フレーム枠の視野によるサイズお勧め

一般消費者、眼鏡作製技能士を志す方に向けて

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枠が小さいと、それが視界に入り気になる方は多いのではないでしょうか。

また、玉型サイズは大きければ大きいほど、視野が広くて良いと思っている方も多いのではないでしょうか。

実際には、枠が大きいほどに、周辺部が歪んで見えたり、レンズが厚くなり重くなることもあります。

そうした理由から、枠の大きさは、適度に小さい方がお勧めとはなりますが、小さい枠でも『最低限必要な大きさ』はある筈です。

『その大きさはどの位なのか』という事を『視野』を中心に考えてみたいと思います。

大きい枠は小顔効果があり、小さい枠は眼の大きさの変化が気になりづらいという事などもありますが、今回は『視野』についてのみ考えていきます

視野の復習

眼を動かさないで見ることが出来る範囲を『視野 visual field』といいます。

中心視野は、固視点から20°~30°までの範囲をいいます。

錐体細胞は視角10°以内に多くあり、視角20°~30°は桿体細胞のピーク部分で周辺につれて減少するという事を思い出してもらえると良いです。

そして、静視野は色によっても異なります。

色視野は、『青や赤、黄、緑などの色』が正確に判別できる範囲をいいます。視標が見える範囲ではありません

『白色』での正常視野は、外方100°、内方と上方は60°、下方は70°です。

『緑色』が一番視野が狭く、外方70°、内方と上方は30°、下方は40°となります。

視野による玉形サイズ

中心視野の20°~30°位は最低限必要です。

眼鏡レンズに相当する30°の範囲を、装用距離を12mmとして計算しますと、12×tan30°=6.928‥[mm] となります。(そり角や傾斜角などは考慮しないものとする)

眼鏡レンズの直径1.39cmの範囲が中心視野となります。

角膜直径が約1.0cmですので、それよりも少し大きい範囲が中心視野で必要最低限となります。

緑色の周辺視野で、同様に装用距離を12mmで計算しますと、12×tan30°≒6.9[mm]、12×tan40°≒10.1[mm]、12×tan70°≒33.0[mm] となりますので、以下の図のようになります。

右眼の緑色視野、レンズ範囲

白色の周辺視野では、12×tan60°≒20.8[mm]、12×tan70°≒33.0[mm]、12×tan100°≒−68.1[mm]となりますので、以下のようになります。

静視野のレンズ範囲

上記の事をまとめますと、PDが60mmの場合にはボクシングシステムで『18▢51_(テンプル長)』の大きさがあれば十分といえます。

第一眼位での場合ですが、上図の大きさとなります。

天地幅が54mmだと、少し大きめの『ボストンシェイプ』ですね。

美観的にも、黒目の位置が『20:30』位になっていて良いですね。

黄金分割比・・『1:1.618』
白銀比・・『1:1.414』

FPD=PDの方が、黒目が中心にくるので美観的に良い』とする方もいらっしゃいますが、私は『PD≦FPD』を支持します

フレーム選びの参考にして頂けたらと思います。

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