視の屈折矯正により斜視角が10Δ以上改善したとき正しいのはどれか。

1.AC/A比が高い。
2.輻湊過多型である。
3.感覚性内斜視である。
4.調節性内斜視である。
5.二重焦点眼鏡の適応である。

正解・・4

調節性内斜視の診断基準は「完全屈折矯正により10Δ以上の斜視角が改善すること」が重要で、遠視・調節量・AC/A比・遠見と近見の差などを総合して診断します。AC/A比が正常でも起こり、高AC/A比では近見で強い内斜視となるため二重焦点眼鏡の適応となります。

59 重症筋無力症の検査所見で誤っているのはどれか。

1.牽引試験は陰性である。
2.アイステストで眼瞼下垂の改善がみられる。
3.骨格筋の生検でragged red fiberがみられる。
4.外眼筋の筋電図検査でwaning現象がみられる。
5.テンシロン試験で一過性に眼球運動障害の改善がみられる。

正解・・3

ragged red fiber(RRF)とは、ミトコンドリア病に特徴的な筋線維の赤くぼさぼさした異常集積像のことです。筋生検を特殊染色(Gomori trichrome)で観察したときに現れる典型的所見です。

ragged red fiber(RRF)とは、筋生検を特殊染色(Gomori trichrome)で観察したときに現れる筋線維の赤くぼさぼさした異常集積の像です。ミトコンドリア病の特徴で、重傷筋無力症(MG)は筋線維そのものの構造異常は起こらないためRRFは出現しません。

60 先天眼振で正しいのはどれか。

1.非共同性である。
2.明室で抑制される。
3.水平眼振に垂直眼振を伴う。
4.急速相の方向を向くと振幅が大きくなる。
5.律動眼振で緩徐相と急速相の速度は一定である。

正解・・4

先天眼振は、共同性、常時存在するため明室でも抑制されない、水平眼振のみ、非律動性が典型で緩徐相は速度減衰型。

61 ロービジョンケアで必要でないのはどれか。

1.拡大鏡
2.単眼鏡
3.暗所視支援眼鏡
4.盲人安全つえ〈白杖〉
5.Neutral densityフィルタ

正解・・5

Neutral densityフィルタ(NDフィルタ)は遮光眼鏡とは異なり、全波長を均等減光(neutral)で光量を減らすものです。遮光眼鏡は光量ではなく特定波長を選択的に遮断しコントロールします。

62 長眼軸長が原因となるのはどれか。

1.間欠性外斜視
2.調節性内斜視
3.動眼神経麻痺
4.後天固定内斜視
5.眼窩先端部症候群

正解・・4

長眼軸長(強度近視)により外眼筋の走行が変位し(上直筋SRと外直筋LRの間隙が広がり)、眼球が内下方へ偏位(SRが内側へ偏位し上転障害、LRが下方へ偏位し内斜視)することで「後天固定内斜視」となります。

63 プリズム療法の目的でないのはどれか。

1.眼振の軽減
2.複視の中和
3.両眼視機能の獲得
4.筋性眼精疲労の軽減
5.恒常性外斜視の整容的改善

正解・・5

プリズムにより眼位を治し整容改善をすることはできません。

64 側方視で眼球後退がみられるのはどれか。

1.外転神経麻痺
2.滑車神経麻痺
3.重症筋無力症
4.Duane症候群
5.Brown症候群

正解・・4

Duane症候群は、眼球運動異常と眼球後退を特徴とする先天性斜視性疾患です。特に、内転時の眼球後退と眼裂狭小化が重要な所見となります。

65 先天内斜視で正しいのはどれか。

1.外転ができない。
2.弱視は合併しない。
3.片目つぶりがみられる。
4.両眼視機能は良好である。
5.生後6か月以内の発症である。

正解・・5

生後6か月以内の発症であることは、先天内斜視の定義に含まれます。

66 65歳の男性。2日前より複視を自覚するようになり来院した。糖尿病の既往がある。前眼部、中間透光体および眼底には異常を認めない。Hess赤緑試験の結果(別冊No. 7)を別に示す。 誤っているのはどれか。

1.複視は右方視で増強する。
2.第1眼位で内斜視を認める。
3.右眼の内直筋に過動がみられる。
4.左眼の所見は第1偏位を表している。
5.右眼の測定時に赤ガラスは左眼に挿入する。

正解・・1

左方視で複視が増強します。

67 65歳の女性。裸眼の遠方視で掲示板の文字がぶれて見える。視力は、0.7(1.2×+0.75D()cyl-2.00D90°)であった。乱視の焦線と網膜の関係の図(別冊No. 8)を別に示す。 裸眼での前焦線、後焦線および最小錯乱円の状態はどれか。ただし、調節力はないものとする。

1.A
2.B
3.C
4.D
5.E

正解・・2

等価球面度数がマイナスであることから最小錯乱円が網膜前方にくる、混合乱視は選択肢B。

68 18歳の女子。乱視用コンタクトレンズの処方を希望し、来院した。オートケラトメータで強主経線の曲率半径は8.0mm、弱主経線の曲率半径は8.4mmであった。 角膜乱視度数[D]はどれか。ただし、角膜の換算屈折率は1.3375とする。

1.1.0
2.2.0
3.3.0
4.4.0
5.5.0

正解・・2

角膜屈折力は、F=n1rF=\cfrac{n-1}{r} で求めます。n=1.3375n=1.3375 から

F=0.33750.0080=42.1875[D]F_{強}=\cfrac{0.3375}{0.0080}=42.1875 [D]F=0.33750.008440.1786[D]F_{弱}=\cfrac{0.3375}{0.0084}≈40.1786 [D] となりますので、

ΔF=42.1875-40.1786≈2.01[D]

69 60歳の男性。急激な視力低下を主訴に自宅近くの眼科を昨日受診し、左眼網膜剝離を指摘された。紹介状に添付された左眼OCT検査の結果(別冊No. 9)を別に示す。 本日の視力検査方法で適切なのはどれか。

1.散瞳下で測定する。
2.近見視力から測定する。
3.両眼開放視力から測定する。
4.ピンホールを入れて測定する。
5.単一視標を動かしながら測定する。

正解・・5

黄斑剥離などで中心固視ができない場合には、単一指標を動かしながら視力の測定をします。

70 50歳の女性。外斜視に対する斜視手術を希望して来院した。視力は右1.0(矯正不能)、左手動弁(矯正不能)である。 この患者に行う眼位検査はどれか。2つ選べ。

1.Krimsky試験
2.Hirschberg試験
3.Single prism cover test
4.Alternate prism cover test
5.Simultaneous prism cover test

正解・・1、2

片眼が手動弁でカバーテストが行えないため、角膜反射で測定するヒルシュベルグ法とクリムスキー法を行います。

71 40歳の女性。霧視を主訴に来院した。視力は右1.2(矯正不能)、左1.2(矯正不能)で眼圧は両眼ともに正常範囲内であった。両眼の眼底写真(別冊No. 10A)およびOCTのCスキャン画像(別冊No. 10B)を別に示す。 考えられる疾患はどれか。

1.緑内障
2.下垂体腺腫
3.網膜色素変性
4.網膜静脈閉塞
5.虚血性視神経症

正解・・2

両眼の視神経乳頭周囲に、上下方向の神経線維層欠損(NFL thinning)が帯状に存在している視交叉圧迫の典型パターンを示しています。これは 両耳側視野欠損を示唆する視神経萎縮パターンで、視交叉圧迫=下垂体腺腫の典型所見です。

72 46歳の男性。左眼の充血、異物感および黒目に白い部分が目立つようになってきたため来院した。左視力は(1.5×+0.50D()cyl-2.50D30°)。前眼部写真(別冊No. 11A)、前眼部OCTの角膜トポグラフィ(別冊No. 11B)および断層像(別冊No. 11C)の結果を別に示す。 この患者でみられるのはどれか。

1.浅前房
2.下方角膜の突出
3.鼻側角膜の肥厚
4.倒乱視のパターン
5.角膜トポグラフィの鼻側の平坦化

正解・・5

翼状片では侵入方向である鼻側が平坦化します。

73 40歳の男性。転倒した際に右顔面を強打し、その後右眼が見えにくくなってきたと訴えて来院した。右眉毛外側に皮下出血と挫滅創を認める。視力は右光覚弁(矯正不能)、左視力1.2(矯正不能)であった。右眼に相対的瞳孔求心路障害を認める。 まず行うべき検査はどれか。

1.頭部CT
2.網膜電図
3.角膜知覚検査
4.Hess赤緑試験
5.動的量的視野検査

正解・・1

外傷、RAPD(相対的求心路障害)、光覚弁であることから、眼窩骨折や視神経損傷などの有無を確認するために「頭部CT」の検査を行います。

74 13歳の男子。2週前から左眼が見えづらくなり眼科を受診した。左視力0.06(1.0×+12.50D()cyl-1.00D175°)。眼底に異常を認めない。左細隙灯顕微鏡写真(別冊No. 12)を別に示す。小学校の健診で心電図の異常を指摘され経過観察中である。母、姉および母方の祖父に同疾患がみられる。 考えられる疾患はどれか。

1.Kearns-Sayre症候群
2.Marfan症候群
3.Sturge-Weber症候群
4.von Recklinghausen病
5.Wilson病

正解・・2

水晶体亜脱臼では強い遠視化や不正乱視が生じます。Marfanマルファン症候群は常染色体優先遺伝で3世代にわたる家族歴は典型です。

75 2歳3か月の男児。生後6か月ころからの眼位異常を主訴に来院した。初診時、左への頭部傾斜があり、頭位を正すと左眼固視で右眼の外上転がみられた。両眼とも中心固視良好で、前眼部、中間透光体および眼底には異常はなかった。経過観察後、頭部傾斜の改善目的で4歳11か月時に手術を予定した。術前検査時の9方向むき眼位(別冊No. 13A)と頭部傾斜試験の写真(別冊No. 13B)を別に示す。 この患児に対する術式として適切でないのはどれか。


1.右原田-伊藤法
2.右外直筋後転術
3.右下斜筋減弱術
4.右上直筋後転術
5.左下直筋後転術

正解・・1

右下斜筋の過動(OA)です。

原田‐伊藤法は 上斜筋麻痺に対する術式であり、下斜筋過動では適応外。

右外直筋後転術では過上転を減弱できる。右上直筋後転術では過上転の補助的減弱として適切。左下直筋後転術では健眼の下直筋後転により代償頭位の改善、上下斜視のバランス調整として今回は適応。

コメント メールアドレスが公開されることはありません。*が付いている欄は必須項目です。