高齢者の測定と加齢による変化

一般消費者、眼鏡作製技能士を志す方に向けて

Last Updated on 3年 by 管理者

最近、高齢者の測定をすることも多くなってきました。

高齢の方は、加齢により、眼構造に変化が起こります。反応速度も遅くなれば、高音領域から聴こえづらくもなります。

但し、高齢者だからとはいえ、全ての方が等しく衰えている訳ではありません。

『大きい声』で、『ゆっくり』と、『丁寧』に『わかりやすく』話すのは良いのですが、

いかにも高齢者扱いをした、必要以上に度を越した過度な対応は、逆に、『相手に失礼』だと考えます。

要するに『自己満足』とも成り得ます。

接客中に、相手の知識レベルなどを瞬時に察知し、『相手に合わせる』という事が大切です。

相手側もプライドがありますし、やりながら考えていく事が重要と考えます。

老視の方の測定では、調節力の介入はあまり考えなくて良いですが、瞳孔径の縮小による球面度数の付加による視力向上の変化が少ない事や、度数を変える事による、中心窩で見る為の眼球回旋量の変化などに対する適応力の減少、明視域の縮小などの基礎知識が必要となります。

以下に、加齢による変化を大まかにまとめてみます。ご参考にしてみて下さい。

主な眼構造の変化

  • 水晶体の変化
    • 弾性消失・・老視
    • レンズ厚の増大・・前房が浅くなる為、閉塞隅角緑内障の発生頻度が増す
    • 混濁・・老人性白内障
  • 隅角の変化
    • 房水流出抵抗の高まり・・閉塞隅角緑内障の頻度が増す
  • 硝子体の変化
    • 液化・・網膜を引っ張る事で、網膜剥離
  • 血管変化
    • 硬化・・動脈硬化による眼底変化
      • 網膜細動脈の狭細、反射亢進、網膜細静脈交叉現象
  • 網膜脈絡膜の変化
    • 全体の厚みが薄くなる
    • 黄斑領域でのBruch膜の肥厚
    • 網膜色素上皮は、円形(楕円形)の均一構造から不整形の大小不揃い
    • 視細胞の桿体外節の変形

視機能変化

  • 視力・・物理的要因、光学的要因、眼生理的要因、網膜より中枢への機能低下、眼疾患
    • 視標の種類、コントラスト、照明状態、視標を見る長さ、測定距離により変動
    • 測定前の網膜適応状態、測定時に使用される網膜部位、瞳孔径
    • 縮瞳による焦点深度の深さと、透光体混濁による網膜照度低下や回析像の増大などによる総合的な視力低下
  • 視野・・網膜感度の低下、視野形状の変化
  • 立体視・・老視と、深径覚または奥行知覚の変化
  • グレアー・・解像力の低下によるDazzlingグレアー、明るさの対比の低下によるVeilingグレアー、網膜感度の低下によるScotomaticグレアー
  • 屈折状態
    • 調節力
    • 屈折異常・・球面度数、乱視度数
      • 軽度の遠視化・・水晶体の硬化によるものが大きい
      • 角膜屈折力の減少、眼軸長の短縮、水晶体の後退、透光体の屈折率変化
      • 一般的には、倒乱視化する
  • 両眼視・・外斜位方向への変化、実性融像性輻輳(PFC)の低下

眼生理

  • 涙の分泌量・・低下により、乾燥眼(Dry eyes)などの不快感
  • 眼圧・・欧米では上昇、本邦では低下という報告

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